司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 竜馬がゆく(五)

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    全8巻の物語もここからが後半の折り返し。
    長州が半分、次いで薩摩、竜馬の話という感じ。
    長州が無念の大敗を喫し、血生臭さが増していく。
    竜馬は、勝海舟の神戸海軍塾の解散、西郷との出会いを経て、やがて会社の設立を思い描いていく。

    長州の池田屋ノ変など、重暗い話が続くなか、
    おりょうさんが個性を爆発させるエピソードが印象的で、菊の枕エピソードや、お田鶴さんとの女同士のバトルなど、閑話休題として面白かったです。

    いよいよ薩長同盟が近づいてきたかという感じで、
    次巻も楽しみです。

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    2024年03月05日
  • 世に棲む日日(四)

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    短くも劇的な生涯。もし彼の人生がもう少し長く続いていればどうなっていただろうかと思わずにはいられない。でも、どんな立場になっても性に合わないと投げ出してしまいそうだ。またそれも高杉晋作らしくていいような…

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    2024年03月01日
  • 項羽と劉邦(上)

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    個人的には読み進めるほど、章邯と司馬欣に魅力を感じて持っていかれました笑
    現代日本人の私たちでは感覚が掴みづらい当時の風習や世界観を端的にわかり易く説明しながら、キャラクターにしっかり血が通っているのが感じ取れる物語の展開の仕方が凄かった。
    司馬遼太郎先生の作品を初めて読み終えたけど、頭が混乱しない物語運びが、ただシンプルに凄いと思った。

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    2024年03月01日
  • 関ヶ原(下)

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    ネタバレ

    義と利
    最期、石田三成が義を貫いた?思い出した?
    シーンも感動です。

    ボタンの掛け違いのように、思い込みで負けた光成。
    石橋を叩きすぎる家康。

    性善説の光成。
    性悪説の家康。

    少しの違いで歴史が変わるのかと思えた、
    非常に読みごたえがありました。

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    2024年02月29日
  • 竜馬がゆく(八)

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    司馬遼太郎による坂本竜馬を主人公とした小説。
    文庫版で八巻にもおよぶ超大作。

    司馬遼太郎の小説は初めて手に取ったが、引き込まれる内容だった。彼の膨大な取材量に裏付けられた緻密な描写もさることながら、ここまで長い小説であるにも関わらずほとんど中弛みがなかった。

    本作は竜馬が故郷の土佐(高知)から武者修行のために江戸に発った1853年から、大政奉還直後に近江屋で暗殺される1867年までの期間を描いている。

    個人的には、大学受験で日本史を得意としていただけに本作における時代背景や大まかな出来事、流れは頭に入っていた。
    しかし、たった十数年の間にこれほど濃密で熱い男たちの闘いがあったことは全く知らなかった。

    私は今まで教科書では数ページで終わる内容をただ暗記していただけで、竜馬をはじめとする維新志士が回天に際して懸けた想いに巡らすことなど思いもしなかった。
    維新志士たちだけではなくて、幕臣や佐幕の侍たちも、彼らなり葛藤を抱えながら日本の行く先を憂い、真剣に考え、そして倒れていった。
    彼らの遺志が今の日本の一部を形成していることは紛れもない事実なのに、私はそんな彼らの想いを考えもしなかった。日本人としてこれは知っておくべきであり、これが本当の歴史と言ってもいいだろう。

    本作を読んでそう思った。

    作者は、本作の終盤において「事をなす人間の条件というものを考えたかった。それを坂本竜馬という、田舎うまれの、地位も学問もなく、ただいっぺんの志のみをもっていた若者にもとめた」と記している。
    これは確かに普遍的で奥深いテーマである。個人的にも本作を振り返って、坂本竜馬という人間がどのような人間なのかを一考したい。

    坂本竜馬とは
    伝統、作法、常識に囚われることを窮屈と切り捨て、
    自身や藩の利益に固執せず、やり場のない大志の行き先を探し、
    食えぬ傑物でありながら、少年のような大志を抱く男でもあり、
    時代の常識であるパースペクティブから飛び出す自由な発想・思想を持ち、
    土佐の差別的なまでの階層意識を乗り越えて、大事を成した男である。

    竜馬は、決して生まれに恵まれた秀才だったわけではない。卓越した頭脳を持っているわけでも、弁が立つわけでもなかった。
    しかし、彼はその人間的魅力をもって政府の有力者から気難しい志士、荒くれ者の侍、遊女までを惹きつけた。既成の価値観に囚われずに事物の良し悪しを見定め、生涯をかけて類稀な大局観と強烈な好奇心を養った。

    故に坂本竜馬は、だれも夢想しなかった無血での維新を果たすことができたのだ。

    この中でも最も重要で普遍的なことは、彼が人間として大きく、平易な目を持っていたことであろう。英雄としての必要最低限の条件はここにあると考える。

    さらに、彼が剣道の達人として世に名を通したことも忘れてはならない。やはり、どんな跳ねっ返りであったとしても、人は何かを成すにあたっては既存の価値観の上で実力をつけて一定のプレゼンスを持つことが必須なのだと思う。


    今、日本という国は幕末と同じぐらい危機的な状況に瀕していると考える。
    幕末の危機が閉鎖的ゆえの世界全体の中で経済的・思想的・軍事的没落に起因したとすれば、現在の日本の憂国の危機はグローバルに「開かれすぎた」世界であるがゆえの競争力の低下だという違いはあるものの、どちらも同じくらい切迫した状況だと考える。

    江戸時代における日本の長い太平は、結果的に相対的な経済・軍事の低下をもたらした。対して欧州は長く陰湿な混乱期によって力を手にした。払うべきときに、払うべき犠牲を払わなかったことが日本を弱体化せしめたのだ。

    これも現在の日本の状況に当て嵌まる。
    WW2の敗戦から高度経済成長、バブル、ただ経済における原理であるキャッチアップと人口ボーナスでしかなかった現象を、自らの実力だと勘違いし、然るべき準備をせず、払うべき犠牲を払ってこなかった。

    結果が、今の日本の体たらくである。
    最も確実な未来予測である人口構造の変化に手を打たなかった結果、世界一の超高齢社会と化し、何の役にも立たない老人を若者の犠牲によって生かし続けている国。
    私欲と利権にまみれた無能な世襲政治家が跋扈し、本来であればそれを監視するべきマスメディアに大義がなく、癒着に沈んだ国。

    最もたちが悪いのはそれに気づけず、黙殺している国民である。
    本作中に「百姓・町民は欲望だけがあり、教養と知識がなく、ただ幕府に税金をとられるだけの非支配階級である」という記載がある。
    日本国民もここからまったく進化していない。
    無能を是とし、有能を堕としめて、無勉強で怠惰な国民が大多数を占めている。

    今の日本にも維新が必要だ。
    幸い、勝機はある。
    インターネットの普及によって、少なくない若者はマスメディアからの洗脳を抜けつつある。
    志と能力の高い若者は、上の世代が無能の塊であることに気づき始めている。

    私も今の日本の志士の1人として、日本を再び世界の最前線に返り咲かせるべくリードしていきたいと思う。
    坂本竜馬をはじめとする幕末の英雄たちに恥じない生き方をしていきたい。

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    2024年02月28日
  • 馬上少年過ぐ

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    2つの単行本から計7編を収録した本。河井継之助、イカルス号事件、田崎草雲、伊達政宗、山田文庵、脇坂安治+創作1編。
    山田事件は山田文庵に厳しい評価が多いが、文庵に寄り添ったないようになっているのが面白い。司馬遼太郎氏は四国の南側の空気感には割と厳しい目線が多い気がする。
    脇坂安治の貂の話は知らなかった(創作としても知らなかった)。安治の評価はなかなか手厳しいが、3万石の話なども興味深い。短編であっても、それぞれに司馬さんの思いが詰まっており、読み応えがあった。

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    2024年02月27日
  • 街道をゆく 40

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    「国家とはなにか」をテーマに、司馬遼太郎さんと台湾のかかわりや歴史についてのお話

    台湾の雰囲気やグルメやショッピング、台湾の人々が大好きで、何度も行きたい!と楽しい気持ちいっぱいだったけれど、歴史を知り、思うと悲しく、単に楽しい!の気持ちだけで訪れていいのだろうかと思いました。

    「私は台湾を紀行している。絶えず痛みを感じつつ歩いている。」

    そして、何度も出てくる「人間の尊厳」という言葉。
    互いを尊重しあえる世界のために、私たち個人が互いを尊重するようにしなければいけないですね。

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    2024年02月27日
  • 関ヶ原(中)

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    ネタバレ

    p141.風雲
    家康は、風のなかで立っている。
    どっしり構えていた家康が、初めて心を乱された。
    さすが直江兼続。パチンコで主役を務めるだけある。

    その他
    小山評定での発言ひとつで徳川政権後の石高が変わる面白さ。
    家を残すための必死さ、謀略など。面白い。

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    2024年02月23日
  • 坂の上の雲(二)

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    自分は子規と比べるまでもなく凡庸な人だけど、幼なじみが出世して社会で影響力を増していく中で自分が燻っていることの悔しさとかこれでいいのかという気持ちはちょっとわかる。

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    2024年02月20日
  • 竜馬がゆく(四)

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    京に新撰組がうまれshuku・shuku・粛清。
    土佐勤王志士たちの切腹シーンが続き、泣ける。
    竜馬のセリフや行動に、笑う。

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    2024年02月19日
  • 坂の上の雲(五)

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    舞台は激戦の203高地。遼陽の満州軍総司令部から旅順にやってきた児玉が、第三軍司令部にて涙ながらに叱責するシーンが印象的でした。

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    2024年02月17日
  • 新選組血風録 〈改版〉

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    剣に生き剣に死んでいった新撰組の話。銀魂程度の知識しかない状態で読んだけど、めちゃくちゃのめり込んだ。こんなにも色んな人達がいて各々の物語があったことに当たり前やけど気付かされた。今では分からないこの価値観の中で生きて散っていく新撰組に焦がれる。

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    2024年02月17日
  • 功名が辻(四)

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    人の人生とは不思議なものだなぁという印象が大きく受けた。

    一豊は一貫して真面目でコツコツと積み上げていく、千代は独自の感性と時代の流れを汲み取る力でお互いに支えて登ってきた。そこには運も絡んだであろうことは明白であるが。

    最後はどちらの考え方にも正解はなかったというと語弊があるが、どちらのやり方も間違ってはいなかったのではないか。しかし最善手ではなかったように思える。一豊も千代も年齢を重ねており、様々な思考の散りつもり、若々しく話を重ねていくというのが難しかったのではないか。
    あそこでお互いの折衷案のような形を出せれば良かったのかなぁ。流れは変わったのか、変わらなかったのかは知らないが。

    何事においても、自分を信じ、相手に耳を傾けて、自分を疑ってみる。この工程が大切なのではないか。

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    2024年02月15日
  • 坂の上の雲(四)

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    巻全体を通して、組織の上に立ち、統率する立場にある人間の資質とは?について考えさせられる内容でした。

    司馬遼太郎がこき下ろす、乃木希典と伊地知幸介という人物。終始モヤモヤしながら読み進めましたが、本作だけでなく、他の書籍も読んで、多角的に二人のことをもっと知りたいと思いました(それでも結果的にモヤモヤで終わるかもしれないけど)。

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    2024年02月13日
  • 関ヶ原(上)

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    まず、時代小説なのに非常に読みやすい。
    もっとたくさん読みたい。
    しばらくは司馬作品ばかりになるかも。

    関ヶ原は家康VS石田三成は知っていたが、恥ずかしながらそれしか知らなかった。
    豊臣秀吉死去の後、なぜ戦いが起こるのか。
    各々の性格などが非常に丁寧に描かれており、ジワジワと関ヶ原に向かって行くのがドキドキする。
    家康が本当に狸です。笑

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    2024年02月12日
  • 花神(中)

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    薩摩藩の軍師とも言うべき伊地知正治も認めた大村益次郎。豆腐で晩酌するくらい豆腐が好きだったようだ。

    幕軍が攻めてきた辺りまで。

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    2024年02月11日
  • 峠(下)

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    『最後のサムライ』という映画の副題がしっくりくる良い作品。ただ、主人公に目を向けると、結局は領民の命より武士としての生き様を重視した人物だという印象。おそらく司馬さんのフォローだろうが、個人的には彼に長岡藩が小さ過ぎたとは思えない。

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    2024年02月10日
  • 坂の上の雲(三)

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    正岡子規の最期と日露戦争の開戦と、これまでで一番手に汗握る展開で、夢中で読んでしまいました。

    にしても、まるでその現場で見聞きしていたかのような詳細な描写、これが司馬遼太郎なのでしょうけど、いったいどのくらいの時間と労力をかけて人物や史実を研究したのかと、純粋にただひたすら感服するのみです。

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    2024年02月10日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    空海の生涯を数多くの文献と司馬遼太郎の考察により紐解いていきます。小説と考察文の中間のような書物です。そして上下巻読んで思うのは空海ほど天才という言葉が似合う人はいないのではないかということです。10代で儒教、道教、仏教を比較して仏教の優位性を説いたり(しかも戯曲という形で)、遣唐使として唐に渡れば、現地の中国人よりも漢詩が上手く中国人の尊敬を集めたり、唐に渡って半年で梵語をマスターしたり、帰国後は氾濫を防ぐための大きな溜池の土木工事をしたり(現在も香川県で使われている)と1つ成し遂げただけでも凄いのに、そういうエピソードが多岐に渡ります。そして1番凄いのは、勿論真言宗という密教の宗派を開いたこと。密教の正統な後継者として唐の高僧に伝授してもらうだけでも奇跡的なのに、さらにそこに空海の独自の思想を反映させ、新しい宗派を確立させるのは常人にはできない偉業としかいえないと本を読んで思いました。

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    2024年02月07日
  • 人斬り以蔵

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    人斬り以蔵と呼ばれる、岡田以蔵の長編かと勘違いして購入。短編集でした。でも結果的には良かったかも…
    岡田以蔵が悲しすぎて切なすぎて。
    以蔵は以蔵なりの正義があり、頭の悪さ、口下手さにつけ込んだ武市半平太が悪いと思いました。最後の拷問場面や武市に毒薬を渡された場面は本当に辛かった。泣きそうでした。
    他の短編もなかなか読み応えがあり、幕末や秀吉、家康の時代の話もあり、楽しめました☆
    司馬遼太郎先生が大好きです。

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    2024年02月04日