司馬遼太郎のレビュー一覧
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亡くなった祖父の部屋から頂いてきた。
元々幕末の龍馬を取り囲む人たちが好きなので、以蔵の話を目当てに読み始めたら、あれっ以蔵が出てこない。大村益次郎?と、そこで初めて短編集ということに気づく。
有名どころやそうでない人たちが幕末や戦国時代を生き抜いた短編集。
司馬遼太郎の小説は、登場人物が実在するにしろしないにしろ、
そこに生きていたんだと圧倒的に感じるところが面白い。
一番刺さった話は美濃浪人。
井上聞多は知っていたがこの人の生涯のことは全く知らなかった。
井上聞多が幕末を生き、明治に活躍することができた理由の一つの話だが、井上聞多側ではなく命を救った側の話だから面白い。
私たちが教科書 -
Posted by ブクログ
未だ箱根にたどりつかず、舞台は駿府と丸子。
義忠の子どもはまだ幼く、遠縁の今川新五郎範満が駿府城に居座って実質的に駿河の支配者となっている。
彼の後見は関東公方の扇谷上杉家。
今川の嫡子であり、伊勢家の血を引く竜王丸を守るため、早雲は駿河に行く…のだが、これが11年間も守備一辺倒なわけです。
竜王丸の命が奪われないよう、丸子の館に住まわせ警護する。
自分は江戸や鎌倉からの兵を駿河に入れないよう沼津の城に住み、関東各地の情報収集に余念がない。
生まれの良さだけで土地を治めることができない世の中になりつつある。
早雲はそれを見極め、急速に力をつけ始めた国人、地侍、そして農民を大切にするよう