司馬遼太郎のレビュー一覧
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「三国一の何々」という「三国」とは(近隣国では)
「唐天竺(中国インド)」と日本の中で一番だということで
「韓」というものがふくまれていないのだった
と、司馬ワールドではいう
古来、朝鮮という半島は国家については地理的位置が近接しすぎており、
しかも人種までが類似し、このため厳密な外国意識をもたずに数千年経てきている。
から
含まれなかったのはあまりにも近縁で他国視できなかったのであろう。
と
今読んでいる司馬遼太郎『歳月』(江藤新平栄光と転落の生涯)にある文章で
これ、わたしは「ははーん」と思ったことだった
おもしろいものだ
いまではとても同じ人種と思えない気質なのにね
でも -
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江藤新平という法律立法における天才といわれた人物と
大久保利通という日本初の宰相(松本清張の『史観宰相論』より)
のことがよくかわかる小説であった
江藤と大久保は似た気質であるという
司馬さんの文章にこうある
「人間の才能は、大別すればつくる才能と処理する才能のふたつにわけられるにちがいない。」
明治期、このつくる才能に恵まれたふたり
他の維新の面々が封建制を倒したのはいいが
日本国創造の抱負も実際の構想も持たなかった時
ふたりは才能を発揮し、がちんこしたのである
江藤新平には政治力がなく、うかつな性格、うぶな一面
大久保利通には冷たいまでの狡猾な理知があったという
こういうスタンス -
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【感想】
ついに倒幕の大きな推進力となる薩長同盟を実現させるに至った坂本竜馬。
坂本竜馬ひとりの力で功が成ったとはさすがに言い過ぎだが、やはり坂本竜馬なしでは同盟の締結なんて無理だったんだろうな~
温故知新というか、功を焦らず機が熟すまでじっくりと待つことの大切さ。
あと、それぞれが持つ背景をきちんと捉えた上で、「理」だけでなく各々の「情」も汲んで事を進める点は、現在にも通じる交渉術だなぁと思いました。
面白い本ではありますが、前巻同様で、おりょうとのラブストーリーの箇所が要らないなと個人的には思います(笑)
【あらすじ】
幕府を倒すには薩摩と長州が力を合せれば可能であろう。
しかし互 -
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徳川家康の悪役扱いは皆様も書かれている通りです。
ただ、落城後の家康の描写には考えさせられるところがありました。数百年の太平のために徳川家康という人間を守り、表現しなければならなかったのか、という感想を抱きました。
また、豊臣家の自害を迫るシーン、あれは徳川のせめてもの温情なのでしょうか。それとも武士たちの憐憫の想いからでしょうか。何よりあの豊臣家を憐んでいたのは著者ではないかなと思います。
各陣営の心境にここまで丁寧な描写があるのはさすが司馬遼太郎氏です。本多忠朝や松平忠直の逸話もしっかり加えており、昔の大河ドラマで言われていた毛利勝永陣営の暴発についても丁寧に記述されていました。ただ、彼特 -
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文庫本での最初の二巻は斎藤道三が主人公だったが、この第三巻の前半では主人公は織田信長に移る。斎藤道三はむしろのし上がってきた悲劇の老体となる。斎藤道三と比べて、織田信長は最初からお城の若様として生まれたので、一からの立身出世ではなないので、道三編とはまた違った物語の進み方になる。そして後半の主人公は明智光秀に移り、この実力を持った武将が何を考えて戦国の世で活躍してゆこうとしているのかが描かれる。今まで明智光秀は、最後の織田信長を裏切るところばかりしか知らなかったから、こうして織田信長に使える前の様子を知ることで、本能寺の変も違ったように見ることができそうに思う。
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ネタバレ堪えることの意味や内容、あるいは理屈などはない。元来、人間の行為や行動に、どれほどの意味や内容、あるいは理屈が求められるであろう。なぜ親に孝であり、なぜ君に忠であるのか、と問われたところで、事々しい内容などはない。うつくしい丹塗りの椀の中に、水を満たそうと飯を盛ろうと、また空でそこに置こうと、丹塗りの椀の美しさにはかわりがないのである。孝や忠は丹塗りの椀であり、内容ではない。蔵六は堪えしのぶことによって、自分のなかに丹塗りの椀をつくりあげている。丹塗りの椀の意味などは考えておらず、ただ自分は丹塗りの椀でありたいとおもっているだけである。
「学問は、したくてするものです。学問であれ遊芸であれ、 -
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ネタバレ作者が乃木希典を題材にここまでの長編を書くからには興味をそそる要素があったからであって、それはやはり明治天皇の後追い自死があったからであり、しかも妻も含めてとなるとその人間性を詳しく探求したくなったのでしょう。
第一部は「坂の上の雲」でも詳細に描かれた旅順攻略を中心とした、司令官として害をなすほどの極まる無能さで、作者も憤りを隠さず描いており、読み手にもその悪手に憤りを感じる。犠牲になった当時の兵員達のことを思うと悲痛です。
第二部は割腹自殺にいたる動機を作者の想像を交えて描かれる。昭和初期の人物、山鹿素行を崇拝し、その図書「中朝事実」を将来の昭和天皇に強要するほどの熱の入れよう、それはやはり