原田マハのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
コミカルな表現でとても読みやすいなと感じた。
スピーチライターを題材としたお話とのことで、スピーチのノウハウが詰まった物語かと思ったが意外とそうでもない。
多少の蘊蓄はあれど、内容の1割程度に収まっている程度かなと思う。
お話は終始、主人公を取り巻く公私の変化と、それによって主人公自身が変化、成長していく物語に徹しており、展開はさながら少女漫画のようだった。
衆議院選挙が主軸の舞台となっているが、専門性の高いお話が展開することはなく、読みやすい。
少し残念だったのは、主人公の視点に徹底しているためか、様々な出来事がご都合主義に感じられてしまうところ。
主人公のライバルにして想い人である人物 -
Posted by ブクログ
音楽家一家の娘 和音は10歳でチェロを弾くことをやめた。かつて一流のチェロ奏者だった母と離別、世界的指揮者の父は多忙で不在がち。思春期真っ只中の和音と多忙な父との関係は常にぎくしゃく。そんな和音のもとに、新しい母を名乗る女性が現れる。
原田マハさんの書く代表的な題材といえば美術、ではなく今回は音楽がテーマ。
幼い頃に音楽と別れ無気力になっていた少女が、再び音楽と向き合うことで自分を取り戻し大切な人へ自分の音を届けるために奮闘する成長物語でもあり、音楽を介して描かれる深い愛情の物語でもある。
和音が見つけた自分自身の音で語りかけるような心の演奏は音楽の心得のない私の胸にもじんと響いた気がした。 -
Posted by ブクログ
印象派の有名画家の作品はたくさん日本にも所蔵があるという。日本絵画とくに浮世絵が19世紀に欧米で人気になり、その影響もある模様。そしてフランスでの美術館やモネゆかりの地を紹介、とてもモネ愛が伝わってきてほっこりする。ノルマンディーどころかパリを少し離れただけで相当な田舎になるのがフランス。コンビニもwifiスポットも無い、しかしそれがまたよかったりするし、いつまでもあの風景を保っていてほしい。セーヌの最下流、オンフロールを少し西に行けばジュラ紀の地層が海沿いに続く。いつかまたノルマンディーに行ける日が来るだろうか。エビにムール貝、生ガキ、チキン、ワインにカルヴァドス…食材も食事も最高だ。本書と
-
Posted by ブクログ
読み始めたらぐいぐい引き込まれるお仕事小説だった。
言葉の力で人を動かす場面はやっぱり胸が熱くなるし、前向きに生きることの大切さを感じさせてくれる。
ただ、お仕事小説として読むと「出会う人すべてが主人公にプラスの影響を与えるなんて現実にはありえないよな」と冷静に考えてしまった。
それでも、言葉が人に与える影響の大きさを考えるきっかけになったのは確か。
最近、社内プレゼンの機会が増えているので、資料作りや説明時に言葉選びをもっと大切にしたら共感を得て良い結果が得られるのではないかとヒントをもらいました。
人を勇気づける言葉と、扇動になってしまう言葉の境界についても考えさせられる