司馬遼太郎のレビュー一覧
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司馬史観の集大成として、明治国家を概観する。
歴史が横でつながる。
◯三人の国家設計者
・改造:小栗豊後守忠順(上野介)
・解体:勝海舟
・文明という普遍性:福沢諭吉
・小栗上野介による横須賀ドックで、江戸幕府は土蔵付の売家に。
◯藩の多様性
・薩摩:物事の本質をおさえておおづかみに事を行う政治家や総司令官
・長州:権力操作に長け、官僚機構をつくり動かす
・土佐:野にくだり、自由民権運動(長曾我部家から続く一領具足の郷士)
・佐賀:実直で有能な事務官(鍋島家の長崎警備かたの軍洋式化、学問・科学技術発達)
◯廃藩置県
・津田出による和歌山でのミニ明治国家
・廃藩置県の鎮魂としての荒城の -
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ネタバレ「夏草」は芭蕉の有名な句から
「賦」は歌や詩
まず、素晴らしいタイトルだと思った。
急に来た歴史 戦国武将ブーム(自分の中で)
織田信長 豊臣秀吉 徳川家康 ではなく、もっとマイナーなところを攻めたい(歴史を知っている方からすれば有名で怒られるかもしれませんが)
まずは、長曾我部元親。天野純希さんの「南海の翼」がおもしろかったので、司馬遼太郎さんの今作を読ませて頂きました。
司馬遼太郎さんの本は、なんせ上・中・下 ㈠㈡㈢・・・と大作揃いで敬遠しがち、坂の上の雲って面白そうだと思った時もありましたが、勇気がなく撤退しました。
今作を読んで、「え、全然堅苦しい感じじゃないぞ」「違う作品も -
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某所読書会課題図書:シベリアを中心に東方のロシア、南方の蒙古、中国の動向を非常に長いスパンで詳述したものだが、知らない事実が満載で楽しめた.ウクライナがある意味でロシアの原点であるとの指摘もあり、2022年2月に始まったウクライナ侵攻も歴史的な考察が必要だと感じた.シベリアに進出したロシアが日本の存在を知り、様々な工作を仕掛けてきた歴史的事実も、現代人として知っておく必要があろう.工藤平助(1734-1800)などあまり歴史の表に出てこない人物に注目していることに感心した.イルクーツクという地名は、小生が小学生時代 我が家によく来ていたおじさんがイルクーツクにいたことを話してくれたことを思い出
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1990年に上梓されたエッセイ本。しかし、充分に読み応えがあります。どの章も重みがあり今を生きる私たちの標になります。
歴史的知識だけではその時代を理解できません。誰がいつどこでどうしたのか。何故そうなったのか…史実の背景を読み解く必要がありますが、これを読み教科書的のみで浅かった知識が広がり深まりました。
歴史小説を何冊も書いてきた司馬さんですが、それも明治時代まで。
あの昭和初期から敗戦に至るまでの日本史に猛烈に怒っています。
…ながい日本史の中でも特に非連続の時代、ーあんな時代は日本ではないーと理不尽なことを灰皿でも叩きつけるようにして叫びたい衝動が私にはある。…日本史のいかなる時代とも