司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 国盗り物語(四)

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    本書、信長編といいながらも後編からは、物語が明智光秀の視点で展開する。実質的な主人公は光秀であり、本能寺の変へと至るまでの真相を描いている。

    光秀は、美濃から落ち延びたあと、牢人のとして各国を歩いた後、自らの天命を足利将軍家の復興にかけることと決意する。そして、蟄居に近い状態であった足利の血を引く義明を擁立するべく、越前朝倉家の客人の身分で奔走する。しかし、凡庸であった朝倉家の当主義景を見限り、当際破竹の勢いであった織田信長を頼る。正当な将軍継承者を頂いた信長は2ヶ月で、京都に上洛し足利義明を征夷大将軍へと祀り上げる。

    光秀の天命が成ったかに見えたが、分相応を知らぬ義明は、幕府を開く事を望

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    2018年10月08日
  • 木曜島の夜会

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    木曜島の夜会
    司馬作品では歴史紀行物として、ただ題材が近親者の歴史である点が異色ではあるが、明治から昭和にかけての潜水夫の過酷さ、心意気などに興味が湧き、楽しんで読めました。心細い手かがりを手繰り、よくも交通の便が悪い木曜島まで出向きましたね。比較的最近の話なだけに現在が気になるところです。潜水夫たちはダイブを通して単に稼ぎだけではなく海の素晴らしさを感じたのではないか、と思いました。

    有隣は悪形にて
    大部分は「世に住む日々」とかぶるが、富永有隣の悪辣ぶりに憤懣します。吉田松陰の恩に仇で返す行動に、吉田の処刑の遠因を感じます。

    大楽源太郎の生死
    この人もろくでもない筋の通らない生き方である

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    2018年09月04日
  • 翔ぶが如く(一)

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    外交問題(作中では征韓論)が、欧米のような技術的な事柄でなく国を二分する内政問題として現れる、という視点がおもしろかった

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    2018年09月02日
  • 国盗り物語(四)

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    ネタバレ

    3・4巻は織田信長編としながらも最後まで
    明智光秀が主人公でしたね。
    結末は当然本能寺の変に向かっていくのが分かっていて
    そこまでとても自然に話がつながっていくことに
    司馬遼太郎氏の巧みさを見た気がしました。
    道三の立身出世から本能寺の変まで本当にドラマのように
    話がうまく繋がって流れていき見事としか言いようがないですね。

    ただどうしても光秀の視点から信長しか基本的に
    描かれていなく、信長が勢力を伸ばしていった部分が
    あまり詳細に描かれていなかったのが残念でした。
    そちらの視点でも作品を読んでみたいなぁと思いました。

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    2018年09月01日
  • 新装版 播磨灘物語(3)

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    秀吉は色んな物語で「大気者」として描かれているが、ここに描かれているように、逆だったのかもしれませんね。その方が色々辻褄が合うかもしれません。秀吉としても、信長の振舞いにギリギリだったのかもしれません。そういう空気があったのでしょうね。 官兵衛は良く生き延びましたね。これがあったから、深く人の機微を読める軍師となったということですね。 それにしても、やっぱり半兵衛はカッコ良過ぎ!

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    2018年08月28日
  • 新装版 播磨灘物語(2)

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    だんだん岡田くんの官兵衛に追いついてきた。 これまで国盗物語や真史太閤記読んできたが、そこには出てこなかった信長や秀吉のストーリーがあって、それぞれ興味深かった。 竹中半兵衛、カッコイイ!

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    2018年08月18日
  • 十一番目の志士(下)

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    大坂での坂本龍馬謁見、そして新撰組のと対峙から始まる下巻。
    読み始めて間もなく主人公、天堂晋助は架空の人物だと気づ始めてからは歴史上の人物と多く関わりつつも歴史に関わらない行動をしているのがひどく気になりながら読み進めることとなった。
    とはいえ、幕末の長州藩には血気あふれた人物が有名無名含め多数排出された時勢であり、伝えられていないドラマが多数あるのてはと想像する。
    加えて、長州藩には有名な人斬りがおらず、土佐の岡田以蔵や薩摩の中村半次郎を模して晋助を作出したのかもしれない。その人斬りたちはほぼ登場しないが。
    ネットで天堂晋助を調べると、NHKの大河ドラマ「花神」にも粟屋菊絵とともに登場し、戊

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    2018年08月18日
  • 最後の将軍 徳川慶喜

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    ネタバレ

    2018今やってる大河ドラマ「西郷どん」での松田翔太演じる徳川慶喜、いや徳川慶喜演じる松田翔太がすごくいいので、徳川慶喜に興味を持ち、一体どんな人物だったのだろう、とこの本を読んでみた。・・今回はせごどんにあまり魅力を感じないので慶喜に目が行っている。

    徳川慶喜といえば、中学か小学の歴史の教科書で、章の扉絵に「徳川慶喜は主だった大名を集めて大政奉還をしました。家康が全ての大名を集めたのと違いますね」というような事が載っていたのが一番の印象。・・読んでみれば集めたのは大名ではなく在京の陪臣だった。

    司馬遼太郎のこの小説は、将軍になるまでの記述は特に慶喜の人となりを浮かび上がらせるために、

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    2023年08月03日
  • この国のかたち(二)

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    歴史的な事項だけでなく、身近な題材も歴史的なトピックから語られる、司馬氏の珠玉の評論集。最も印象に残ったのは、「華厳」。

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    2018年08月08日
  • 城塞(上)

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    家康って、ホントに人が変わったみたいに残酷ですね。強者の論理。強ければ許される。それに比べ豊臣家の頼りなさ。哀れですね。 小幡勘兵衛という人はあまり知りませんでしたが、この人を通して物語が展開していくのでしょうかね。この人物の部分は物語的なところも多いのでしょうが、司馬さんはストーリーテラーとしても凄いですねー。 登場人物が皆活き活きとしていて、円熟の役者さんたちが総出の映画を観てるみたいです。

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    2018年08月05日
  • 十一番目の志士(上)

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    剣の腕がたち、思慮も働く長州藩士、天童晋助が幕末の動乱の中で長州藩のために奔走する。小栗上野介暗殺を目的に江戸、京都を経て大阪で勝新太郎に危ないところを匿われるところまでの上巻。
    高杉晋作、土方歳三、小栗上野介、勝海舟等幕末における重要人物との絶妙な関わりや追手との死闘、そして女性たちとの艶っぽい展開と読み手を飽きさせず、娯楽性は高い。この後も史実に沿った主人公の活躍と顛末まで興味を持って読めそう。

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    2018年08月02日
  • 翔ぶが如く(一)

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    全10巻の1巻だから、本当に序盤の序盤。
    まだ面白いかどうかは、判断はつきにくい。
    今、毎週 大河ドラマも観ているからその内容と同じ?と思ったけれど、こっちはもっと先の維新後からのスタートだった(あらすじは、よく読みましょう;;;)

    今年、維新を迎えてから150年目の節目に当たる。先人達の熱い息吹と、血潮を感じてみるのも良いものである。

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    2018年07月28日
  • 人斬り以蔵

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    司馬遼太郎さんの短編集。
    幕末や戦国時代のお話。
    *
    司馬遼太郎さんのお話は出だしから、がっつり読者の心を掴むよね。
    引き込み方がすごい。
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    表題作の「人斬り以蔵」も面白かったけど、最初の「鬼謀の人」が面白かった。
    あと最後の「売ろう物語」。

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    2018年07月27日
  • 城塞(上)

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    2018/06/08
    関ヶ原に続いて読んでみたけど、面白い。
    家康めちゃくちゃ嫌な奴。笑
    真田が出てくるのが楽しみ。

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    2018年06月08日
  • 人斬り以蔵

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    ネタバレ

    医者であり、軍師でもあった村田増六(大村益次郎)
    暗殺者、岡田以蔵
    銘品なる茶碗を割る、織部正
    徳川3百年のむなしさをブリキトース砲で見出す中書新次郎
    長明寺の住持観海によるインパクトある命名に恥じない活躍をした豪傑、塙団右衛門
    兄の仇を追い新選組の志士と会い打つ、井沢斧八郎
    井上門多の恩人である隠れ志士、所郁太郎
    後藤又兵衛の幼馴染である商人、後藤柿又兵衛
    短編ながら歴史上の人物やそれに深くかかわる人物をまとめる短編集で、とても読み応えがあるし文書にも工夫がみられる。斧八郎については初めは時代を伏せて展開していくところが妙です。
    作者の作品で多く出てくる人々であり、読んで相乗効果的な楽しみが

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    2018年06月05日
  • 関ヶ原(中)

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    じわじわとその時に近付いていっている感じがたまらない。細川伽羅奢、真田昌幸、山内一豊とか名だたる役者それぞれのことが丁寧に描かれているし、家康の緻密な策略は、戦いを略するまさに戦略というものを感じ、味わい深い。ついに決戦を迎える下巻、期待高まる!

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    2018年05月26日
  • 翔ぶが如く(十)

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    西郷一行が宮崎に逃げ延びたところから西南戦争集結と大久保利通、川路利良の末路までの最終巻。
    新聞の連載物であるが故に繰り返されるキーエピソードや、作者が調べ上げた話の本筋とかけ離れた人物描写が多すぎて物語としてのテンポが非常に悪い。
    解説の方も述べているが、歴史書として扱うなら作者の類推と史実を区別した解説本がなければと思う。
    ただ、読者の殆どはやはり読み物として手に取るだろうし、自分もその類であるからもう少し簡素であって欲しい。

    ただ、維新後の真の革命である10年を描く本作は、近代日本を形作る重要な年月であり、西郷という虚像を取り巻く群像劇として見ることで人間の本質を垣間見ることもできる。

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    2018年05月26日
  • 関ヶ原(中)

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    作者の家康憎さが随所から伝わってくる。石田三成視点で話が進むため、読み手もやはり石田三成に気持ちが入ってしまう。もし家康視点の話があるのなら、彼なりの解釈のもと石田三成を邪険に思うのであろう。島左近が徹底して石田三成に仕える姿勢は格好良い。石田三成には分が過ぎる従者と言われるのも納得かもしれない。島左近には、最後まで石田三成の味方であってほしい。

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    2019年01月16日
  • 城塞(下)

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    ネタバレ

    大坂冬の陣後の休戦状態から、大坂夏の陣の終わりまで。
    誰がどういう理由でその役に付くことになったのか、どうしてこうなるに至ったのかがなど広く細かく描かれている。
    小さな点を積み重ねていき、大局が出来ていくのだなと実感できる。
    その分というか全体的に盛り上げるべきところ、熱を入れて読みたくなるであろう所をあえて外して、淡々と簡素に進めてある。
    特に大坂方の武将勢については家康に比べ描写がかなりあっさりしている。心情風景などに深入りすることがあまりない。最期の奮闘というのも薄味。
    彼らの個人個人の想いや行動を読みたいと思っていると、肩透かしを食らうと思う。
    その中でだが体感では後藤又兵衛が一番濃厚

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    2018年05月25日
  • 花神(上)

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    長州の田舎町で町民として生まれた有能な蘭学者が、いかに江戸の身分制度に不遇になりながらも生きる場所を選択していくか、という話です。

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    2018年05月19日