司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 幕末

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    春の雪を血で染めた大老井伊直弼襲撃から始まる幕末狂瀾の時代を、十二の暗殺事件で描く連作小説。

    歴史はときに血を欲す。
    暗殺者も凶刃に倒れた死骸も、共に我々の歴史的遺産である。

    これも何度も読んでます。ww

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    2014年02月01日
  • 翔ぶが如く(十)

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    翔ぶが如くというより、怒涛の如く人が死んでいく最終巻。
    玉砕ともいうべき西郷軍幹部たちの最期が壮絶!
    途中の巻で詰まらんと悪態をつき続けてしまったが前半が政争で後半が戦争と対比させることによって面白さを演出していたのだろうか。

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    2014年01月02日
  • 翔ぶが如く(九)

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    激戦「田原坂」!もはや戦争ルポと化してきた。
    補給についての考えがない辺りが第二次世界大戦を髣髴させる。

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    2014年01月02日
  • 新装版 播磨灘物語(4)

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    高松城水攻めの後の中国大返し、そして天下取りと官兵衛補佐の元、秀吉は天下人になる。「かれは年少のころから物事の本質を認識することが好きであった。さらには物事の原因するところと、将来どうなるかを探求したり予想したりすることに無上のよろこびをもっていた。認識と探求と予想の敵は、我執である。如水には生まれつきそれに乏しかった」と著者は書く。後年隠居し如水と名を改めて、九州に引っ込んでしまうが、関ケ原の戦いが起こると知って、、、、、元はと言えば近江から流れてきた流れ者の黒田一族にあってその知恵1つで天下取りの設計図を描く、歴史の表には立たない凄い人。

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    2014年01月02日
  • 新装版 播磨灘物語(3)

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    この巻は読みごたえあり、官兵衛の有岡城幽閉もあり、見ていて苦しい状況が続くが、一方で城攻めの醍醐味を味わえる。又官兵衛と半兵衛の友情も大いに感じるところあり。

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    2013年12月31日
  • 空海の風景 上巻 (改版)

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    空海の天才性、性向の明るさ、派手好き、外連味は非常に魅力的。
    でも最澄の謹厳実直な感じも好感が持てる。

    唐、長安の華麗な描写が印象深い。

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    2013年12月31日
  • 新装版 播磨灘物語(2)

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    播州を毛利と織田で取り合う様。そこには戦わずして勝つ「調落」があり、いかに敵を味方に寝返らせるかに駆け引きがある。「調落」が失敗した場合に合戦になるのであって、むやみに戦っていたわけではない。「毛利か織田か」で迷う荒木村重。本編とはほとんど関係ないが、病気で死期の迫った竹中半兵衛に関する記述がある”「人の命は短い。ようやく一事がなせるのみ。一事のほかは私はやらない」日常すべを武辺という主題に置き、その他は余事だ、、、、武辺が成功する場合、恩賞がつくその恩賞を考える事も余事であり、恩賞をあてにして武辺をなすことは武辺のけがれである” 「死もまた余事か」と官兵衛。同じく武辺の人、官兵衛の今後の活躍

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    2013年12月31日
  • 新装版 播磨灘物語(4)

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    天下分け目の天王山! 信長急死のため、黒田カンベエの活躍で中国の毛利と和睦したあと、急遽畿内に戻った秀吉が天王山で光秀と激突! 信長のあだ討ち合戦。中国倍返し! です。

    黒田官兵衛の舞台となる姫路と、宍粟郡山崎が、祖父、祖母の古い故郷なのです。 自分には、播州人の血が流れていたのかあ、とこの歴史小説を読んで初めて考えさせられました。

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    2013年12月20日
  • 新装版 播磨灘物語(3)

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    有名な有岡城幽閉のシーンがこの巻でした。
    荒木村重さんがどうして単身家族や家臣を捨てて尼崎城へ逃げ出したかが、納得できる形で描かれていました。
    元々伊丹の地に縁があったわけではない村重さんは、結局誰も信じられなかったのかもしれない。
    なかなか奥行きのあるお話でした。

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    2013年12月19日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)

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    おもしろかった。
    命を捨てる稼業。
    幕末から明治にかけて生き抜いた 極道。
    男のかわいげ を充満させる。

    明治という国ができていく過程がつぶさに語られる。
    伏見鳥羽のたたかいの裏側が 明らかにされている。
    薩摩は 策士が多い。
    錦の御旗のでき方が,なるほどと納得。

    明治の時代が まるでパロディみたいである。
    愚直に 時代を見ていることが すっきりする。

    それにしても,徳川幕府が瓦解していく有様が
    あっけなさすぎる。

    そういうなかで 明石屋万吉。
    運が強いだけでなくいさぎよい。
    頼まれ稼業を 有無を癒さず,実行する。

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    2013年12月14日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(上)

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    いや。テンポがいい。スラスラ読める。
    司馬遼太郎の筆がさえている。
    幕末の 転換期に 極道として 生きる。
    素手にして闘うことは,殴られることだ。
    それに耐え抜いて 評価を得る。
    こんな男は 命がいくつあっても 足りないぐらいだ。

    知恵よりも覚悟。
    身体よりも命。

    江戸幕府の侍たちの 情けなさが うきたつ。
    300年も 維持した 武士が あまりにも 無様。
    明石屋万吉の活躍が こっけいで 機知に富んでいる。
    この柔軟性は どこから来ているのだろうか。

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    2013年12月12日
  • 翔ぶが如く(二)

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    征韓論とそれに関わる人達の背景や思いが事細かに描かれていた。征韓論を主張している政治家は西郷隆盛、板垣退助、江藤新平。対して、大久保利通、木戸孝允、岩倉具視、伊藤博文、山県有朋などが迎え撃つという図式。そして、間に挟まれて思い悩む気の弱い公家である三条実美は太政大臣であり現在の首相と言える立場であるから、今後の展開のキーパーソンとなることは間違いない。反征韓論も一枚岩ではなく、西郷とともに維新三傑と言われる大久保利通は孤高、木戸孝允は陰鬱な感じで距離を置いているし、岩倉具視は陰でコソコソ動いているよう。伊藤博文は長州藩時代の先輩:木戸よりも大久保に接近しているし、山県は汚職を西郷に揉み消して貰

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    2013年12月05日
  • 新装版 最後の伊賀者

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    *いろんなテイストの短編集。忍者ものはファンタジーっぽいし、絵師ものは淡々と、平安ものはグロかったり。幅広いなあ。
    *忍者というとNARUTOが思い浮かぶ私ですが、人物名やら術やら制度やら、忍者ものの源流を見た思い。
    *半蔵門の半蔵は服部半蔵の半蔵。
    *けろりの道頓。これが読みたくてこの本を読んだのだ。道頓堀は町人が作った!というような話をよく聞くので、どこかの資産家が経済効果を見込んで計略的にぽーんと私財を投じて作ったのかな、と思っていたが、この物語においては、けろりとして野望も欲もない朴訥で人望の厚い久宝寺の道頓さんが、太閤さんに頼まれて、わりと軽いノリで作り始める(頼れる参謀はちゃんとい

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    2013年12月05日
  • 城塞(中)

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    大阪冬の陣を中心に描く中巻。真田幸村や後藤又兵衛の活躍が虚しく、あっけなく和睦となってしまう。
    徳川家を守るために徳川家康の暗躍ぶりは、凄い。狸親父の本領発揮というところか。関ヶ原の戦いで敗戦して、豊臣家官僚の質が大きく低下してしまったことも大きな原因の一つ。徳川家康の敵ではなく、負けるべくして負けたという印象だ。

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    2013年12月03日
  • 街道をゆく 1

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    以前から気になっていたシリーズに、いよいよ手を伸ばしてみた。読んでみると司馬さん独特の話の展開が満載で、司馬遼ファンとして思わず顔がほころんだ。紀行文と随筆が混淆したスタイルで、随想に走りすぎてぜんぜん紀行が進んでいない部分もあるのだけれど、それも含めてこの『街道をゆく』の楽しさだと思う。また、個人的には日本史や日本地理にも関心があるので、それに関聯する話題がたくさん書かれていることも嬉しい。とくにイズモ族にまつわる話題や、湖西と北九州の地名の共通性などは、根っからの地理好きであるために非常におもしろく読めた。内容の正確性などには少少疑問もあるが、しょせん学術報告ではなくエッセイなので、軽い気

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    2013年12月01日
  • 新装版 尻啖え孫市(下)

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    雑賀衆の頭領、孫市と織田信長の戦い、下巻は実際の戦いが主となる。

    本願寺側の主力となって戦った雑賀衆、門徒も多くいたとされているが、本作品では孫市自身は最後まで門徒にならない。が、その自由奔放さ、人間の大きさによって織田信長の軍勢を翻弄する。

    漫画・修羅の刻に登場したり、NHKの歴史秘話ヒストリアで取り上げられたり、目にする機会は増えているが、戦国武将では無いが故、それほど有名ではないような気はする。

    が、本作品を読み終えて、この時代のこと、特に浄土真宗や一向一揆に向かう流れと織田信長の関係はいろいろと知りたいと思った。

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    2013年11月29日
  • 新装版 尻啖え孫市(上)

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    戦国時代の鉄砲集団、雑賀衆のリーダー、孫市の話。
    上巻は時代背景から、小説の中での孫市の設定、浄土真宗(本願寺)がこの時代においてどのような存在であったかまででほぼ終わってしまっている。

    傭兵集団としての雑賀衆、信長との戦いがあるはずだが、それらはすべて下巻なのだろうか?続きが楽しみである。

    ところどころちりばめられた、司馬文学独特の余談が豆知識となり、また楽しい。

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    2013年11月27日
  • 城塞(上)

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    関ヶ原の戦いで勝利して征夷大将軍に任官された徳川家康が、豊臣家を滅ぼすお話です。関ヶ原から続けて読んだが、前回のようなスケール感が全く感じられない。読んでいて辛くなるとともに徳川家康の人気が、織田信長や豊臣秀吉よりもないことはよくわかる気がします。

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    2013年11月26日
  • 新装版 歳月(上)

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     明治維新の立役者は「薩長土肥」である。薩摩、長州は同盟して鳥羽・伏見の戦いで幕府軍を破るのだが、土佐の参戦は一日遅く、薩長優位と分かり参戦に至る。佐賀藩は佐幕から譲位に方向転換するまでに時間を要するのだが、下級武士の江藤新平は時代を読み脱藩してまで京へのぼる。そこで見聞きしたことを死罪覚悟で自藩に持ち帰るのである。

     その後、江藤新平は藩主より助命され、数年を経て佐賀藩と明治新政府の橋渡し的存在となる。そして末は新政府の参議まで上り詰めるのであった。上巻は江藤新平の立身出世物語であり、下巻は更なる怒涛の展開が期待できるであろう。

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    2013年11月21日
  • 幕末

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    ときどき、無性に歴史小説が読みたくなる。今回は大好きな司馬遼太郎作品のなかから、たまには短篇をと思い本作をチョイス。表題どおり幕末を舞台にしたこの短篇集は、暗殺にスポットライトを当てた作品ばかり12篇を収録している。内容は、桜田門外の変のような有名な事件や、桂小五郎(木戸孝允)や井上聞多(馨)のような有名な人物を主題にしたものもあるが、いっぽうではじめて耳にする事件や人物も描かれており、それ自体が歴史好きとしてはまず面白かった。また、井上や桂などのエピソードも、知っているものもあったがやはり筆力が一流なので、面白く感じずにはいられない。暗殺が主題ということだが、そこには血なまぐささよりはむしろ

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    2013年11月18日