司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 胡蝶の夢(二)

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    松本良順が師であるポンペと医学校を開校するところから画期的病院の開院までの第二巻。その描写の多くはおそらく作者の空想であるが、玄関の門前で転倒したとか、最早かなりの創作です。ただ、根拠のない空想ではなく、良順や伊之助などに関する史実を丹念に集めて作者なりの像を作り上げて丁寧に描いるようであり、とても説得力がある。良順と伊之助は作者にとても好かれている様子ですね。
    歴史物の宿命だが、読み物として作る上で仕方がないところだが事実と空想が分かるといいのにと考えてしまう。作品の後の少し長めのあと書きが読みたいと思う。

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    2017年02月07日
  • ビジネスエリートの新論語

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    司馬遼太郎が昭和30年に出したサラリーマンについてのエッセイ。当時は福田定一という本名名義だったとか。歴史上の名言を一言上げた後、サラリーマンに関する考察を述べる形式の前半が主。後半に自身が新聞記者になるまでの経緯を同僚・先輩に絡めての話を掲載。後に日本史を中心にした歴史小説の大家になった人だが、出てくる名言はむしろ西洋の名句か当時の近現代のそれらばかり。彼の教養がいかに凄いか驚かされる。またさらにサラリーマンに関する諸考察は2017年現在においても思い当たるものばかりで全く色褪せない。短い彼のサラリーマン生活は苦悩であり、そこから出てきたものだという。そう。サラリーマンは実力のそれより運か運

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    2017年02月18日
  • 城塞(下)

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    多少の着色はあろうが、家康の思慮深さと人身掌握術を見れば大坂夏の陣は当然のごとく東軍の勝利になるのだが。
    この翁が見ていたのは、その戦の先にあることだったのか…改めて恐ろしい御仁である。
    彼が経験してきた70年と言う歳月がここまでの策謀を張り巡らせる智謀を備えさせたというべきか…

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    2017年01月29日
  • ビジネスエリートの新論語

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    ネタバレ

    司馬遼太郎が文字通りサラリーマンの時、サラリーマンの立場で書いた作品。非常に示唆に富んでおり、感心させられる。思わず、その通りと、一人相づちを打ってしまう。

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    2017年01月22日
  • 胡蝶の夢(一)

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    相変わらずの濃い内容に圧倒されます。いつもながらに余談が多く、深みが増します。故に読むのにも時間がかかりますね。
    主人公、伊之助は相当な変わり者。作者が取り上げた伊之助はどのように立ち回るのか期待しながら読み進めたいです。勝海舟等、ビックネームがどう絡んでくるかも楽しみの一つですね。

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    2017年01月17日
  • 城塞(中)

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    大阪冬の陣がメインの中盤、真田幸村、後藤又兵衛を中心とする浪人たちと、大坂城内の譜代家臣たちとの関係と大坂城を仕切る女性たちの心理描写が面白い。家康はその状況を逐一情報を入手し、幕府を安定化せるために策を巡らす。
    大御所と言われるだけのことはあり、判断根拠が卓越している。
    幸村も家康もどれだけ情報を入手できるかが、勝敗のカギを握ることを知っているが明らかに、規模が異なる。ただただ面白い…

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    2017年01月13日
  • ビジネスエリートの新論語

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    司馬遼太郎が本名で公刊した名言随筆サラリーマンを再刊したもの。後年の大作家の覚悟などがうかがえて、興味深いものでした。

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    2017年01月12日
  • ビジネスエリートの新論語

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    昭和30年に司馬遼太郎が新聞記者をしていた時代の本。「サラリーマン」という職業について、今でもあてはまることが多い。女性の働き方の部分は時代が変わって今と状況が違っていると思うが、男の仕事については60年経った今でも通じることが多いと思う。後半になると、司馬遼太郎らしさが出てくる。歴史という中に見た普遍的なものを見る目など、面白く読める。

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    2017年01月06日
  • 新選組血風録 〈改版〉

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    かつての再読。15の異聞短編集。時間軸で進むのではないが、連作と言ってよい。解説は、角川文庫の解説より興味深い。連載と同年に「竜馬がゆく」「燃えよ剣」の連載が始まっていたというのは驚き。2017.1.1

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    2017年01月02日
  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    司馬遼太郎さんの、エッセイ集。
    電子書籍で読んだのですが、まず不満があって。それぞれの文章の初出がどこにも明記されていない。
    まあ、良いのですけど、やっぱり良くない。気持ち悪い。明記して欲しいなあ、と思います。

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    僕は司馬遼太郎さんは好きなので。
    エッセイや旅行記や対談本なども、基本、好きです。
    そんなにハズレがありません。
    その代わり、もう随分読んでいるので。新鮮味は特にありません。
    それでも時折、司馬遼太郎さんの文章というか、言葉が読みたくなります。

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    いろいろな文章が入っていますが、まあ、いちばん印象に残るのは、
    司馬さん自身が第二次大戦の末期に陸軍兵、それも戦車の下士官とし

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    2016年12月07日
  • 翔ぶが如く(十)

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    西南戦争の終結から、翌年の大久保利通さんの暗殺まで。
    大久保さんが殺された翌年に大久保さんの犬だった川路利良(警察にとってはエラい人)も病死していました。

    司馬さんの本は小説というよりも研究論文なので、とてもお勉強になりました。
    ちゃんと反対意見なども載せているから、それほど偏っているとも思わない。

    ただ、この本を読んで西郷隆盛さんって人がますますわからなくなったよ。
    確かに討幕のときは大きな仕事をしたんだろうけれど、その後は同郷の仲間ばかりを依怙贔屓して、目の前の自分や仲間に関わる問題にのみ異常にのめり込んで、全体を見ることができない人って感じ。

    なんだかんだで大久保さんを筆頭とする元

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    2021年08月28日
  • 尻啖え孫市(下) 新装版

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    木下藤吉郎に請われ織田勢に荷担した孫市だったが、「信長にだまされた」と飛び出し、なんと信長最大の敵・石山本願寺の侍大将を引き受ける。
    信長に「尻啖わせ」戦国を駆け抜けた快男児を活写する痛快長編。

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    2016年11月17日
  • 尻啖え孫市(上) 新装版

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    織田信長の岐阜城下に真っ赤な袖無羽織に二尺の大鉄扇、「日本一」と書いた旗を従者に持たせた偉丈夫がふらりと姿を現した。
    その名は雑賀孫市。
    鉄砲三千挺の威力を誇る紀州雑賀衆の若き頭目だった。

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    2016年11月17日
  • 翔ぶが如く(九)

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    ネタバレ

    物語は西南戦争のまっただ中。
    激戦の末に田原坂を失い、物資と人員を欠いた薩軍は、それらを潤沢に補給できる政府軍に押され始めました。

    この間、西郷隆盛さんは「神輿」であって、薩軍を指揮した様子は全くありません。
    西郷さんが指揮をしないでも、優秀な参謀らが何とかしているってならまだしも、基本的にノープランなうえに、全体を見渡せない人が上に立っている。
    これはやっぱり、兎狩りで森で転んで、頭を強打してからの西郷さんはおかしかった…って説が正しいのかな?
    みんなの命がかかっているのに。

    政府では、西郷さんが征韓論で下野した直後と西南戦争の際に大量の警察官を雇用したとは聞いていたけれど、当時の警察は

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    2023年03月12日
  • 韃靼疾風録 (下)

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    久しぶりに読み返してみました。

    素朴な女真族が大明帝国との争いを繰り広げながら、太祖ヌルハチ、大宗ホンタイジの突然の死去で、このまま萎んでいくかと思いきや、李自成による明帝国の滅亡から、美女陳円円を李自成に奪われた恨みで、山海関を開けてしまった一瞬のタイミングを捉えて、次々と明晰な手をうっていく若き睿親王ドルゴンの智謀は実に爽快です。

    それにしても、あの時、山海関が開かなかったら、「清」という大国は存在しなかったわけで、ということは、その大領土を相続した、今の中華人民共和国も無かったわけで、誠に歴史の偶然の不思議でありますな。

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    2016年11月10日
  • 街道をゆく 42

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    おそらくメインであったろう鎌倉のパートより横須賀のパートが面白く感じられた。今まで鎌倉何度も行っていて、まつわる歴史も中学日本史程度には知っていたはずだけど、あぁあの土地でこんなドラマが!あの事件にはこんな繋がりが!と今まで知らずにいたことがもったいなくて仕方ない。横須賀の方は全然行ったことがないので、ぜひ行ってみたいなぁ。旧帝国海軍についてのストーリーは目から鱗。歴史って知ってると知ってないとだと人生で感じられることの深みが全く変わってきますね!!

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    2016年11月10日
  • 翔ぶが如く(八)

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    ネタバレ

    今回は大久保利通さんは、まったく出て来ず。
    明治10年2月の西南戦争の状況が描かれていました。

    つまり、青竹1本で落とせると思っていた熊本城を攻めて、高瀬で3回官軍と戦って「あれ?なんだか思っていたよりも苦戦じゃん!味方増えないじゃん!」って薩軍が思うところまで。

    今のところ、官軍側で飛びぬけてダメダメなのが、乃木希典さん。
    長州ってだけで地位を得た人で、やっぱり愚鈍でリーダーには向かない人物として描かれていました。

    この巻の乃木さんは、若いとはいえ、命令されたことしかできない視野狭窄人間で、失敗すると後始末よりも前にすぐに死んでおわびをしようとする使えない困ったタイプね。

    巻末に熊本

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    2016年11月08日
  • 幕末

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    ネタバレ

    幕末を舞台に暗殺者たちが主人公の物語を集めた短編集。

    もちろん小説ではあるのだが、こんなにも暗殺者のエピソードがあるのは驚き。

    井伊しかり、龍馬しかり、大久保しかり、幕末の動乱の側には必ず暗殺者が付いて回ることを実感させられる。

    筆者は暗殺が人のかざかみにもおけぬほど嫌いと言っているが、だからこそ暗殺者たちのことを良く理解し明らめ描いたのだろうか。
    倒幕派、佐幕派、どちらにもそれぞれの言い分、正義がありそれを信じて動いた結果が暗殺という形に現れた訳で仕方のない必要悪とも言えるのかもしれない。

    大河のような表舞台の歴史エンターテインメントだけでなく、このような歴史の裏の顔もまた面白いもの

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    2016年11月06日
  • 翔ぶが如く(七)

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    ネタバレ

    いよいよ物語は明治10年。
    西南戦争の年に入りました。

    西郷隆盛さんの暗殺を指示されたと思われる薩摩出身の政府方密偵が複数鹿児島に現れたことや、白中に運搬することを決められている火薬を太政官政府が夜間にこっそりと鹿児島から運び去ったことを引き金に、私学校の一部の後先を考えないタイプが政府の火薬庫を襲撃。
    ついに西郷さんも動かざるを得なくなってしまいました。

    薩摩藩士はお隣の熊本と違って議論をする文化があまりなく、とにかく勢いのあるヤツ、何かあったら命を顧みずに討って出るタイプが好まれる傾向があったそうだけど、それが結果的には知識のない感情優先タイプを量産したってところがあったように思う。

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    2016年11月04日
  • 項羽と劉邦(中)

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    漢文の授業でやった「鴻門の会」がついに!
    白文を読んだ後なので司馬遼太郎の臨場感あふれる書き方にさらに引き込まれました。

    紀信と周笴の最期がまさに壮士なり。
    2人ともかっこよかった…

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    2016年10月24日