司馬遼太郎のレビュー一覧
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在野の不平分子を考慮した事実上大義のない征台を実施する。
しかし撤兵するためには、この征台を義のあったものと清国側に認めさせ、しかも派兵のための賠償金を清国側から出させるという力技をもってして外交に臨んだ大久保は、ある程度満足のいくかたちで終結させた。力技を建前上だけでも成功裡に導いた執拗さと周到さは見事といってよいだろう。
この明治がはじまって十年と経たない頃は、果たして維新の本来の目的は何だったのだろうかとも思わせられる時代だ。
国家が大きく動こうとするとき、大きく進歩しようとするときの舵取りは後の時代になってみないと正解は分からないのかも知れない。いや、もしかすると後の時代になっても分か -
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人生に目的を持とう。目的のために生きよう。
斎藤道三、織田信長の生き方からこんなに学ぶものがあるとは思わなかった。過去から学び、そして実行すること。
乞食になっても、将来に望みをもって生きる
自ら考え、工夫する。戦術転換をしたものが必ず勝つ
野望があるためだ。男の男たる所以は、野望の有無だ。
人の世は明日がわからない。というが、こういう、わけのわかったようなわからぬような、その実、生きるためになんの足しにもならない詠嘆思想はない。あす、何が来るか、ということは、理詰めで考え抜けばわかることだ
小九郎の人生には目的がある。目的があってこその人生だと思っている。生きる意味とは、その目的 -
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ネタバレ有能なリーダーと無能なリーダー、そんな対照的な二人の闘いの物語・中盤戦。
上巻では影も形もなかったですが、張良という人がいきなり登場します。
彼は劉邦を天下人に至らしめた名軍師で、楚漢では項羽と劉邦に次ぐ魅力的な人物であります。
この張良には、超大国を滅ぼしてしまった伝説の英雄・太公望呂尚の兵術書を謎の老人から授かったという、なんともドラマチックな伝説があります。
そのため、彼の戦術は呂尚に非常によく似ている、ということが、本書でも指摘されています。
宮城谷昌光さんの「太公望」という作品を読むとよく分かりますが、太公望はまさしく「準備の人」です。
戦ってから勝つのではなく、勝ってから戦う -
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「雑賀の舟鉄砲」
手柄をあげたら 極楽浄土に行けるという無欲な話。
宗教と若き城主夫妻。そのために死ねるか?
鶴がもってくる ホシサカナが 壁の味がする。
「女は遊べ物語」
手柄に対してお金のことをいうと 浅ましく思われる日本の風潮。
嫁が 浪費家で そのために一生懸念 手柄をあげようとする。
涙ぐましい話だが、嫁は 側女も手配してくれるとは。
秀吉の評価のしかたが良いなぁ。
「壁女守り」
家康の3人の女を お守りする オトコの話。
ふーむ。女とはじつに大変な生き物だ。
それをしみじみと感じさせる。
「雨おんな」
おなん。関ヶ原の闘いの前にであった
二人のサムライ。運は 武芸の差ではない -
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やっと、4巻になって 司馬遼太郎が 何を書きたいのかが
わかったという感じである。
統帥権をめぐる日本での系譜
そして、全く別国になった日本は 統帥権の乱用、拡大解釈にあった。
大東亜共栄圏という大きなる構想を出したが
戦争を初めて 石油がないことが大きな問題であり、
石油を確保するために 戦線を広げた。
そのような戦争は 前代未聞である。
戦略があったように見えて 戦略がなかった。
単なる熱病であり 妄想であり だれがそれを責任持っていたのかも
よくわからないものであった。
日本人の二十世紀が 実によくまとまっていた。
司馬遼太郎の卒論にちかいね。
馬、松、白石の父、近代以前の自伝
がお -
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司馬遼太郎の歴史に対する見方が
少し明瞭になりかけた感じがする。
この国のかたち(一)をよんで、
朱子学とは日本にとって どんな意味を持っていたのかを
知りたいと思って 『朱子学と陽明学』を読んだが、
どうも、まだまだ知りたいことに対して距離があるようだった。
世に棲む日々を 全4巻読んで、
吉田松陰と高杉晋作を対比する中で
思想家と現実家との 姿を浮き彫りにされて、
なるほど 思想というものを そうやってとらえているのか
が 理解できた感じがした。
この国のかたち(三)をよみながら
室町時代が180年も続き、そこで日本の生活の原型ができた。
書院造、華道、茶道、行儀作法、婚礼の作法。
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吉田松陰が なくなり、その弟子の 高杉晋作の時代 となる。
この高杉晋作は とらえどころのない 人物。
まったく、行動予測ができない。
大きな潮目には登場し、世の中をあっと言わせたい
と思い、その通りに行動する。
まさに、集中力 というか 狂気の人である。
その行動の急なることは 迅速である。
伊藤博文が言う
「動けば雷電の如く発すれば風雨の如し、
衆目駭然、敢て正視する者なし。
これ我が東行高杉君に非ずや…」
静かな時は 女郎屋にいる。
そして、風流をかなでる。
これくらいの幅の広がりが 明治維新後 なくなってしまうのですね。
長州藩が まけることで、講和の代表となるが
じつに 政治的 -
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司馬遼太郎の短編集。彼の著作ではやはり幕末物が迫力あるが、江戸初期の男たちの生き様を浮き彫りにした本書もまた面白かった。
司馬の作品の魅力は独特のテンポ感だと思う。本を読んでいるだけで、その時代に自分もいるような感覚になり、出来事に巻き込まれるのではという高揚感がみなぎってくる。
タイトルの人斬り以蔵は、竜馬がゆくにも出てくる人物で、脇役の彼にスポットライトが当たる。他には茶器を題材にした章が特に興味深かった。あまり興奮がない話もあったが、総じて幸福と(身分制度などによる)やるせなさが混ざり合っており、読後しみじみとする。司馬の長編を手に取る気になれない人にもおすすめである。 -
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陳舜臣『小説十八史略』1巻は中国中原に君臨した神々から秦の始皇帝が中国中原を領する、最終巻ではモンゴルが元と国名を改め宋を滅ぼし、中国を統一するまでを読み、続けて『チンギス・ハーンの一族』全4巻で元の隆盛から滅亡までを読破する。『韃靼疾風録』上下巻では満洲にて後金を称する蛮族が勃興し、遂には明国を滅ぼし清国を打ち立てる経緯を知る。内容は平戸に漂着した満洲貴族のアビアを母国へ帰す使命をおびた平戸武士、庄助の生涯の記録である・・・司馬遼太郎本の中でも推薦の本書である。
追記:清国末期は浅田次郎『蒼穹の昴』『中原の虹』と読んだが、抜けているのは元滅亡からはじまる明国時代について小説はあるのか探