司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 項羽と劉邦(下)

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    ネタバレ

    ――漢王は能なく智なく勇なく、しかも人間が粗㒒すぎて雅馴でない。まことに不徳の人である。といってるのを劉邦は耳にしたことがある。
    「陛下は、御自分を空虚だと思っておられます。際限もなく空虚だとおもっておられるところに、智者も勇者も入ることができます。そのあたりのつまらぬ智者よりも御自分は不智だと思っておられるし、そのあたりの力自慢程度の男よりも御自分は不勇だと思っておられるために、小智、小勇の者までが陛下の空虚のなかで気楽に呼吸をすることができます。それを徳というのです」

     義とは、骨肉の情や、人間としての自然の情(たとえば命が惜しいなど)を越えて倫理的にそうあらねばならぬことをさす。
    義は

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    2020年11月04日
  • 城塞(上)

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    家康による大阪城攻略の顛末を描く長編。司馬遼太郎の得意なストーリーテリング展開として、複数の登場人物の視点を同時に使うが、特に小幡勘兵衛とお夏というキャラが一番絵になる。

    当時70歳を越えた家康がかつての主家豊臣家を滅ぼすために矢継ぎ早に行う政略がえげつないのに対して、淀君のヒステリーっぷりが痛々しい。

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    2015年07月05日
  • この国のかたち(六)

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    シリーズ最終巻にして絶筆となった随想が含まれる。「この国のかたち」というタイトル通り、作者が存命だった90年代までの、この国の根源のようなことが解説されている。冷静さと緻密な描写と圧倒的な取材に基づいた作品、多少突き放した感があって、それがかえって近づきたさを醸し出す。大学時代に講演にお呼びしようとして丁寧なおお断りの手紙をもらったっけ。どこへしまいこんだかなあ。

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    2015年06月27日
  • 風神の門(下)

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    純粋に面白かったし、読みやすかった。
    才蔵が最後までとにかくモテてたし、かっこよくて強い。
    佐助や幸村はあくまで脇役だから仕方ないけど、下巻は結構あっさりめな出番しかなかったのが私としては少し残念。

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    2015年06月24日
  • 風神の門(上)

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    才蔵が女にモテモテで、強くて凄まじい。
    でも、私は幸村命で飄々としつつもお人好しな感じのする佐助が好み。まぁ、元々佐助贔屓というのもあるんだけど…。
    読みやすいし、展開もいろいろあり先が気になってぐんぐん読めた。

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    2015年06月20日
  • 城塞(中)

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    真田幸村、後藤又兵衛などの活躍は痛快だが、大将が淀君では勝てる戦も勝てず、家康の老獪さと豊臣家の無能さが際立っていた。

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    2015年06月20日
  • この国のかたち(五)

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    神道、鉄、宋学など、日本人の精神の土台形成に大きな影響を与えた事柄に対する司馬の解説。指摘の通り、神道には教義もなく、元々は社殿もない。山や岩、古木などが自然と畏敬の対象となり、清められてきた。だから、何々をしなければならないなどという教義はないという。これはすんなり理解できる。お天道様はいつも見ている、お天道様はありがたいという精神性は、いろいろなものに通ずると思う。

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    2015年06月18日
  • 花神(下)

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    この本の前に「世に棲む日々」を読んで、松蔭〜高杉晋作の幕末の長州藩志士の熱き志を知りました。そして、この「花神」では、明治維新の仕上げを長州藩の元百姓だった大村益次郎(村田蔵六)が実にクールにおこなことを知りました。偉大なる大村益次郎、、

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    2015年06月17日
  • 十一番目の志士(下)

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    架空の剣客・天堂晋助と、実在の“幕末オールスターズ”達との絡みが自然で、晋助は実在したのでは?と思わせるものがあります。さすが司馬さんですな。
    ただ、ラストが唐突で、結局、菊絵やお里はどうなったのか気になります。。。

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    2015年06月15日
  • 空海の風景 上巻 (改版)

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     中国文明は宇宙の真実や生命の神秘についてはまるで痴呆である。中国文明の重要な部分をなすものは史伝であり、史伝とは事実のことをいう。人生における事実などは水面に浮かぶ泡よりも儚い。なによりも儒教とは世俗の作法に過ぎない。この様な中国人と対局にいるのはインド人である。国費で儒学を学ぶ空海は、中国文明に身を置きながら私的関心としてはインド文明に引き寄せられていく(P104~参照)

     最澄は天台宗で比叡山、空海は真言宗で高野山と覚えておこう試験にでる(笑

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    2015年06月07日
  • 空海の風景 下巻 (改版)

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    司馬遼太郎、空海の風景(上・下巻)を読む:
    今日、これだけ、旅が、何処へでも簡単に、出掛けられ、しかも、ネットで、欲しい情報に、簡単にアクセス出来る時代からすれば、8世紀の時代に、航海術ですら、満足に発展していない頃に、命懸けで、当時の世界的文化的な大都市に、海外留学しにゆくが如きことは、おおいに、大変であったことは、容易に、想像されよう。
    目的地へ、きちんと、到着した最澄と異なり、福建省の土地に漂着、辿り着いてしまった空海が、皮肉にも、彼の地で、語学の才と当時の文化的知的な教養である書道(五筆和尚という称号)・文章道・漢詩・文才に恵まれ、奇跡的に、これを活かすことになること、誠に、皮肉な廻り

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    2015年06月04日
  • 空海の風景 上巻 (改版)

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    司馬遼太郎、空海の風景(上・下巻)を読む:
    今日、これだけ、旅が、何処へでも簡単に、出掛けられ、しかも、ネットで、欲しい情報に、簡単にアクセス出来る時代からすれば、8世紀の時代に、航海術ですら、満足に発展していない頃に、命懸けで、当時の世界的文化的な大都市に、海外留学しにゆくが如きことは、おおいに、大変であったことは、容易に、想像されよう。
    目的地へ、きちんと、到着した最澄と異なり、福建省の土地に漂着、辿り着いてしまった空海が、皮肉にも、彼の地で、語学の才と当時の文化的知的な教養である書道(五筆和尚という称号)・文章道・漢詩・文才に恵まれ、奇跡的に、これを活かすことになること、誠に、皮肉な廻り

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    2015年06月04日
  • 関ヶ原(上)

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    私は石田三成が嫌いではなく、徳川家康があまり好きでない。そういう人向けな関ケ原。でも一生懸命頑張る三成がかわいそうすぎて、読むのがちと辛かった。

    これを読むとなぜ家康が好きでないか分かった気がする。我慢強いとこなど尊敬するところはあると思うけれど、大奥を作った家系だし、結構な確率で碌でなしを排出しているし、ガチガチの身分制度をを創りあげた人だからという理由であった。それ以外にも何かがと思っていたけど、まさしく、この本に描かれている通り、子供も同僚も全ての人を駒扱いする所だと分かった。本多忠信も非常に、嫌な人間として描かれている。

    ただ四角四面になりがちな私にとっては、三成が頑張れば頑張るほ

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    2022年12月31日
  • 殉死

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    ひとりの不幸な人生を垣間見てしまった気がする。司馬遼太郎の人物を描き出す力は凄いと思った。またこれが史実なら、日露戦争で戦死した人はいかに不幸なことかと思ってしまう。

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    2015年05月24日
  • 十一番目の志士(下)

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    長州藩の高杉晋作に見出された天堂晋助が戦国時代の遺風を残す二刀流を駆使して、幕末長州藩のために大活躍する青春小説残す下巻。ラストに向かって、晋助の存在意義が問われ、なんとも複雑な幕切です。

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    2015年05月15日
  • 十一番目の志士(上)

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    長州藩の高杉晋作に見出された天堂晋助が戦国時代の遺風を残す二刀流を駆使して、幕末長州藩のために大活躍する青春小説。架空の人物ですが、巧みに史実が交えられているので、実在の人物みたいに楽しめます。

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    2015年05月15日
  • 人斬り以蔵

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    司馬遼太郎の短編集。比較的無名の人物も取り上げており、様々な運命の流転が面白い。どの作品も最初の一ページ目で惹きつける。

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    2015年05月10日
  • この国のかたち(三)

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    第3巻は、農民から貴族、貴族から武士、そして貴族、戦国を経て武士という「世の人々」の移り変わりと国のかたちの移り変わりを軸に展開。そこに例えば鎧兜の意味や宗教の存在感を交えて司馬節が繰り広げられる。本人も書いているが本書を元に、読み手がどう考えるかが重要。

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    2015年05月01日
  • 風神の門(上)

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    私は信州の出身故、子供の頃から「真田」が好きでした。
    勿論、「真田十勇士」にも親しんでおりました。
    その中でも「猿飛佐助」と「霧隠才蔵」は誰でも知っているキャラクターです。本書「風神の門」は、伊賀忍者の「霧隠才蔵」が主人公ということもあって、もう何十年も前に読んだ本です。
    今年になって再読してみました。
    子供向けではありませんが、大人になっても、ワクワク、ハラハラする忍者物って面白い物です。

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    2015年04月30日
  • この国のかたち(二)

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    神道、仏教、言語、職人について、司馬流の豊富な取材に基づいたタテヨコの関連が詳しく説明されている。知っているつもりでほとんどうろ覚えだったようなこと、本書で明らかになる様々な事実を、読み手がどう解釈して知識とするかがポイントかと。

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    2015年04月24日