司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 項羽と劉邦(下)

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    歴史作家、司馬遼太郎が描く楚(項羽)と漢(劉邦)の戦い。歴史作家の筆名の原点となった司馬遷が残した‘史記‘に描かれる劇的な世界(紀元前200年前後の様々な戦い)を司馬遼太郎が再構築。春秋戦国時代を経て強力な国家(秦)が生まれ、そして崩壊。その過程に生まれた様々な英雄達興亡の物語であります。参考図書として、宮城谷昌光さんの楚漢名臣列伝の併読をお勧めします。共に☆四つ。

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    2022年02月01日
  • 世に棲む日日(四)

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    とても長かったが幕末に興味が湧いた。
    吉田松蔭の思想、高杉晋作の行動。
    動けば雷電のごとく。発すれば風雨のごとし。
    おもしろきこともなき世をおもしろく。
    高杉晋作すげえ。困ったとは言わない。

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    2022年01月29日
  • 新装版 王城の護衛者

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    短編集だが、後の長編作品に繋がっているものもありどれも秀逸。
    特に印象深かったのは、岩倉具視の歴史的回天の知恵袋として暗躍した玉松操をえがいた「加茂の水」。
    そもそも誰も見たことのない官軍の錦旗を想起し、偽造し、それが結果的に歴史の流れを変えてしまうくだりは最高。

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    2022年01月29日
  • 世に棲む日日(二)

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    吉田松蔭の今のままでは、ダメだ。外を見ないと。(アメリカに渡ろうとペリーの船に乗り込む)という意気込みが凄い。日本の危惧を憂い行動している。

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    2022年01月28日
  • 峠(下)

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    ネタバレ

    p.444
    そして作者は、河合が死後にまで自藩の者にうらまれた話ははぶいてしまっている。

    どんな恨まれることをしたのかを楽しみにしていたので、ちょっと残念でした。

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    2022年01月07日
  • 新史 太閤記(下)

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    生涯に渡り狂言を華麗に演じた秀吉。自分自身をも騙し切って相手を喜ばせることが人に取り入る時のコツなのだなと学ばせてくれる。とはいえ並大抵の人間では出来ないこと。そのため底抜けに明るく演じている時でさえ背筋が凍るような恐ろしさを感じたり感じなかったり。

    司馬先生の描く秀吉は一貫して好感度に溢れている。おそらくこれを読んで秀吉を嫌いになる人はいないだろう。

    くるくると七変化の如く感情というエネルギーを爆発させうまく自己表現している。そして見ている者の心を摘む。出世する人は昔も今も変わらないと思わせられる。

    『夢のまた夢』で終わる辞世の句は、農民の身分から知略と愛嬌で天下取りまでのし上がった、

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    2022年03月16日
  • 城塞(中)

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    合戦とは、文字通り外濠を固めてから、一気に畳みかけるものである。
    家康は自分が生きているうちに、何としても大坂を責めたかった。そのためには如何なる陋劣な手でも使った。
    後世、家康に暗い印象が付き纏うのは、やはりこの時(人生の最晩年)においての、大坂の陣によるところが大きい。
    悪逆非道なやり方をしている。
    そして、豊臣家はまんまと騙されていくのであった。

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    2022年01月04日
  • 峠(下)

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    ネタバレ

    この下巻は、読んでいてとても辛かったです。

    継之助は、あくまでも中立を目指して動いていたけれど、世の中の戦いの渦が強く大きく渦巻いて、結局戦わざるを得なくなってしまい、本意ではない思いが伝わってくるようでした。
    本当に中立が出来ると思っていたのか、ちょっと疑問が残りました。

    先を見る目があり、侍の世は無くなるとも思っていたけれど、侍として戦う道へ行くしかない。
    長岡藩という中での自分であり、武士だったのかなと思いました。

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    2021年12月25日
  • 新装版 妖怪(上)

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    熊野生れ「お前は六代将軍足利義教の御落胤」と母に聞かされた主人公源四郎は「将軍になる」と決意し京にのぼるが (『国盗り物語』そっくり) 、そこは土倉(質屋)、一揆の大将、印地(博徒まがいの浮浪者だが戦闘の際、足軽=新戦術の主力要素となる)、宗教勢力に四分されていた…。山田風太郎の忍術小説にたいして著者は「幻術小説」とでも言いたいほどよく幻術が出てくる。合理主義の著者にも否定しきれない人格の迫力が実在したと認めざるを得なかったのであろう。室町時代は書院造り、集落居住など日本的生活様式が出来た時期、宗教も

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    2021年12月18日
  • 峠(中)

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    とても難しい歴史小説なのですが、引き込まれて読んでいます。ちょっと中だるみな感もいっときありましたが、福沢諭吉の話が面白かったです。
    海外へ行く人が増えた中で、世界の中の日本の在り方や今の日本の在り方について、色んな考えがあったのだろうなと思いました。

    武士として、武士の世では無い新しい世の中を受け入れざるをえない苦悩を感じました。

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    2021年12月13日
  • 覇王の家(下)

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    あとがきにて司馬遼太郎さんご自身が書いていらっしゃるが、家康からは「覇王」という印象は最後まで受けなかった

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    2021年11月21日
  • 花神(上)

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    再読だと思うが、内容を完全に忘れている。司馬先生の授業を聴いているような感覚が心地よいです。
    語り口は詩的だし、なによりの博覧強記。維新の空気を伝えていたたいている。

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    2021年11月16日
  • 街道をゆく 5

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    司馬遼太郎 「 街道をゆく モンゴル紀行 」新潟から 旧ソ連のハバロフスク、アムール川、イルクーツクを経て、モンゴルのウランバートル、ゴビ草原を巡る紀行


    生えっぱなしの草により生きるモンゴルの遊牧者と 草地を田畑に変えて生きる中国の農耕者の生き方の違いが、中国文明を受け入れないモンゴルと 異民族を野蛮と蔑む中国の長年の争いになっていることが読みとれる


    モンゴルは中国を嫌い、長年にわたる中国との関係を断つため、旧ソ連との関係を深め社会主義国化したが、旧ソ連は モンゴルの世界的英雄チンギスハンを侵略者として憎み、モンゴルではチンギスハンはタブーとされているという複雑な関係


    草の匂いにモ

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    2021年11月13日
  • 燃えよ剣

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    半分行かないうちから倒幕派に追い風みたいな感じになってきて新撰組に分が悪い。
    「歴史というものは変転していく。そのなかで、万世に易(かわ)らざるものは、その時代その時代に節義を守った男の名だ。」と近藤に語った信条を貫き通し散っていいく。最期のほうは涙涙ですね。

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    2021年11月12日
  • 翔ぶが如く(一)

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    西南戦争の物語。全10巻なので導入の導入という感じ。

    日本の近代史は、明治維新という輝かしい改革に始まり、太平洋戦争の敗北という悲劇的結末に終わる。

    生命は生まれた時に死も内包しているというが、大日本帝国にしてもそうだろう。

    西欧列強に伍さんと近代化を目指すことは是としても、アジアへの進出は後世では侵略として語られることになってしまっている。

    現代の価値観で裁くことは愚かだが、それでも別の方法があったのではないか。

    それを成さんとしたのが西郷隆盛だったのである。

    ・・・と、大袈裟かもしれないが、私はこのように読んでいる。続きが楽しみ。

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    2021年11月08日
  • 世に棲む日日(四)

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    最後までひたすらに激しい嵐のような展開。史実に基付く小説とは思えない... 最終巻まで来ると、吉田松陰、高杉晋作という夭逝の、刹那の流れ星的な存在であった二人の役割の違いというものが鮮明に現れます。時代背景や年齢感覚の違いはあれど、彼らがそれぞれ28年くらいの人生の中で成し遂げたことの大きさにただただ呆然とするばかりです。

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    2021年11月03日
  • 世に棲む日日(三)

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    「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」とはよく言ったもので、高杉晋作という人物の"狂"が本格的に発現し始める本巻。激動に"身を投じる"ではなく、激動を"作り出す"のが、この人物の役割だったことがよく分かります。

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    2021年11月03日
  • 燃えよ剣

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     新選組という無頼の組織を、鋼の掟と剣術の強さで以て、のし上がらせた男の手腕とその苛烈な生涯が書かれた作品。
     しかしながら、ただ苛烈なだけでなく、沖田やお雪との会話の中では人間味のある可愛いところが覗くので、土方歳三という男がどこまでも人間臭く魅力的に感じられる。幕末に、徹頭徹尾喧嘩屋として生きた男のロマンが感じられてとてもよかった。

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    2021年10月30日
  • 梟の城

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    ネタバレ

    『梟の城』司馬遼太郎(新潮文庫)
    忍者といえば現代ではショッピングモールで手裏剣教室をやっていたり、城跡でパフォーマンスをしていたりといった存在だけど、実際の忍者はどんなはたらきをしていたのだろうか・・・。
    忍の道にいる人の名前が知れ渡ってしまっては忍べないから、歴史の表舞台に出てくることはないんだけど。

    本作は忍者小説でありながら、ひじょうに「人間臭い」忍者の物語だ。
    忍の道を極めようとする葛籠重蔵と、忍の道を捨てて士官する風間五平、くノ一の小萩と木さるを中心に話が展開する。
    冷酷非情が常であるはずの忍者が相手を殺すことに躊躇したり、色恋沙汰に陥ったりする。
    信長に伊賀の里を滅ぼされた恨み

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    2021年10月29日
  • 世に棲む日日(一)

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    吉田松陰の生い立ちと書生時代が描かれる第1巻。
    描かれるのは、幕末の嵐が吹き荒れ始めるよりも少し前の時代。吉田松陰という人間がどうやって形作られたのか、そして黒船来航をはじめとした時代のうねりの中で彼が何を考えどう動いたのかが詳述されます。
    全体的に『燃えよ剣』のような劇的な展開には乏しいけれど、次巻に迷わず手が伸びます。

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    2021年10月24日