司馬遼太郎のレビュー一覧
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『故郷忘じがたく候』
私が焼物が好きだからと母がこの本を勧めてくれた。薩摩焼が薩摩藩によって拉致された朝鮮人によるものとは知らなかった。パリ万博に幕府とは別に出展した薩摩ブースに展示されたあれもそうだったとは。自分には知らぬ事ばかり、と思う事しきり。本を読むとは、果てしなく面白い。
『胡桃に酒』
細川ガラシャについては色々知っているつもりでしたが、夫細川忠興の悋気(嫉妬心)の狂気たるや、凄まじい。たま(ガラシャ)が自らの容姿を罪という様に、忠興の狂気に触れ殺される罪もない人々も痛ましい。秀吉の『女房狩』も初めて知ったがおぞましい。
戦国の世に生まれた人たちは男も女も、身分の高低に関わらずその悲 -
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ネタバレp.219
「百策をほどこし百論を論じても、時勢という魔物には勝てぬ」
大政奉還前後からが面白くなるところなのかなーって思ったら、そのあたりからはあっさり、サクッと描かれ、すーっと終わってしまいました。
司馬遼太郎らしいといえばらしいですが、おそらく、その時の文献や見聞があまり無いので書けなかったのかなーとも思いました。
慶喜はなおのこと表舞台から消え去った人(将軍)ですもんね。資料はそんなに残ってはいないでしょう。
あの激烈な時代にあって、生き続けた慶喜の心情、想いをもっと知りたいと思いました。
単に趣味が多い、多才だけでは納得できなかったです。 -
Posted by ブクログ
今まで歴史小説というものを難しそうという理由でずっと避けてきた。
司馬遼太郎という名前は勿論知っていたが、読んだのはこれが初。
(この本はたまたま頂いたので読み始めた)
恐る恐る読み始めてみると、やはり最初はわからない用語が多く出てきて世界観に没入するまで時間がかかった。
ただ、全体の1/3を過ぎる頃にはもう夢中。
主人公の才蔵が男が1度は憧れるような男。才蔵を取り囲む女性キャラクター達もとても個性があっていい。
こういう作品は敷居がものすごく高いものと思ってたのだが、娯楽作品としてとても読みやすい。
久しぶりに時間を忘れてい夢中になってしまった。
早く下巻も読みたい。
物語の感想は下巻を読み