司馬遼太郎のレビュー一覧
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ネタバレ印象的な記述を記しておく。
「この極東の島にいる日本人のおもしろさは、オランダ文字といういわば針の頭ほどに小さな穴を通して、広大な西洋の技術世界をのぞいている。」
中略
「西洋人がヨーロッパの他の言語をまなぶ作業とは、大いにちがっている。言語の世界に対してそれぞれの学び手がもっている文明の像と質に対する想像力を最大限にはたらかせることであった。」
「そういう想像力の作業は、この地球上のいかなる民族よりも、日本人はふるい鍛錬の伝統をもっていた。」
スマホやSNSが普及した現代では、情報が波のように押し寄せてくるため、想像力を膨らますにも脳の容量が足りなくなるケースが多い。実際、最近は似たようなコンテンツが多く、独創性に欠ける。それで満足するのも1つの手ではあるが、本当に独創的なコンテンツを作りたければ、一度情報の受け口を狭めて、情報が不足している状態で想像してみると面白いものができるのではないかと、ふっと思った。 -
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司馬遼太郎さん著「新撰組血風録」
新撰組の隊士の小咄が15篇綴られた短編集。どの篇も50頁位でまとめられており非常に読みやすい。
15篇とも物語の主人公が違い、各々の隊士が見事に個性的で魅力的。幕末の大争乱の中で各々が新撰組隊士としての生き様、死に様をみせる。
沖田総司の淡く儚い恋譚や惣三郎の男色譚もあったが、それも特徴的なその時代背景の一つの色だと感じる。
この作品の全体の特徴として隊士達の日常が生身の様に描かれており、どれも到って素朴なエピソードである。
その素朴さが反って斬って斬られての新撰組の血生臭さをより引き立てている様に感じる。
なるほど、タイトルの血風録とはお見事としか言い様がない。
驚くのが著者が「燃えよ剣」と同時期にこの短編集を書き上げているということ。
「燃えよ剣」は土方歳三を主軸に描いた長編作品であり、それ以外の作者が描きたかった話はこちらの「血風録」の方に納めて発表されたのだろうか?
どうであれどちらも素晴らしかったという事には変わりはない。
読後に調べていたら67年に司馬遼太郎さんと子母沢寛さんの対談の記事を見つけた。その時司馬さんが「子母沢先生の『新撰組始末記』がどうしても越えられない」と仰ったとか。
先日読み終えた浅田次郎さん「壬生義士伝」で初めて知った「子母沢寛」という人物。ますます興味を惹かれている。
新撰組系の第一人者はきっと子母沢氏なのだろうと感じざるをえない。
いつかその皆が認める「新撰組始末記」を必ず自分の眼で読んで感じてみたいという決意が芽生えている。
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Posted by ブクログ
実は司馬遼太郎作品はこれが始めてでした。
学校の教科書では、東郷平八郎ひきいる日本海軍がバルチック艦隊に勝利した。くらいしか書いてなかった記憶があり、少年だった私も遠い昔の出来事として何も印象に残っていなかった。
日露戦争を全般的に書かれているので、陸軍の二百三高地の激戦やその他の戦いもあります。
作者の並々ならね膨大な取材に基づいた海戦、陸戦の細かい描写に頭が下がります。
当時の日本の国力を考えればロシアに勝つなんて奇跡でしたが、日露戦争になぜ勝てたのか、ロシアはなぜ負けのかが理解出来ました。そして大東亜戦争になぜ負けたのかも。最終巻に作者の解説があり、作者の思いが伝わりました。
でもロシアって昔から変わってないんだなとつくづく思う。