あらすじ
テニスコートで、ナイフで刺された男の死体が発見された。コートには内側から鍵が掛かり、周囲には高さ4メートルの金網が。犯人が内側から鍵をかけ、わざわざ金網をよじのぼって逃げた!? そんなバカな(^_^; 不可解な事件の真相を、名探偵・十川一人(とがわかずひと)が鮮やかに解明する(表題作)。謎解きの楽しさとゆる~いユーモアがたっぷり詰め込まれた、デビュー作を含む初期傑作5編。
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東川篤哉といえば、なミステリーが揃っている。最初のデビュー作から面白かった。語り口が軽妙で読みやすく,トリックにも機転や盲点をついたものも多い。これからもずっと読んでいきたいと感じている。
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ワンコインという値段の手ごろさと、帯の言葉(最近出た東川作品の中ではダントツで面白い)に魅かれて買いました。長編デビュー前後の、初期の短編が収められています。面白い!! 読後は何だかほんわかした気持ちになりました。好きなことを楽しんで書いているのが伝わってきます。掛け合いの妙は「もう誘拐なんてしない」に通じるものがあるかも。
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短編作品集。
小学6年生の頃、初恋の人がミステリーに興味があることから購読した。
暗闇のテニスコートのネットに引っかかって死んだ犯人、雪で撓った竹で自殺し融雪と共に10m程の場所まで上った老婆、有馬記念によるアリバイを語るも友人に録画用を見せられていたことが発覚する話等、自分の記憶力を考慮するとかなり記憶に色濃く残っている作品。全部のトリックがとにかく面白かった。はず。
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著者がプロ作家となる前の作品を中心に構成された作品集だそうです。
解説にもある通り、「安楽椅子探偵」と「ユーモアミステリー」という軸に沿った話が詰まっています。
5編の短編の中「十年の密室・十分の消失」は謎が明かされると登場していた人物像が大きく反転しミステリー以上に人間物語としても沁みるものがあり大変気に入りました。
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テニスコートで、ナイフで刺された男の死体が発見された。コートには内側から鍵が掛かり、周囲には高さ四メートルの金網が。犯人が内側から鍵をかけ、わざわざ金網をよじのぼって逃げた!?そんなバカな!不可解な事件の真相を、名探偵・十川一人が鮮やかに解明する。
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東川篤哉の短篇ミステリ作品集『中途半端な密室』を読みました。
『学ばない探偵たちの学園』に続き、東川篤哉の作品です。
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テニスコートで、ナイフで刺された男の死体が発見された。
コートには内側から鍵が掛かり、周囲には高さ四メートルの金網が。
犯人が内側から鍵をかけ、わざわざ金網をよじのぼって逃げた!?
そんなバカな(^_^; 不可解な事件の真相を、名探偵・十川一人が鮮やかに解明する。(表題作)
謎解きの楽しさとゆる~いユーモアがたっぷり詰め込まれた、デビュー作を含む初期傑作五編。
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2012年(平成24年)に刊行された、デビュー作を含む初期の短篇集5篇を収録した作品… 本格推理小説の公募アンソロジー『新・本格推理〈02〉黄色い部屋の殺人者』に収録されていた『十年の密室・十分の消失』だけは再読です。
■中途半端な密室
■南の島の殺人
■竹と死体と
■十年の密室・十分の消失
■有馬記念の冒険
■解説 光原百合
イチバン面白かったのは『南の島の殺人』かな、、、
南の島でバカンスを過ごす友人からの手紙に書かれていた殺人事件の謎… 向かいがK島というS島が舞台なのですが、実在するS島が、どの島かとわかった瞬間に、頭に描いていた風景ががらりと変わってしまう、どんでん返しが愉しめました、
それ以外にも、
金網で囲まれたテニスコートでの殺人という中途半端な密室状態を扱った『中途半端な密室』、
地上17メートルの首吊り死体の謎に挑戦する『竹と死体と』、
雪の降る山中で山小屋が幻のように消えていくという建物消失の大掛かりなトリックが印象的な『十年の密室・十分の消失』、
有馬記念のスタートと同時に起こった強盗事件のアリバイを解く『有馬記念の冒険』、
と、どの作品も面白かったなー 初期の頃からユーモアたっぷりの本格ミステリを生み出していたことを知ることができる一冊でした。
相変わらずテンポが良く、ユーモアと本格のバランスが絶妙ですね… 安楽椅子探偵モノという共通性はあるものの、扱う事件は密室トリックあり、建物消失あり、アリバイものあり とバラエティに富んだ作品集で飽きずに読めましたね、、、
次も東川篤哉の作品を読もうと思います。
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なんとなく読まず嫌いだった作家さんなのですが、以前読んだどんでん返しアンソロに収録されていた話が面白かったので一度読んでみようと思い手に取りました。なんとなく、キャラ小説とかラノベっぽいのかな?と勝手に思って避けていたのですが、予想に反してにちゃんとしたミステリでした。キャラクター同士のやり取りも軽快で面白い。テンポよくスイスイ読めました。ユーモアミステリと言うらしい。なるほど。あと個人的に岡山弁とか広島弁とか中国地方の方言が大好きなので、そこも好印象。読まず嫌いはよくないなぁ。他の作品も読んでみます。
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読んでみたかった東川先生作品、やっと読めました。
体裁は短編集ですが、最初の1編以外は全て同じキャラが
出てくるちょっとしたシリーズ物で、加えて
全てが推理クイズのように作品の中でも「安楽椅子探偵」
として与えられる情報のみで推理していくテイストでした。
なのでか、何となくゲームブックを読んでるような
感じで楽しめましたね。
東川先生といえば「謎解きはディナーのあとで」の
ヒットもまだ記憶にありますから、他のも読んでみたいです。
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東川さん初期の短編を中心に集めた文庫。5話あって、どれも独立して読めるけど、うち4話は探偵が同じ。すっきりとしてどれも読みやすい。個人的には十年の密室・十分の消失が好き。わたしは東川さんの本は光文社のものしか読んでいなくて、ディナーのは知らないんだけども、いままでで一番好きだったのは、交換殺人に向かない夜。読後感が少しそれに似ていた。ユーモアがきいて、さっくりしているけど、しんみりと切なくなる、そんな感じ。とはいえこの人の真骨頂はユーモアミステリなので、その意味で言えば有馬記念の冒険は設定に洒落がきいていてよかった。あー、結局どれもすきだなあ。
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500円でこの面白さ!
東川作品でダントツに面白い!
と帯につられて読み出しました。
笑う面白さでなく、淡々とした面白さかな?確かに次次読んでしまいました。
他の作品も読んでみたいですね。
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ほんとによみやすいなぁと思いながら読みました。
仕掛けが壮大なものもありますが、個人的にびっくりしたのが竹のお話です。
慌ててそのあと、検索しました。
本当に竹はU字の逆みたいに曲がるのですね!!
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東川篤哉の初期短編五本収録。原点。詳しいことは解説を読めば分かる。確かに「十年の密室・十分の消失」は終わり方(真相)も含め「謎ディ」っぽい。「竹と死体と」のメタな語りは烏賊川市シリーズにも通ずる。短い時間にさらっと読むのに丁度いい。センスのある会話と言ってよいのか、探偵たちのユーモラスな会話を楽しめる一冊。敏ちゃん&ミキオコンビにまた会いたい。
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解説にて、東川さんは安楽椅子探偵のユニークなミステリーが得意と、ありましたが。
まさに。そのとーり。笑笑
そうかこういうタッチのミステリーのことをユーモアミステリというのか!?まさにこの方はそんな小説ばかり!
今回も、トランプを一枚一枚引いていくうちに真相に近づく答えを探るようなそんなミステリで、読みやすく面白かった!!!!
この手持ち札でなんで犯人わかったんだろー?
と、思わせてくれたうえで種明かし!
そっち!?!?とか、
そこかぁー!!それが違った!?
あーーーーいいところまでわかったのに。
そんな頭の体操になる一冊です!笑笑
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デビュー作である『中途半端な密室』を含め、計五編の初期短編集。
ミステリーとしての面白さをどこに求めるかは人それぞれだと思うが、「そんなバカな」と「なるほど」とのパランスを上手く取った作品集だと思う。
安楽椅子探偵物になるので、これが間違いなく真実かどうかは分からないものもあるが、一応の納得ができる。
また東川さんらしい軽妙でトボけた会話も楽しめる。
二話目以降の敏ちゃんミキオコンビシリーズは何故岡山弁?と思ったら、東川さんは大学時代を岡山で過ごされたようで、その影響か。岡山弁の柔らかさも軽妙さを後押ししていて良い。
『中途半端な密室』
四方を金網で囲まれ、出入り口は一箇所しかない一面のみのテニスコートの真ん中で見つかった男性の刺殺体。
なぜ犯人はそんな面倒な仕掛けをしたのか。
どういう状況でそうなるのか、その様子がなかなか面白い。
『南の島の殺人』
民家の庭のパラソルの下、全裸の男性の撲殺体が見つかる。
何故犯人はわざわざ被害者の服を脱がせたのか。
南の島でバカンスを過ごしている時に事件に巻き込まれた友人が、わざわざ手紙で敏ちゃんに知らせてきたということが肝。
『竹と死体と』
古新聞に載っていた「地上十七メートルに伸びた竹の上部で見つかった老婆の首吊り死体」という事件の真相。
竹なんだから首を吊ったあとに伸びたのでは?というところまでは思いつくものの、その更に上を行く。
『十年の密室・十分の消失』
五編の中では一番長い。
十年前に起きた、密室状態の離れで見つかった首吊り死体。その離れを十年振りに訪れてみると、わずか十分の間にその離れが消えてしまった。
『南の島の殺人』の友人が再び遭遇した事件だが、この友人の能天気さと対照的な事件の結末が意外。
『有馬記念の冒険』
有馬記念レースと同時に起きた強盗事件。容疑者は事件発生時刻に離れた場所で隣人に顔を見られていてアリバイがある。
なんかこういうアリバイトリックって久しぶりに読んだ気がする。初出は2003年。当時はこういうの、最新だったんだなぁ。
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初期の頃の作品ってことで、ユーモアは成長途中といったところ。むしろ王道のミステリーっぽい(笑)
ただ視点は相変わらず独特でそれだけでも十分価値がある。
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短編集。ゆるーく読めるユーモアミステリ。気を張り詰めて読むよりも肩の力を抜いて読めるところは相も変わらず心地よい。だが中身は密室、建物消失、アリバイ等々色んなものを味わえる。
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全く無関係に見える事象が実は深く繋がっていて、だけれどもぼんやり見過ごせば単なるそれぞれ独立の出来事。連関に気付くのは緻密な洞察、観察力、そして想像力があるから。とりわけ、想像力は、同じ事柄をも時には不幸にし、逆に幸福にも仕立て上げる。無限に拡がる想像の翼は推理の襞を縦横無尽に張り巡らせる。導き出される解はいずれも意想外でミステリアス。軽妙なノリとソリは頗るテンポよく些かのストレスも感じさせなかった。幾分ふざけたようなどこか鈍重でゆるい語り口ながら、推理には確かな積み上げがあり、見かけ以上の読み応えがあった。とりわけ5編目が秀逸。よくできている。存分に謎解きを愉しませてもらった。
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「謎解きはディナーのあとで」で大ブレイクした東川篤哉のデビュー作などを収録した短編集。いわゆる便乗商法っぽい位置づけだが,収録されている短編はいずれも東川篤哉っぽいユーモアに溢れた軽い作品ばかり。
5本の短編が収録されているが,総ページ数は222ページとかなり薄め。収録作品のうち4作は,大学生の敏ちゃんとミキオコンビの作品であり,表題作1作だけが,名探偵十川一人もので,収録作品にも一貫性がなく,収録作品全編を通じた謎のような仕掛けもなし。やはり,「今なら売れる。とにかく出せ!」というような感じで出版された感は否めない。
収録作品の中では,南の島の殺人が白眉。謎の南の島「S島」で起こった殺人事件の真相を手紙だけで推理する安楽椅子探偵モノだが,S島の正体が桜島で,雨ではなく火山灰が降っていたけど,火山灰を防ぐために傘をさすという風習をしらなかったことなどが決めてとなり,探偵役の敏ちゃんが真相を暴くというトリック。いやはやこの脱力感がたまらない。
バカミスというより至って軽めなユーモアミステリだが,文章は読みやすく,寝る前や通勤電車で読むにはもってこい。傑作とまでは言えないけど,★3の評価は十分さしあげられます。
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安楽椅子探偵小説の短編集。
新聞に書かれるような事件の概要以外は全て想像で作られるため、事件の詳細や結論はかなり突飛だったりするけれど、それユーモアで包んで仕上げてしまうのがこの作者らしいところ。初期の作品とのことだが、探偵と助手役のやりとり、特に助手のツッコミの面白さなんかはこの頃からで、やっぱりこの作者好きだなぁと思った。
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安楽椅子探偵ものの短編集。
軽快な会話が読みやすい。
『中途半端な密室』『南の島の殺人』『竹と死体と』『十年の密室・十分の消失』『有馬記念の冒険』
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東川篤哉作品二冊目であります。短編集でありますが、安楽椅子探偵の敏ちゃんシリーズがメインです
推理としては「南の島の殺人」が良かったように思います。一方で建物消失のトリックに関しては納得いかない気持ちにもなったり。
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東川さんが、プロ作家としてデビューする前に、
一般公募型の推理小説集に投稿し、掲載された、
5編の短編を収録した短編集ではありますが…、
確かに、後に、「謎ディ」等に代表される、
ユーモアミステリー作家の片鱗は感じましたが、
やはり…、全体的に力量不足感は感じました…。
それでも、表題作の「中途半端な密室」は、
意味不明の中途半端な密室と殺人事件の真相を、
意外などんでん返しで収束させており、
なかなかに、面白かったです。
本格的なデビュー前の作品集ですから、
その辺りは大目に見て頂いて、読んでもらえば、
ちょっとした暇つぶしには、十分だと思います。
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著者の作家デビュー前に投稿していた作品を中心とした作品集。
特徴としては、「安楽椅子探偵」「ユーモアミステリ」「意外と本格」という、現在に通じる印象を受けた。
「中途半端な密室」
見方によって事件の様相がガラッと変わってびっくり。
「南の島の殺人」
叙述トリック(というのだろうか;)が真相解明のきっかけになっているところが面白い。
「竹と死体と」
死体の発見された状況は不思議だけど、言われてみればなるほど。
「十年の密室・十分の消失」
消失の方は肩透かしだったかな。状況と消失トリックが明らかになるところはなるほどだったけど。
密室のほうはなかなかのでき。
「有馬記念の冒険」
ちょっとしたイタズラが事件の徒に複雑化しているあたり、いいね。
Posted by ブクログ
ユーモアミステリーという気楽な気持ちで読めば十分楽しめる。真剣に読めばツッコミどころは満載だが、これは作家の持ち味だと思っているのでそれはそれで楽しめた。