司馬遼太郎のレビュー一覧
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新選組の評価や隊士のイメージなどは、様々な作家や伝記などから総合的に作られてきたものなのだろう。2021年において、司馬さんという超有名作家の1962年の作品がこのイメージ作りにどの程度関与したのかは正直分からない。沖田の天真爛漫イメージなどはもっと昔からあったっぽいが。
自分は特に三谷大河史観に毒されているので、どうしても大河ベースで読んでしまうのだが、それはそれとして、新選組という集団の中の様々な面々を魅力的に(井上あたりは大河史観から見るとアレだが)描いたのは、画期的なことなのだと思う。三谷大河史観とのズレに若干苦しみつつも、楽しく読めた。自分のお気に入りは「沖田総司の恋」。 -
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四巻で織田信長がついに京都に登ります!
その一助を担ったのが明智光秀。
越前の朝倉家に見切りをつけてついに光秀が信長の臣下になり、将軍との橋渡しをする。
そして信長が京都に登ってからも、ほんと苦難につぐ苦難!
もう今度こそダメだという場面が何度もありながらも、信長は思いもよらぬ作戦や行動をとったり、運にも恵まれピンチを脱する。
逆境のときこそ行動して、運を引き寄せチャンスを掴む
そして天下布武の理想を現実にしていく。
一方で、信長と光秀の間には埋められない溝がどんどん出てくる。
お互いに能力を認め合い、必要としつつも、どうしてもそりが合わない。
どうしようもないこともある。
そして本能寺の変が起こる。
この本の主役である斎藤道三、織田信長、明智光秀は三者三様とても魅力的である。
戦国時代という有象無象の時代に、最大限の力を発揮して、未来の可能性を信じて行動している。
自信と日本の可能性を信じる力
それをこの本から教えてもらいました。 -
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二巻では、いよいよ斎藤道三の国盗り。
そして、ライバルと言える織田信秀とその子織田信長も出てきます。
美濃の執事と言える地位まで登り詰めた斎藤道三が次に目指すは、国主、つまり美濃の大名になること。そのためには国主の地位に据えた土岐頼芸からの信頼を固めつつ、時期を見て自分が国主になる。
この過程はかなりすさまじく、一難あってまた一難のことばかり。
やはり何か新しいことをしようと思うと逆風は吹くもの。
一時は、美濃内の豪族からの妬み、恨みを買いすぎて、城を囲まれ自害するしかないとまで追い込まれたりもする。
そのときに斎藤道三がとったのが、出家をして頭を丸めるということ(斎藤道三という名もこのときの法名であるらしい)。
なんとも大胆!!
でも、そういった荒波を乗り越えて、ついに国主に。
斎藤道三のいう“転”がお見事。
そこからさらに天下を収めるには、もう一生分の時間が必要だろうと悟ったようである。
運命的なのは、その一生分の偉業を引き継いで成し遂げたのが、織田信長であるということ。娘の濃姫が嫁いだ娘婿にあたるということ。
また、斎藤道三の国づくりや戦いかたに後世残る創意工夫を描かれている。
例えば、楽市楽座。
学校の授業では織田信長が行った施策と習いましが、実はこれを最初にやったのは斎藤道三だということ。
また鉄砲を戦に用いたのも、斎藤道三であったということ。
とても興味深いし、これらを伝授した相手が、織田信長であり、明智光秀だというのも面白い!
明智光秀は、同じ美濃の武将であったからわかるものの、なぜ織田信長というのは、第三巻で描かれている。
兎にも角にも、斎藤道三のすごさ、苦労が描かれていて、とても興味深い一冊だった。 -
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久しぶりに司馬遼太郎の本を読み終わる。もう少し周辺を読んでもいいかな。結構うんちく話が挿入されているので、そう言う興味の広がりが出る作家だな。明末から清への移行期の話だった。少数民族である清が広大な中国を支配するというのは確かに面白い話だ。当時の日本にも多くの中国人が帰化して来ていて鎖国ながら人との交流はあったんだな。大分血も混じるし民族って何なんだと考えさせられる。後書きがまた長い。しかもこの後書きを書いた時の中国の情勢と今はかなり違うように見える。特にウイグルあたり。司馬遼太郎は中国や大陸的なものに好意的だが、今の状況を目にしたらどう言う反応を示すのだろう。モンゴルや元についての本も読みたいと思った。
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久しぶりに司馬遼太郎の本を読んだ。所々にその時代の背景や考察が書かれていて、やっぱり司馬遼太郎調の文章だなと思った。しかし史実と物語が重なり合っているので全体として史実だと思ってしまうんだな。明から清にかけての流れが分かって面白い。物語ではあるが。清はモンゴルと違って女真なんだなと言う事がよく分かる。その他には2点気になった。一つは皮島での朝鮮人との対話。今の日本人と韓国人との会話みたい。秀吉の朝鮮出兵もあり、今の日韓関係より更に悪かったのかな。中々折り合えない民族なんだなと思った。しかも儒教。朱子学というかやっぱりこれが大きな根っこなのかな、理解が進まない。結局華ではない日本は彼等からすると夷なんだろう。後は最後の方に出てくる日本の武士の習性。普段は集団に埋もれている日本人も戦う時は個だという。この時代くらいまでなんだろうけど。それが中国明や女真との対比で面白かった。
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ネタバレ完結編。
しかし、この夫婦、最後は幸せだったのだろうか。
分不相応にも二十四万石の大名となり、しかも長曾我部の旧臣たちは山内一豊を認めようしない。
ヒステリックなくらい力で弾圧しようとする一豊と、懐柔策を提言する千代。
ふたりの思いは最後まですれ違う。
千代は後悔した。
身に余る褒賞を受け、上手く抵抗を抑える術を持たない夫を見て、鼻白む。
自分の提言を聞く耳すら持たなくなった夫を見て、こんなはずでは…と思う。
この二人には、どうも夫婦の間にある機微が欠けているような気がした。
千代が夫を操作する姿は、過保護な教育ママが息子を操っているように見える。
微塵も尊敬とかないよね。
築城に関しても、本職を差し置いて意見を言うのだけど、直接言うのではなく、伊右衛門の弟に入れ知恵をする小賢しさ。
「女の身で築城のことにまで口を出すなどとはいかがわしうございますから、康豊殿のお考えとして殿に申しあげなさい」だってさ。
しかし折々に顔をのぞかせる司馬遼太郎らしい目線。
「いつの時代、いつの場合でも、人間の十中八九は定見もなく風次第で動く、というのが正直なところ、浮世の姿でござるよ」
「人々の暮らしに希望をもたせる、というのが国主の政治のかなめどころではありませぬか」
何百年たっても、人の世とは変わらぬものよの。 -
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これまでと同様,わたしが読んだのは単行本の方。
高田屋嘉兵衛が,北海道から国後,択捉を回り,その後,幕府の関係者の頼み事を聞いているうちに,何やら,あまり自由が効かない世界へと進んで行く場面だ。苗字帯刀を許されることと引き換えに商売として自由が効かなくなってしまった先輩たちを見てきているのに…。
さて今巻では,伊能忠敬の測量について,結構詳しく解説されている。持ち物や,その大きさの説明もあり,忠敬が、訪れた地域地域で住民に協力を求めなければならかなった理由もなんとなく分かった。そうそう,石川県の生んだ銭屋五兵衛の話題も。
今はなき「火山帯」という言葉だが出てくる。こういう小説の場合には,書き換えるわけにも行かないしなあ。「解説者注」とかで説明するしかないんだろうな。それくらい,歴史的,科学的な事柄がしっかり説明されている小説だわ。