司馬遼太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ついに、ついに最終巻。
対馬コースを進んでいくバルチック艦隊を、日本の仮装巡洋艦、信濃丸が発見するところからはじまる。
極力敵の艦隊に近づこうとして、気がつけば囲まれていた…なんていうアクシデントや、余談として語られるこの船の日露戦争後の話も興味深い。
またこの信濃丸に代わってバルチック艦隊を監視する三等巡洋艦和泉の覚悟についても読んでいて胸が熱くなった。
本日天気晴朗なれども波高し
この有名な一文についての丁寧な取材による考察や、
皇国の興廃この一戦にあり
というフレーズで掲げられるZ旗など、
思わず自分の中のナショナリズムを思い出させる日本海海戦。
その中でも一番印象に残ったの -
Posted by ブクログ
▼ずっと「週刊朝日」に連載されていた、旅エッセイ、とでも言うべきものです。うーん、旅エッセイ&地理歴史ノンフィクション文学、という方が伝わるかもしれません。この巻は和歌山県熊野周辺、大分県日田周辺、奈良県西吉野周辺、鹿児島県種子島、です。1975年当時の文章なので、いまとなっては貴重な「1970年代の民俗学的資料」と言える側面もあります。
つまり、「ブラタモリ」というのは、「街道をゆく」をタモリさん版にしたものであると言えます。
▼いつもどおり、旅行記、歴史考、文明評論、というものがふくよかに錯綜する作りですが、まだ「街道」も初期なので、なんというかやや後半のものにくらべると、力の入ってな -
Posted by ブクログ
奉天会戦と日本海海戦に向けての巻。
戦争をある程度のカタチに帰着させることの難しさがよくわかる。
現場の状況と、後方から見えている図と、国民の感情は違うもの。
どのレンズを使うか、どの視野で見るか、対象を絞るか広げるかによっても出来事の真相は違ってくる。
100年以上前の歴史であり、いろんな視点を織り交ぜることができる群像劇だからこそ解ることもあるもんだ。
とは言え、その多くの視点から見える画はやはり著者である司馬遼太郎の目に一旦集約されて描かれるものなので、やっぱりバイアスかかるよね。
この巻で印象に残ったのは、主にロシア側に対する行動の冒頭に記された
「信じられないことに」
「信じが