司馬遼太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1990年に上梓されたエッセイ本。しかし、充分に読み応えがあります。どの章も重みがあり今を生きる私たちの標になります。
歴史的知識だけではその時代を理解できません。誰がいつどこでどうしたのか。何故そうなったのか…史実の背景を読み解く必要がありますが、これを読み教科書的のみで浅かった知識が広がり深まりました。
歴史小説を何冊も書いてきた司馬さんですが、それも明治時代まで。
あの昭和初期から敗戦に至るまでの日本史に猛烈に怒っています。
…ながい日本史の中でも特に非連続の時代、ーあんな時代は日本ではないーと理不尽なことを灰皿でも叩きつけるようにして叫びたい衝動が私にはある。…日本史のいかなる時代とも -
Posted by ブクログ
司馬遼太郎による坂本竜馬を主人公とした小説。
文庫版で八巻にもおよぶ超大作。
司馬遼太郎の小説は初めて手に取ったが、引き込まれる内容だった。彼の膨大な取材量に裏付けられた緻密な描写もさることながら、ここまで長い小説であるにも関わらずほとんど中弛みがなかった。
本作は竜馬が故郷の土佐(高知)から武者修行のために江戸に発った1853年から、大政奉還直後に近江屋で暗殺される1867年までの期間を描いている。
個人的には、大学受験で日本史を得意としていただけに本作における時代背景や大まかな出来事、流れは頭に入っていた。
しかし、たった十数年の間にこれほど濃密で熱い男たちの闘いがあったことは全く知 -
Posted by ブクログ
人の人生とは不思議なものだなぁという印象が大きく受けた。
一豊は一貫して真面目でコツコツと積み上げていく、千代は独自の感性と時代の流れを汲み取る力でお互いに支えて登ってきた。そこには運も絡んだであろうことは明白であるが。
最後はどちらの考え方にも正解はなかったというと語弊があるが、どちらのやり方も間違ってはいなかったのではないか。しかし最善手ではなかったように思える。一豊も千代も年齢を重ねており、様々な思考の散りつもり、若々しく話を重ねていくというのが難しかったのではないか。
あそこでお互いの折衷案のような形を出せれば良かったのかなぁ。流れは変わったのか、変わらなかったのかは知らないが。