重松清のレビュー一覧

  • 定年ゴジラ

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    日本が経済成長期で沸いた時代、その最先端の担い手達が住む街だった郊外のニュータウン。
    その街は住人と共に老いていき、その住人は定年を迎えた。
    その時まで必死で仕事をしていた彼らの定年後の生活は決して華々しいとは言えなかった。

    仕事という大きな責務を果たした今、労りどころか煙たがられる日々。
    しかし、そんな中でも日々を生きる主人公達の姿に悲しくも、何か温かなものを感じることが出来た。

    …とりあえず今から考えるのもおかしいけど、自分の定年後が心配になる作品です笑

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    2020年03月17日
  • みぞれ

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    様々な人物の日常を心温まるストーリーとして表現する重松清の短編集。

    何の前触れもなく自殺を図った高校生の幼なじみ、
    テレビ業界の現実に戸惑う女子大生、
    セッカチな夫と夫婦の溝を感じ始めた主婦、
    かつての夢に挫折した中年タクシードライバー、
    同期の社員か自分か…二人に一人のリストラに苦しむサラリーマン、
    晩年を迎えた父への複雑な思いを抱く息子―――


    甘くはない現実、しかしその中にあるわずかな光を垣間見ることができる。

    オススメは
    『拝啓ノストラダムス様』
    『遅霜おりた朝』
    『ひとしずく』
    そして表題作『みぞれ』

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    2020年03月17日
  • さすらい猫ノアの伝説

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    元々児童向けレーベルで出版されていた作品の再文庫化。
    話は小学生視点で、主要である黒猫は悪く言えば都合の良い存在。
    ただ猫の仕草が可愛く描かれており、猫好きには向いている小説かも。
    また、大人でも直面し、悩むシチュエーションが描かれているので、頑張ろうと思わせてくれる。

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    2020年02月12日
  • また次の春へ

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    ─2011年3月11日、午後2時46分。
    ほんのささやかな、日常のひとこまのはずだった。
    本書に描かれている、それぞれの3.11とその後。
    記憶を埋もれさせないために、読む必要がある。
    あの日、あの時、どこで何をしていたのか。
    重松清が思い出させてくれた。

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    2020年02月12日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    短編小説。
    中には情景がぼんやりしたまま終幕になったものもあるが、大半は程よく心地良い作品。
    日本には暦のほかにこんなにも豊かな四季の表現があると温かさも得た。

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    2020年02月09日
  • 希望の地図 3.11から始まる物語

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    「被災地でこんな被害があった」とかそんな内容ではなく、
    もっと人々の本当の暮らし。たとえば水族館とか鉄道とかハワイアンズとか、そういう小さなことに焦点を当てている。

    水族館で魚が死んでしまったとき、飼育員が「皆家族や友人を亡くしているのに、魚が死んだなんて声を大にしては言えない」っていうのに、グッときた。

    でも、誰もがそれぞれの苦しさを背負っていて、その苦しみにレベルをつけることなんて許されないと思うのだ。

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    2020年02月06日
  • あすなろ三三七拍子(下)

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    無条件でひたすらに誰かを応援し、誰かに応援される。そんな人生を送りたいと思った。
    そして何よりこの物語を読み終わった後に読んだ、作者のあとがきが最高なのだ。重松さんと斎藤さん(まさか実在するとは)の関係に思わず笑みが溢れてしまう。

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    2020年01月22日
  • あすなろ三三七拍子(上)

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    ただただ厳しいだけだと思っていた「団」と言う世界はかけがえのない友や家族のような存在を得られる場所だった。
    荒川先輩結構いいこと言うんだよな

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    2020年01月22日
  • 定年ゴジラ

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    およそ20年前に書かれた本なので60歳定年のことや、家族の通信手段が家電であることなど、時代の流れを感じる内容が散見されるものの、サラリーマンが定年後の生活をどう過ごすかといった問題は未だに尽きないテーマです。
    ここに登場する人物たちは 、高度成長時代に東京の郊外に造成されたニュータウンに、移り住んだ人々のその後の物語でもあります。定年後の夫、父親の典型的な悩みである家庭内の居場所を模索する過程も面白かったのですが、ニュータウンという街の在り方も一方では取り上げていて、自分たちの育った頃を思い出して感慨深いところでした。ニュータウンと言われた街がオールドタウン化していく様は、拡大から縮小してい

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    2020年01月18日
  • 一人っ子同盟(新潮文庫)

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    最初はあんまり期待してなかったけど、どんどん読んでいくうちにこの本の世界に引き込まれていく感じで休み時間にずっと読んでいて友達に大笑いされました笑
    これは本当に最高の本です!

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    2020年01月08日
  • 赤ヘル1975

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    広島東洋カープが初優勝した1975年の広島を舞台に、ちょうどその年に広島に引っ越してきた「よそモン」のマナブと、ヤス、ユキオの物語。
    戦後30年経ってもまだあちこちに原爆の傷跡が見え隠れする街並みや人々の記憶。
    それら友情や市井の人々の交流や想いを横糸に、そしてカープが初優勝に向かって戦っていく様を熱狂的に応援する様子を縦糸に、物語は突き進んでいく。
    それを原体験を元に、重松清が描くのだから、面白くないわけがない。

    なんだけど、星4つなのは、なぜだろう?
    面白いんだけど、何かちょっと物足りない。

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    2019年12月29日
  • 疾走(上)

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    クリスマス時期に読むものではなかったです(汗)
    ですが、他の重松作品と違って驚きましたし、気になってどんどん読み進めてしまいました。久しぶりの感覚です。ただ話が暗い、そして性的な表現が苦手なので途中辛い場面もありました、、、。
    下巻早く読みたい。

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    2019年12月25日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    12名の著名な作家の短編が72候の解説と一緒に読める、ある意味で贅沢な本だ.重松清の鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)は父親としての最後の旅行で息子の翔太を見つめる親心がうまく描写されている.筒井康隆の蒙霧升降(ふかききりまとう)は戦後の風物詩を散りばめた彼独特の文章でしっかり意見を述べているのが良い.堀江敏幸の熊蟄穴(くまあなにこもる)は菱山の取材活動のなかで村の古老たちとの奇妙な会話が面白かった.

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    2019年12月08日
  • トワイライト

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    人生の折り返し地点を迎えた登場人物はトワイライト・黄昏時を迎えている。
    リストラ、家庭内暴力、盛りを過ぎた予備校講師。
    彼らが夏のある日、小学生の時に埋めたタイムカプセルを掘り起こすことから、事態は動き出す。
    登場人物はドラえもんのキャラクターになぞらえられる。
    のび太、ジャイアン、スネ夫、静香ちゃん、そしてドラえもん。
    彼らが熱い夏の日をどう過ごし、これからの10年後に向かってどう変わっていったのか。
    最初は辛い話だっだが、最後は希望を感じさせる。

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    2019年12月07日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    物語ではなく、読書そのものと、日本の繊細な四季の移ろいを味わう一冊。初めて読む作家さんもいて楽しかった。

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    2019年12月05日
  • 一人っ子同盟(新潮文庫)

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    嘘ばかりつく両親のいないオサム、幼くして兄を亡くしたノブ、親の再婚で新しく兄弟の出来るハム子。家族の形はそれぞれで、ひとりっ子の事情もそれぞれ。
    オサムが団地にやってきたことをきっかけに三人のひとりっ子同盟が展開していく。
    やっぱり重松さんには泣かされる。

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    2019年12月03日
  • カシオペアの丘で(下)

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    シュンのガンが段々と体を蝕んでいく。

    幼馴染み4人、そして4人に引き寄せられた、『ゆるされたい人』『ゆるしたい人』たち…


    息子の哲生に自分がガンであることを打ち明ける場面

    シュンの誕生日プレゼントを皆が渡す場面では、涙がじわっと出てきた。

    『ひるまは星はみえない
    でもあさもひるも雨の日もそこに星はある
    おとうさんも、会えないけどいるから。
    あかあさんとてつおのことをずっとみているから』



    上巻は序章だったのだと思わされるほど濃い一冊だった。

    幼馴染み、心の奥でずっと生き続けている思い出。
    大人になると一番遠い関係になる、そのリアルな関係の描かれ方が心にぐさっと来た。



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    2019年11月24日
  • なきむし姫

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    子育て中の今、読んで良かったと思った本でした。ケンの「子供に1人目も2人目もない」という言葉が心に響きました。子供達を大切に育てていこうと改めて思わせてくれた一冊でした。

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    2019年11月23日
  • 定年ゴジラ

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    あらすじ
    開発から30年、年老いたニュータウンで迎えた定年。途方に暮れる山崎さんに散歩仲間ができた。「ジャージーは禁物ですぞ。腰を痛めます。腹も出ます」先輩の町内会長、単身赴任で浦島太郎状態のノムさん、新天地に旅立つフーさん。自分の居場所を捜す四人組の日々の哀歓を温かく描く連作。

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    2019年11月05日
  • ニワトリは一度だけ飛べる

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    16年前に書かれた本の単行本化。
    なぜここまで寝かしていたのか、
    時代の流れと共に話も賞味が過ぎてしまうかのよう。
    ただ、そこは重松清。普遍的なテーマも勿論織り込まれている。

    イノベーションルームという左遷部屋に追い出された主人公。
    そこにいたのはかつてのエースと言われた同期、
    自ら志願してそこにやってきた若手社員。
    そして感情の全てを捨てたかのような上司。
    一筋縄ではいかない人間が押し込まれた部屋で、
    突如として送られてきた謎のメール。
    登場人物たちをオズの魔法使いに例えるその内容。

    触りからはワクワクさせる展開でしかないのだが、
    もう一捻り欲しかったというのが正直な感想か。
    それでも、

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    2019年10月30日