東川篤哉のレビュー一覧
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全く無関係に見える事象が実は深く繋がっていて、だけれどもぼんやり見過ごせば単なるそれぞれ独立の出来事。連関に気付くのは緻密な洞察、観察力、そして想像力があるから。とりわけ、想像力は、同じ事柄をも時には不幸にし、逆に幸福にも仕立て上げる。無限に拡がる想像の翼は推理の襞を縦横無尽に張り巡らせる。導き出される解はいずれも意想外でミステリアス。軽妙なノリとソリは頗るテンポよく些かのストレスも感じさせなかった。幾分ふざけたようなどこか鈍重でゆるい語り口ながら、推理には確かな積み上げがあり、見かけ以上の読み応えがあった。とりわけ5編目が秀逸。よくできている。存分に謎解きを愉しませてもらった。
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Posted by ブクログ
暴れん坊な女探偵、生野エルザと、その高校時代の友人、川島美伽。ハチャメチャなコンビが平塚の街を走り回る。サクッと読めるライトなハードボイルド。
天衣無縫、依頼人にもタメ口をきく、野生の猛獣ごとき生野エルザ。
平塚に探偵事務所を構える女探偵だ。
茶色のたてがみのような髪型とその名前、そして
怒らせたら手が付けられないことから、
「平塚のライオン」と異名をとる。
この女探偵とコンビを組むのが、高校時代の友人である
川島美伽。
東京でOL生活を送っていたが、
「仕事に疲れ、恋に破れ、ついでに貯金も持っていかれた挙句、会社を退職」して、地元、平塚に戻ってきたばかり。
そんな美伽に声を掛けた