司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 翔ぶが如く(二)

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    平成29年6月

    西郷の征韓論対岩倉、大久保、桂、伊藤の反征韓論
    の話。

    この時期って難しいよね。
    明治維新を成し遂げた、薩摩、長州の幹部級の人たち。この人たちが中心になって明治政府を作り、日本を動かしていくのは、いいけど、幕府を倒すって思想は簡単で、まとまりやすいけど、倒した後のかじ取りってやっぱり、その人その人で考え方が違い、対立が生まれる。しかし、それはそれでその人たちが本気で日本を思っての考えで、答えの分かっていない明治の時では何が正しいのか分からないため、命を懸けて本気で対立する。今の政治とは違うよね~、本気度が。

    その中で、今まで対して表だって来なかった伊藤博文が目を出す。
    西郷を朝鮮に派遣する朝議が行わようとしている時に。伊藤は、昼夜を問わず懸けまくり、岩倉具視に世界観を与え、大久保利通を朝議に出させ、木戸孝允に大久保と手を組ませた。
    この時に伊藤博文がいなければ、西郷の渡韓が行われ、戦いが始まっていったに違いない。

    らしいよ。
    そういう能力があるから、総理大臣になっていったんだろうな~。

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    2017年06月12日
  • 竜馬がゆく(七)

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    ネタバレ

    心に残ったシーン

    高杉晋作「面白き事もなき世を面白く すみなすものは心なりけり」
    何度も船を沈められる困難を乗り越えつつ進んでいく
    その時々で自分の大志に向けて強みを変えていく、柔軟な考え方と吸収力

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    2022年02月13日
  • この国のかたち(四)

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    江戸時代に、テグスを作る技術が向上した。それで史上初めて、庶民の食事に鮮魚も出るようになった。

    などなど、いちいち、衰えない「へー」度の高いエッセイ集。



    #以下、本文より

    日本国の通弊と言うのは、為政者が手の内、とくに弱点を国民に明かす修辞というか、さらにいえば勇気に乏しいこと。

    自己を正確に認識するリアリズムは、ほとんどの場合、自分が手負いになるのです。大変な勇気が要ります。

    勝者と言うのは、自分がかつて勝った経験しか思考の基礎にしない。

    今、我々の足元を見ると、結局、物を作って売って国を航海させているわけですから、やはりお得意さんが大事という精神、このリアリズムだけが、日本を世界に繋ぎとめる唯一の精神だと思えてなりません。

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    2017年06月08日
  • 竜馬がゆく(六)

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    ネタバレ

    大志のために情勢をみつつ待つことも大事
    時勢の情報を正しく掴んでいる人を見極める
    この時代には日本人の概念も浸透していなかった
    決断できる人を丁寧にわかりやすく説得する
    大志も一発では上手くいかずとも、細かい事を積み上げて物事を動かす
    上手く行きそうでも、様々な思案の後に行きつ戻りつでようやく物事は進み出す

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    2022年02月13日
  • 酔って候

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    当時の世界にあたかも自分が存在しているかのような感覚が楽しめる。
    担がれている者のつらさ、勘違い、わかっているのに会えtの行動。それがまた楽しい。

    決して幕末期のメジャーどころでない登場人物なのにこんなに面白いなんて。。

    やはり、幕末は面白い。

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    2017年05月19日
  • 竜馬がゆく(五)

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    ネタバレ

    わずか150年前の事だが、50歳を過ぎれば老人で命に対する考え方も風習も全く異なる。
    坂本龍馬は大胆にして意外と思慮が深く、常に目標達成を考え抜いている。海軍、貿易、経済と幅広く知識を吸収し、吸収した知識で行動している。交渉術も相手の利益も考えてwin-winを目指している
    西郷隆盛の鈴虫の対応はなかなか出来ない

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    2022年02月13日
  • 花神(下)

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    ネタバレ

    長幕戦争の防衛から維新の達成に至るまでの歴史の激動部を描いた最終巻。
    長州を防衛したあと、長州藩は薩摩と共同し、天子を担いで鳥羽伏見の戦いで幕府と決戦する。
    大村始め、戦争勝利は不可能とされていたが、なぜか勝利し、その後の無血開城へと繋がっていく。大村の仕事としては無血開城後の彰義隊との戦いであった。
    戦力的にも勝利は難しいとされていたが、緻密な戦術で完全勝利となり、維新は成る事となった。

    これだけの功績を納めながら、最後は元々仲間であった過激な攘夷志士の手によって暗殺されてしまう。

    いずれにせよ、この花神(花咲か爺さんの意味)は明治という新時代への餞としてうまく言ってると感心しました。

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    2017年05月05日
  • 花神(中)

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    ネタバレ

    上巻とは売ってかわって、中巻以降では歴史の表舞台へ出てくる。

    適塾で蘭学を極めた村田はその語学を買われ、四国の宇和島藩で召し抱えられる事になる。
    ここでは時代の要請に従って、砲台の建設、汽船の開発、兵学書の翻訳と医療以外の世界にも従事し始める。そして徐々に世の中から、注目され始めていく。
    そんなある日、村田蔵六は長州藩の桂小五郎に見初められ、長州藩の藩士となった。

    ここでの仕事は攘夷思想の実現の為、西洋軍隊の拡充および教育であったが、時代の改革期に起こる事態ではあるが長州 と 幕府の戦争。実質的には長州 対 日本の戦争が勃発し、その作戦参謀長として村田改め大村益次郎が出陣した。

    この件で感銘を受けたことは、
    古老の老中達が過去の戦闘や口伝の戦術から作戦立案を推挙したが、大村はこれを却下し、誰も実戦で見たことはない、書物の中にしかない戦術を用いて作戦を指揮した。
    結果、この作戦は面白いようにうまくいったということ。

    このことから、未知の事柄でも内容を熟知し、運用出来るほど習熟すれば、過去の経験則を吹き飛ばす程の力を得られるということ。

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    2017年05月05日
  • 花神(上)

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    ネタバレ

    村田蔵六、のちの明治政府の軍事参謀、大村益次郎の生涯を描いた作品。

    上巻では村田蔵六が家業である村医を目指して、地元長門の医者のところから大阪の蘭医の名門、緒方洪庵の適塾での日々を描く。
    この時は軍事作戦家という側面は一切なく、医療と語学の世界を極めんとしている時代。

    合理的な思考を持って射きる蔵六にとって人間関係の機微は不要であったが、それが故に周りからは孤立し、才はあるが疎んじられていた。
    その孤独にそっと寄り添うシーボルトの娘、イネの存在に癒されます。

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    2017年05月05日
  • 花神(中)

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    文久三年より、ようやく時代が回り出します。桂小五郎の要請を受けて、長州藩士に…そして、幕軍との戦の総大将として全軍を指揮する。
    僕らの知る大村益次郎ここに誕生!
    話のテンポが良くなって来て後半たのしいなぁ。

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    2017年04月29日
  • 新装版 王城の護衛者

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    幕末の、松平容保(会津藩主)・玉松操(岩倉具視のブレーン)・大村益次郎(花神の圧縮版)・河合継之助(峠の圧縮版)・岡田以蔵(4大一斬りのうち土佐出身)の5人を取り上げた作品。
     河合継之助の’’英雄児’’は馬上少年過ぐにも掲載されていたので2度読みになったが、やっぱ面白い「英雄というのは、時と置き所を天が誤ると、天災のような害をすることがあるらしい」

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    2017年04月17日
  • 北斗の人 新装版

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    北辰一刀流の開祖、千葉周作の生涯を描いた作品。

    剣の道を合理的に、わかりやすく教授していく、という当時では革新的な流派だったようで。
    (“北辰(北斗七星)”という名も、かっこいいです。)
    それを作り上げた周作さんは、無茶苦茶強く、研究熱心。そして口下手というキャラで描かれています。
    軽快な展開で面白く読める一冊。

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    2017年04月05日
  • 風神の門(下)

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    おもしろかったです!!忍者モノo(`▽′o)
    霧隠才蔵とか猿飛佐助とかをちゃんと読んだのは実は初めてです。
    才蔵の伊達男っぷりが小気味よく♪
    伊賀者と甲賀者の違いとかが興味深かったです。
    風魔との闘いや数々の美女との駆け引き(?)はワクワクドキドキvv
    さりげなく描かれる真田幸村の智将っぷりも素敵です。
    もう少し真田の最期まで描いてほしかったです…!
    ラストは〈え!?そう終わる!?!?〉っていうあっけなさで、なんかいっぱい喰わされた感じ。。

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    2017年03月20日
  • 「明治」という国家

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    何度目かの再読。維新から明治新政府=近代国家成立と、安易に捉えがちだが、西郷の西南戦争ひとつを取っても内戦とは言え新政府は死力を尽くした上の薄氷勝利。廃刀令や版籍奉還・廃藩置県で武士階級を取っ払い、富国強兵の名の下、「中央集権国家」の樹立を目指し、近代国家の象徴とも言うべき「大日本帝国憲法発布」まで、維新から僅か22年。260年間の鎖国から目覚めて以降、にわかに外国語を学び会得した付け焼刃のコミュニケーションで他国の政治・経済・憲法・法律を学び、憲法という国家運営の支柱を創出した。僕はこの一連の行為に日本人として強い誇りを持つ。ゆえに改革を謳う政治家とついつい比較してしまう。時代変われど改革の対象者からの抵抗・軋轢は激しい。それに立ち向かうリーダーと推進派に一点の曇りの無い大義があれば、支持層も増えるんだろうけど。大義が安倍政権打倒では…。

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    2017年03月15日
  • ビジネスエリートの新論語

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    やっぱり司馬遼太郎さんはすごい。
    1つ1つの言葉に意味がちゃんと込められていて、そこから紡ぎ出される文章がなんて深いんだろう。
    60年前に書かれた本とは思えないほど、現代でも通用するところが多いし、歴史を感じることもできる。
    文章で生活して行ける人は、本当にすごいと改めて思わされた。

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    2017年03月14日
  • 世に棲む日日(三)

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    p.45 高杉の自己評価を受けて
    「ちょうど酒をまだ入れていない瓢箪のようで、尻の据わりもわるく、またしめくくりも無い。いうならば、江戸っ子がいういわゆるゴロツキ野郎なるものか」と、おもしろおかしく自分を嘲っているが、かといって自己嫌悪でもなく、虚無思想の徒でもなく、また絶望という気分に自己愛の甘美さを見出す男でもなかった。かれには元来、絶望という感覚がなかった。なかったのは、天成なのか、または現実を大肯定する儒教によってその精神を形成していたからか、それとも前途に絶望を感ずるのは知恵のないあほうがみずから掘るおとし穴だと思っていたのか、どうやら後者らしい。かれの当時、絶望という日本語がなかった。困ったという言葉があった。
    「わしは一生、困ったと思ったことがなく、口に出したこともない。」
    →「それとも前途〜」以下は凄く深い意義がある。つまり自らの前途に絶望するのは対処策を思いつくことのできない阿呆がすることだと解釈。どんなに危機的な状況でも絶望に時間を使うのではなく打開策を見つけ出すのが高杉の生き方を真似ることだ。

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    2017年03月02日
  • 胡蝶の夢(三)

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    ネタバレ

    ポンペの帰国から、14代将軍、徳川家茂の死までの本巻。
    後半は幕末に活躍したビックネームか連ね、本筋ではないが動乱の行く末に無知な自分には興味を以って読み進めることができた。
    相変わらず膨大な資料をかき集めた内容、時に電話をかけての取材もされているようですね。あえて難を言えばフィクションとノンフィクションの境がわからないことかな。

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    2017年09月30日
  • 城塞(中)

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    ネタバレ

    大坂の冬の陣・夏の陣を、戦が始まるきっかけから大坂城落城まで描いた歴史小説。
    2016年大河ドラマ「真田丸」の予習として読んだ。
    主人公は小幡勘兵衛という牢人で、後に軍学者となる人物。彼は、戦の表舞台には立っていないが、徳川方の間諜として豊臣方に入り込んでいた人物であるため、両者を行き来しつつ狂言回しとして物語を進めていく。でも、途中で時々、全く登場しなくなり、誰が主人公だっけ?となることも。司馬小説ではよくあることだけど(いわゆる「余談だが現象」)。

    たまに勘兵衛が、恋人お夏のために豊臣方に肩入れして徳川を裏切りそうになり、その場面だけはグッとくるものがあるのだけど、最終的には打算と私利私欲で動く人物なので、途中からはそんなに感情移入は出来ない。

    それ以外の、戦の表舞台に立つ登場人物は以下の人達
    豊臣:淀殿、豊臣秀頼、大野治長、真田幸村、後藤又兵衛、片桐且元
    徳川:徳川家康、徳川秀忠、本多正純、本多正信

    どの人物も、何かしら足りないところや汚いところがあって、他の司馬小説の主人公(竜馬・高杉・土方・信長・秀吉ら)みたいに純粋にカッコいいと思える人はいない。でも、その人間臭さこそが、司馬さんが群像劇としてこの小説を描いた意味なのだろう。

    そして、女優で歴女の杏さんが本の帯か何かで書いていた、『最強の城も、人間や組織次第でこうも簡単に滅びるのか』みたいなことが、この小説の一番のテーマ。最強の城と、実戦経験豊富な現場担当者。これらが揃っていながら、なぜ大坂城は落ちてしまったのか。上に立つ者が世間知らずでマヌケだったから、なのだろうけど、その一言だけでは片づけられない、数々のボタンの掛け違いによる失敗から学ぶことは多い気がする。

    以下、印象に残ったエピソード

    片桐且元の豊臣方から徳川方への転身
    - 豊臣を裏切る気持ちは無かったのに、家康の策略と豊臣上層部の疑心暗鬼から、やること全て裏目に出て、転身せざるをえなかった片桐且元。豊臣への忠誠心は誰よりも強かったはずなのに、最後は大坂城へ向けて大砲を打つことまでさせられた彼の心境は、言葉に出来ない。人と人との些細な擦れ違いから、人生を狂わされてしまうこともあるのだ。大河ドラマ「真田丸」小林隆さんの悲喜劇入り混じった演技も、印象深かった。

    大坂五人衆集結
    - 真田幸村、明石全登、後藤又兵衛、毛利勝永、長曾我部盛親ら五人衆。戦う場所を欲して、家の再興、キリスト教布教許可など、各々の理由を持ちつつ大坂城に集まって来て、団結して戦いに臨む。大河ドラマと並行して読んでいたため、映像とシンクロしてワクワクして読み進めた(負けるのは分かっているのだけれど)。
    犯罪者家康と、純粋な豊臣方牢人たちとの対比

    - 司馬さん曰く、徳川家康の大坂攻めは戦争というよりも、本質は「犯罪」(主家である豊臣家に対し、騙したり、約束をすっとぼけたり、内部分裂させたりしたから)。家康をとことん悪人に描いているが、それは彼が「後世にどう思われるか」という発想が無かったから、との解釈。一方、真田幸村・後藤又兵衛ら大坂方牢人は、豊臣が滅んだら他に頼るものが無いわけで、自然、死を恐れず武名をあげ、後世に向かってよき名を残すことに純粋に研ぎ澄まされていくようになる。それぞれの生き方の違いだったのだろう。

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    2017年02月16日
  • 胡蝶の夢(二)

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    松本良順が師であるポンペと医学校を開校するところから画期的病院の開院までの第二巻。その描写の多くはおそらく作者の空想であるが、玄関の門前で転倒したとか、最早かなりの創作です。ただ、根拠のない空想ではなく、良順や伊之助などに関する史実を丹念に集めて作者なりの像を作り上げて丁寧に描いるようであり、とても説得力がある。良順と伊之助は作者にとても好かれている様子ですね。
    歴史物の宿命だが、読み物として作る上で仕方がないところだが事実と空想が分かるといいのにと考えてしまう。作品の後の少し長めのあと書きが読みたいと思う。

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    2017年02月07日
  • ビジネスエリートの新論語

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    司馬遼太郎が昭和30年に出したサラリーマンについてのエッセイ。当時は福田定一という本名名義だったとか。歴史上の名言を一言上げた後、サラリーマンに関する考察を述べる形式の前半が主。後半に自身が新聞記者になるまでの経緯を同僚・先輩に絡めての話を掲載。後に日本史を中心にした歴史小説の大家になった人だが、出てくる名言はむしろ西洋の名句か当時の近現代のそれらばかり。彼の教養がいかに凄いか驚かされる。またさらにサラリーマンに関する諸考察は2017年現在においても思い当たるものばかりで全く色褪せない。短い彼のサラリーマン生活は苦悩であり、そこから出てきたものだという。そう。サラリーマンは実力のそれより運か運命に翻弄される。そんな人ばかりなんだろうと思った。

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    2017年02月18日