司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 花神(上)

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    『坂の上の雲1』は読みづらかったがこちらは読みやすさはある。
    司馬遼太郎の作品はあまり小説小説していないという理解で良いのかな。内容は面白いがこれプロの小説かよ、と思う点は多々ある。明治あたりの人物を垣間見るという点では良いのだろう。

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    2021年04月25日
  • 新選組血風録 新装版

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    新選組を題材にした短編集。「燃えよ剣」を以前読んでて新選組の幹部連中は知ってるので読みやすかったです。

    中でも沖田総司を取り上げた「沖田総司の恋」と「菊一文字」が良かったですね。
    新選組の中でも沖田が人気なのがわかりました。

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    2021年04月18日
  • 功名が辻(三)

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    ネタバレ

    晩年の秀吉の老醜ぶりはともかく、この作品が書かれたころは、多分秀吉が庶民のヒーローだったような気がする。
    草履とりから出発して天下を取った秀吉は、頑張れば出世が約束されるような夢と希望のシンボルだっただろう。
    だから、司馬遼太郎の家康の書きっぷりの冷淡さは、個人的な好悪なのか時代のせいなのか、よく考えないといけない。
    まあ、両方なのだろうと思うけれど。

    作者は秀吉の創造力に比べて家康の凡庸さを書くが、秀吉が創造力を発揮したのは、築城の早さと遊びの派手さであって、この国の根幹にかかわる何かを新しく作り出したというのはないのではないか。
    それに比べて、織田信長の非凡さに比べると地味だけれど、家康

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    2021年04月11日
  • 峠(中)

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    自然に融けて呼吸しておればよい。死も生も自然の一形態にすぎず、一表現にすぎず、さほどに重大なものでもない。

    禅宗にも興味出て来た。

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    2021年04月10日
  • 街道をゆく 2

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    司馬遼太郎 「 街道をゆく 韓のくに紀行 」 日本人ルーツの旅。加羅→新羅→百済 の地に倭の痕を探している感じ

    面白い。韓国紀行が これだけ面白いと、同じく日本人ルーツがテーマとなりそうな モンゴル紀行、北海道、壱岐対馬、沖縄も面白そうな気がする

    ホテルのフロントに ぼったくられたときの言葉がうける「朝鮮民族は権力の座につくと、居丈高になる癖がある〜日本人とやや似ている〜これは決して悪徳ではない。癖である」


    著者は 「政治的論理の鋭い 韓国の人との対話は困難」としながらも、毅然と日本人としての正論を論じている

    「別に好きこのんで日本人に生まれることを選択したわけではない。たまたま日本

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    2021年04月01日
  • 菜の花の沖(二)

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    ネタバレ

     嘉兵衛が,小さいながらも自分の船を手に入れ,いよいよ海に乗り出すという場面が描かれる。
     紀州の丸太を江戸まで届けるという大役を引き受ける嘉兵衛。丸太を筏に組み,そこに帆,舵,船室などを設け,荒波を超えていく…という場面は,映画にすると手に汗握る画像になることだろう。
     1巻同様,いろいろなミニ知識が出てきて,なかなか為になる小説だなあ。わたしが読んでいるのは,単行本の方である。

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    2021年03月30日
  • 功名が辻(二)

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    ネタバレ

    本能寺の変から、秀次の粛清まで。
    相変わらず妻の掌の上で転がされる伊右衛門(山内一豊)。
    ガムシャラに戦場を駆け巡るだけで、効率的な戦い方のできない伊右衛門は、千代のアドバイスを受けてもなお、出世がおぼつかない。

    千代は神だよね。
    未来のことはわからないといいながら、すべてが千代の思い通りに進む。
    ただ、伊右衛門がそれを活かせないだけだ。
    でも、それが彼の限界なのだとしたら、それを超えろとお尻を叩き続けるのが本当に幸せに続く道なのか。

    千代は伊右衛門のことを支えていると思っているのかもしれないけれど、下から支えているというよりも、上から支配しているように見える。
    そして私が千代について気に

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    2021年03月25日
  • 「明治」という国家

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    明治国家。

    それは、その時代を生きた熱意と、それを支えた人間による独断的な国家だったか。

    明治国家のある種寛容な部分が、元老死後の昭和中期に欠陥として浮き出し、日本は一時滅ぶと考えるとなんとも言えない。

    司馬遼太郎は好きな作家であるし、これ以上の歴史作家はいないが、考えには賛否を示す必要がある。

    何度か読み返していこう。

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    2021年03月21日
  • 花神(下)

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    あとがきにも書かれてますが大村益次郎(村田蔵六)という人は、つかみどころのない奇妙な人でした。自らを機能としてしか考えない、小説の主人公としては成立しづらい人でした。

    最後に戊辰戦争で活躍しますが、個人的には最初の方で緒方洪庵の適塾で蘭学を学んだり、医者なのに宇和島藩で船を造らされたり、シーボルトの娘のイネと恋愛したり、故郷の長州藩に低い身分で迎えられたりの苦労した時期の話が一番良かったかな。

    なお、花神とは中国の言葉で花咲爺を意味し、日本全土に革命の花が咲き、明治維新の功業が成るためには、花神の登場が必要であったということです。

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    2021年03月21日
  • 草原の記

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    静かな感動を覚えた1冊。
    1人のモンゴル人女性の生き様をとおして、20世紀のモンゴルと歴史が描かれている。
    当時の様子、人の生き様が目の前に現れてるいるかのように表現され、圧倒される。
    壮絶な生き様なはずなのに何処となく軽やかに感じられるのは、筆者の力か、それともモチーフとなった女性のお人柄なのか。
    モンゴルに興味がある方はぜひ手に取ってもらいたい。

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    2021年03月16日
  • 街道をゆく 9

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    今回は、新潟、播州、高野山、佐久。新潟の低湿地は今では水田地帯だけど以前は低湿地帯だったという景色を想像してみるのが面白いです。佐久は行ったことのあるところなので特に面白く。懐古園は奥まで入ってほしかったなぁ。しかし観光地での土産物屋や食堂での音量に対する苦言は、今でも通用しますな(1970年代と比べると、今のほうがましだと思いますが)

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    2021年03月15日
  • 菜の花の沖(一)

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     普段,ほとんど小説を読まない私が,あるラジオ番組(武田鉄矢の今朝の三枚下ろし)に触発されて手に取ってみた司馬遼太郎の作品。わたしが読んでいるのは,文藝春秋社から出ていた昔の単行本(昭和56年発行)である。
     本の最後に作者の「あとがき」があったのには,ビックリ。この作品は,小説と言っても,その内容がほとんどノンフィクションっぽいからこそ,作者自らがこういう解説をつけるんだろうな。
     文章の中にも,小説の流れの一部ではなくて,わたしたちの学習のために…というような知識の解説が随所にあり,物語を意味が分からないまま,時代背景が分からないまま読んでいくよりもとても分かりやすい。でも,こういう解説も

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    2021年03月15日
  • 坂の上の雲(四)

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    海軍による黄海での一大決戦から始まり、陸軍の遼陽・沙河・旅順大戦までが記されている。教科書ではほんの数行で説明されてしまう日露戦争の、悲劇的で薄氷を踏む戦いがありありと描かれており、怒り・悲しみと言ったあらゆる感情が胸の内から湧き上がってきた。

    司馬の偏見も入ってるとは思うが、それにしても乃木・伊知地コンビは酷い。

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    2021年03月14日
  • 功名が辻(一)

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    私は山内一豊が好きではない。
    なぜなら、幕末の土佐藩の迷走は、山内一豊の器の小ささがその種だったと思っているから。
    自分が連れて行った家臣だけを大切にし、元々その地にいた人たちを見下して足蹴にして。
    ぼんくらが大名になると、これだからいかんよ、とずっと思ってきた。

    この本を読んでわかったのは、本当に山内一豊はぼんくらだったこと。
    いや、小説ですが。
    功名を立てたい、とやみくもに思うだけで、ほぼほぼ妻の千代の掌で転がされておる。

    しかし、千代、いけ好かないです。
    世間知らずの温室育ちで嫁いできた割りには、人の心を読んで、状況を掴むのが上手い。
    気持ち悪いくらいに。
    本心を押し隠して、夫を

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    2021年03月11日
  • 街道をゆく 42

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    はじめての街道をゆくシリーズ
    話はあちらこちら、場所を変えて、時代を超えて飛んでいくので最初は戸惑ったが、そこにある物語へは引き込まれていきます。

    三浦半島に焦点が置かれた本作では、鎌倉時代前後の話、横須賀=明治以降の海軍の話が多いです。

    鎌倉時代前後の話
    頼朝、北条氏の政治思想の中心にあるものを知りながら、そのおこりから体制強化の流れを捉えることができる。目新しく楽しむことができた。

    海軍の話
    陸軍と海軍の違いが、これもまた興りから知ることができ、その後太平洋戦争の終結までを新たな視点で捉えることができた。(海軍は明治時代から新しい文化を海外(イギリス)などから取り入れながら急速に作ら

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    2021年03月06日
  • 項羽と劉邦(下)

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    p.232
    しばらく関中に帰る。あとをよろしくたのむ

    さすが劉邦!と思ってしまいました。
    普通に読んでる最中、吹き出していました。

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    2021年02月28日
  • 木曜島の夜会

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    「木曜島の夜会」1976「有隣は悪形にて」1972「大楽源太郎の死」1972「小村某覚書」1967の4篇。
    分量的にも、なんと言っても読ませるのは「木曜島の夜会」。ほかは、可も無く不可も無く、それ目当てに買うような商品では無い。
    1976というともう司馬遼太郎的には「長編小説晩年」とでも言うべき時期で、だいぶ脂の乗ったエンタテイメントでは無く、謎の枯淡の深き味わいとでも言うべき変容を来しています。そのあたりの司馬節が好きな人には、堪らない中編。僕は好き。

    オーストラリアに近いところに「木曜島」という小さな島があって。
    昔そこで真珠や、貴重な貝が取れた。
    1900~1950くらいか?ソレを捕る

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    2021年02月27日
  • 翔ぶが如く(一)

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    ~全巻通してのレビューです~

    主人公の西郷隆盛が捉えどころのない茫漠たる人物として描かれているので、読後の感想も何を書こうかといった感じで難しいですね。
    西郷は征韓論を言ってた頃はわりとはっきりした人物像でしたが、西南戦争が起こってからは戦闘指揮をするわけでもなく神輿に乗ってるだけでしたから。
    司馬先生ももっとはっきりした人物が浮かび上がってくる見込みをもって描かれたのではないでしょうか。

    もう一人の主人公ともいうべき大久保利通は一貫して冷徹で寡黙な人物として描かれてます。
    台湾出兵後の清との交渉では、大久保の粘り強さと決断力炸裂で面白かったですね。

    あとは、やはり最後城山で薩軍が戦死す

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    2021年02月27日
  • 世に棲む日日(一)

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    ~全巻通してのレビューです~

    冒頭、「長州の人間のことを書きたいと思う。」という書き出しで始まっています。
    長州の人間は理屈好き、議論好きということで、尊王攘夷運動にも熱を上げました。

    主人公は吉田松陰と高杉晋作です。
    どちらかというと吉田松陰の話の方が中身が濃くて面白かったですね。
    読むまでは松下村塾の人ということくらいしか知りませんでしたが、後々の長州にこれほど大きく影響を与えた人ということは知りませんでした。

    高杉晋作は私の好きな言葉「おもしろき こともなき世を おもしろく」が辞世の句ですが、どちらかというと若い頃に久坂玄瑞と松下村塾に通った頃の話が面白かったです。

    他に伊藤博文

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    2021年02月27日
  • 街道をゆく 8

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    司馬遼太郎さんの1976年頃の旅の記録。まだ彼方此方にロードサイド店だらけになる前の田舎が残っている中を歩いているので、読んでるとNHKの新日本紀行を今見るのと同じような感覚になります。文章的には司馬さんが目的意識なく歩いている時の方が話が発散して面白いです。

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    2021年02月20日