司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 城塞(上)

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     大阪の陣をテーマにした小説。文庫本で読むと上中下の3分冊なのだが、この上巻ではまだ大阪の陣は始まらない。随想部分が多い歴史ものというよりは、人物が生き生きと動き回る時代小説のような雰囲気が強い。個人的な好みで言えば、「覇王の家」のようなものの方が好きなのだが、それでもさすが司馬遼太郎の小説、楽しみながら読み進めた。

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    2023年05月18日
  • 韃靼疾風録 (上)

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    歴史小説にしてはかなりの移動距離がある。主人公の立場が事変に関してあまり重要ではないためちっぽけな存在という感が否めないが、そこはファンタジーと思えばカバーできるかも。明末清初の変遷の様子が面白かった。万里の長城越えはもっと盛り上げてほしかった。

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    2023年05月16日
  • 項羽と劉邦(中)

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    項羽と劉邦の対比が鮮やかだ。圧倒的な戦闘力と威圧感を示す項羽。圧倒的に戦下手で田舎の親父感満載の劉邦。しかし、子どもじみた項羽と人たらしの劉邦。自分の力を示し続けなければならない項羽に対し、人たらしの劉邦には様々な人が引き寄せられる。劉邦の身代わりとなり項羽を罵倒しながら焼き殺された紀信のエピソードなどその最たるものだろう。
    漢中に追いやられた劉邦がどのように反転し、関中に戻ってきたのか。ちゃんと描かれていないと思う。

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    2024年01月03日
  • 街道をゆく 40

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    台湾の取引先の偉い人と会話する中で、先方に勧められたこともあり今回本書を手に取った。その御仁は日本のドラマを時々見るのだそうだが、一番好きなのは坂の上の雲だという。理由は台湾統治に携わった人達が次々と登場してくるからだという。

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    2023年05月08日
  • ロシアについて 北方の原形

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    司馬さんのロシア感は深いです!ウクライナとの戦争も歴史的な背景があるようです。タタールのくびき、とか

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    2023年05月08日
  • 項羽と劉邦(中)

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    張良や韓信らが出てきて、鴻門の会などもある。陳平の毒も中国戦乱期の権謀術数の真髄という感じで面白い。韓信があれほど取り立てられたのは何故なのだろうか。

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    2023年05月07日
  • この国のかたち(四)

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    統帥権を悪用した軍部上層部は天皇をも傀儡としたと言える。
    日本史に例を見ない(軍部による)独裁を許した30年を司馬遼太郎は許せないのをひしに感じた。

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    2023年05月07日
  • 関ヶ原(下)

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     関ヶ原の戦いを扱った歴史小説の最終巻。読み終えてから少し時間が経ってしまったので、読んだ時の感想の細かいところは忘れてしまったが、最後まで面白く読めた。この司馬遼太郎の本の中では、石田三成は決してすごく格好いい人物としては描かれていなかった。

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    2023年05月01日
  • 新装版 播磨灘物語(1)

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    祖母に貰ってこの本を読みました。最初は退屈していましたが、その後は面白く読めました。やはり官兵衛は魅力的な偉人ですね。終盤の荒木村重と官兵衛の出会いは、米澤穂信氏の「黒牢城」を思い出させました。

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    2023年04月29日
  • 覇王の家(下)

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    主に豊臣政権になるまでを丁寧に描かれており、そこからいきなり晩年になってしまったのでちょっと残念。
    小牧長久手の戦いについてあまり知らなかったので興味深かった。
    あとやっぱり著者の描かれ方にもよるけど魅力的な人物ではない(笑)

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    2023年04月25日
  • 坂の上の雲(六)

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    ネタバレ

    ついに最後の巻を読むに至った。いい調子で読んでいたけれど、やっぱりこの話の脱線ぶりというか余談ぶりには全く閉口する。沖縄の漁師がバルチック艦隊を発見してそれを軍部に報告するまでの過程にくだくだと紙面を割くことの悠長さは腹さえ立ってくる。この本を手に取る読者のほとんどの人が読みたいのは日露戦争のドラマ、大筋であってそんなちまちましたことまで読みたいと思うのだろうか。ある意味そういった部分も場合によっては興味深くないこともないが、この膨大な小説が膨大にならざるを得なかったのはそういった余談話をちりばめすぎるからではないか。その分を戦闘シーンに割けばいいではないか。また昔の日本人の名前の漢字は読むの

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    2023年04月15日
  • 竜馬がゆく(七)

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    亀山社中から海援隊に変わり、大政奉還に向け志士が動き出す回。
    龍馬が凄いのは、階級をなくし人は平等であり法によってのみ裁かれる時代にしようと行動した所。
    先見の明がある。

    ついに次で最終巻。
    龍馬よ、死ぬなー!

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    2023年04月06日
  • 坂の上の雲(四)

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    この巻の物語の中で乃木将軍を表すことば、エピソード、白襷隊のこと、これらの語られ方から乃木将軍を好まない人がいる理由を少しだけ理解しました。
    明治帝に気に入られて、昭和天皇の教育も務められ、乃木坂駅に乃木神社がある。一般的に嫌われる訳以外のことがあるのでしょうね。
    私はどちらかと言えば好きな方ですが(^^ゞ

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    2023年04月06日
  • 覇王の家(下)

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    ■司馬遼太郎による家康やその家臣、秀吉などの濃密な描写。
    ■関ヶ原や大阪の陣のところなどがない。恐らく、人間的な描写ができる歴史書類が残っているところをつなげているのではないか。
    ■覇王の家というより、覇王の人という題名の方が相応しい、という感じの本。読み応えはあった。

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    2023年04月02日
  • 竜馬がゆく(六)

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    薩長同盟を達成した回。そしておりょうと結婚し、日本初の新婚旅行に行く回でもある。
    ついに龍馬が行くも佳境に入ってきた。

    作者の「事の成る成らぬは、それを言う人間による」という言葉。イチローも言っていたなぁ。
    これからこっそり自分も使おう。。。

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    2023年03月31日
  • この国のかたち(一)

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    近代精神。宗教権威の否定(富永仲基)。科学的合理性・人格の自律(山片蟠桃・三浦梅園)。人間主義(井原西鶴)。

    ※倜儻不羈(てきとうふき)。すぐれていて拘束されない。志が大きく抜きんでている。馬のたづなに拘束されない。独創。独立。
    ※惣は日本の公(共同体)の原形。
    ※皇族の出の人が一兵卒として徴兵される明治の平等主義。
    ※独裁は日本人の気質に合わない。信長。井伊直弼。
    ※尊王攘夷。契丹・女真族に漢民族が服属する宋代。漢民族の王が中国を支配すべきだという考えから。
    ※明治憲法下で天皇は政治に対して能動的な作用は一切できなかった。例外は敗戦時の聖断のみ。
    ※7世紀に統一国家ができたのは隋による侵略

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    2023年04月01日
  • 覇王の家(上)

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    大河ドラマが始まって家康についてタヌキおやじぐらいのイメージしかなかったのでこれは読まねば!と。
    正直今まで司馬遼太郎作品を読んで家康は好きになれなかったけどやはり読んでみるとイメージはかわる。確かに「奇妙な方」だ。

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    2023年03月27日
  • 竜馬がゆく(五)

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    池田屋の変が起き、それが蛤御門の変を引き起こし長州は朝敵になった。学生の頃は全くわからなかった事がこの本を読んでなんとなくわかってきた。
    たくさんの志士の命がなくなって今平和ボケしている令和があると思うと、一生懸命生きろ!と龍馬に怒られそうな気がします。

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    2023年03月23日
  • 街道をゆく 3

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    本書の中では「肥薩のみち」と「河内みち」がよかった。単純に自分とあまり縁がない所なので面白く読めました。

    米を通して日本のあり様を深く思索しているのだが、はるか古代から球磨川流域は水との戦いがあったことを知りちょっと驚いた。数年前の大水害は、現在でもなおその戦いが続いているのを物語っている。もしかしたら、もっと激しい戦いになっているかもしれない。

    それにしても、西南の役を昨日のことの様に語る古老が50年前にはまだいたし、街中に鍛冶屋さんがあったんですね。これにも驚き。

    「河内のみち」は司馬さんの地元らしく、筆致も何となく柔らかく、散歩感覚で楽しく読めました。

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    2023年03月18日
  • 竜馬がゆく(四)

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    「よくないのは気と気でぶつかる事。殺る殺ると双方同じ気を発すれば斬り合っている。逃げるのも同じ事。やる逃げると積極消極の差こそあれ、同じ気だ。向こうがやたらと追ってくる。人間の動き、働き、の八割まではそういう気の発作だよ。相手のそういう気を抜くしかない。」

    現代の人間関係にも通じます。
    龍馬は思いつきで動いているようで、とても良く時勢をみている。
    少しでも見習いたい。

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    2023年03月11日