司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 関ヶ原(上)

    Posted by ブクログ

    「男の最大の娯楽といっていい、自分が興るかほろびるかという大ばくちをやることは」

    ……引用は、石田三成の家臣、島左近の台詞から。三成は正論を振りかざすが故に諸将に嫌われ、「あらゆる細工をほどこし、最後に賽をなげるときにはわが思う目がかならず出る」ように、利をもって諸将を手懐ける家康の立場を更に有利にしてしまった。しかし、“利”ではなく“義”で行動する者(島左近然り、上杉景勝、直江兼続然り)もいて、彼らは現世で栄えはしなかったものの、その生き方は後世に憧れの対象となる……果たして、どちらが男の幸せなのだろうか。

    0
    2023年09月10日
  • 関ヶ原(中)

    Posted by ブクログ

    「男の最大の娯楽といっていい、自分が興るかほろびるかという大ばくちをやることは」

    ……引用は、石田三成の家臣、島左近の台詞から。三成は正論を振りかざすが故に諸将に嫌われ、「あらゆる細工をほどこし、最後に賽をなげるときにはわが思う目がかならず出る」ように、利をもって諸将を手懐ける家康の立場を更に有利にしてしまった。しかし、“利”ではなく“義”で行動する者(島左近然り、上杉景勝、直江兼続然り)もいて、彼らは現世で栄えはしなかったものの、その生き方は後世に憧れの対象となる……果たして、どちらが男の幸せなのだろうか。

    0
    2023年09月10日
  • 関ヶ原(下)

    Posted by ブクログ

    「男の最大の娯楽といっていい、自分が興るかほろびるかという大ばくちをやることは」

    ……引用は、石田三成の家臣、島左近の台詞から。三成は正論を振りかざすが故に諸将に嫌われ、「あらゆる細工をほどこし、最後に賽をなげるときにはわが思う目がかならず出る」ように、利をもって諸将を手懐ける家康の立場を更に有利にしてしまった。しかし、“利”ではなく“義”で行動する者(島左近然り、上杉景勝、直江兼続然り)もいて、彼らは現世で栄えはしなかったものの、その生き方は後世に憧れの対象となる……果たして、どちらが男の幸せなのだろうか。

    0
    2023年09月10日
  • 国盗り物語(一)

    Posted by ブクログ

    戦国時代は、実力本位の時代というイメージがあるが、実際には、家柄、官位が重んじられ、だから信長は異端だったという事なのだろう。斎藤道三が、美濃を手中に収める過程で当地の名家を継ぐ形で改名を繰り返す様は、現代の感覚では理解し難いが、歌舞伎役者や落語家が名跡を継ぐようなものか?

    0
    2023年09月10日
  • 国盗り物語(三)

    Posted by ブクログ

    戦国時代は、実力本位の時代というイメージがあるが、実際には、家柄、官位が重んじられ、だから信長は異端だったという事なのだろう。斎藤道三が、美濃を手中に収める過程で当地の名家を継ぐ形で改名を繰り返す様は、現代の感覚では理解し難いが、歌舞伎役者や落語家が名跡を継ぐようなものか?

    0
    2023年09月10日
  • 国盗り物語(四)

    Posted by ブクログ

    戦国時代は、実力本位の時代というイメージがあるが、実際には、家柄、官位が重んじられ、だから信長は異端だったという事なのだろう。斎藤道三が、美濃を手中に収める過程で当地の名家を継ぐ形で改名を繰り返す様は、現代の感覚では理解し難いが、歌舞伎役者や落語家が名跡を継ぐようなものか?

    0
    2023年09月10日
  • 国盗り物語(二)

    Posted by ブクログ

    戦国時代は、実力本位の時代というイメージがあるが、実際には、家柄、官位が重んじられ、だから信長は異端だったという事なのだろう。斎藤道三が、美濃を手中に収める過程で当地の名家を継ぐ形で改名を繰り返す様は、現代の感覚では理解し難いが、歌舞伎役者や落語家が名跡を継ぐようなものか?

    0
    2023年09月10日
  • 坂の上の雲(二)

    Posted by ブクログ

    日清戦争の描写に臨場感があり、三人の登場人物に感情移入しながら読める。戦争の渦中において三者それぞれの役割やその中で感情の機微を感じ取ることができ、且つ日本史を学ぶうえで転機となる戦争を日本の勝因、清の敗因を冷静な切り口で分析されていて読み応えがある。

    0
    2023年09月09日
  • 国盗り物語(三)

    Posted by ブクログ

    本作は道三の愛弟子である信長と光秀を対照的に描き、乱世を気迫ある文章で書き出している。織田信長編になり道三から次世代へと語り手が変わっていくが、全体的には光秀目線で進んでいく事が多かった。光秀というと本能寺の変のイメージが強く裏切り者という印象を受けていたが、情に厚く将軍家の再興の為に奔走する姿は精悍さが感じられる。なぜ謀反を起こすに至ったのか釈然としない思いがあるが、善と悪の線引きが難しい時代だからこそ、行動に至るまでの気持ちの変化を丁寧に見据え考察していきたい。

    0
    2023年09月04日
  • 竜馬がゆく(四)

    Posted by ブクログ

    ついに船を手に入れた竜馬。自分の信念を貫き、目標に向けて自分の足で一歩一歩進んでいく姿がとても良く、続きが楽しみ。

    0
    2023年08月31日
  • 覇王の家(下)

    Posted by ブクログ

    家康のリーダーとしてのあり方は、興味深い。配下との合意形成の仕方、本人は語らず、まずは、意見を聞き、方針を決めていく過程は、部下が伸びる。現代にも通用するリーダーシップのあり方のひとつではないかと思った。
    こういう人だから、安定した社会が築けたのだろう思う反面、織田信長や豊臣秀吉が作る社会はどうなっていたんだろう?
    日本は、もっと早く国際化の波に飲まれていたんだろうか。

    0
    2023年08月31日
  • 竜馬がゆく(三)

    Posted by ブクログ

    龍馬が勝海舟と出会い、海軍学校を作るべく奔走する。勤王派、攘夷派と国が割れる中、多勢の考えにとらわれず、外国のものであっても、良いと思えば取り入れ、日本という国を作ろうとする竜馬の考え方は、今の私たちも見習わないといけないと思った。

    0
    2023年08月30日
  • 国盗り物語(二)

    Posted by ブクログ

    美濃を我が手中に収めるべく様々な陰謀を図り人を陥れていく庄九郎は、物語が進むにつれて悪人の面が濃くなっていき、理解に苦しんだ。しかし、時が経ち、天下統一という人生の指標が寿命の壁に阻まれ始めると、次第に人の一生とは儚いものであると受け入れていく。蝮と呼ばれた道三が純粋無垢な庄九郎としての一面をふと覗かせる場面では、哀愁が感じられて切ない気持ちになった。二巻の後半では幼少期の織田信長と明智光秀も描かれている。次巻へ更に展開が加速していきそうで、読み進めるのが楽しみである。

    0
    2023年08月29日
  • 坂の上の雲(三)

    Posted by ブクログ

    今日のロシアの傍若無人ぶりが今に始まったことではないということを知る。史実を知り、今の時代を生きたいと切に思う。

    0
    2023年08月27日
  • 功名が辻(二)

    Posted by ブクログ

    だんだん面白くなってきた!
    戦国時代の秀吉、家康の攻防というメインストリームのそばで、あまりぱっとしない存在である山内一豊が妻千代の才覚によって出世していく様が興味深い。
    千代は自分が男性として、あるいは男性並みに活躍したいという野望はなかったのだろうか?時代はそのような思考をもたせなかったのだろうか?
    司馬氏がこの作品を執筆した年からもう45年以上も経っているようだ。これだけでも女性の意識はだいぶ変わっていると思った。

    0
    2023年08月25日
  • 峠(中)

    Posted by ブクログ

    戊辰戦争が始まり、河井継之助が新潟に戻ることを決めるあたりまで。福地源一郎や福沢諭吉などと交流があったことは意外。

    0
    2023年08月23日
  • 新装版 王城の護衛者

    Posted by ブクログ

    短編5篇。会津に興味があり購入。
    松平容保、玉村操、大村益次郎、河井継之助、岡田以蔵の5名について。
    表題の松平容保の話が最も面白かったが、やはり短編では物足りなさがあった。河井継之助は峠を読む予定なので流し読み。その他深く惹かれるものはなく。

    0
    2023年08月16日
  • 酔って候

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    山内容堂、これまで呼んできた幕末史のイメージ通り、キレ者なのにロマンチストで酔狂で、かわいらしさを感じる。
    当時、時勢を先読んで公武合体論の走りのような考えで先行していたはずの彼が、最終的には拗ねて山に籠り切って女と酒に耽溺していったこと、なんだか辛くなった。やるせない。

    島津家ってだいぶクソな気がする。幕末史を読めば読むほど薩摩好きになれませんごめんなさい。

    伊達宗城というよりは嘉蔵の話が中心だったが、これは泣けた。先に花神で蔵六目線を読んでいたからこそ、なおのこと蒸気船作りの難題とか身分制度の厳しさがより強いものだと認識できて、めげずに頑張る姿が心に沁みた。

    鍋島閑叟は、浅い知識しか

    0
    2023年08月12日
  • 竜馬がゆく(三)

    Posted by ブクログ

    周りの志士に大分遅れをとったが、ついに竜馬が生く道を決め走り出した。既定路線には収まらない、躍動感がたまらないです。

    0
    2023年08月06日
  • 峠(中)

    Posted by ブクログ

    巻末の「解説」で、本作が『竜馬がゆく』、『坂の上の雲』といった作品と前後連続して書かれたことを知った。自身、30歳を前に連続してー立て続けにー読んだ。
    上巻ともども四半世紀ぶりに再読したのだが、やはり、おもしろい。時間が取れれば一気読みしてしまう筆致だ。河井継之助の美しさ、儚さ、不幸、時代性、いろいろ考えさせられる。
    ただ、初読から再読まで敢えて時間を空けたのは、上巻を読んだ時に感じた違和感を予想したからだった。司馬作品には中毒性がある。読者の行動を迫る勢いがある。この違和感は、本作が書かれた昭和と令和の時代、初読の20代と50代となった今という世代が関係しているのかもしれない。

    0
    2023年08月06日