司馬遼太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ彼が船乗りなのに関わらず
決して言葉が荒くないこと。
そう、彼は貧しさゆえに受けた不条理を知っているから。
痛みを知っているんですよね。
だからこそ決して部下をいびって
育てようとはしないのです。
これ、現代でもできない人がいますよね。
不条理な扱いをしても、部下は育たない。
でも力を持つと人はおかしくなるのよ、よくね。
最後のほうには嘉兵衛はついに故郷に帰ります。
因縁の場所。
だけれども恥じない活躍をした嘉兵衛を
決して故郷は残酷な扱いをしませんでした。
そして、もうそれは不相応な縁談を
ほかの兄弟に取りつけることができたのです。
それはひとえに派手な活躍でなくても
部下を大事にした -
Posted by ブクログ
この巻では長州藩という藩に焦点が当たります。とりわけ政治家・桂小五郎の活躍が興味深いです。桂は剣の腕こそあれ、それを使って派手なことをしたのではありません。藩士(時には過激派の者まで)の意見を聞いて調整し、蔵六のような優れた智者を抜擢することで、「倒幕」という大きな目的へ藩を動かしてゆくのです。それは、決起を起こし長州藩を倒幕論に方向転換させた革命家・高杉晋作、武器の買い入れで初めは失敗するが、幕長戦で長州藩を勝利へ導く軍略を見せた技士・大村益次郎(蔵六)とは個性の違うものです。様々な意見を虚心に聞き、集団の合意や意思決定をはかり、目的の実現のために人材の登用や物資の調達を行う桂の政治力が面白