司馬遼太郎のレビュー一覧
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"司馬遼太郎さんの本。乃木希典さんは、日露戦争の英雄として記憶していた。靖国神社脇にある遊就館の展示イメージが強烈に印象に残っている。(乃木希典大将は戦死者ではないので、靖国神社に御霊はない。)
本作品では、軍事としての能力が著しく欠けており、家系、人脈、人柄から陸軍大将という地位にあり、日清戦争時に第三軍司令官として旅順、203高地へ赴任したとある。結果的に多くの戦死者を出すことになる難攻不落の要塞攻略に、正面突破の命令しか見いだせなかった無能な軍人として描かれている。
歴史は語る人により、見方が大きく変わるものである。多くの書物を読むべき理由のひとつがここにある。" -
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司馬遼太郎短編集
☆英雄児
・・・河井継ノ助の生涯を描く。『峠』のダイジェスト版のようなもの。
☆慶応長崎事件
・・・幕末、長崎で起きて英国人殺傷事件。海援隊の菅野、佐々木に嫌疑がかけられて、龍馬があわてるという筋。
☆喧嘩草雲
・・・幕末もの。けんかっ早い田崎草雲と絵師の話。絵師であり、剣術使いでもある主人公。様々な挫折を経て、足利藩の責任者となって、官軍に味方して闘うことに。
「自分は何者か」ということを追求し、迷い続けた男の話。
☆馬上少年過ぐ
・・・東北の雄、伊達政宗を描く。母に疎まれた少年時代の話は悲しい。この物語の中で目をひくのは、父・輝宗だろう。政宗を後継者と決めつつも。家内で反 -
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「坂の上の雲」の主要人物として登場する乃木希典のその後を描いたスピンオフ作品。
司馬遼太郎による軍人、乃木の評価は著しく低い。「坂の上の雲」でも本小説でも、日露戦争の対旅順要塞での無策ぶりの描写は痛烈だ。
そもそも乃木という人は、軍に求められるのは戦略や戦術ではなく精神主義と考え、軍司令官として自身の失敗を「自死」で片付けようとする傾向にあった。そんな人間は軍を含めて、組織の管理者としては無責任すぎて、不適切だ。が、外部の国民や天皇からすれば、彼の死を恐れない部分が軍人としての潔さ、カッコよさに見えた。
そして、乃木は夫婦そろって明治天皇の後を追って殉死する。日露戦争では2人の息子を亡く -
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吉田松陰は育みという扱いで萩に戻され、松下村塾で細々と後進の指導をするが、そうしながら奇を持つ者を探すことが目的であった。しかし、安政の大獄で江戸へと再び呼び戻され、軽信する癖ありと自身が言ったように、取り調べの際に、言わなくていい事まで話してしまい刑は大事となり、処刑される。そこまで読み終わったタイミングでたまたま人形町のスタバにいた不肖は、その先を読み急がずに、伝馬町の十賜公園へと直行し、松蔭処刑の場所まで足を運んで冥福を祈った。
そして、後半、物語の主役は高杉晋作へと交代する。松蔭の意思を次いだ晋作は、幕府の視察団の一員として上海へ渡る。あの日本を震撼させた黒船と同様の蒸気船が、無数に -
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高杉晋作をはじめとする長州志士達がいよいよ歴史の表舞台へと登場する。幕末の雄藩として歴史を飾った長州藩であるが、その内情は事なかれ主義に代表される官僚主義出会った。吉田松陰や高杉晋作などは例外であり、意外ではあるがやはり長州とて日本人の民族的な特質を例外無く持ち会わせていたという事だ。そして、その特質は太平洋戦争へと引き継がれる。
司馬遼太郎の小説で、おりに触れて出てくるこの流れは本書でも同様であった。歴史を通して日本人といものを探り、そしてどうしてあの悲惨な太平洋戦争へと突入していったのか、それは止められなかったのか、ということが著者のライフワークであったのであろう。 -
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木曜島の夜会
司馬作品では歴史紀行物として、ただ題材が近親者の歴史である点が異色ではあるが、明治から昭和にかけての潜水夫の過酷さ、心意気などに興味が湧き、楽しんで読めました。心細い手かがりを手繰り、よくも交通の便が悪い木曜島まで出向きましたね。比較的最近の話なだけに現在が気になるところです。潜水夫たちはダイブを通して単に稼ぎだけではなく海の素晴らしさを感じたのではないか、と思いました。
有隣は悪形にて
大部分は「世に住む日々」とかぶるが、富永有隣の悪辣ぶりに憤懣します。吉田松陰の恩に仇で返す行動に、吉田の処刑の遠因を感じます。
大楽源太郎の生死
この人もろくでもない筋の通らない生き方である -
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大坂での坂本龍馬謁見、そして新撰組のと対峙から始まる下巻。
読み始めて間もなく主人公、天堂晋助は架空の人物だと気づ始めてからは歴史上の人物と多く関わりつつも歴史に関わらない行動をしているのがひどく気になりながら読み進めることとなった。
とはいえ、幕末の長州藩には血気あふれた人物が有名無名含め多数排出された時勢であり、伝えられていないドラマが多数あるのてはと想像する。
加えて、長州藩には有名な人斬りがおらず、土佐の岡田以蔵や薩摩の中村半次郎を模して晋助を作出したのかもしれない。その人斬りたちはほぼ登場しないが。
ネットで天堂晋助を調べると、NHKの大河ドラマ「花神」にも粟屋菊絵とともに登場し、戊 -
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ネタバレ2018今やってる大河ドラマ「西郷どん」での松田翔太演じる徳川慶喜、いや徳川慶喜演じる松田翔太がすごくいいので、徳川慶喜に興味を持ち、一体どんな人物だったのだろう、とこの本を読んでみた。・・今回はせごどんにあまり魅力を感じないので慶喜に目が行っている。
徳川慶喜といえば、中学か小学の歴史の教科書で、章の扉絵に「徳川慶喜は主だった大名を集めて大政奉還をしました。家康が全ての大名を集めたのと違いますね」というような事が載っていたのが一番の印象。・・読んでみれば集めたのは大名ではなく在京の陪臣だった。
司馬遼太郎のこの小説は、将軍になるまでの記述は特に慶喜の人となりを浮かび上がらせるために、