司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 豊臣家の人々 新装版

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    圧倒的なカリスマである秀吉と、その急成長に見合わない家族、親族の話。豊臣家はうまく承継されず、内部から腐り、潰えた。
    一家を継続されるには、当主の属人的な能力に依存せず周到なシステム構築が必要。
    なんだか企業の組織論と同じだなー。

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    2021年08月14日
  • 歴史を紀行する

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    大作家・司馬遼太郎氏が日本史上に名を留める各地を歴訪し、司馬史観を駆使して語る歴史紀行。風土と人物を考えることなしに日本歴史を理解することはできない!

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    2021年08月13日
  • 項羽と劉邦(上)

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    秦の始皇帝の死後、宦官の趙高の謀によって蒙恬や始皇帝の長子扶蘇、李斯が死に、始皇帝の末子胡亥が二代皇帝となった。初めて統一された中国は秦の法家思想に馴染まず、陳勝・呉広の乱を皮切りに各地で流民が反乱を起こす。多くの流民の食を確保し、楚の懐王を奉じて力をつけた項梁は、秦の章邯によって定陶で敗死するが、甥の項羽は章邯の先鋒を破り、章邯を降伏させる。しかし秦の降兵20万の反乱を危惧した項羽は、20万の兵をパニックに陥らせ穴に落として虐殺する。

    クールな章邯が項羽に尊敬されていると告げられて泣く場面が印象的。劉邦は別働隊として関中に向かっていて、先に関中に入ってしまうのではないかと項羽がヤキモキして

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    2021年08月12日
  • 人斬り以蔵

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    江戸時代付近は名前とその人がどんなことをしたのかというフワッとした知識しかありませんでした。この本を通じて内面や詳しい動きなど知ることができました。

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    2021年08月02日
  • 新選組血風録(一)

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    幕末好きとは言いながら、きちんと読み物として咀嚼したのは「おーい!竜馬」ぐらい。
    あの漫画に登場した沖田総司の妖艶な姿が忘れられず、ほかの方が描いたらどうなるのだろう。
    新撰組の側から、しかも司馬遼太郎原作というのも惹かれ、手に取りました。

    劇画調でおどろおどろしく描かれる線の強弱も、心象風景とマッチングしていて、感情を揺さぶられ、森秀樹さんの力量に感服。

    それにしても、人がよく斬られる。

    あの時代、京都に住んでいた人は死がものすごく近かったことが想像でき、今の平和を感謝したくなつた、一巻の読後感でした。

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    2021年08月02日
  • 功名が辻(三)

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    読んでいくうちに、これは大河ドラマ映えするだろうな、という印象になる。
    - 一人の男ではなく、夫婦での出世
    - 実直な夫と、利発的な妻という構図
    - 織田、豊臣、徳川と時流に沿って上司が変わる
    - 歴史上の人物にありがちな短命ではなく、割と長期戦(20~50代まで)

    主演仲間由紀恵だったらしい。妻側を主演にする構成もわかる。

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    2021年07月31日
  • 関ヶ原(中)

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    中巻は家康が上杉征伐に向かおうとする少し手前からのスタート。上杉景勝と直江兼続の主従関係の素晴らしさがいいと思います。中でも家康を激怒させた兼続の挑戦状はお見事!さすがに関ヶ原にクローズアップされているだけに、普通の歴史ものなどでは、一瞬で経過するところが詳しく描かれていて、また普段は脇役的な武将もしっかりと描かれているのがいいと思いました。次巻はいよいよ関ヶ原の戦いです。

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    2021年07月18日
  • この国のかたち(一)

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    「日本とはどういう国なのか」と司馬さんが、23歳の自分自身に手紙を書くようなエッセイ。

    それにはわけが、、、
    召集されて軍隊を経験した23歳の司馬さんは、戦争に負け終戦の放送をきいたあと「なんとおろかな国に生れたことか」と思ったのだそう。

    「昔はそうではなかったのではないか」鎌倉・室町期や江戸・明治期のころのことをである。
    それを小説に書いてきたのでもあった。

    そして、昭和の軍人たちが国家そのものを賭けにしたようなことは、昔にはなかったと確信する。

    「それではいったいこの国は、どうであったのか」と歴史を紐解きながら「この国のかたち」を探る。

    まるで司馬さんの頭の中の引き出しが開かれて

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    2021年07月13日
  • 峠(中)

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    ネタバレ

    上巻ではいけ好かない頭でっかち野郎だった河井継之助だけど、中巻になるとちょっと趣が変わる。
    「幕府なんてもはや不要。
    長岡藩は自立してやっていけるような経済力を身につけねばならない。」
    と言っていたかと思うと、
    「殿には、忠臣であるという筋を通させてやりたい」(つまり幕府のために忠義を尽くさせたい)
    と言い、さらには
    「殿がまず死んで見せなければ、藩の意見は一つにならない」
    とまで言い出す。
    どうしたいのだ、河井継之助。

    幕府をあてにせず経済立国を目指すのだったら、さっさと薩長に付けばよかったのだ。
    殿の心情を汲んで幕府に忠義を立てるというのなら、もっと早くから薩長の主張の矛盾を突いて論破し

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    2021年07月07日
  • 国盗り物語(四)

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    まさに歴史の教科書。 明智光秀が謀反を起こさざるを得なくなるプロセスが克明のされている。
    あわよくば、最後の浅井攻めをもう少し詳細に記載して貰いたかった。

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    2021年07月06日
  • 峠(上)

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    ネタバレ

    私、この人嫌いです。

    まだ上巻しか読んでいないので、もしかしたらこの先好きになることがあるかもしれないけれど、今現在の正直な気持ちを言うと、嫌い。

    まず、この人は他人を尊重することがない。
    他人の才を見切っては、多くは見下して切り捨てる。
    傲岸不遜とはこのことか。

    そして、武芸を習うにあたっても、基礎も奥義も興味ない。
    ただ、本質だけを教えろと言い、あげく師匠から破門されるので、どれもどれも未熟なままで終わっている。

    なのに本人だけが、自分は大きなことを成し遂げる男だと思っている。
    佐久間象山の塾に通ったこともあるが、その人となりが気にくわなくてやめているけれど、私からしたら鼻持ちなら

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    2021年07月03日
  • 坂の上の雲(七)

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    奉天会戦の顛末、そしてバルチック艦隊にいよいよ出会う。
    指導者が臆病であったり、自分以外を信じない自己中心的な判断しか持ち合わせていなかったり、ロシアに勝てたのは日本の強さではなくロシアの内的な弱さであったにもかかわらず、日本はその勝利を過信してしまったことがのちの太平洋戦争に繋がるのか…と思うと、報道やら情報操作の責任は重いなと感じる。

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    2021年06月26日
  • 燃えよ剣

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    映画化ということで作られた「新装版」
    土方歳三という人も、名前くらいしか知らなかったので読んでみました。

    激動の時代と言ってしまえばそれだけですが、何が良くて何が悪いのか、今日正しかったのが、明日は悪になるというのは、辛い時代だと感じます。
    そんな中で土方は、自分の生き方を貫いた人なのかなと、戦国時代に生まれていたら、すごい武将になったのではなかろうかと思いました。

    映画を観るのが楽しみです。

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    2021年06月24日
  • 功名が辻(一)

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    賢妻が戦国武将を影で支えて出世させた話。どの戦国武将に仕えるかが武士の一生を左右すると言っても過言ではない世の中で、武士の立ち回りを現代の会社選びになぞらえて表現している部分が面白かった。

    大体のストーリーがわかったので、とりあえず2巻目は読まなくてもいいかなー。

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    2021年06月20日
  • 国盗り物語(三)

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    信長編とは言いつつも、後半は明智光秀編って感じです。 NHK大河ドラマで違和感のあった歴史考証を本書で確認できた感じで、大変役に立った。

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    2021年06月14日
  • 「明治」という国家[新装版]

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    ネタバレ

    第一章 ブロードウエイの行進
    遣米使節(1860年2月~11月)は、正使・新見豊前守正興、副使・村垣淡路守範正、目付・小栗豊後守忠順をはじめ、総勢77人。
    当時のアメリカ人は、日本人の挙手動作、品の良さ、毅然とした態度の未知の民族に、大変上質なものを感じたという。「明治は多くの欠点をもちつつ、偉大としかいいようがない」。透き通った格調の高い精神で支えられたリアリズムであった。それに対して昭和―昭和20年まで―はリアリズムがなかった、と評する。
    第二章 徳川国家からの遺産
    小栗忠順(ただまさ)は外国奉行にあり、金がない中で日本で最初の横須賀造船所(現、在日米軍横須賀海軍施設)を造った。施工監督を

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    2021年06月13日
  • 世に棲む日日(二)

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    松蔭の死に方がもったいない。もう少し何か策があればっと思ってしまう。
    今の死という考えと昔は違うから仕方がないかもしれないが。

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    2021年06月05日
  • 峠(中)

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    継之助、長岡に戻る。人材不足の長岡藩、継之助は家老に祭り上げられる。世は、大政奉還から鳥羽・伏見の戦い、そして江戸無血開城へ。今(2021年5月末)のNHK大河の「青天を衝け」で、ちょうど同じ頃をやってるが、長岡藩にこんな世界を分かっていた人がいたなんて全然知らなかったわ。福沢諭吉との対話なんて最高!

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    2021年05月31日
  • 新選組血風録 新装版

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    新選組の評価や隊士のイメージなどは、様々な作家や伝記などから総合的に作られてきたものなのだろう。2021年において、司馬さんという超有名作家の1962年の作品がこのイメージ作りにどの程度関与したのかは正直分からない。沖田の天真爛漫イメージなどはもっと昔からあったっぽいが。
    自分は特に三谷大河史観に毒されているので、どうしても大河ベースで読んでしまうのだが、それはそれとして、新選組という集団の中の様々な面々を魅力的に(井上あたりは大河史観から見るとアレだが)描いたのは、画期的なことなのだと思う。三谷大河史観とのズレに若干苦しみつつも、楽しく読めた。自分のお気に入りは「沖田総司の恋」。

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    2021年05月30日
  • 新史 太閤記(下)

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    以前、読んだものを再読。
    やっぱり面白い。上巻から読んできて、藤吉郎が皆がイメージする秀吉になっていくように感じた。

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    2021年05月24日