司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 新装版 箱根の坂(中)

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    未だ箱根にたどりつかず、舞台は駿府と丸子。
    義忠の子どもはまだ幼く、遠縁の今川新五郎範満が駿府城に居座って実質的に駿河の支配者となっている。
    彼の後見は関東公方の扇谷上杉家。

    今川の嫡子であり、伊勢家の血を引く竜王丸を守るため、早雲は駿河に行く…のだが、これが11年間も守備一辺倒なわけです。
    竜王丸の命が奪われないよう、丸子の館に住まわせ警護する。
    自分は江戸や鎌倉からの兵を駿河に入れないよう沼津の城に住み、関東各地の情報収集に余念がない。

    生まれの良さだけで土地を治めることができない世の中になりつつある。
    早雲はそれを見極め、急速に力をつけ始めた国人、地侍、そして農民を大切にするよう

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    2019年03月20日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    唐からの帰国以後の空海を同時代の天台宗の開祖である最澄と対比しながら描いている。

    何しろ千数百年前の人物なので、資料も少ない。それを丁寧に調べてこうだったのではないか、という推量をしていく。大変な作業と思うが、司馬遼太郎氏だからこそ書けた作品と思う。

    現代でもその息吹を残す超国家的な1個の天才。高野山へ行ってみたくなった。

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    2019年03月20日
  • 関ヶ原(中)

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    小山評定までが中巻である。

    読み進めるほどに、読むのがだんだんと遅くなってきた。
    それは物語が退屈なのではなく、石田三成が魅力的に書かれているからである。
    関ヶ原の戦いの結果は皆が知るところであり、石田三成の敗北となる。

    読み進めるということは石田三成の敗北に近くなるということで、彼の敗北を見たくないけれど先が読みたい。そんな感じ。

    しかし石田三成のような小大名が日本の歴史を決める大戦を主導したということは驚くべきことであるように思える。

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    2019年03月18日
  • 殉死

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    久しぶりの司馬遼‼︎
    幕末から明治を生きた乃木希典。

    相変わらずのしつこいほどの余談と描写(フィクション含⁇)に人物像がどんどん浮かび上がり、あまり馴染みのない明治時代でも興味が止まらなかった。

    乃木希典。
    幕末前後の長州の奥の奥の信念を持ち続けた人物ならではの『劇的』(作者談)な人生、人物像に深く感じ入るところあり。

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    2019年03月17日
  • 国盗り物語(三)

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    齋藤道三の『国盗り』に対して、織田信長は『国造り』と名付けたいような物語。p208「義戦じゃと」(道三は目を剥いた)「いくさは利害でやるものだ、必ず勝つという見込みがなければ起こしてはならぬ」この卷の結末=クライマックスでは、道三の居城であった稲葉山城を信長がついに木下藤吉郎などを使って攻略する。十八歳で父・信秀の葬儀の喪主で奇矯な振る舞いをしたのは山岡荘八『織田信長』にも同様だから唯一の資料に依っているのだろう。絵画的、映画的描写が快いが、司馬遼先生の教養に追いつかない当方は別物を思い浮かべてないか心配

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    2019年03月15日
  • 空海の風景 上巻 (改版)

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    久しぶりに司馬作品を読んでみたが、これは氏の作品の中でも少しとっつきにくい方かもしれない。真言密教の祖空海の生涯を少ない資料を基に推測を交えて描いている。

    上巻は讃岐に生を受けてから唐に渡り、密教を学ぶところまでである。私は仏教や密教の知識は全くといっていいほど無いが、現存している寺社仏閣において空海の伝えた影響がまだ色濃く残っていることがわかる。

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    2019年03月10日
  • 司馬遼太郎短篇全集 第一巻

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    同人誌時代の作品を「無人島から瓶に入れた文書を海に投げるようなものだった」と(のちに和田宏に)語ったが、第2作『「国宝」学者死す』の主人公は貧乏だが国際的な魚類学者。戦争突入で、それまで漁師から只で提供されていた「売り物にならない魚」も入手困難となり研究に支障…戦後、漁礁調査で遭難し「貴重な学術資料」を瓶に詰めて誰かに拾われないかと送りだそうとする。作品にかける司馬の思いは同じか。出世作『ペルシャの幻術師』は専攻知識を活かし、小説ならではの人命の大浪費。『兜率天の巡礼』宗教新聞記者経験を活かす。結末大焚焼

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    2019年03月07日
  • 司馬遼太郎短篇全集 第二巻

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    昭和33年は『梟の城』で直木賞を受賞、翌年は、みどり夫人と再婚し、社を辞しプロ作家となるのを決意した年。プロ作家は(生計上からも人気維持からも)短編小説(つまりオチのある話)を供給しなければならない。戦後最大のベストセラー『竜馬がゆく』は幕末の佐幕・倒幕の記述にビジネス感覚をもちこんで斬新だったが、本巻の作品群も舞台は戦国時代だったり商業地大阪だったりビジネス(金銭・貸し借り・損得にこだわる)感覚をテーマとすることで共通する。忍者を人材派遣ビジネスと捉えた『下請忍者』は『カムイ下伝』先駆/古事記神話題材も

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    2019年03月07日
  • 司馬遼太郎短篇全集 第三巻

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    本格的に作家デビューした翌年の昭和35年、長編『上方武士道』『風の武士』(ともに週刊誌)、『戦雲の夢』(月刊誌)、中編現代もの推理小説『豚と薔薇』(週刊誌6回連載)を発表しつつ、この12編を書いた(ほか第1巻の同人誌時代の作品も商業誌披露)/倒幕と恋愛感情を関連させる『丹波屋の嬢さん』『みょうが斎の武術』『壬生狂言の夜』『黒格子の嫁』。『外法仏』『牛黄加持』は仏教知識(密教関連)を活かした。明治維新(あるいは類似して関ヶ原など)を転機に一変した道義=ライフスタイルというテーマが多いが、やがて昭和維新を追求

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    2019年03月07日
  • 新装版 箱根の坂(上)

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    いつ始まったのかもわからない、なぜ始まったのかもわからない応仁の乱に翻弄される京の人々。
    天皇の側近、伊勢氏の屋敷の片隅に小屋を建て、鞍作りで細々と暮らしを立てている新九郎。

    彼の立身出世物語のはずなのだが、10年ほどの歳が流れて、今のところまだ出世はしておらず、箱根にもたどりついていない。
    上巻の主役は応仁の乱だったかもしれない。

    今川家の嫡子を生んだ妹の千萱に呼ばれ、駿府へと向かうところで次巻に続く。

    頭が切れ、肝が据わっているけれども、所詮本家本流にはなれない身分。
    欲を持たず、目立つことなく、ひょうひょうと生きる新九郎の内心の思いは、本人にもわからない。
    そんな彼がどうやって歴史

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    2019年03月06日
  • この国のかたち(一)

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    やっぱり、司馬遼太郎の文体が好きだ。
    電車通勤の時間に、読書の体力が残っている時にだけ読むから、まだ3巻目しか読めていないけど。日本の国の歴史に対する深い洞察、きっと著者の読書量は半端ないんだろう。
    陸軍士官として戦争を経験したがゆえに感じたこと。当時の雰囲気。それらを後世に残してくれたことを感謝。

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    2019年03月02日
  • 街道をゆく 2

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    朝鮮半島の歴史と日本との関係がメインの巻でしたが、殆ど知らなかった内容ばかりで非常に興味深かった。
    韓国人と日本人の国民性の違いをこのように理解して互いに受け入れれば、昨今の関係ももう少しマシになると思う。

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    2019年02月28日
  • 果心居士の幻術

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    前にも読んだことはあるが、最近、司馬遼太郎記念館へ行った際に、ちょうど忍者や異能の者を特集展示していて、この『果心居士』も取り上げられていた。再読したくなったもの。
    『一夜官女』のあとがきにもあったとおり、司馬はさまざまな歴史の精霊たちとつきあっていたが、そのうち、妖かしに類するものの特集だ。

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    2019年02月10日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    ★3.5だがおまけで。
    何より一番の驚きは空海という人物が人間臭いという感想を抱かされたこと。正直に言って聖徳太子的な眉唾的存在かと思っていたのですが、最澄含めて必ずしもそうではなく、結構文献からその人となりが推察できることに素直に驚愕。
    その上でですが、やっぱり幕末あたりのこの作家の作品と比べると少し浅いというか濃密さが足りない、そこはやはり遠い昔ということかもしれず。
    でも空海の嫌らしさが垣間見えて結構楽しめました。

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    2019年02月09日
  • 街道をゆく 5

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    やはり小説家だけあって話が面白い。田中克彦が出てきたのには驚いた。さらに、モンゴル語の辞書でモンゴル語を学習していたということは初耳であり、他の紀行には出てこなかったような気がする。

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    2019年02月04日
  • 世に棲む日日(一)

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    最近、松陰先生に関連する映像や文章に触れる機会が多かったため、久しぶりにこの小説を読みたくなって何回目か分からないくらいの再読。
    松陰先生の人生は、行動だけ見ると破天荒なものが多いけど、長州藩をはじめ日本全体をよくするための行動だったんだよな、ということを改めて感じたりした。また、自分自身が松陰先生の考え方とよく似ているなぁ、とも思ったり。まぁ、先生ほどの激情や行動力は無いんだけどね。2巻以降も楽しみながら再読していきたい。

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    2019年02月01日
  • 韃靼疾風録 (上)

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    明から清へ、中国王朝交替の激動を描く長編小説。前半はアビアと庄助の恋愛が、後半は激闘のアクションシーンが見せ場になっていて、上下巻で千ページを越える長編ながらまったく飽きさせない。 著者あとがきに曰く、「人も事件もことごとく数奇である」。

    漢族、女真族はもちろん、日本、朝鮮の比較文化論としても面白い。

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    2019年01月31日
  • この国のかたち(五)

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    この巻では、「神道」、「鉄」について多くが書かれている。

    古のこの国の人々は、自分たちが生きていく、また生活していく上で「自分たちを生かしてくれるもの」、即ち、大地や空、山や川、海などの自然こそが最も尊い存在である事実を感じ、奉って来たのだろう。
    神道は、その思想を興した者を崇めるわけでなく、また本尊といった物なども無い。
    自分たちを生かしてくれる自然、そして、その自然が実らせる豊かさこそ、唯一崇高なものだということなのだろうか。

    そして、「鉄」であるが、「鉄」が出現したこと、精錬技術の向上が、生活と文化、農や工などの労働に対しても、大きな進歩の一役を担ったことは言うまでもない。

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    2019年01月30日
  • 国盗り物語(四)

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    光秀ーーー!!!
    上司に恵まれないというのか、いや、やはり性格の問題なのだろうか…?いやでも相性の問題というのは大きい気がするなあ…。
    もうちょっとこう、自分を活かしてくれて自分と合う上司があったらなあ…
    どうにもこうにも光秀に思い入れてしまうのであった。

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    2019年01月27日
  • 国盗り物語(三)

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    道三……!
    やはり道三の最期は感じ入るものがある…。
    しかし信長の主人公感はすごいな。生まれ持っての、という感じだ。どうしても信長が出てきてしまうと、道三がいい脇役のようになってしまうのは何故なのだろうなあ。

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    2019年01月27日