司馬遼太郎のレビュー一覧
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▼兎にも角にも(個人的には)オモシロク滋味豊かな奇妙なエッセイシリーズなんですが、本作が最終。未完です。途中で亡くなられたので。
▼別段順繰りには読んでいません。なんとなく買ってなんとなく読んで。なーんだ前半とも言うべきあたりで終わっちゃうんだ…という不満が残りました。
濃尾ですから岐阜愛知。どうやら信長秀吉家康という超有名三人の地理的比較随筆になったのか。
▼(引用)リンゴを写真にとっても部屋にかざる気がしないが、画家が描くと、千金を投じても買う、なぜだろうという設問をし、専修大学のフランス文学の常勤講師の石川美子さんが、写真は意味でしょう、絵画は表現ですから、と答えてくれた。人間は、 -
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ネタバレ空海の幼少期から唐に入り密教を授かるため恵果を訪問するまで書かれています。空海の風景という題名の通り、空海が見た風景、あるいは空海を写した風景を司馬遼太郎の考察を多分に含み表現しています。小説というよりは考察文に近い印象を受けるほどです。10代で三教指帰を書く天才性(しかも仏教の優れさを戯曲で表すという発想性)、唐に入った後の地方役員に上奏した漢文の見事さなどが伝わってきます。また仏教にただ詳しいだけでなく社会を渡り歩く機微も持ち合わせており、本当に杞憂な人物だなと思います。空海についてもよく分かり面白いのですが、遣唐使の航海の厳しさや唐の長安の先進性(人種差別がなく、多様な人種を受け入れ、宗
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雑誌連載は1968年。文庫は初版2003年。全集にも未収録。道理で読んだことないわけだ。
内容は「韃靼疾風録」の意匠に「妖怪」の幻術味をプラスしたような構成。大坂牢人の子•浦安仙八は、妖しい妖術を操る"大濤禅師"の手によって軍学者•由比正雪の元に送り込まれる。幕府転覆を画策する正雪は、仙八を中国に派遣し、大明帝国復活を掲げて戦う国姓爺•鄭成功を支援する。鄭成功勝利の暁には、大艦隊をもって一挙に徳川幕府を倒す。その密約を取り持つのが大濤禅師その人である…。
司馬遼太郎がデビューから書き続けていた"幻想的な歴史ロマン"は、「妖怪」やこの「大濤禅師」辺りで -
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ネタバレ初めての歴史小説、、、上中下とあり気が遠くなったけど、数ヶ月かけてやっと読み終わりました!
プライドが高くジャイアン気質な項羽と
器がデカいだけで空虚な劉邦
最終的には、徳を持った劉邦が殿下を統一する。
劉邦のダメダメさを助ける将軍たちは、劉邦の人柄の良さ、素直さ、報酬の良さ、に惹かれていたそう。すごくシンプルだけど、実際にこれを持ち合わせるのはなかなか難しいんだろうなぁ。
個人的には、韓信や張良などの助演男優賞的な人物がいかに劉邦を作り上げたのか、知ることができて面白かった。また劉邦よりも天才であったろう韓信が、天下統一後に劉邦の妻によって殺される。平和になった後も続く波乱な人生に、ハ -
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ネタバレ司馬遼太郎の本は、いつもひとつの事柄から、違った方向にひろがっていったり、例え話をいれてくれたりしてわかりやすく、おもしろいです。本作は、大河を見て家康をもう少し知りたくなり読んでみました。三河衆の忠誠心の強さ、今川衆や織田衆の三河衆の見下し、信長より信玄の生き方を参考にしたこと、三河物語は大久保彦左衛門のひがみが書き込まれていること、信康が長篠の決戦前での退却戦で殿をつとめたことなど色々知ることができました。いちばんは、築山殿の話。10歳も家康より年上で、多淫であること、ヒステリックであることなどは大河で有村架純演じたものとは全く違い、私はどちらかというとこの作品のイメージでしたが、本来はど