司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 世に棲む日日(三)

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    ネタバレ

    長州藩や高杉晋作が色々な出来事を経るたびに攘夷・佐幕・開国と立場がコロコロ変わっていくのが興味深い。また奇兵隊を作った高杉晋作が、自分のために奇兵隊を使わず、他の人間に運用を任せていたという点も興味深い。幕末を経て近代の日本の国家ができるまで、色々な人間が関わるため、日本の細かい歴史を知る点では非常に興味深く読むことが出来た。攘夷・佐幕・開国と揺れに揺れた長州藩が、最終巻でどうなっていくのか?。引き続き読んでいきたいと思う。

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    2017年10月11日
  • 義経(下)

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    義仲の滅亡から一ノ谷、矢島、壇ノ浦の戦いを経て義経の滅亡までを描く下巻。義経の戦における才能と裏腹に政治的才能も情勢を見極める事ができる家臣もなく、やがて落ちぶれていく過程が上手く描かれている。物語のきっかけとなる政治家の行家とうまく折り合えばと考えるが、それにしても歴史というものは際どい所で成り立っているものか。
    終盤はかなり急ぎ足で締めくくっており、その後の頼朝の状況や義経の敗走のエピソード、安宅の関での弁慶との勧進帳の逸話も触れることなし。弁慶は出会いこそ劇的に描かれているが活躍の場があまりなく残念。
    法王のあまりの俗人的なところは宮内庁あたりから文句が出そうな描かれ方で、ある意味人間臭

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    2017年10月09日
  • 街道をゆく 2

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    暫く前に読んだ台湾紀行に続いてのこのシリーズ。今から約45年も前、もちろん軍事政権だった時代に韓国に渡って様々な人たちなち触れながらも冷静に文化を見つめる眼差しの温和だけれども眼光の鋭さにはドキドキする。

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    2017年09月30日
  • 功名が辻(三)

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    ネタバレ

    秀吉の晩年と、その後狡猾に動く家康の話。
    日本史ほんとに知らないから、たまに知ってる名前が出てくると「うわぁっ」となる(笑)
    板垣退助キター!みたいな(笑)

    秀吉の晩年は、なんとも切ない。天下を取ると人は変わるんだなー。
    にしても、家康の堅実さよ。小者っぽいのにその後あの江戸幕府を作るんだから、人って、歴史って面白い。

    一豊と千代の夫婦愛にもほっこりしつつ、最終巻に参ります。

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    2017年09月26日
  • 世に棲む日日(二)

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    ネタバレ

    松下村塾の頭吉田松陰から幕末攘夷運動の先駆けとなった高杉晋作へと主役が交代する。松陰は理詰めで攘夷論を唱えたのに対し、晋作は外(外国)を見て、徳川幕府の倒幕、攘夷を決意する。また晋作は戦いを起こし新しい秩序を作ろうとする俗にいう「破壊者」なのかなと読んでいて感じた。この辺は封建制から近代にどのようにして移り変わったのか自分の中でとても興味深い所である。引き続き、物語の続きを読んでいきたいと思う。

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    2017年09月23日
  • 功名が辻(二)

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    ネタバレ

    第二巻。
    前半は戦の場面が多くてちょっと食傷気味だけど、秀吉が暴君へと変化する後半は怒涛の展開。
    ほんっと日本史全然知らないから秀吉の後継者をめぐってこんな争いがあったとはなーと興味深く読んでいました。

    そして家康の狡猾さよ。
    秀吉と家康とのやり取りがなかなかの見物。歴史の教科書だとここまで細かくはわからないもんなぁ。
    時代小説の真髄を見た気がする。

    そんな血生臭い世界での伊右衛門と千代とのやり取りが何ともほっこり。
    もちろんほっこりできないシーンもあるんだけど、なんだかんだ言いながら仲良し夫婦だなぁとホッとできる。

    時間では豊臣から徳川に政権が変わるのかな? 引き続き歴史の勉強込で楽し

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    2017年09月14日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)

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    この位、破天荒でないと歴史に名
    が残らないのだろうなぁ。いつ死んでもおかしくない生き方。数人分の人生を送ったとしか言いようがない。そこで、名士、奇人と出会うのだろう。

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    2017年09月12日
  • 義経(上)

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    今から約1000年前の時代ではあるが大方史実に則ったものなのでしょう。もやもやした歴史知識が明確になり、相変わらず司馬作品は読後の充実感があります。平安から鎌倉時代は激乱の時代だったのですね。皇室も含めとても節操なく、道徳心や法律が育っていない時代ならではの展開に驚きます。司馬の作品は人物のセリフはすごく簡素に、心情はすごく深く描くもので、とても気に入っています。思慮ある弁慶の下巻での活躍が楽しみです。

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    2017年09月09日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(上)

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    破天荒で、いつ死んでもおかしくない。でも、愛嬌があり、憎めない。こんなキャラが、歴史に名を残す幕末期。面白い。

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    2017年09月09日
  • 手掘り日本史

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    タイトルに惹かれ購入。「手掘り」とは史実の根底に流れる思想に左右されず、歴史をフラットにみる目。であればこそ、著者の歴史小説は面白いのだと再確認。「竜馬がゆく」「義経」をわくわくしながら読んだが、改めて読み直すと新たな発見があるかもしれない。残念ながら聞き手の評論家の問い掛けは、策士策に溺れると言うか舞い上がり過ぎなリードとなっていて辟易。そんな問い掛けに判りやすく答える司馬氏は流石だった。

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    2017年08月29日
  • 城塞(上)

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    どのようにして大坂の陣に至るのか、という経緯をじっくり描いている。
    次巻の冒頭から真田信繁などが大坂から声を掛けられてとなるので、それまでの話になる。
    この巻では有名な五人衆などは影も形もない。
    前哨戦も前哨戦なので話は静かに進んでいく。家康方の緻密な政治工作や、豊臣方の道理に依った若干現実離れした考え方など、互いのスタンスの違いがよく描かれている。
    派手な動きや人物が出ないので、小幡官兵衛が実質主人公として物語らしく動き、家康サイドと豊臣サイドの思惑の間を行き来する。
    この官兵衛、どことなく国盗り物語の道三とキャラが被っている(笑)本人の才覚と大胆さと女を使って、情報収集・工作という役割。

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    2017年08月22日
  • 世に棲む日日(二)

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    上海行きの幕府の人選が謎だ。「菜の花の沖」での蝦夷経営の時と随分違う印象。
    高杉晋作が革命思想に目覚めていく様が面白い。

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    2017年08月06日
  • ビジネスエリートの新論語

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    良書。
    司馬遼太郎の意外な作品。だけど、司馬遼太郎らしい作品。歴史上の名書を知らなければ書けない。

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    2017年07月24日
  • 新装版 播磨灘物語(4)

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    毛利攻めから、信長の死そして秀吉の「中国大返し」、さらに豊臣の天下統一へと続くこの巻。
    秀吉を画布として自分の絵を描いてみようと思い、それを成し遂げた黒田官兵衛の一大叙事詩も、ここに終わる。
    欲得とか栄達欲とかいうものを持ち合わさない、戦国期には稀有な存在でありながら、晩年、関ヶ原の戦いに乗じて、天下を狙おうとする。その可能性が潰えたら、元の隠居に戻る、その滑稽ともいえるあざやかな進退。秀吉の天下を形作った張本人であるにもかかわらず、時代の点景でしかない官兵衛。
    司馬は、あとがきで書いている。
    「友人をもつなら、こういう男を持ちたい」
    共感できる言葉だと思う。

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    2017年07月13日
  • 新装版 播磨灘物語(3)

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    毛利方についた荒木村重によって幽閉されてしまうという、官兵衛最大の苦難の時期。そして、官兵衛の子を殺害せよとの信長の命令に背き、保護する竹中半兵衛の友情。この物語のクライマックスともいえるこの巻。
    司馬は様々な場面で、官兵衛の人となりを著述する。
    他の者に対しては利害を説く策士という功利主義者だったが、自分一個に対しては主家を裏切ることができない、倫理主義者になってしまう、と。
    また、官兵衛ほどに人間の善悪や心理の機微の洞察に長じた者はいない、とか。
    さらに、人を恨むという感覚が欠如しており、彼の一代を見ても、人を恨んでどうこうした言行が見当たらない、と。
    そして、人間というものは行動を美しく

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    2017年07月13日
  • 故郷忘じがたく候

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    中学生のときの読書感想文指定書籍。作文書いて先生に褒められたのをよく覚えている(のでこの本をよく覚えている)

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    2017年07月08日
  • 新装版 播磨灘物語(2)

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    第2巻は、官兵衛が小寺家の家老として織田方へ与するべく、その策謀の才と胆力を発揮し、時代の表へと進出する。そして、その才能においてお互いに認め合う秀吉との、心の内を読み合う記述などは、著者ならではの小説の醍醐味となっている。
    著者はさらに、官兵衛になくて、秀吉にあるのが嫉妬心だと
    記す。その相違が、その後の官兵衛に辛苦をもたらす。
    司馬遼太郎の小説に登場する歴史上の人物は、読者にその傍らにいるかのような親近感を抱かせ、歴史上の役割以上の輝かしい存在を与えられる。
    もちろん、歴史に登場する人物は、それぞれひとかどの人物であることは間違いない。司馬は、それらの人物をさらに魅力的に描いて、それが小説

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    2017年07月07日
  • 新装版 播磨灘物語(1)

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    数年前の大河ドラマが頭にあり、いずれ読み返そうと思っていた本作を、三十数年ぶりに再読(初読は単行本)。
    黒田官兵衛の祖先の成り立ちから、随想風に書き起こす司馬節を久しぶりに味わう。
    膨大な史料蒐集と想像力で、稀代の謀略家官兵衛の生涯を綴る著者及び彼の博識に改めて畏敬の念を抱く。
    この巻は、本来は歌詠みにでもなって世を過ごしたかったという官兵衛が、その才能を持て余している前半生が描かれている。

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    2017年07月05日
  • 馬上少年過ぐ

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    司馬遼太郎さんは、僕にとっては極めて「アンパイ」な作家さん。
    ほぼ、個人的には外れがないので、安心して読めます。
    その代り、何しろ10歳くらいから延々と読んでいるので、若干新鮮味には欠けます。

    なので、疲れているときとか、落ち着かないとき。
    「読書に体力を使いたくないけれど、ちょっとした隙間で現実逃避の快楽が欲しいなあ」という季節には、とても重宝します。
    2017年は、4月5月となかなか落ち着かなかったので、意図的に司馬遼太郎さんで癒されていました。

    「馬上少年過ぐ」。短編集。これは、初読でした。

    以下、備忘メモ(と言ってももうかなり経つので忘れていますが)

    「英雄児」
    長岡藩家老、河

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    2017年06月13日
  • 花神(中)

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    異端の英雄物語であり、幕末明治の歴史噺であり、悶絶のムズキュンラブストーリー。

    「花神」(上・中・下)まとめた感想メモ。

    司馬遼太郎さんの長編小説。1972年発表。
    主人公は大村益次郎(村田蔵六)。

    大村益次郎さんは、百姓医者の息子。
    百姓医者として勉学するうちに、秀才だったので蘭学、蘭医学を修めているうちに、時代は幕末に。
    いつの間にか、蘭学、蘭語の本を日本語に翻訳できる才能が、時代に物凄く求められる季節に。
    だんだんと、医学から離れて、蘭語の翻訳から軍事造船などの技術者になっていきます。

    大村さんは、長州藩の領民で、幕末に異様な実力主義になった藩の中で、桂小五郎に認められて士分に。

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    2017年06月13日