司馬遼太郎のレビュー一覧
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ネタバレ親の昔の写真を見ると、少なからず驚きがある。予想できるだろうに「かたち」が違うと驚く。この国にも昔のカタチがある。同じような驚きがきっとある。
そういえばプラトンのイデアも「形」が語源だったな。
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p21 足利幕府の無能
足利幕府は235年も続いたが、先代の鎌倉幕府のような威厳もなく、後代の江戸幕府のように巨大な行政機構も財力もなかった。義満の全盛期も金閣寺を作ったくらい。領国統治なんてしないし、だから地侍衆が力を持つようになる。それでいて文化や農業は最高の発展を遂げ、現代の日本の原型になっている。
p45 士農工商は中国語源
紀元前の中国に「士農工商」という四民の -
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【本の内容】
清の八十翁・松齢の庭に突如咲いた一茎の黒い花。
不吉の前兆を断たんとしたその時に現われたのは(黒色の牡丹)。
人間稼業から脱し、仙人として生きる修行を続ける小角がついに到達した夢幻の世界とは(睡蓮)。
作家「司馬遼太郎」となる前の新聞記者時代に書かれた、妖しくて物悲しい、花にまつわる十篇の幻想小説。
[ 目次 ]
[ POP ]
本の帯に<幻の初期短篇、初の文庫化!>とあるが、文春文庫が、司馬作品を「幻」と銘打って出すのは初めてではない。
2001年刊の『ペルシャの幻術師』は<幻のデビュー作>、03年刊の『大盗禅師』は<幻の司馬文学、復刊!>。
「幻」をうたうこと -
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ネタバレsymbol(象徴)はギリシャ語のsymbolon(割符)から来ている。司馬先生は我々に文章によって知識の割符を与えてくれている。
読者はその割符の対を自ら用意しなければ、その知識を得たことにはならない。そう先生は後語っている。
まさにこの本はそんな感じ。非常に興味深い内容なのに、もう半分足りていない。読者の向学心を刺激してくれる。
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p26 ドイツも後進国だった
明治新政府がお手本にした外国が、蘭・米・英・仏でなくドイツだったのはなぜなのか。それは日本とドイツが似た境遇だったから。ドイツはヨーロッパの中では後進的で、明治新政府ができたくらいの普仏戦争(1870)に -
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ロシアという国家の原形をとらえ、日本との相互作用を辿っていく。
原形に触れるという作業は、体制の如何を問わず、その国が持つ、固有の国土と民族と歴史的連続性を取り出すことである。
武力のみが国家を保つという物騒な発想を、ロシアはキプチャク汗国から学び、引き継いだ。
シベリアという巨大な荷物の、経済的うまみを創出するために、清国領、満州の一部を手に入れ、朝鮮にまで手を出そうとしたことで、日本に恐怖を与えた。それが日露戦争につながった。
日本は明治末年、この戦勝によって、柄にも無く、”植民地”を得た。それに見合う陸海軍を持たざるを得なくなり、政治までもが変質していった。そして国家の器量に見合 -
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短編集 8作品中3作品は新潮文庫の「果心居士の幻術」と被る。ペルシャの幻術師、コビの匈奴、兜率天の巡礼、下請忍者、外法仏は初。
磯貝勝太郎氏の解説で、またまた改めて知る司馬遼太郎さんがありました。外語大のモンゴル語、何で? 以前から疑問でした。司馬氏が生まれたのは、奈良県北葛城郡當麻町竹内。磯貝氏はそこをシルクロードの終点と解説。その地点から反対の始点であるシルクロードまで、場所がら司馬氏は少年時代からシルクロードへの夢想、詩的想像力を飛翔させるベースがあって、蒙古語を専攻せしめたのだと。子供の頃の病気治癒のお礼参りで、根本霊場の大峰山に行き、山頂の蔵王堂の不滅の灯明と闇にショックを受けたと