司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 坂の上の雲(七)

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    心に残ったところ。
    ・児玉と大山の思い「日本がいかにもろいものであるかを知っているし、~これ以上冒険を続ければ日本国は崩れ去るだろうという危機感」
    ・ロシア帝国のもろさ「彼らはつねに体内的な関心のみをもち、その専制者の意向や機嫌を損なうことのみを恐れ、~専制の弊害はここにあり、ロシアが敗戦する理由もここにあり。」
    ・日本においては新聞は必ずしも叡智と良心を代表しない。むしろ流行を代表するものであり~」

    いまの時代を生きる日本人が過去から学ぶことは、本当に多い。

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    2021年05月23日
  • 国盗り物語(四)

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    四巻で織田信長がついに京都に登ります!
    その一助を担ったのが明智光秀。
    越前の朝倉家に見切りをつけてついに光秀が信長の臣下になり、将軍との橋渡しをする。

    そして信長が京都に登ってからも、ほんと苦難につぐ苦難!
    もう今度こそダメだという場面が何度もありながらも、信長は思いもよらぬ作戦や行動をとったり、運にも恵まれピンチを脱する。
    逆境のときこそ行動して、運を引き寄せチャンスを掴む
    そして天下布武の理想を現実にしていく。

    一方で、信長と光秀の間には埋められない溝がどんどん出てくる。
    お互いに能力を認め合い、必要としつつも、どうしてもそりが合わない。
    どうしようもないこともある。

    そして本能寺

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    2021年05月21日
  • 国盗り物語(二)

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    二巻では、いよいよ斎藤道三の国盗り。
    そして、ライバルと言える織田信秀とその子織田信長も出てきます。

    美濃の執事と言える地位まで登り詰めた斎藤道三が次に目指すは、国主、つまり美濃の大名になること。そのためには国主の地位に据えた土岐頼芸からの信頼を固めつつ、時期を見て自分が国主になる。
    この過程はかなりすさまじく、一難あってまた一難のことばかり。

    やはり何か新しいことをしようと思うと逆風は吹くもの。
    一時は、美濃内の豪族からの妬み、恨みを買いすぎて、城を囲まれ自害するしかないとまで追い込まれたりもする。
    そのときに斎藤道三がとったのが、出家をして頭を丸めるということ(斎藤道三という名もこのと

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    2021年05月21日
  • 項羽と劉邦(中)

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    教科書でやったのを途中で思い出した!
    劉邦はなんにもないけど、だからこそいい仲間に恵まれてるな。でも仲間そこまで大事にしないのに、みんなついてくるのには、なんかおもしろいと感じた。可愛らしさがあるんだろうなと思う。

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    2021年05月17日
  • 坂の上の雲(六)

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    ネタバレ

    明石元二郎の諜報活動にページが割かれているのだけども、これが面白い!
    人物も魅力的であるし、真正面からの戦いだけでなくロシア内部から切り崩すためにどのようなストーリーがあったのかが詳しく描かれます。

    歴史は、結果でしか捉えることしかできないから割と無機質な印象を持ちがちだったけど、小説を読むことで人柄が結果を左右してたんだなぁと人間味を感じることができるのがよい。

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    2021年05月17日
  • 韃靼疾風録 (下)

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    久しぶりに司馬遼太郎の本を読み終わる。もう少し周辺を読んでもいいかな。結構うんちく話が挿入されているので、そう言う興味の広がりが出る作家だな。明末から清への移行期の話だった。少数民族である清が広大な中国を支配するというのは確かに面白い話だ。当時の日本にも多くの中国人が帰化して来ていて鎖国ながら人との交流はあったんだな。大分血も混じるし民族って何なんだと考えさせられる。後書きがまた長い。しかもこの後書きを書いた時の中国の情勢と今はかなり違うように見える。特にウイグルあたり。司馬遼太郎は中国や大陸的なものに好意的だが、今の状況を目にしたらどう言う反応を示すのだろう。モンゴルや元についての本も読みた

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    2021年05月14日
  • 韃靼疾風録 (下)

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    満洲八旗という言葉は知っていたが小説で生き生きと描かれる騎馬民族・放牧生活の迫力、対称的な明の(長城と都市城壁の内部での)繁栄。「もし人生の敵が退屈であるならば、都の一日は草原の十年にまさる」、しかし明は滅び、儒教秩序を満州皇族が引き継いだ。天下を取る為には「民を食わせること」、そして当り前だが「己が生き延びること」それには我身の周囲は去勢された者で固めるに限る。宦官も科挙も引き継ぎ結局は滅びることになった。一方、江戸時代を通じゆるやかに貨幣経済を発展させた日本は対照的に人間を開発し近代化を準備していた。

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    2021年05月13日
  • 世に棲む日日(四)

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    わたしにとって、初めての司馬遼太郎であり、初めての歴史小説でした。

    「長州の人間のことを書きたいと思う」

    で始まるこの小説は、必然的に
    「明治維新前夜のことを書きたいと思う」
    となり、それはまた
    「日本の近代化前夜のことを書きたいと思う」
    ということになるのでしょう。

    高校生の修学旅行は萩にいったのですけど、その時は歴史に興味がなくてSLしか覚えてないのです。
    もう一度行ったら色々と感慨深いんだろうと思います。

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    2021年05月09日
  • 竜馬がゆく(六)

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    ネタバレ

    p.180
    熟慮をこのみ、考えぬいたあげくなにも行動しない

    盛り上がってきました。
    桂小五郎のネガティブなところが、一周まわって好きです。

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    2021年05月07日
  • 峠(上)

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    今年(2021年)9月に役所広司さん主演の映画が公開予定とのことで読みだす。3巻もあるの?と思ったけど、さすが司馬さん、長さは感じさせないわ。正直、長岡藩の河井継之助って誰?の私だったが、今は次の中巻を早く読みたいと云う気持ちでいっぱい。上巻の時代は安政の大獄前後。江戸に出た継之助は勉学に励むのではなく世の流れをつかむ。そして大垣、津、京、そして備中松山から長崎でも世界を知る。江戸を再び経由して長岡藩に戻った継之助の元に京の池田屋事件の報が届く。さて、ますます動き出す世の中で継之助はどうする?

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    2021年05月06日
  • 竜馬がゆく(五)

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    ネタバレ

    p.49
    新しい時代が来るためには死に役が必要です。私はことし三十七になる。すこし長く生きすぎています。

    僕は既に37。今年、38歳になります。
    のらりくらりと生きてきました。
    これからの時代、どのようにしましょうかね。

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    2021年05月04日
  • 竜馬がゆく(四)

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    ネタバレ

    p.51
    「ついでに海も歩く気か」
    「歩けとおっしゃれば歩きます。ただ、歩き方を教えてください」

    顔を背けたくなるような切腹の場面もあれば、恋愛小説のようなほんわかするシーンもあり、いろいろ感情を揺さぶられます。

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    2021年05月02日
  • 竜馬がゆく(三)

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    ネタバレ

    p.71
    討手の大将奈良原、これは男であった。両刀をガラリと投げすて、着物、襦袢を肩ぬぎして上半身赤裸になり、叫びながら階上にのぼって行った。
    p.154
    人生の大事は成るか
    p.356
    形見はお前さん自身さ

    盛り上がってきました。

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    2021年05月02日
  • 新史 太閤記(上)

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    以前に読んだものを再読。
    やっぱり面白い。
    登場人物が生き生きと描かれていて、こういう人だったんだろうなぁと思わせる。

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    2021年05月02日
  • 新史 太閤記(下)

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    戦がうまいだけで天下はとれないことがよくわかる。一方で家柄・地盤無くして天下をとった過程も説得力あり。物語然としていないところがいつもながらよい。

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    2021年04月30日
  • 韃靼疾風録 (上)

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    久しぶりに司馬遼太郎の本を読んだ。所々にその時代の背景や考察が書かれていて、やっぱり司馬遼太郎調の文章だなと思った。しかし史実と物語が重なり合っているので全体として史実だと思ってしまうんだな。明から清にかけての流れが分かって面白い。物語ではあるが。清はモンゴルと違って女真なんだなと言う事がよく分かる。その他には2点気になった。一つは皮島での朝鮮人との対話。今の日本人と韓国人との会話みたい。秀吉の朝鮮出兵もあり、今の日韓関係より更に悪かったのかな。中々折り合えない民族なんだなと思った。しかも儒教。朱子学というかやっぱりこれが大きな根っこなのかな、理解が進まない。結局華ではない日本は彼等からすると

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    2021年04月29日
  • 竜馬がゆく(二)

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    ネタバレ

    p.156
    武士の剣には、千年のあいだ、剣というものについて考え考えぬいてきた義と理と法が背景にある。つまり武士道というものだ。

    少しずつ盛り上がってきました。

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    2021年04月28日
  • 功名が辻(四)

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    ネタバレ

    完結編。
    しかし、この夫婦、最後は幸せだったのだろうか。
    分不相応にも二十四万石の大名となり、しかも長曾我部の旧臣たちは山内一豊を認めようしない。
    ヒステリックなくらい力で弾圧しようとする一豊と、懐柔策を提言する千代。
    ふたりの思いは最後まですれ違う。

    千代は後悔した。
    身に余る褒賞を受け、上手く抵抗を抑える術を持たない夫を見て、鼻白む。
    自分の提言を聞く耳すら持たなくなった夫を見て、こんなはずでは…と思う。

    この二人には、どうも夫婦の間にある機微が欠けているような気がした。
    千代が夫を操作する姿は、過保護な教育ママが息子を操っているように見える。
    微塵も尊敬とかないよね。

    築城に関して

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    2021年04月27日
  • 街道をゆく 8

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    若衆組や種子島の歴史など、興味深い知識が溢れている。
    今の年齢になってこそ楽しめる作品だと思います。

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    2021年04月26日
  • 菜の花の沖(四)

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     これまでと同様,わたしが読んだのは単行本の方。
     高田屋嘉兵衛が,北海道から国後,択捉を回り,その後,幕府の関係者の頼み事を聞いているうちに,何やら,あまり自由が効かない世界へと進んで行く場面だ。苗字帯刀を許されることと引き換えに商売として自由が効かなくなってしまった先輩たちを見てきているのに…。
     さて今巻では,伊能忠敬の測量について,結構詳しく解説されている。持ち物や,その大きさの説明もあり,忠敬が、訪れた地域地域で住民に協力を求めなければならかなった理由もなんとなく分かった。そうそう,石川県の生んだ銭屋五兵衛の話題も。
     今はなき「火山帯」という言葉だが出てくる。こういう小説の場合には

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    2021年04月26日