司馬遼太郎のレビュー一覧

  • ペルシャの幻術師

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    司馬先生は、モンゴルと坊様の煩悩がお好きらしい。

    とび加藤と果心居士という幻術的忍者の話は面白い。

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    2015年12月07日
  • 翔ぶが如く(九)

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    激戦を極めた田原坂の戦いも終わり政府軍の圧倒的物量によって、薩摩軍の先行きも暗くなってきた。
    西郷その人の心境も気になるところであるが、桐野利秋の心持ちは如何であっただろうか。
    維新に大功ある薩摩旧士族達がこれだけ固陋な思想以外は受け入れずに西南戦争を戦っていたことが驚きである。
    維新は成し遂げたが、彼らの中では旧幕時代の薩摩の気色が尊ばれていたのだろう。
    薩摩の中でも開明を良しとした者達も、この頃には負けると分かって薩摩武士として戦う以外になかったのだろうか。

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    2015年12月03日
  • 翔ぶが如く(八)

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    西南戦争が始まったが、「太政官軍対反太政官軍」の図式という以外に何もなく、薩軍も本来の目的が何であるのか忘れてしまっているようだ。
    「敵を叩く」ことに終始しており政略も戦略もなく、維新の功高い薩摩壮士とは思えない戦いだ。
    西南戦争については一般的に「明治の初期頃に政府と西郷率いる薩摩を中心とした不平士族の内戦」というくらいの認識しかない。
    この「翔ぶが如く」を読んで、その歴史の前後関係や対外情勢、思想気分などをつぶさに観察してみると維新〜西南戦争の姿がよくわかる。

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    2015年11月29日
  • 翔ぶが如く(七)

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    ついに薩摩勢力が蜂起となった。
    果たして西郷という人はどのような人であったのだろうか。
    薩摩勢力を蜂起させ政府と戦争をするということは西郷の本意でなかったことは事実なのだが、維新を終えてしまってからは西郷という人物としての塊が見えてこない。
    まるで空想上の偶像のような感じさえしてしまう。
    いずれにしても事態が「薩摩勢力蜂起」となり、今後の方向性は一本道となってしまった。
    各々の正義が刃を交えるしかなくなったのである。

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    2015年11月24日
  • 街道をゆく 43

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    読書の秋なのに、移動も多いのに、モチベーションがあがらなかった。ずっと頭と心が疲れてる感じ。そういう時は紀行文。紀行もののある種の代表も言えば街道をゆくシリーズだが、司馬遼太郎の逝去によって最後の紀行は未完のまま。それがこの「濃尾参州記」。殆ど終わりだけで終わってしまっているが、司馬遼太郎が描こうとした名古屋が垣間見えて面白い。三河、そして美濃のことは、存命であればどう描いただろうか。さ、また本を手に取ろう。

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    2015年11月24日
  • 翔ぶが如く(六)

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    神風連が決起し事が起こった。
    いよいよ西南戦争に向かって動いてゆく。
    反太政官思想の波が大きくうねり出したと言って良いだろう。
    歴史的には西南の役が大きく取り上げられるが、その前夜、反太政官思想の有志たちがどのようにしていたかなどがよく分かる。
    後の日露戦争などで後世に名を残す、児玉源太郎や乃木希典、野津道貫の兄、野津鎮雄の名前なども出てくる。
    神風連の決起が西南戦争への弾みになったことは確かであろう。

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    2015年11月20日
  • 翔ぶが如く(五)

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    在野の不平分子を考慮した事実上大義のない征台を実施する。
    しかし撤兵するためには、この征台を義のあったものと清国側に認めさせ、しかも派兵のための賠償金を清国側から出させるという力技をもってして外交に臨んだ大久保は、ある程度満足のいくかたちで終結させた。力技を建前上だけでも成功裡に導いた執拗さと周到さは見事といってよいだろう。
    この明治がはじまって十年と経たない頃は、果たして維新の本来の目的は何だったのだろうかとも思わせられる時代だ。
    国家が大きく動こうとするとき、大きく進歩しようとするときの舵取りは後の時代になってみないと正解は分からないのかも知れない。いや、もしかすると後の時代になっても分か

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    2015年11月11日
  • 国盗り物語(一)

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    人生に目的を持とう。目的のために生きよう。
    斎藤道三、織田信長の生き方からこんなに学ぶものがあるとは思わなかった。過去から学び、そして実行すること。


    乞食になっても、将来に望みをもって生きる

    自ら考え、工夫する。戦術転換をしたものが必ず勝つ

    野望があるためだ。男の男たる所以は、野望の有無だ。

    人の世は明日がわからない。というが、こういう、わけのわかったようなわからぬような、その実、生きるためになんの足しにもならない詠嘆思想はない。あす、何が来るか、ということは、理詰めで考え抜けばわかることだ

    小九郎の人生には目的がある。目的があってこその人生だと思っている。生きる意味とは、その目的

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    2021年12月21日
  • 翔ぶが如く(四)

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    西郷隆盛という人物その物が英雄視され思想となって、どれだけ強力な渦を巻いていたかがよくわかる。しかしこれは西郷が望んでそうなったのではないだろう。自分では望まなかった強烈な吸引力は、やがて西郷の最期へと向かってゆく。
    この巻では、そのようなことに焦点を絞って書かれているような気がする。

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    2015年10月30日
  • 翔ぶが如く(三)

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    ひとまず征韓論の是非に決着がつき西郷は野に下る。この決定こそが日本の今後の運命を決める一つであったかもしれない。
    主要な登場人物について細かく考察されており、その人物の思想や大義、正義の背景なども少しはわかってくる。
    江戸幕府が瓦解し明治は緒に就いたばかりであるが、自国の未来を創るという一人ひとりの正義が強く渦巻く時代であったのだと感じる。

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    2015年10月27日
  • 新装版 箱根の坂(下)

    購入済み

    描写が優れている

    いつもながら、司馬遼太郎の歴史的背景、人物観察の描写が極めて優れていると思います

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    2015年10月27日
  • 花神(上)

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    戊辰戦争時の長州司令官・村田蔵六(大村益次郎)の物語。感情など人間的で不確定な要素を排し、事実や理論だけを拠り所にする蔵六の極端な描き方が面白い。時代遅れの悪習になり下がり装飾化した武士道が、蔵六の実在的運用によって打ち払われていく様も痛快。

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    2015年10月20日
  • 翔ぶが如く(二)

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    西南戦争前夜ともいうべき明治六年、ここで西郷の行く末は決まってしまったのであろう。
    徳川幕府の瓦解から六年、足元の覚束ない明治という時代の中で、各人たちの思惑が交錯する。古来からの義を貫き通すか、日本国の百年後を考えて列強国と肩を並べるために足元を固めるのか……。
    現代日本の基礎を形造った重要な時代であろう。

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    2015年10月13日
  • 幕末

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    古い本。
    暗殺短編集。

    幕末それなりに知っているつもりだったが知らない話ばかりであった。
    後世に名を残した人も意外と遅咲きだったり苦労してたりといったエピソードが印象的であった。

    そして、乱世はチャンスも多いが、生きるか死ぬかの世界でそれを分けるのは運であることも強く感じた。
    生き残ることの大切さ。

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    2015年10月08日
  • ひとびとの跫音 下

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    なんともいえないジャンルの作品。エッセイなのか小説なのか。正岡子規周辺のひとびとの生死を描く。タカジが強烈な個性を出している。英雄ではなくてもこういった人間の話がいくつも折り重なって歴史となっているのでしょう。

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    2015年09月26日
  • 項羽と劉邦(中)

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    ネタバレ

    有能なリーダーと無能なリーダー、そんな対照的な二人の闘いの物語・中盤戦。

    上巻では影も形もなかったですが、張良という人がいきなり登場します。
    彼は劉邦を天下人に至らしめた名軍師で、楚漢では項羽と劉邦に次ぐ魅力的な人物であります。

    この張良には、超大国を滅ぼしてしまった伝説の英雄・太公望呂尚の兵術書を謎の老人から授かったという、なんともドラマチックな伝説があります。
    そのため、彼の戦術は呂尚に非常によく似ている、ということが、本書でも指摘されています。

    宮城谷昌光さんの「太公望」という作品を読むとよく分かりますが、太公望はまさしく「準備の人」です。
    戦ってから勝つのではなく、勝ってから戦う

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    2015年09月22日
  • 新装版 軍師二人

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    「雑賀の舟鉄砲」
    手柄をあげたら 極楽浄土に行けるという無欲な話。
    宗教と若き城主夫妻。そのために死ねるか?
    鶴がもってくる ホシサカナが 壁の味がする。

    「女は遊べ物語」
    手柄に対してお金のことをいうと 浅ましく思われる日本の風潮。
    嫁が 浪費家で そのために一生懸念 手柄をあげようとする。
    涙ぐましい話だが、嫁は 側女も手配してくれるとは。
    秀吉の評価のしかたが良いなぁ。

    「壁女守り」
    家康の3人の女を お守りする オトコの話。
    ふーむ。女とはじつに大変な生き物だ。
    それをしみじみと感じさせる。

    「雨おんな」
    おなん。関ヶ原の闘いの前にであった
    二人のサムライ。運は 武芸の差ではない

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    2015年09月07日
  • この国のかたち(四)

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    やっと、4巻になって 司馬遼太郎が 何を書きたいのかが
    わかったという感じである。
    統帥権をめぐる日本での系譜
    そして、全く別国になった日本は 統帥権の乱用、拡大解釈にあった。
    大東亜共栄圏という大きなる構想を出したが
    戦争を初めて 石油がないことが大きな問題であり、
    石油を確保するために 戦線を広げた。
    そのような戦争は 前代未聞である。
    戦略があったように見えて 戦略がなかった。
    単なる熱病であり 妄想であり だれがそれを責任持っていたのかも
    よくわからないものであった。
    日本人の二十世紀が 実によくまとまっていた。
    司馬遼太郎の卒論にちかいね。

    馬、松、白石の父、近代以前の自伝
    がお

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    2015年08月25日
  • 城塞(中)

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    1614年後半の大阪冬の陣の物語。

    老獪・姑息な家康、癇癪持ちの淀君、調子ものの織田有楽、英雄的な真田幸村、実は聡明な秀頼、無能な息子の秀忠、器が小さい大野修理というキャラクターが際立つ記述がされている。

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    2015年08月23日
  • この国のかたち(三)

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    司馬遼太郎の歴史に対する見方が
    少し明瞭になりかけた感じがする。

    この国のかたち(一)をよんで、
    朱子学とは日本にとって どんな意味を持っていたのかを
    知りたいと思って 『朱子学と陽明学』を読んだが、
    どうも、まだまだ知りたいことに対して距離があるようだった。

    世に棲む日々を 全4巻読んで、
    吉田松陰と高杉晋作を対比する中で
    思想家と現実家との 姿を浮き彫りにされて、
    なるほど 思想というものを そうやってとらえているのか
    が 理解できた感じがした。

    この国のかたち(三)をよみながら
    室町時代が180年も続き、そこで日本の生活の原型ができた。
    書院造、華道、茶道、行儀作法、婚礼の作法。

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    2015年08月20日