司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 菜の花の沖(三)

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    やっと蝦夷まで来ましたね〜。長っ。松前藩の酷さ、幕府若手官僚の優秀+正義感。高田屋嘉兵衛の単なる商売人+船乗りを超えるロマン人の片鱗が出てきました。次巻は本格的に蝦夷でしょうか。北海道大好きなので楽しみ。

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    2025年11月18日
  • この国のかたち(一)

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    初めて昭和時代に書かれた本を読んだ。
    あまり作家に詳しくない自分でも、司馬遼太郎という名前を聞いたことがあったため、有名な人なのだろう、教養として読んでおこうと思った。

    内容は日本史に関して、司馬遼太郎の独自の視点で考察が描かれていた。文章も古くて読みにくいということはなかった。予備知識の問題で内容が理解できない箇所は所々あったが、全体的に面白く読むことができた。

    特に、戦争に関する描写がリアルで、実際に満州での戦争を経験した人が見聞きしたことが書かれており、戦争の悲惨さが理解できた。
    司馬遼太郎自身も、日露戦争から太平洋戦争の期間は、日本史の中でも美しくない、醜い期間だと言っており、戦時中の日本の政府がいかに機能していなかったかが描かれていた。

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    2025年11月17日
  • 街道をゆく 20

    匿名

    購入済み

    蜀=四川や雲南といえば長江の上流。稲作文明はそこから伝わってきたのではないかと司馬遼太郎は語る。羌族やイ族など、この地に住む少数民族と古代中国の関係、三国志の蜀の首都でもあった成都で司馬は空想を巡らす。

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    2025年11月17日
  • 竜馬がゆく(四)

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    勝も竜馬も現地に行って現物を見ることに注力していた。現代より遥かに現物を見ることが困難な時代によくその思想を持てたと思う。

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    2025年11月17日
  • 坂の上の雲(一)

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    上司から司馬遼太郎を語るならこれは外せないぞと言われ、全8巻まとめ買いして読み始めた。1巻目ではまだ面白さはわからないが、とにかく読破に向けて頑張っていく予定。

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    2025年11月16日
  • 街道をゆく 39

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    1994年刊。もとは「週刊朝日」に連載(93.3.5~6.25)。
    タイトルはニューヨーク散歩だが、本丸はコロンビア大学のドナルド・キーン。そこに至るまでの散策が長く、内容もちょっと散漫。
    ニューヨーク訪問は、ちょうどキーンのコロンビア大学退職の時期にあたっていた。キーンの半生が駆け足で紹介されている。コロンビアでの彼の師・角田柳作にも触れている。コロンビアの現役の日本文学研究者、バーバラ・ルーシュやポール・アンドラも登場する。読みどころはこの後半部。
    ドナルド・キーンは京都に留学中に、同じ下宿の永井道雄(のちに文部大臣)、そしてその友人の嶋中大鵬二(のちに中央公論社社長)と懇意になった。キーンはその後鶴見俊輔とも懇意になる。司馬遼太郎は、この3人――永井と嶋中と鶴見――が同じような話し方をすることに気づいた。江戸弁丸出しの小林秀雄などとはえらく違う。なんと、3人は東京高等師範附属小学校の同級生だった。そして嶋中が明かすには、日本でのラジオ放送開始にあたって発声日本語の標準化(東京の山の手のことば)がはかられ、なんと、東京高師付属小が実験学級に指定されたのだという。余談として書かれているが、これはトリビア中のトリビア。

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    2025年11月11日
  • 夏草の賦(上)

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    ネタバレ

    斎藤利三の妹・菜々は四国土佐の片田舎で野望を燃やす長宗我部元親の元に嫁ぐ。元親は武力調略ないまぜて、土佐を統一し、四国制覇を目指し更に阿波など近隣諸国へなだれ込む。

    『功名が辻』の千代とは違うタイプだけど、元気で個性的な菜々が可愛らしくて良い。侍女のお里とのやり取りや一条家での騒動など楽しくて良かった。

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    2025年11月10日
  • 新装版 歳月(下)

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    司馬遼太郎の特に幕末小説を続け読みした。峠の河合継之助、最後の将軍の徳川慶喜、世に棲む日々の吉田松陰高杉晋作、そして歳月の江藤新平。童門冬二の新撰組、城山三郎の雄気堂々(渋沢栄一)も含め色んな目線、切り口から幕末、明治維新を見てみて色々思いながらも大久保利通だけはどうも気に入らない。
    翔ぶが如く、読むか悩む。
    とはいえ江藤新平頭固すぎる。河合継之助に通じるところがある。渋沢栄一や新島襄が向いてるかな。何かを変えるには常に変えられる相手がいることを実感し、対策を打つべき。これを学ぶ。
    p199緊迫したシーンであるが『団にょんさん』って言う表現が和む。

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    2025年11月11日
  • 功名が辻(四)

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    ネタバレ

    関ヶ原の合戦を前に徳川家康に城や領地を差し出す伊右衛門。関ヶ原の合戦では前線へ投入されず、勝ち負けすら分からないほど遠くにあって銃声と馬蹄の轟を聞いているだけだったにも関わらず、恩賞は土佐一国二十四万石。しかしそこには長宗我部の旧臣たちの激しい抵抗が…。

    関ヶ原までは伊右衛門も千代も可愛らしい感じで良かったが、土佐を手にした伊右衛門の変わり方が…。

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    2025年11月08日
  • 功名が辻(三)

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    ネタバレ

    絢爛たる栄華を誇った豊臣秀吉の天下が傾き始めた。老耄の翳がさした豊臣家。じりじりと台頭してくる徳川家康に諸大名は近づき始める。更に北政所と淀殿の間にも派閥の対立が。秀吉の死後、上杉景勝討伐に東征する家康の留守を狙い挙兵する石田三成。

    悪役で伊右衛門の立場を引っ掻き回す立場なのかと思った六平太が、千代の前ではちょっと可愛らしい感じで面白い。関ヶ原へ向かう伊右衛門の見所の直前まで。

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    2025年11月06日
  • 新装版 歳月(上)

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    P330江藤新平の司法卿就任にあたって井上馨に渋沢栄一が異を唱えるシーン。どこかで読んだと思ったら、城山三郎の新潮文庫『雄気堂々』下巻P119でそのシーンがかなり微に入り書かれていた。歴史小説だから当たり前なんだけれども繋がってるのが嬉しかった。

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    2025年11月09日
  • 峠(中)

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    上巻とは状況が変わり、藩の中で重用されるようになった様子を書く。
    福沢諭吉との考え方の対比が面白かった。両者は似ているが、あくまでも藩を前提とした考えに立脚している点は、一種の諦めもあったのかもしれないと思った。

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    2025年11月02日
  • 世に棲む日日(四)

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    思想に酔う思想家タイプの松陰と、あくまで現実主義の晋作。プラトンとアリストテレスにも通じるかもしれない。楽と苦を差し引きすれば浮世の値僅か三銭。救いのないこの世の中、人生だからこそ、おもしろきことも無き世を面白くしたかったんじゃないかと思う。

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    2025年11月02日
  • 翔ぶが如く(一)

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    征韓論へと至る経緯や薩長の主要人物の関係性や性格が何となく分かる。
    セリフが少なく、司馬先生の考えの分量が多いので、他の小説とは趣向が違う。そのため登場人物に感情移入するよりも歴史の流れを知る、という読み方になる。
    川路利良、沼間守一、河野敏鎌など、これまで知らなかった人物も描かれており、知識の幅が増えた。

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    2025年11月01日
  • 街道をゆく 6

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    これまで何冊も司馬遼太郎の本を読んできたので、彼の言葉で沖縄を語る時には、映画の人が家に来たような心地がした。

    ただ、本の半分以上は先島に割かれており、本島出身の自分としては、もう少し本島のことを話してくれるとなお嬉しかった。

    1974年と、今から約半世紀前の情景を見ての言葉だが、この半世紀変わったところもあるものの、その前の半世紀と比べると変化は小さかったとつくづく思った。

    また、私は先島へは一度八重山諸島への旅行に行っただけであるが、せっかくなら全ての友人の先島諸島を訪れたいと思った。

    【以下、印象に残った箇所・言葉】

    p19
    氏によれば、「もし首里の街が戦前のままそっくり残っていたら、沖縄は京都、奈良、日光と肩をならべる」観光地になっていたろうと言われる。

    p27
    明治後、「日本」になってろくなことがなかったという論旨を進めてゆくと、じつは大阪人も東京人も、佐渡人も、長崎人も広島人もおなじになってしまう。

    p28
    それまでの日本は二百数十個の藩-ある面では公国という感じでもある-にわかれていて、それぞれの独立性はさほど弱いものではなかった。江戸期の幕藩体制にしても、将軍家である徳川家は大名の大いなるもので、大名の君主というより諸大名連合の盟主といった見方で見るほうが、とくに徳川家と外様大名の関係の場合、実情に近いかと思える。

    p31
    「琉球処分」という言葉が、多くの琉球史では一見、琉球のみに加えられた処置のように書かれていて、同時代に、同原理でおこなわれた本土における廃藩置県の実情についてはふつう触れられていない。つまり、本土との共同体験としては書かれていない。

    p123
    われわれが人間の歴史を考えるとき、歴史教科書的な把握法からまぬがれることは、どう用心しても困難である。つまり、歴史は均等に発達するものだという迷信を理性のなかに組みこんで物事を論じてしまうことである。
    教科書的にいえば、人類が鉄器時代に入るのは気が遠くなるほどの古代で、紀元前1二〇〇年このかただという。しかしそれはごくかぎられた地域の現象にすぎない。歴史は感覚性の高い導体のようにたちまち物事や技術が伝播するという場合もあるが、逆にそうではなく、歴史は新技術に対して不導体のように受けつけることのない「地域」というものを抱きこんで存在しているものだという見方もなりたつ。

    p124
    その唯一といっていい理由は、沖縄諸島では砂鉄を産しなかったからである。
    沖縄では石でつくったべらのようなものを農具として用いるいわゆる耕文化がながくつづいた。農耕といっても生産性がきわめてひくく、自然、所有欲が小さな限界でとどまり、とくに土地所有欲は室町以前までは沖縄ではほとんど現実性をもたなかったはずである。土地所有欲が稀薄であることは、その欲望をエネルギーとする大型の闘争が必要なく、げんに沖縄史をみると、鉄器の導入以前には大征服事業というものはなかった。落島のなかでもっとも歴史の進行の速度が早かった沖縄本島においてさえ、十四世税初頭ごろまでは神話と伝説の時代といっていい。

    p130
    雑木林といえば言い足りず密林といえば言いすぎる掛々の槍のひくい叢のなかをうろつき、やがてそこから出ると、にわかに海がひろがっていた。

    p144
    沖縄は琉球王朝時代、中国に朝貢してその文化を大いに吸収しつつも、民家だけは本土の民家と概括的にはおなじ思想で仕上っているように思える。

    p156
    沖縄の神道は本土の原始神道だとおもえばいい。かつて首里王朝はこの原始神道を軽備して祝女を任命制にし、政庁で統制されたこの宗教を通じて本来治めがたいかに思われた離島の統御に成功した。
    日本の原始神道の斎主が女であったように、沖縄においてもそうで、神の前では女がより神に近く、男はより遠い。

    p181
    固隣する台湾島では、まだ他の世界の影響による変化はおこっていない。大陸の漢民族が一種の流民のかたちで台湾に入ってくるのは明末(日本の徳川初期)で、それまではいわゆる高砂族(マライポンネシア語族)の居住地であった。
    ついでながら、高砂族は剽得で小気味のいい性格をもっているが、小部族で小社会を構成し、タロイモを作ったり、採集をして食っていることに自足していたため、広域な統一社会を構成する必要性をかれらは持たなかった。
    要するに、大王朝を作らなかった。それだけの理由でかれら高砂族のこの島はのちに清国領や日本領や中華民国領にされ、かれら自身は変なことに「原住民」にされてしまった。世界史というのは、大社会を構成することにお得意な民族が主軸になって旋回するようにできているようである。

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    2025年11月01日
  • 梟の城

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    かなり面白い。
    序盤を過ぎた頃から彼らの生きる世界に吸い込まれた。
    再読したいし、司馬遼太郎の違った一面に触れた気がした。司馬遼太郎記念館に行ってみたくなった。

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    2025年10月28日
  • 坂の上の雲(三)

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    とても緻密に描かれており、歴史の授業だけでは到底感じれなかった日露戦争開戦までの経緯と日本人の苦悩、また開戦に向けての準備とロシアの驕りがよく描かれていて面白かった。
    途中から話しが横に流れて読みづらい側面もあったが、日本から見るロシアの強大さ。日露戦争に勝ったのは知っていたけど、それがどんなに困難で奇蹟的なことだったのか。
    念入りな作戦や準備とロシアから見るとまだまだ弱小新興国の日本に対しての驕りが交わり合ってどう進んでいくのか。
    まだまだ8集のうちの3集目でどこに物語は向かっていくのか先が気になる。

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    2025年10月27日
  • 世に棲む日日(三)

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    長州藩の幕末の激動を高杉晋作、井上馨、伊藤博文、山縣有朋らを中心に描かれる。攘夷、開国、討幕といった思想の波が目まぐるしく変化する時代に自分ならどのように立ち振る舞えるかを考えさせられる。最終巻も楽しみ。四カ国艦隊との協議の下りが個人的には最も面白かった。ちょいちょい出てくる西郷隆盛が不気味。

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    2025年10月26日
  • 功名が辻(二)

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    ネタバレ

    羽柴秀吉の麾下に組み込まれた伊右衛門だが、出世は遅々としてならない。本能寺の変で信長が討たれ、山崎や賤ヶ岳でも戦うが、歳下の加藤清正や福島正則に追い抜かれていく。小牧・長久手の戦いを経てようやく二万石の大名になるが…。長浜の地震で悲劇が起きる。

    伊右衛門がちょっと行き詰まり、能力の限界が…。それでも千代に上手く操られて、徐々に出世してついには掛川六万石。千代の小袖の話とか大名の奥方の気さくな話は面白い。

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    2025年10月26日
  • 梟の城

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    「梟の城」直木賞受賞作を司馬遼太郎記念館で購入した。古来から隠し国といわれる伊賀。伊賀国から出た郷士で本作の主人公は”忍者ハットリくん”ではなく、”葛籠重蔵”。

    一般的な忍者は虚無主義をそなえており、他国の領主に雇われはしたが、食録として抱えられることはない。報酬をくれるものならどんな者の側にもつき、仕事が終わると、その敵側にさえつく。

    時は織田信長からはじまり、豊臣秀吉の晩年までのころ。重蔵は老師下柘植次郎左衛門の導きにより商人今井宗久の隠密として秀吉暗殺を狙う。

    重蔵と同じ師ををもちライバルでもある伊賀者風間五平が敵味方に別れて、それぞれの生き様を戦わせる。重蔵がとても男らしく不器用に忍者一筋で描かれるのに対して、五平は伊賀を裏切るかたちで前田玄以のもと200石の録を喰む。
    甲賀者のくノ一小萩と重蔵の関係も最後まで楽しませてくれた。中盤で登場する甲賀者の摩利洞玄もキャラが立っていてめちゃくちゃ強く印象に残る。

    誰が誰の隠密として働いているのか、今井宗久、前田玄以、石田三成、豊臣秀吉、徳川家康。混乱してくるが、終盤になるにつれ大物が情報力によりどのように世相を読み、どう世を生き抜こうとするのかも面白ポイントだ。また、物語がすすむなか、梟が忍者を指す意である事を示す描写は秀逸で思わず手をとめた。

    最終章、伏見城に忍び入り秀吉の枕元に立った重蔵と秀吉のシーンはまさに情景が目に浮かぶようで最高のクライマックスだった。

    忍者の姿(考え方)は男尊女卑な傾向で現在の価値観感とは若干ずれてしまうのは仕方がないところ。いや、むしろそんな世俗的歴史観を楽しめるのも読書だからこそ。私の生まれる前の直木賞作品「梟の城」は今でも古びない素晴らしい良質なエンタメ作品だ。

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    2025年10月26日