原田マハのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
実在した沖縄のニシムイ美術村を知れただけでも、読んで良かったと思える。
純粋に美術史としてニシムイ美術村を知りたいと思うなら、もちろんこちらの作品はフィクションも入っているだろうし、良くはない。
だけどより多くの人にニシムイ美術村を知ってもらい、興味を持ってもらうなら、この小説のようにフィクションも交えて、少し俗っぽいストーリーに仕立てる方が効果的。
美術史の専門書や、文学的すぎる小説だと美術のの敷居は低くならず、沢山の人には届かない。
だから原田マハさんが書く全てのアート小説は、朝ドラ風なストーリーで、誰にでも読みやすく、美術に親しみを持てるし、美術への興味が湧いてくる。好き嫌いはあ -
Posted by ブクログ
装丁が美しくて一目で買ってしまった。原田マハ先生の長編は本当に読みやすく、言葉に力が溢れてる。大好き。メイベルの悪女っぷりたまらん。タブー視されているものを題材とした退廃的芸術はやはり面白い。自分が夏目漱石、谷崎潤一郎を好きな理由の一つかもしれない。彼らの作品は悪女に振り回される男を主人公とするが、こんかいの「サロメ」は悪女が主人公で、その点で自分には目新しい。ストーリーであるがルポタージュであると錯覚するほど作り込みが細かい。素晴らしい。解説も中野京子先生で文句なし。最後まで飽きずに読めた。オーブリービアズリーの作品をもっと見たいと思ったし、salome の原作も読まざるを得ない。
-
Posted by ブクログ
現在、三菱一号館美術館にて『ビアズリー展』が開催されているので、作品を見に行く前に読み切ろうと考えていました。
ビアズリーの絵は以前から、何か惹かれる魅力があり、まさに本にある『蠱惑的(こわくてき)』という表現がピッタリなのではないか...と改めて納得しました。
また魔術的でもあり、家に飾ったら自分の中の何かが変わってしまうような...そんな怖さもあります。
今月中には『ビアズリー展』に行くので楽しみ!
さて、本の感想は...
姉であるメイベル目線で話が進みますが、ストーリーに惹き込まれ、後半、現実に戻って来た際、最初の設定をまるっと忘れていました(笑)あれ?最初ってどんな話だったっけ??と -
Posted by ブクログ
チエ目線 原田マハさんの美術作品が好きです。リボルバー、たゆたえども沈まず、どちらもゴッホを取り上げている作品ですが、面白く読ませてもらいました。
私はゴッホとエゴンシーレが好きで、美術展にも足を運んだことがあります。小学生の時に、俺はゴッホになると壁に絵を描いた事もあります。今考えると棟方志功の影響もあったのだと思います。
この作品は妻のチエ目線で描かれている作品で、それが返って棟方志功を間近に見ている感覚にしてくれました。真っ直ぐな人間で、芸術に版画に、そして人に愛情や熱量が伝わったのだなと思いました。
私も少し棟方志功とは縁があり、疎開先の富山県福光の鯉雨画斎の移設のテレビ取材に、 -
Posted by ブクログ
本書を読むと陶芸をしてみたくなる。
明治時代に日本の美術に興味を持ちイギリスから訪れたバーナード・リーチ氏は実在の芸術家だ。英国人として(外国人として?)初めて本格的に日本の陶芸を学び、母国でも陶芸および日用品の美しさを広めるために尽力した。彼が日本で交流し刺激を受けていたのは、武者小路実篤とか高村光太郎などそうそうたる白樺派の文豪たちであり、芸術家たちであった。
何十年もリーチの助手として共に成長した亀之助が主人公である。著名な陶芸家となったリーチ氏が晩年に九州の窯元を訪れたときに亀之助の息子と出会うことから話が始まる。
原田マハさんはあのペースで出版しながら、一つ一つの著書に克明なリサーチ