司馬遼太郎のレビュー一覧
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四巻で織田信長がついに京都に登ります!
その一助を担ったのが明智光秀。
越前の朝倉家に見切りをつけてついに光秀が信長の臣下になり、将軍との橋渡しをする。
そして信長が京都に登ってからも、ほんと苦難につぐ苦難!
もう今度こそダメだという場面が何度もありながらも、信長は思いもよらぬ作戦や行動をとったり、運にも恵まれピンチを脱する。
逆境のときこそ行動して、運を引き寄せチャンスを掴む
そして天下布武の理想を現実にしていく。
一方で、信長と光秀の間には埋められない溝がどんどん出てくる。
お互いに能力を認め合い、必要としつつも、どうしてもそりが合わない。
どうしようもないこともある。
そして本能寺 -
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二巻では、いよいよ斎藤道三の国盗り。
そして、ライバルと言える織田信秀とその子織田信長も出てきます。
美濃の執事と言える地位まで登り詰めた斎藤道三が次に目指すは、国主、つまり美濃の大名になること。そのためには国主の地位に据えた土岐頼芸からの信頼を固めつつ、時期を見て自分が国主になる。
この過程はかなりすさまじく、一難あってまた一難のことばかり。
やはり何か新しいことをしようと思うと逆風は吹くもの。
一時は、美濃内の豪族からの妬み、恨みを買いすぎて、城を囲まれ自害するしかないとまで追い込まれたりもする。
そのときに斎藤道三がとったのが、出家をして頭を丸めるということ(斎藤道三という名もこのと -
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久しぶりに司馬遼太郎の本を読み終わる。もう少し周辺を読んでもいいかな。結構うんちく話が挿入されているので、そう言う興味の広がりが出る作家だな。明末から清への移行期の話だった。少数民族である清が広大な中国を支配するというのは確かに面白い話だ。当時の日本にも多くの中国人が帰化して来ていて鎖国ながら人との交流はあったんだな。大分血も混じるし民族って何なんだと考えさせられる。後書きがまた長い。しかもこの後書きを書いた時の中国の情勢と今はかなり違うように見える。特にウイグルあたり。司馬遼太郎は中国や大陸的なものに好意的だが、今の状況を目にしたらどう言う反応を示すのだろう。モンゴルや元についての本も読みた
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久しぶりに司馬遼太郎の本を読んだ。所々にその時代の背景や考察が書かれていて、やっぱり司馬遼太郎調の文章だなと思った。しかし史実と物語が重なり合っているので全体として史実だと思ってしまうんだな。明から清にかけての流れが分かって面白い。物語ではあるが。清はモンゴルと違って女真なんだなと言う事がよく分かる。その他には2点気になった。一つは皮島での朝鮮人との対話。今の日本人と韓国人との会話みたい。秀吉の朝鮮出兵もあり、今の日韓関係より更に悪かったのかな。中々折り合えない民族なんだなと思った。しかも儒教。朱子学というかやっぱりこれが大きな根っこなのかな、理解が進まない。結局華ではない日本は彼等からすると
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ネタバレ完結編。
しかし、この夫婦、最後は幸せだったのだろうか。
分不相応にも二十四万石の大名となり、しかも長曾我部の旧臣たちは山内一豊を認めようしない。
ヒステリックなくらい力で弾圧しようとする一豊と、懐柔策を提言する千代。
ふたりの思いは最後まですれ違う。
千代は後悔した。
身に余る褒賞を受け、上手く抵抗を抑える術を持たない夫を見て、鼻白む。
自分の提言を聞く耳すら持たなくなった夫を見て、こんなはずでは…と思う。
この二人には、どうも夫婦の間にある機微が欠けているような気がした。
千代が夫を操作する姿は、過保護な教育ママが息子を操っているように見える。
微塵も尊敬とかないよね。
築城に関して -
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これまでと同様,わたしが読んだのは単行本の方。
高田屋嘉兵衛が,北海道から国後,択捉を回り,その後,幕府の関係者の頼み事を聞いているうちに,何やら,あまり自由が効かない世界へと進んで行く場面だ。苗字帯刀を許されることと引き換えに商売として自由が効かなくなってしまった先輩たちを見てきているのに…。
さて今巻では,伊能忠敬の測量について,結構詳しく解説されている。持ち物や,その大きさの説明もあり,忠敬が、訪れた地域地域で住民に協力を求めなければならかなった理由もなんとなく分かった。そうそう,石川県の生んだ銭屋五兵衛の話題も。
今はなき「火山帯」という言葉だが出てくる。こういう小説の場合には