司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 覇王の家(下)

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     小牧・長久手の戦いで秀吉を事実上破った家康から晩年の家康までを描き、家康の本質に迫る。

     信長や秀吉に比べると、英雄的な魅力が感じられない家康ですが、この作品を読んでその理由がさらにわかった気がします。

     同時に自分に置き換えてみると、家康のようにあるべきなのではないかと思う自分がいました。

     司馬史観でとらえた家康像のように、自分を客観視しながら自分をあるべき姿に行動させること、それはそれで人としての大きな力になるのではないかと考えさせられました。

     また、家康の配下の武将の運命からは、人生の岐路でどう歩むのかが大切であることも感じました。

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    2023年02月12日
  • 峠(下)

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    河井継之助、やはりおさえておかねばならないよね。
    このひとに対する評価は分かれるのだろうけど、嫌いじゃないですよ。

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    2023年02月12日
  • 義経(下)

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    義経って不幸だなと思った。子供のまま大人になってしまった、その生い立ちも政治感覚の無さに関係してるんだろう。頼朝の考え方、葛藤もよく書けてるなーと思った。

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    2023年02月11日
  • 覇王の家(下)

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    戦国時代の天下取りで争いあった信長、秀吉、家康。これら天下人の元に仕える光秀などの家臣達。
    単に徳川幕府三百年に及ぶまでの争いを描いただけでなく、何故、家康が長きに亘る政治を治めることが出来たのかを、信長や秀吉と違った三河人の忠誠心の強さを表現していて、面白かったです。
    NHK大河(どうする家康)も、そうした家康の人間性を前面に表現したかったと聞きました。
    ドラマも色々話題になっているようですけど、楽しみに見ています。

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    2023年02月03日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(上)

    購入済み

    アホな男の物語

    大阪弁でよくいうアホな男の一代記である。国民的作家として名声が高い司馬遼太郎であるが、比較的初期にはこの作品のようにいわゆるエンタメっぽい気楽なものも書いたのだなと再認識させられた。とは言うものの司馬史観はすでにしっかりとしている。主人公の正反対の、幕末の一般武士の情けなさを辛辣なユーモアを持って描き出している。

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    2023年02月01日
  • 新装版 北斗の人(上)

    購入済み

    合理性を重視

    現代の剣豪小説にも言えることではあるが、やたらと剣法を神秘化.呪術化.精神化したがる傾向があるが、江戸時代においても「合理性を重視」したという千葉周作は確かに興味を惹かれる存在である。太刀行きの速さを意味する「瞬息」という表現はなるほどと思わせるところがある。門下生には坂本龍馬を代表とする有名人物がたくさんいるが、開祖たる千葉周作本人は合理主義者だけあって今ひとつ地味かな。

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    2023年02月01日
  • 覇王の家(上)

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    徳川家康の今川家の人質時代から桶狭間の合戦で今川義元が織田信長に敗れ、織田と同盟を結び、武田北条と政治力で領地を固めてゆく。新しい支配者 秀吉にどう対峙していくのか。家康の部下が生き生きと描かれていて面白い。正妻 息子を殺さなければなかった家康。悪妻の評判の築山殿だが彼女の強きなプライドも哀しい。家康が人間関係を重要視しているのがよくわかる。

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    2023年01月29日
  • 新史 太閤記(下)

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    小牧・長久手の戦い以降の展開が早い。さらには、大坂城での家康との対面以降は書かれていない。つまり、九州征伐、小田原征伐、秀次事件、朝鮮出兵には全く触れていない。

    司馬が関心を持っているのは、秀吉が知恵を駆使して戦国時代を生き抜き成り上がっていったところまでであり、権力者となって以降の秀吉には関心がないということだろう。

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    2023年01月23日
  • 坂の上の雲(四)

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    指揮官たるものの心得

    日本軍とロシア軍のそれぞれの指揮官の気性や能力を通して、軍隊を率いるもの、現代においても組織を率いる経営者などに必要なことが学べる。
    日本海軍の山本権兵衛、東郷平八郎、陸軍の大山巌や児玉源太郎とロシアのクロパトキンらの対比が面白い。もちろんロシアにも優れた指揮官はおり、クロパトキンも優秀である。だが優秀なだけでは統帥はできない。

    ■印象的なシーン
    ・6艦しかない戦艦のうち2艦を失っても平然としていた東郷平八郎
    ・黒木軍の勇猛さ
    ・この時代から根性突撃主義だった陸軍。勝ってしまったために反省せずそのまま大東亜戦争に突入してしまった
    →これは高度経済成長期=日露戦争、失われた30年=大東亜戦争と読み替えて、日本企業に当てはめることもできる。。
    ・正しく情報を得て、正しく認識しないと判断を誤る→乃木軍
    ・情報は常に最前線でとる。情報化社会の今でも変わらない

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    2023年01月23日
  • 覇王の家(上)

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     徳川三百年の礎を築いた徳川家康の生涯を描く歴史小説。

     なぜか、戦国時代の司馬作品では、この作品だけまだ読んだことがなく、おりしも大河ドラマで注目されているので、この機会に読んでみました。

     上巻は、信長が討たれた所まで描かれており、家康の巧みな政治力で徳川家を守ってきた苦労が伝わってきました。

     また、三河の風土であったり、三河武士の特徴であったりしたものがこの時代を生き残る重要な要素であったことも理解することができました。

     時折挟まれる司馬史観の余談もこの令和の時代にあっても考えさせられる内容でした。 

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    2023年01月22日
  • 新装版 播磨灘物語(1)

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    久しぶりの司馬遼太郎だった。

    最近戦国時代に今更ながら凝っており、手を出してみた訳だがかなり面白かった。

    個人的な感想だが、何となくでもある程度の知識があると、著者の考え方や歴史の見方が見えて一層面白いのだなと感じた。

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    2023年01月22日
  • 覇王の家(下)

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    手に汗握る小牧長久手の戦い  下巻は、小牧長久手の戦いを中心に描かれる。大勢の武将が出てくるが、浅学ののため初めて聞く名前も多かった。

     三河衆の価値観や排他性、用心深さ、偏狭さは、家康の性格そのものであり、徳川幕府、徳川期の性格であり、その後の日本人の民族性をつくり、現代でもなおその根を残しているという不幸もつくったと綴っている。説得力があります。

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    2026年01月18日
  • 覇王の家(上)

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    人質時代から秀吉の台頭まで  家康ブームに乗せられて、何か読みたいと思っていた時出会ったのが、司馬遼太郎のこの本。上巻は人質時代こら秀吉の台頭まで。

     「・・・ついでながらこの小集団(三河衆)の性格が、性格が、のちの徳川家の性格になり、三百年間日本を支配したため、日本人そのものの後天的性格にさまざまな影響を残すはめになったのは、奇妙というほかない。」p.11

     なるほど、納得。
     
     久しぶりに司馬遼太郎の本を読んで、単なる物語ではなく、ノンフィクションタッチで書かれているのが、彼のの作風だったことを思い出した。

     三河の朴訥とした主君と家臣団が、これからどう天下をとっていくか描かれ方が楽しみだ。

     

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    2026年01月18日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    上下読み応えがあった。密教は自分には難しいが、空海の生き方については非常に興味もさらにもった。情報量が凄まじかった…。善通寺は行ったので、次は高野山にいきたい。

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    2023年01月21日
  • 新装版 アームストロング砲

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    『アームストロング砲』
    オーディブルで視聴。ナレーターの磯辺弘さんが個人的に好きなのでテンション上がった。

    佐賀藩の藩主・鍋島閑叟は、「葉隠」という代々佐賀藩に伝わる急進的な武士道の心得よりも、近代的な科学技術に重きを置いている。世界を見据えた鍋島は、藩内から若き秀才を集めて欧州の技術を学ばせ、極端な勉学を強いていた。ある時、鍋島は欧州で製造された強力な最新鋭の大砲「アームストロング砲」の噂を聞く。その威力ゆえに暴発が多く、欧州でも実用化に至らない禁忌の武器に強く興味を惹かれた鍋島は、家臣の秀島藤之助に情報を集めるように命じる…

    先見の明を持つワンマン藩主鍋島閑叟に酷使されるエリート秀島藤之助の悲劇を描いた社会派サスペンス。幕末の話なのにプロジェクトXっぽい雰囲気が面白い。

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    2023年01月20日
  • 坂の上の雲(三)

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    国家存亡を背負う要人

    軍は児玉源太郎、経済界は渋沢栄一。

    ・2人が涙を流して覚悟を決めるシーンが印象的。
    本当はそんなイチカバチカの橋を渡るべかざるなのだが、渡らないとロシアの帝国主義に喰われる中、自らの手で事を成し遂げる精神に感服。

    ・一兵卒になってでも最後は戦うという気概。渋沢栄一のセリフ。
    なお児玉さんは大将?中将?ながら現場の指揮官(本当はもっと下の役職が担う)に立候補し勤めた。さすがです。

    ・なんだかんだ数的優位
    戦闘では数的優位をつくる。ランチェスター

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    2023年01月17日
  • 街道をゆく 33

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    「赤坂散歩」は、赤坂氷川神社、清水谷、豊川稲荷、高橋是清記念公園、乃木坂、山王権現(日枝神社)について語っている。
    高級街のイメージが強い赤坂だが、江戸時代は水道の整備が遅いために開発が遅れた地域で、昭和30年代くらいまでは「山ノ手と下町が入りまじった感じ」だったらしい。

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    2023年01月12日
  • 覇王の家(上)

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    知ってたつもりだった、家康と、支えた三河衆のその歩み。 上巻は、甲州武田との繋がりに多くが割かれた印象。屈辱の三方ヶ原の戦いだけでなく、前後の学びと領土・人材の組み込みが、その後の躍進の基盤に。 或いは、奥方と嫡男自害申し渡しの悲劇が、正室 築山の方のヒステリーによるものなど、徳川家康に於ける自らの記憶と、イメージ修正が必要だと感じるに至った一冊。 田舎者から、天下人への変遷を辿る下巻が、早くも楽しみでならない。

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    2023年01月09日
  • この国のかたち(六)

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    著者の絶命による未完の書。司馬遼太郎が考える日本についての考察。面白かった。本巻は随想集が追加されている。またこれが司馬遼太郎の原風景を述べているようで興味深い。敗戦直後の京都という都市についての考察が興味深かった。

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    2023年01月07日
  • 峠(上)

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    ▼「峠」(上中下全三巻)、司馬遼太郎。初出1966-1968、新潮文庫。幕末に越後長岡藩の家老として官軍相手に「北越戦争」を演じた河合継之助の話。個人的には数十年ぶりの再読。

    ▼司馬遼太郎さんの文章は多岐に渡って今でも商品化されていて。代表的な長編小説から短編小説集、いわゆるエッセイから、「歴史地理コンセプトエッセイ」的なもの、それから対談集に講演集…。全部は読めていませんし、再読も楽しい。司馬遼太郎さんの文章を読む、というのは最早個人的にはライフワーク…いや、というか生活習慣になっています(笑)。

    ▼何かのエッセイ的なものを読んでいて、司馬さんが自作を語る中で「”峠”はけっこう自信作だし好き」みたいなことを書いていたんです。そして電子書籍でセールのときに買っていて読んでいなかった。ので、手に取りました(電子だけど)。

    ▼発売当初、物凄いベストセラーになったそうですね。面白いですから。なんだけど、幕末に活躍したとはいえローカルな主人公だし、そんなに華々しい活躍無く敗北死してしまう。主人公は割と地味ですね。(竜馬とか西郷とか晋作とかに比すれば)

    ▼ちょこっと「胡蝶の夢」とか「花神」とかにも似ています。個人的にはどちらも凄く好きな作品。何が似ているかというと主人公が「自分探し的なさまよい方」をしている時間帯が長いこと。河合継之助さんが、言って見れば歴史の現場に躍り出てくるのは、確か中巻の後半からだったような(いや、下巻からだったかも)。それに、河合継之助がじゃあ「何を成したのか」というと、そんなに日本に刻まれるようなスケールのことは、何一つしてないんです。

    ▼でも、面白い。だから小説としては非常に上手く出来ていると思いました。河合継之助という人物が(厳密に言うと、「司馬遼太郎解釈版:河合継之助」ということですけれど。小説ですから)、変人である。自己完結しているし、平気で矛盾もしている。そして最終的に「長岡藩のために生きる長岡藩の家来」という非常に小さな(こんな長い司馬遼太郎作品の主人公としては、非常に小さい)テーマの中で峻烈に人生を終わらすわけです。

    ▼その人生の主題への拘り方を、滑稽に愛情豊かに描きます。そして主人公の周りが如何に、もっと大きなうねりの中で流れているかを描きます。それでいて主人公の「大きな流れに入らないもどかしさ」が上手く描かれていて、下巻で彼が「動き始める」ときに、マキノ雅弘のやくざ映画で終盤に高倉健さんが殴り込みにでかけるようなカタルシスがあります。

    ▼その、自分で設定した人生の主題を完遂する美意識みたいなものが、司馬さんの考える「描いてみたかった”侍”」だったんでしょう。鎌倉時代や戦国時代の”武士”とは異なる、江戸時代を経て幕末~明治の25年間くらい(黒船来航から西南戦争まで)の間、日本史を燦然と(あるいは不気味に)彩った、"サムライ”というのは、知れば知るほど他に例がない気がします。300年の泰平の中で観念的に醸成されてしまった、一種非常に”知的な蛮族”とでも言いますか…(もちろんそれは、所謂”武士階級”の中でも10%くらいだったでしょうけれど)。

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    2023年01月03日