司馬遼太郎のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
長編にならなかった伊達政宗
司馬遼太郎が短編の筆を折ったのは、作家デビューして10年が過ぎたころ-その後3編の例外はある-、同じころに「街道をゆく」が始まる。『馬上少年過ぐ』に収められた7編のうちの4編はそうした昭和43年から45年に書かれた。残りの3編は、同じ新潮社から以前に出た『鬼謀の人』からの転載である。
短編集の表題となった『馬上少年過ぐ』は隻眼の武将伊達政宗の晩年の漢詩の第一句から取られた。司馬は政宗を詞藻の豊かな武人と言いながら、その凄絶な生い立ちを語っている。それは24歳の政宗が実弟の小次郎を刺殺するところで途切れ、死の前年の歌の「千々に心のくだけぬるかな」に寓意があるとして締めくくった。
ところが、司 -
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歴史は倫理ではなく感情の結果として成るという形容のままに、維新前後に現れた天才達の心理描写を深く描いている。
坂の上の雲でも描かれた郷土意識なくして明治時代は語れないようです。
主な登場人物を整理して読むと理解しやすい。
〈備前佐賀〉
江藤新平
大隈重信
大木
〈薩摩〉
大久保利通(日本最大の策士)
東郷平八郎
島津斉彬
島津久光(保守主義)
川路利良(警視総監)
〈公卿〉
岩倉具視
三条実美(さねとみ)、新国家の首相
〈土佐〉
板垣退助
坂本龍馬(既に死せる)
〈長州〉
木戸孝允(たかよし、桂小五郎)
井上馨(かおる)
山県有朋
大村益次郎(首相、暗殺)
高杉晋作(既に死せる)
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【あらすじ】
明治維新とともに出発した新しい政府は、内外に深刻な問題を抱え、絶えず分裂の危機を孕んでいた。
明治6年、長い間くすぶり続けていた不満が爆発した。
西郷隆盛が主唱した「征韓論」は、国の存亡を賭けた抗争にまで沸騰してゆく。
征韓論から、西南戦争の終結まで新生日本を根底から揺さぶった、激動の時代を描く長編小説全10冊。
【内容まとめ】
1.西郷隆盛・大久保利通の出生からではなく、明治維新後の物語
2.薩摩隼人という現代日本人とは一線を画す民族の詳細
3.薩摩隼人は「得たいが知れない」!!
【感想】
日本史はとても面白い。
いつの時代も魅力的だが、やっぱり個人的に特に好きなのは、 -
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ネタバレ京都を出発するとき、京における長州代表の広沢兵助が、
「西郷にはくれぐれも気をつけよ」
と、注意したが、蔵六はいっこうに表情も変えず、返事もせず、ひどく鈍感であった。広沢のいうところでは、西郷の衆望は巨大であり、一人をもって一敵国をなすほどである。西郷自身は稀世の高士であるにしても、そのまわりにあつまっているのは愚かな物知らずばかりで、江戸へゆけばそういう愚物どもに気をつけよ、といったわけであったが、しかし蔵六は鈍感であった。蔵六にいわせれば、
「衆望を得る人物」
という種類の存在が、頭から理解できないところがあり、それどころか、そういう存在は一種のゴマカシです、としかおもっていない。さらに -
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ネタバレ「しかし私は先刻、自分で名乗っております」
「それは間違っている」
と奥山静寂はいった。
「自分で名乗ったからといって、私は信用しない。私の目で人相風体を見、これならたしかに洪庵先生のいわれり村田蔵六にちがいないと推量がついたうえで当人にたしかめてみるのだ。それが物事の窮理(科学)というものである」
「お前さんも頓狂な男だな」
敬作は、蔵六の人柄が、一見したところまったくちがっていることにちかごろ気づきはじめていた。敬作は
「頓狂」
ということばがすきで、ふだんしきりにつかっている。オッチョコチョイというほどの意味だろうが、敬作の妙なところは、親に孝、君に忠という倫理綱目と同列くらいの美徳に -
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司馬遼太郎の長編時代小説の4巻目
竜馬は勝海舟とともに着実に海軍学校の立ち上げを進めていく。一方で、武市半平太は土佐藩を裏で操っていたが、長州藩の京都での失脚を機についに山内容堂に動きを抑え込まれてしまう。4巻の1番の読みどころであろう、武市らの処刑は本当に切なくて、無念だと感じた。
夢が進み続ける者と夢がついえる者、失脚し再起を図る者と色々な人物・組織の変化が読み取れる今作であった。
主人公の竜馬は、天命に全うすべく自分がすべきことを着実にこなしており、その姿は脚色があるといえ立派だなと思う。また、色恋ともいえる、さな子やお田鶴様、おりょうとの関係の深まりも別の緊張を与えてくれる。
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恐らくいずれも初期の(梟の城の頃の)作品でしょうね。当然ながら、再読(何回目でしょうか)です。
名前のように最初の三篇がこの時代に流行った忍者物。いささか古臭さ(荒唐無稽さ)は感じさせますが、なかなかです。「外法仏」は密教の修法を題材にした作品で、ある意味忍者物に通じるものがあります。「天明の絵師」「蘆雪を殺す」「けろりの道頓」はいずれも実在の人物をベースにした歴史物です。
何れにせよ、司馬史観などという物が入らない、純粋な物語としての面白さを目指した作品です。若さゆえの粗さもありますが、後期の長大な作品のような説教臭さがない分、読みやすい作品です。
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義仲の滅亡から一ノ谷、矢島、壇ノ浦の戦いを経て義経の滅亡までを描く下巻。義経の戦における才能と裏腹に政治的才能も情勢を見極める事ができる家臣もなく、やがて落ちぶれていく過程が上手く描かれている。物語のきっかけとなる政治家の行家とうまく折り合えばと考えるが、それにしても歴史というものは際どい所で成り立っているものか。
終盤はかなり急ぎ足で締めくくっており、その後の頼朝の状況や義経の敗走のエピソード、安宅の関での弁慶との勧進帳の逸話も触れることなし。弁慶は出会いこそ劇的に描かれているが活躍の場があまりなく残念。
法王のあまりの俗人的なところは宮内庁あたりから文句が出そうな描かれ方で、ある意味人間臭 -
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ネタバレ第二巻。
前半は戦の場面が多くてちょっと食傷気味だけど、秀吉が暴君へと変化する後半は怒涛の展開。
ほんっと日本史全然知らないから秀吉の後継者をめぐってこんな争いがあったとはなーと興味深く読んでいました。
そして家康の狡猾さよ。
秀吉と家康とのやり取りがなかなかの見物。歴史の教科書だとここまで細かくはわからないもんなぁ。
時代小説の真髄を見た気がする。
そんな血生臭い世界での伊右衛門と千代とのやり取りが何ともほっこり。
もちろんほっこりできないシーンもあるんだけど、なんだかんだ言いながら仲良し夫婦だなぁとホッとできる。
時間では豊臣から徳川に政権が変わるのかな? 引き続き歴史の勉強込で楽し