司馬遼太郎のレビュー一覧
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ネタバレ医者であり、軍師でもあった村田増六(大村益次郎)
暗殺者、岡田以蔵
銘品なる茶碗を割る、織部正
徳川3百年のむなしさをブリキトース砲で見出す中書新次郎
長明寺の住持観海によるインパクトある命名に恥じない活躍をした豪傑、塙団右衛門
兄の仇を追い新選組の志士と会い打つ、井沢斧八郎
井上門多の恩人である隠れ志士、所郁太郎
後藤又兵衛の幼馴染である商人、後藤柿又兵衛
短編ながら歴史上の人物やそれに深くかかわる人物をまとめる短編集で、とても読み応えがあるし文書にも工夫がみられる。斧八郎については初めは時代を伏せて展開していくところが妙です。
作者の作品で多く出てくる人々であり、読んで相乗効果的な楽しみが -
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西郷一行が宮崎に逃げ延びたところから西南戦争集結と大久保利通、川路利良の末路までの最終巻。
新聞の連載物であるが故に繰り返されるキーエピソードや、作者が調べ上げた話の本筋とかけ離れた人物描写が多すぎて物語としてのテンポが非常に悪い。
解説の方も述べているが、歴史書として扱うなら作者の類推と史実を区別した解説本がなければと思う。
ただ、読者の殆どはやはり読み物として手に取るだろうし、自分もその類であるからもう少し簡素であって欲しい。
ただ、維新後の真の革命である10年を描く本作は、近代日本を形作る重要な年月であり、西郷という虚像を取り巻く群像劇として見ることで人間の本質を垣間見ることもできる。 -
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ネタバレ大坂冬の陣後の休戦状態から、大坂夏の陣の終わりまで。
誰がどういう理由でその役に付くことになったのか、どうしてこうなるに至ったのかがなど広く細かく描かれている。
小さな点を積み重ねていき、大局が出来ていくのだなと実感できる。
その分というか全体的に盛り上げるべきところ、熱を入れて読みたくなるであろう所をあえて外して、淡々と簡素に進めてある。
特に大坂方の武将勢については家康に比べ描写がかなりあっさりしている。心情風景などに深入りすることがあまりない。最期の奮闘というのも薄味。
彼らの個人個人の想いや行動を読みたいと思っていると、肩透かしを食らうと思う。
その中でだが体感では後藤又兵衛が一番濃厚 -
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NHKの吉田直哉氏が退職の制作のためにと、司馬遼太郎に持ち込んだ「モンゴロイド家の人々」という企画が発展して「太郎の国の物語」というタイトルになって、NHKでの「幻の放映」と言われる司馬遼太郎が出演した貴重な作品となった。
それが出版され、タイトルも「明治という国家(上下)」になった。
司馬遼太郎は「いまさら、テレビという人前に出るなどは、自分の節制のゆるみ―老化である―としかおもえないが、しかし少年(*吉田直哉氏のこと)には抗しがたかった」と恥じて(実際は照れ?)いる。
内容は明治という時代を、「江戸時代からの遺産」「青写真なしの新国家」「廃藩置県―第2の革命」「勝海舟」「サムライの終 -
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私学党の決起による西南戦争勃発からその激戦を経て薩摩軍の宮崎地方への潰走までの第9巻。西南戦争の生々しい経緯が様々な資料を元に描かれていてまさに歴史資料の感かある。
桐野、篠原、桐野等幹部の無能、と言うよりは薩摩隼人気質と、西郷の沈黙が事態を悪化させていく。村田新八や永山弥一郎のような逸材を含む多数の民を犠牲にしながら。西郷は薩摩隼人が死にゆく原因を自ら作っていることになんの呵責もなかったのか。その存在だけが薩摩軍の一部幹部大いなる価値を生み出すだけである意味において大罪人とも考える。銅像建立までの経緯に興味が湧く。
不謹慎だけど、戦争描写は政治的駆け引きと心理に比べて読み応えがあります。 -
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いよいよとと言うかようやくと言うか、西南戦争が勃発し、高瀬での第三次開戦までの第8巻。相変わらず小説の体は成しているが、作者の歴史研究の成果物的な様相が濃いです。決起に至った群衆心理がわかりやすく描かれています。
そしてこの巻以前の、やや退屈な登場人物の心理描写中心の展開から一転し、興味をそそる開戦の展開に。
しかしながら薩軍の幹部達は人間的魅力が乏しい上、愚策を展開してしまい、読み進める上で虚しいものを感じる。戦いの結末を知りつつなのでことさらなのかも。薩軍目線ではなく官軍目線で読みたくなりますね。
西郷隆盛と言う人物は愚物として描かれており、銅像まで立てら皆が尊敬する人物とはかけ離れて不思 -
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神風連熊本鎮台襲撃、萩の前原一誠決起から、西南戦争に向けて西郷が動くまでの第7巻。
変わらず進行が遅く途中余談が過ぎるところもあり間延び感は否めないが、その当時の空気感や、人物の心理をを細かく描写しており歴史資料としてとても貴重たと思われる。特に筆者が登場人物の子孫に直接取材した内容を織り交ぜ、執筆時点でしか得られない内容となっており、そういう意味でもとても貴重な一遍と感じる。西郷は、事象の原因的な存在で描くと前の巻で筆者が書いていたが、維新後の西郷は自分が思考し行動することを本当に止めてしまっているようで、西郷という人物感が大きく変わってしまいます。西郷が血気盛んな薩摩隼人を重用したのが西南 -
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とにかく長く、特に原文表記の箇所などは流し読みしてしまった所も多い。それでも読み終わってみると、維新後10年の激動の余韻の一部に触れられた感がある。
日本史の授業において、西郷隆盛や西南戦争については、その歴史的意義とは裏腹にそこまで大きくは取り上げられない。それは、当時の人々にとっての西郷隆盛という人物の持つ神話性や、薩摩藩固有の価値観、西郷と大久保の個人的感情など、幾多の事物が絡み合って勃発した西南戦争に至るまでの過程を語るのは困難の極みであることの表れなのだろう。
武士の時代と近代国家の血生臭いぶつかり合いを丁寧に描き切った巨作。 -
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大久保利通が北京に談判に行くところから宮崎八郎が評論新聞社に入社するまでの第5巻。相変わらず進行が遅く娯楽読み物というより歴史教科書といった体です。
前半の大久保外交は交渉力が凄いですね。ことを優位にすすめるには多弁にならず我慢する駆け引きも大事なのかな。胆力がかなり必要で常人には出来かねるでしょうけど。
宮崎八郎の話は余談かと思って読み進めるとルソーの民役論と中江兆民に繋がるのでもはや新展開の様相で、西郷隆盛は出番なし。
専制政治、共和制政治、元老院、三権分立と、終盤は政治の勉強モードとなりしんどく感じられたが、読後感は知的好奇心を満たして悪くないです。 -
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美濃の蝮・斎藤道三が義理の息子・義龍のクーデターの前に倒れ物語の主役は信長・光秀へ。
かつて野望のために利用した土岐家の血そして自らが築き上げた軍勢と対峙し散っていった道三の姿に乱世の梟雄としての意地と風雅を愛したこの男ならではの美学を感じずにはいられない。
その革新性とリアリズムは後継者と見定めた娘婿・織田信長へと、教養と知性の深さは幼少期より薫陶した明智光秀へと受け継がれていく。
桶狭間の戦い、美濃の攻略と覇道を進む信長、放浪の身から室町幕府の再興を志す光秀。
道三の相反する個性を体現した二人がどのように交わり、ぶつかり、「本能寺の変」に繋がっていくのか。
私事だが以前住んでいた場所の近く