司馬遼太郎のレビュー一覧
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薩長同盟後、いよいよ大政奉還も見え始めるところ
までが描かれる。全8巻ものの7巻目。
亀山社中改め海援隊の、いろは丸を巡る事件。
武市半平太を処した土佐藩(後藤象二郎)との対面。列島を駆ける中岡慎太郎と四賢候会議に、容堂公。
そして、竜馬の集大成とも言える「船中八策」草案。
一歩間違えると日本は異国と同様、植民地になりかねないという、緊張感高まる時勢の最中、これまで
土佐藩に苦しめられた竜馬が、最後に土佐藩をもってして大政奉還を幕府に迫るというのが何とも。
ここまで長かった物語も、気づけばあと1巻。
つまりは暗殺まであと僅か。司馬遼太郎が描く、
幕末の英傑の最後の勇姿、見届けたいと思いま -
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新選組の隊士の短編集
メジャーな人から、そんなに有名ではない人まで色々
掲載順がエピソードの時系列ではないので多少わかりにくいところがある
・油小路の決闘
伊東甲子太郎の離脱のあれこれを、篠原泰之進の視点で
やはり伊東甲子太郎は小賢しいというか、何と言うか
・芹沢鴨の暗殺
芹沢鴨の初期からの悪行と暗殺に至るまでのあれこれを、土方歳三の視点で
宿場町で宿の割当てミスで建物を燃やしたり、力士と揉めて暴れたり、新選組の立ち上げ以降も勝手に金策したりとやりたい放題なわけだけれども
どこか愛嬌もあるように描かれている
でもまぁ近藤や土方からしたら邪魔者でしかないわなぁ
・長州の間者
商家 -
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ネタバレ坂の上の雲、3巻。
以下、ネタバレ。
この巻の序盤で、正岡子規が亡くなった。
子規についての知っていたこと、そのイメージが、この小説によって大きく更新されることになった。
いろんなところへ出掛けて、自分の感覚でこの世界の様々を、見て触れて知って解りたいと思っていたのだろうか。
限られた字数で紡ぐその世界を、写実的であることにこだわったという事実が、夭折した彼を思う時、なんとも切ない。
さてさて、物語は遂に日露戦争開戦へと突入する。
秋山好古は陸軍騎兵のエキスパートに、
弟真之は海軍参謀に。
彼らの活躍はもちろんだが、
今回の巻も周辺の人々についての記述が大変多く、しかも充実している。 -
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個人的に、初めて読んだ歴史小説がこの作品。
物語の時代の視点で描かれながらも、時折現代の筆者の視点に移ることで、史実を客観的に捉えながら、かつ当事者たちの視点で歴史を体感することができた。
関ヶ原合戦という一つのテーマに対して、合戦に関わった大小様々な大名たちの視点から多角的に描かれているのが印象的だった。
角度を変えると物の見え方が変わることの再認識と、"唯一絶対の解釈"が存在しない歴史の奥深さに感動した作品。
単に"歴史上の人物"として認識していた戦国大名たちも、一人一人が生身の人間であることを実感し、また言葉の描写の美しさにも心を惹かれた。歴史小説 -
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たまに寝たりするけど通勤途中に読んでいるが、久し振りの司馬遼太郎は面白かった。
読み始めから引き込まれて、伊賀や甲賀忍者の習わしや歴史は、結構詳細な説明もあり漢字も難しいので、作者の調査に基づく言いたかった内容や意図はどこまで理解できたか分からないけど興味深かった。
これは子供の頃によく観てたテレビの仮面の忍者赤影やカムイの影響が少なからずあるよね、凄く格好良かったから。
実際はどうなんだとか、まあ実際は分からんけど。
ただ終盤に向けての男と女の気持ち、この様な時代の封建的な環境下だからなのか、チョット長かったな。
だけど結末は読者が望んだものに近いと思う。
あ、感想書いてたら電車乗り過ごして -
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先日訪れた、松山の坂の上の雲ミュージアムでとても興味を惹かれたので、帰ってきてすぐポチった坂の上の雲全8巻。
歴史小説に昔から疎いこともあり、
恥ずかしながら司馬遼太郎さんは初読なのだが、1巻を読み終えた現時点では思ってたんとちょっと違っていた。
もっと劇的でドラマティックな筆致なのかと勝手に想像してたんだが、小説だということを忘れそうになるくらいドキュメンタリータッチでドライだな、と思った。
さてさて、さっそくこの1巻、
本編の感想。
正岡子規については、学生時代の勉強でふんわり知っており松山在住の頃にも馴染みのある偉人ではあったが、秋山兄弟については数年前に聴いてめちゃくちゃリピート