司馬遼太郎のレビュー一覧
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愚直で正直者の伊右衛門が軍議での功を讃えられ土佐一国を食む。運もあるがやはり千代の存在が大きい。残念ながら24万石はその器量には大きすぎたらしく、種崎浜の悲劇となる。史実は少し違うようだが、この逸話で物語全体の印象か大きく変わります。千代が察知して悲劇を未然に防いてくれると願いつつ、はらはらしながら読み進めました。その後何事も無かったように“あとがき”は進みますが、これを境に一豊と千代の確執が深まったことでしょうね。
今回も戦国武将の逸話が散りばめられ濃密て読み応えがありました。知的好奇心を存分に満たしてくれる作者の作品を貪り読みたくなる衝動に駆られます。 -
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著者が大阪外国語大学の蒙古語学部出身というのは有名な話だが、本書は1992年刊行だから著者にとって最晩年の作品と言える。司馬さんはなぜ、数々の日本の歴史小説を書き終えた末に、遊牧民の文化を切り取る紀行文に取り掛かったのか……?
その意図を正確に知ることはできないが、刊行された90年代初頭はちょうど世界中で社会主義政権が求心力を失い、西側のライフスタイルが世界中に広がっていこうとしていた時代。そこで司馬さんは、そこから失われていくであろう「人間の美徳」を、かつて猛威をふるいながらも時代に消えていった遊牧民の歴史を振り返ることで、私たちに示したかったのではないか。
寡欲であること、モノに執着しすぎ -
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上巻で主役となっていた庄助が、この下巻では歴史の一点景の様に後方に退き、恰も歴史そのものが主人公の様相を呈する。
著者の巧まざる手練手管に、歴史は華々しく躍動し、読者はその渦の中に放り込まれ、時代の空気を共に呼吸するかのよう。
教科書などでは、元―明―清と中国史を教わるが、実際は明と清との間に「順」という王朝が「三日天下」のように存在したことを、この作品で知った。
さらに、順王朝の崩壊には、明の武将の帰趨がキーポイントとなり、その動機が女だったとは。
歴史の「おかしみ」に思いを新たにしたこともこの作品の効用?
それにしても、このころの中国民族(漢人、女真人など)の何と美しく、なごやかなものだっ -
購入済み
竜馬小説の傑作
坂本竜馬の物語として、これほどの傑作小説はないであろう。幕末時代に竜馬のような異端者がいなければ、今の日本の形は大きく様変わりしていたかもしれない。一人の男としてこれだけの働きをやってのけただけの活力や行動力は常々見習いたい。
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船乗り高田屋嘉兵衛が幼少の頃から話は始まる。当時の船事情、江戸の文化を細かく描写、成長・成功していく主人公を追うのは楽しい。途中、4巻、5巻では「 高田屋嘉兵衛」が殆ど出てこなくなり、ロシア事情、当時の日本との交流が書かれる。そして最終巻でゴローニンの話。結局著者は「ゴローニン事件」を扱いたかったのだなと分かる。
他の作品より物語性が弱く、その代わり時代背景・文化事情が多く語られている点では違いを感じる。(私も物語らない4巻、巻は読むのが辛かった)
一代で繁栄を築いた男の強さを感じる。
【学】
要するに生産性の面での江戸の能力の低さが菱垣廻船を発達させた。江戸初期から中期にかけて菱垣廻船 -
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1961年に発表された小説だそうです。2016年現在から振り返ると、なんと55年前...。
歴史小説、時代小説、司馬遼太郎さんは、古くならなくてトクですね。
文庫本1冊、500頁くらいの小説。
主人公は長宗我部盛親さん、という人です。
戦国時代に、四国の覇者となった長宗我部元親という人がいまして、その人の跡取り。息子さんです。
ざっくり言うと、関ヶ原の直前に独裁者だった親父さんが亡くなってしまいまして、若くして土佐一国の領主になりました。
だけど、お家騒動をばたばたしているうちに、関ヶ原の戦いで家康側に着くチャンスを逃してしまい。
消去法でなんとなく石田三成一派に参加。
戦闘に参加できないま