司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 峠(中)

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    上巻とは状況が変わり、藩の中で重用されるようになった様子を書く。
    福沢諭吉との考え方の対比が面白かった。両者は似ているが、あくまでも藩を前提とした考えに立脚している点は、一種の諦めもあったのかもしれないと思った。

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    2025年11月02日
  • 世に棲む日日(四)

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    思想に酔う思想家タイプの松陰と、あくまで現実主義の晋作。プラトンとアリストテレスにも通じるかもしれない。楽と苦を差し引きすれば浮世の値僅か三銭。救いのないこの世の中、人生だからこそ、おもしろきことも無き世を面白くしたかったんじゃないかと思う。

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    2025年11月02日
  • 翔ぶが如く(一)

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    征韓論へと至る経緯や薩長の主要人物の関係性や性格が何となく分かる。
    セリフが少なく、司馬先生の考えの分量が多いので、他の小説とは趣向が違う。そのため登場人物に感情移入するよりも歴史の流れを知る、という読み方になる。
    川路利良、沼間守一、河野敏鎌など、これまで知らなかった人物も描かれており、知識の幅が増えた。

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    2025年11月01日
  • 街道をゆく 6

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    これまで何冊も司馬遼太郎の本を読んできたので、彼の言葉で沖縄を語る時には、映画の人が家に来たような心地がした。

    ただ、本の半分以上は先島に割かれており、本島出身の自分としては、もう少し本島のことを話してくれるとなお嬉しかった。

    1974年と、今から約半世紀前の情景を見ての言葉だが、この半世紀変わったところもあるものの、その前の半世紀と比べると変化は小さかったとつくづく思った。

    また、私は先島へは一度八重山諸島への旅行に行っただけであるが、せっかくなら全ての友人の先島諸島を訪れたいと思った。

    【以下、印象に残った箇所・言葉】

    p19
    氏によれば、「もし首里の街が戦前のままそっくり残っていたら、沖縄は京都、奈良、日光と肩をならべる」観光地になっていたろうと言われる。

    p27
    明治後、「日本」になってろくなことがなかったという論旨を進めてゆくと、じつは大阪人も東京人も、佐渡人も、長崎人も広島人もおなじになってしまう。

    p28
    それまでの日本は二百数十個の藩-ある面では公国という感じでもある-にわかれていて、それぞれの独立性はさほど弱いものではなかった。江戸期の幕藩体制にしても、将軍家である徳川家は大名の大いなるもので、大名の君主というより諸大名連合の盟主といった見方で見るほうが、とくに徳川家と外様大名の関係の場合、実情に近いかと思える。

    p31
    「琉球処分」という言葉が、多くの琉球史では一見、琉球のみに加えられた処置のように書かれていて、同時代に、同原理でおこなわれた本土における廃藩置県の実情についてはふつう触れられていない。つまり、本土との共同体験としては書かれていない。

    p123
    われわれが人間の歴史を考えるとき、歴史教科書的な把握法からまぬがれることは、どう用心しても困難である。つまり、歴史は均等に発達するものだという迷信を理性のなかに組みこんで物事を論じてしまうことである。
    教科書的にいえば、人類が鉄器時代に入るのは気が遠くなるほどの古代で、紀元前1二〇〇年このかただという。しかしそれはごくかぎられた地域の現象にすぎない。歴史は感覚性の高い導体のようにたちまち物事や技術が伝播するという場合もあるが、逆にそうではなく、歴史は新技術に対して不導体のように受けつけることのない「地域」というものを抱きこんで存在しているものだという見方もなりたつ。

    p124
    その唯一といっていい理由は、沖縄諸島では砂鉄を産しなかったからである。
    沖縄では石でつくったべらのようなものを農具として用いるいわゆる耕文化がながくつづいた。農耕といっても生産性がきわめてひくく、自然、所有欲が小さな限界でとどまり、とくに土地所有欲は室町以前までは沖縄ではほとんど現実性をもたなかったはずである。土地所有欲が稀薄であることは、その欲望をエネルギーとする大型の闘争が必要なく、げんに沖縄史をみると、鉄器の導入以前には大征服事業というものはなかった。落島のなかでもっとも歴史の進行の速度が早かった沖縄本島においてさえ、十四世税初頭ごろまでは神話と伝説の時代といっていい。

    p130
    雑木林といえば言い足りず密林といえば言いすぎる掛々の槍のひくい叢のなかをうろつき、やがてそこから出ると、にわかに海がひろがっていた。

    p144
    沖縄は琉球王朝時代、中国に朝貢してその文化を大いに吸収しつつも、民家だけは本土の民家と概括的にはおなじ思想で仕上っているように思える。

    p156
    沖縄の神道は本土の原始神道だとおもえばいい。かつて首里王朝はこの原始神道を軽備して祝女を任命制にし、政庁で統制されたこの宗教を通じて本来治めがたいかに思われた離島の統御に成功した。
    日本の原始神道の斎主が女であったように、沖縄においてもそうで、神の前では女がより神に近く、男はより遠い。

    p181
    固隣する台湾島では、まだ他の世界の影響による変化はおこっていない。大陸の漢民族が一種の流民のかたちで台湾に入ってくるのは明末(日本の徳川初期)で、それまではいわゆる高砂族(マライポンネシア語族)の居住地であった。
    ついでながら、高砂族は剽得で小気味のいい性格をもっているが、小部族で小社会を構成し、タロイモを作ったり、採集をして食っていることに自足していたため、広域な統一社会を構成する必要性をかれらは持たなかった。
    要するに、大王朝を作らなかった。それだけの理由でかれら高砂族のこの島はのちに清国領や日本領や中華民国領にされ、かれら自身は変なことに「原住民」にされてしまった。世界史というのは、大社会を構成することにお得意な民族が主軸になって旋回するようにできているようである。

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    2025年11月01日
  • 梟の城

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    かなり面白い。
    序盤を過ぎた頃から彼らの生きる世界に吸い込まれた。
    再読したいし、司馬遼太郎の違った一面に触れた気がした。司馬遼太郎記念館に行ってみたくなった。

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    2025年10月28日
  • 坂の上の雲(三)

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    とても緻密に描かれており、歴史の授業だけでは到底感じれなかった日露戦争開戦までの経緯と日本人の苦悩、また開戦に向けての準備とロシアの驕りがよく描かれていて面白かった。
    途中から話しが横に流れて読みづらい側面もあったが、日本から見るロシアの強大さ。日露戦争に勝ったのは知っていたけど、それがどんなに困難で奇蹟的なことだったのか。
    念入りな作戦や準備とロシアから見るとまだまだ弱小新興国の日本に対しての驕りが交わり合ってどう進んでいくのか。
    まだまだ8集のうちの3集目でどこに物語は向かっていくのか先が気になる。

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    2025年10月27日
  • 世に棲む日日(三)

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    長州藩の幕末の激動を高杉晋作、井上馨、伊藤博文、山縣有朋らを中心に描かれる。攘夷、開国、討幕といった思想の波が目まぐるしく変化する時代に自分ならどのように立ち振る舞えるかを考えさせられる。最終巻も楽しみ。四カ国艦隊との協議の下りが個人的には最も面白かった。ちょいちょい出てくる西郷隆盛が不気味。

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    2025年10月26日
  • 功名が辻(二)

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    ネタバレ

    羽柴秀吉の麾下に組み込まれた伊右衛門だが、出世は遅々としてならない。本能寺の変で信長が討たれ、山崎や賤ヶ岳でも戦うが、歳下の加藤清正や福島正則に追い抜かれていく。小牧・長久手の戦いを経てようやく二万石の大名になるが…。長浜の地震で悲劇が起きる。

    伊右衛門がちょっと行き詰まり、能力の限界が…。それでも千代に上手く操られて、徐々に出世してついには掛川六万石。千代の小袖の話とか大名の奥方の気さくな話は面白い。

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    2025年10月26日
  • 梟の城

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    「梟の城」直木賞受賞作を司馬遼太郎記念館で購入した。古来から隠し国といわれる伊賀。伊賀国から出た郷士で本作の主人公は”忍者ハットリくん”ではなく、”葛籠重蔵”。

    一般的な忍者は虚無主義をそなえており、他国の領主に雇われはしたが、食録として抱えられることはない。報酬をくれるものならどんな者の側にもつき、仕事が終わると、その敵側にさえつく。

    時は織田信長からはじまり、豊臣秀吉の晩年までのころ。重蔵は老師下柘植次郎左衛門の導きにより商人今井宗久の隠密として秀吉暗殺を狙う。

    重蔵と同じ師ををもちライバルでもある伊賀者風間五平が敵味方に別れて、それぞれの生き様を戦わせる。重蔵がとても男らしく不器用に忍者一筋で描かれるのに対して、五平は伊賀を裏切るかたちで前田玄以のもと200石の録を喰む。
    甲賀者のくノ一小萩と重蔵の関係も最後まで楽しませてくれた。中盤で登場する甲賀者の摩利洞玄もキャラが立っていてめちゃくちゃ強く印象に残る。

    誰が誰の隠密として働いているのか、今井宗久、前田玄以、石田三成、豊臣秀吉、徳川家康。混乱してくるが、終盤になるにつれ大物が情報力によりどのように世相を読み、どう世を生き抜こうとするのかも面白ポイントだ。また、物語がすすむなか、梟が忍者を指す意である事を示す描写は秀逸で思わず手をとめた。

    最終章、伏見城に忍び入り秀吉の枕元に立った重蔵と秀吉のシーンはまさに情景が目に浮かぶようで最高のクライマックスだった。

    忍者の姿(考え方)は男尊女卑な傾向で現在の価値観感とは若干ずれてしまうのは仕方がないところ。いや、むしろそんな世俗的歴史観を楽しめるのも読書だからこそ。私の生まれる前の直木賞作品「梟の城」は今でも古びない素晴らしい良質なエンタメ作品だ。

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    2025年10月26日
  • 功名が辻(一)

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    ネタバレ

    織田信長の家中でぼろぼろ伊右衛門と呼ばれる、うだつの上がらない武士・山内伊右衛門。その彼に賢く美しい嫁・千代がくる。千代の励ましをうけて伊右衛門は功名を目指し姉川、近江、長篠とかけていく。

    千代におだてられ、上手く扱われている伊右衛門が可愛らしい。新右衛門と吉兵衛とのやり取りも良い。有名な馬揃えまで。

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    2025年10月23日
  • 項羽と劉邦(上)

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    今の時代にあわせた心情で2200年前を語ってもらえて、わかりやすいとしみじみ思う。詩人のような語り口はさすがです。

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    2025年10月21日
  • 関ヶ原(下)

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    ネタバレ

    関東から西へ向かう軍勢。去就を決めかねる各大名家。
    江戸から動かない家康と岐阜の東軍。家康の策謀により崩壊する西軍。

    九鬼や真田など各大名家の去就や、岐阜城の戦いなど関ヶ原へ向かうまでの物語が良い。この小説の石田三成は本当に不器用で、自分でドンドン味方を減らしていく…。あれだけ走り回った島左近の最期は割とあっけなくて残念。

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    2025年10月21日
  • 国盗り物語(四)

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    血の繋がりのない武将2世代による大河小説の最終巻。信長と光秀の末路については世に名高いためプロセスが描かれている。司馬遼太郎も告白しているが明智光秀に思い入れが強くなっており主役の選定か構成を誤ったように見える。二君に仕える想像を絶するストレス(しかも内心信長を見下している)の中、最高の出世を遂げているし、信長を倒した事で一応国盗りに成功したという事で道三編を無理に続けるならやはり光秀が主役だろう。
    戦国時代いや、歴史上人物で最高のフリー素材である織田信長は主役としてよりもいかようにも解釈できる人物として配置した方が魅力的。
    織田信長は足利義教や三好長慶をモデルにして(勝手な予想だけど)機内統一とかを進めたり六角氏だかがやっていた楽市楽座を取り入れたりと革新性のある天才というよりは現実にあるものを適用させブラッシュアップさせる才能がある様に思う。こう書くと貶めているように見えるが強い武田信玄や上杉謙信には超低姿勢外交に徹したり浅井長政が反乱すると直ぐに逃走したりと忍耐と知識のある極めて現実的な人物だったのではと個人的には考えている。

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    2025年10月21日
  • 国盗り物語(三)

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    織田信長編と書いてあるが明智光秀編の方がしっくりくる。今となっては隔世の感があるが恐らくは発表当時の人気の戦国時代の人と言えば豊臣秀吉で織田信長は天下統一に失敗した人で本書の様に誰かとセットでないと主役を張れなかったのだろう。そんな事もあるためか本書では斎藤道三の弟子として織田信長と明智光秀が扱われており親の看板を引き継いだ信長よりも光秀に重点が置かれている。
    いかなる都合か不明だが本書で前巻までの主役が散る訳だが、ここまで描写するなら道三の死を持って完結とした方が女の愛憎と義龍との確執を持って息子(本書では実の息子ではない扱い)に国盗りされるというオチで綺麗だってのではあるまいか。まあ義理の息子に取られてはいるけど。

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    2025年10月21日
  • 関ヶ原(中)

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    ネタバレ

    秀吉の死後、騒然となった天下。秀吉の遺命を堅守しようとした石田三成。周到な謀略により豊家を乗っ取りにかかった家康は、反三成の武将を籠絡していく。前田家に謀略をかわされた家康は、上杉景勝討伐へ。三成の挙兵後、小山の軍議において、諸将は徳川家の私兵へ転換させてしまう。

    石田三成が不器用すぎて読んでいて少しイライラ…。左近ももう少しちゃんと諌めないと…。しかし家康や加藤清正、福島正則たちに対する評価が酷い…。しかし読んでいると夢中になってしまう。

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    2025年10月18日
  • 国盗り物語(二)

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    新九郎(後の斎藤道三)成り上がり物語。斎藤義龍が土岐頼芸の本当の息子だったかどうかは不明だが本書にある通り世間がそのように見たから美濃の国が揺るがなかったのは事実に思われる。
    徒手空拳から大国の大名にのし上がり後の戦国覇王織田信長の父親にも大打撃を与える辺り小説通り優秀な人だったのだろう。
    どういう経緯かは分からないけど本来ならここで完結でもおかしくないが、主人公を変えて話は続く。

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    2025年10月17日
  • 国盗り物語(一)

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    戦国時代の梟雄ともいうべき斎藤道三と弟子たる明智光秀と織田信長を描いた長編。前半は還俗して油屋の亭主となり実験を握り更には武士になるという成り上がりストーリー。
    司馬遼太郎先生の作品は余談が多く多彩な史料を使用しているので真実味があるが、実は本書における斎藤道三は虚像。油商人から大名に一代でなったというところが嘘で実は親子二代の業績である事が定説化している。そこは時代小説という事で楽しむべきではある。

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    2025年10月17日
  • 坂の上の雲(八)

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    終わった...! 達成感がすごい。
    8巻もの大作を読み切ったのは人生初かも?
    (『天の瞳』は9巻だけど、別物な気がする)

    司馬さん、まるで見ていたかのように描くなぁ。
    と思いながら読んでいたけど、それができるのはやはり膨大な調査の賜物なんだろうな。
    すごい仕事だ。

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    2025年10月17日
  • 街道をゆく 2

    匿名

    購入済み

    韓国紀行ではなく「韓(から)のくに紀行」というタイトルの通り、司馬が行くのはかつての新羅と百済の故地であり、しかも都市部ではなく農村ばかり。首都ソウルは出てこない(ついでに言えば高句麗の故地=北朝鮮も当然出てこないが)。かつての新羅や百済だった土地を周り、そこにかつての日本との関係を空想していくスタイルで描かれている。司馬遼太郎はモンゴルもそうだけど、大昔中華王朝から見下されてた北東ユーラシアの諸民族(「倭人」もまあその一部だろう)への深い関心や愛着があるんだなと思えた。

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    2025年10月17日
  • 新装版 王城の護衛者

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    ネタバレ

    最初の『王城の護衛者』目当てで読みました。
    若くして会津藩主となり、激動の時代の中でただただ自分を頼りとしてくれた天皇の為に自分たちの命、一藩の命を捨てる覚悟で戦った松平容保さんの生き様が本当にすきです。
    維新後も死ぬまで孝明天皇の御宸翰を肌身離さず身につけていた話は、死後の松平家の対応も含めて会津の意地を感じました。
    どんな思いで松平容保さんは明治という時代を生きたんだろう、と思うとなんとも言えない気持ちになります。

    2作目以降も面白かったです!
    特に『加茂の水』は、あの有名な錦の御旗がたてられるまでの意外な経緯を知れてびっくりしました。
    1作目を読んだあとだと、錦の御旗が掲げられ、旧幕府軍は朝敵になりましたが、そこに明治帝の意思はほんとになかったんだな…と。
    小説だけで判断すべきではないと思いますが、薩長の思惑によって明治維新というものは打ち立てられたんだなと改めて思いました。

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    2025年10月13日