司馬遼太郎のレビュー一覧
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いつ始まったのかもわからない、なぜ始まったのかもわからない応仁の乱に翻弄される京の人々。
天皇の側近、伊勢氏の屋敷の片隅に小屋を建て、鞍作りで細々と暮らしを立てている新九郎。
彼の立身出世物語のはずなのだが、10年ほどの歳が流れて、今のところまだ出世はしておらず、箱根にもたどりついていない。
上巻の主役は応仁の乱だったかもしれない。
今川家の嫡子を生んだ妹の千萱に呼ばれ、駿府へと向かうところで次巻に続く。
頭が切れ、肝が据わっているけれども、所詮本家本流にはなれない身分。
欲を持たず、目立つことなく、ひょうひょうと生きる新九郎の内心の思いは、本人にもわからない。
そんな彼がどうやって歴史 -
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この巻では、「神道」、「鉄」について多くが書かれている。
古のこの国の人々は、自分たちが生きていく、また生活していく上で「自分たちを生かしてくれるもの」、即ち、大地や空、山や川、海などの自然こそが最も尊い存在である事実を感じ、奉って来たのだろう。
神道は、その思想を興した者を崇めるわけでなく、また本尊といった物なども無い。
自分たちを生かしてくれる自然、そして、その自然が実らせる豊かさこそ、唯一崇高なものだということなのだろうか。
そして、「鉄」であるが、「鉄」が出現したこと、精錬技術の向上が、生活と文化、農や工などの労働に対しても、大きな進歩の一役を担ったことは言うまでもない。 -
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ネタバレ「では千翁丸殿を」
どうする気か。わずか五歳のあの子を戦場につれてゆこうというのは、ゆくゆく自分のような臆病者にさせぬための早期鍛錬のつもりなのか。
「そのおつもりでございましょうか」
(ならば反対したい)
とおもった。物のあやめもわかぬ五歳の幼童を戦場につれて行ったところでなんの鍛錬にもなるまい。
「ちがう」
と、元親はいった。鍛錬や教育のつもりではない、という。
「当然、物におびえ、敵の声におびえ、銃声におびえるだろう。どの程度におびえるか、それをみたいのだ」
「みて?」
「左様、見る。見たうえで、ゆくすえこの児にどれほどの期待をかけてよいか、それを見たいという興味がある」
「怯えすぎ -
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ネタバレ劉邦の元にたくさんの優秀な人材が現れる。
項羽にあまり重用されず劉邦の元に行き大仕事をなす韓信。劉邦の右腕として、様々な戦略を考える天才軍師張良。また、誰彼構わず官位をくれる劉邦を頼りに属することになる陳平など。魅力的な人物ばかりが登場した。
一方項羽は自分の親族にしか良い官位は与えず、亜父と慕っていた范増をも陳平の策に溺れ手放してしまう。いつでも弱音を吐いたり、すぐ意見が変わる劉邦だが、そんな男だからこそと仲間になる人たちがいて、リーダーシップとは面白いなとより感じた。
まだまだ項羽の勢力は衰えていないのでここからどう劉邦が天下を取るのか、しかし、だんだんと心が離れていく項羽兵。方向性の違う