司馬遼太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
印象に残ったp108.109 清河暗殺後の竜馬の所感
例えば、奇策を用いすぎた。龍馬の考えでは、奇策とは100に1つも持ちべきではない。99まで成功法で押し、後の1つで奇策を用いれば、みごとに効く。奇策とはそういう種類のものである。
清河は卓抜すぎるほどの批評家で、同志の無能を憎み、相手の慎重を怯懦だとし、しかもそれを攻撃する論理、表現はアイクチのようにするどく、相手がまいったと言っても止めず、常に留めを刺すところまで言及した。残るのは恨みだけである。よほどの大事の瀬戸際でない限り、座興の議論などに勝ってもしようがないものだと龍馬は思っている。相手は決して負けたとは思わず、名誉を奪われたと思う。いつか別の形で復讐するだろう。
p266武市半平太切腹の場面
筆者は、日本人に死を軽んずる伝統があったと言うわけではなく、人間の最も克服困難とされる死への恐怖を、それを押さえつけて自在にすることによって、精神の緊張と美と真の自由を生み出そうとしたものだと思う。その意味で、切腹は単にその表れに過ぎないが、その背後には世界の文化史の中で屹立している。この国の特異な精神文化がある。