あらすじ
電子版限定、物語に登場する巨匠達の名画も収録!美の巨匠たちは、何と戦い、何を夢見たのか-。ドガ、セザンヌ、モネ、マティス。時に異端視され、時に嘲笑されながらも新時代の美を果敢に切り拓いた偉大なアーティスト四人の愛と友情、そして格闘の日々を色鮮やかに蘇らせる短編集。「この世に生を受けたすべてのものが放つ喜びを愛する人間。それが、アンリ・マティスという芸術家なのです」(うつくしい墓)。「これを、次の印象派展に?」ドガは黙ってうなずいた。「闘いなんだよ。私の。――そして、あの子の」(エトワール)。「ポール・セザンヌは誰にも似ていない。ほんとうに特別なんです。いつか必ず、世間が彼に追いつく日がくる」(タンギー爺さん)。「太陽が、この世界を照らし続ける限り。モネという画家は、描き続けるはずだ。呼吸し、命に満ちあふれる風景を」(ジヴェルニーの食卓)。語り手は、彼らの人生と交わった女性たち。助手、ライバル、画材屋の娘、義理の娘――彼女たちが目にした、美と愛を求める闘いとは。『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、珠玉のアートストーリー四編。
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Posted by ブクログ
おもしろかったです。「読む美術館」というのがとてもしっくりきました。
美術には詳しくないのですが、原田マハさんの小説で、画家の生き様のようなものを勉強できるのはとても貴重な経験だなと思います。
文章も綺麗で上品で、気品のある女性が思い浮かびました。
Posted by ブクログ
「モネ展」に行く予定があったので、モネという人に触れてから行きたいと思い手に取りました。
小説なので全てがそのままではないのだろうけれど、とても家族想いの優しい方だろうことが知れて引っ越しの話を家族でする辺りはもう泣いてしまいました。
マティスやドガ、セザンヌやモネが主人公なのではなく、その周りの人が画家の人となりや出来事を話す形式のお話は、何だかよりリアルに感じられました。歴史上の人物みたいだけれど、本当に存在したんだ、ということがとても不思議な心地です。
Posted by ブクログ
情景が浮かぶきれいな言葉。何と言ったらいいか迷うものをスンと言い当てて来る。美術には明るくない、勿論本書に出て来る人達は名前以外に知る事は多くないのだが、こうだったらええなと思うことがある。あと画像検索したらヴェール・ヴェールが思ったよりも緑。
Posted by ブクログ
もっと早く出会いたかった。
この一言に尽きる。これまで意識的に芸術には触れてきたつもりだけれど、正直絵画は自分には難しくて、あまりおもしろさがわからないでいた。
でも、絵画をとりまくストーリーにも想いを馳せることで、これまでよりも深みが出て、より一層楽しめそうだと思った。
美しく色鮮やかな文章と、心温まる物語、さらに実在する芸術との架け橋になってくれる一冊でした。
Posted by ブクログ
表紙がモネの絵でとてもうつくしかった。
4つの短編集で、それぞれマティス、ドガ、セザンヌ、モネについてを、美術への熱量を持って語られている。
難しい、堅苦しい世界だと思っていた画家たちが物語の中で会話しているのを読んでとても親近感が沸いたし、作中に登場する絵画を検索ながら読み、美術館で解説を読んでいる気分になった。
タンギー爺さんも好きだった!
マグノリアのマリアとマティスのお話と、モネとモネを尊敬する家族のお話がとくに印象深く、ちょうど東京で行われている印象派の美術展に行こうかと思った。
印象派
あの絵が描かれたシーンってどんなだったんだろう?という空想が、美しいフィクションに昇華していて素晴らしい!絵そのものがテーマの小説ってそんなにないので、美術好きにはたまりません。
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今では人気を博している印象派がまだ新しく、斬新だった"現代"に生きた芸術家と周囲の人々を、表紙のように美しく切り取った作品。
個人的には、マティスとモネの話が好きでした
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印象派の画家、マティス・ドガ・セザンヌ・モネを描いた短編集。
4名の印象派の画家について、
マティスについては家政婦からの視点、ドガについては友人からの視点、セザンヌについては彼を応援していた画材商の娘からの手紙、モネについては義理の娘からの視点というように異なった描かれ方がされており、興味深く読むことが出来た。
当然のことながら、この4名の印象派の画家については学校の美術の授業で習って知ってはいたが、こうした物語を読むとその人となりを知ることが出来、より身近な存在に感じられ、作中に出てくる絵画作品名を見ると、ネットでその画像を探し出し見てしまう。
モネ晩年の大作であるオランジェリー美術館の睡蓮作成の話も記述されていたが、この内容を知っていれば、昨年大塚国際美術館で展示されていた睡蓮の壁画の見方も大きく変わっていたのだろうなと思ってしまう。
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時代を超え、場所を超え、あの巨匠たちの製作の様子を垣間見てるような気がした。ただ作品だけを見ていたのが、彼らの物語を感じられたことで、より身近に思える。
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マティスとピカソ、そしてお手伝いのマグノリアの花といわれた女性。ドガの踊り子、セザンヌが描いたタンギー爺さん。でも一番興味を覚えたのはモネ。自然を愛し刻一刻変わる自然の変化を追う。モネの人間の深さが作品に表れるのだろう。
Posted by ブクログ
素敵な短編集でした(*^^*)「エトワール」はなかなか心にくるものがあり印象に残りましたが、表題作の「ジヴェルニーの食卓」が終始あたたかい雰囲気の漂うお話でとても好きでした。
Posted by ブクログ
フランスの美術館巡りの前に読んでおくと、更に楽しめる一冊ですね。アートに込められた画家達の想いがとても伝わる本です。マハさんの描写の表現もとても美しくて素晴らしかった!表紙のモネの大作を見に行きたい。
Posted by ブクログ
マティス、ドガ、セザンヌ、モネを題材にした短編小説。
マハさんの丁寧な描写に惹き込まれました。
そして、画家先生たちの人生をもっともっと知りたくなりました。
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いつものことながら原田マハさんの作品を読むと美術への興味が湧く。今は偉大な芸術家として名を残していても、生きている間は不遇だった作家も多かったんだろうな。この小説で出てきたいくつかの作品を見てみたいと思った。
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休みはのんびりしてますw
ってな事で原田マハの『ジヴェルニーの食卓』
□うつくしい墓
□エトワール
□タンギー爺さん
□ジヴェルニーの食卓
4つの短編集♪
うつくしい墓は、マティスとピカソ
エトワールは、エドガー・ドガ
タンギー爺さんは、ポール・セザンヌ
ジヴェルニーの食卓は、クロード・モネ
とそれぞれ史実に基づいたアーティストのフィクションじゃが、ホントの話みたいに想像してしまう♪
どれも最後は綺麗な〆で余韻が気持ちええです♪
美術館行きたくなるw
2016年12冊目
Posted by ブクログ
マティス、ドガ、セザンヌ、モネについての4編の物語。それぞれに異なった切り口での語りは、いかにもマハさんらしい。
セザンヌのお話では、太陽の刺(ゴッホのお話)タンギー爺さんが登場。絵を検索していて、ゴッホのタンギー爺さんの肖像とは別に、セザンヌのタンギー爺さんの肖像もあることを知りました。同じ人物を描いていても、こんなふうに違うのか、と、新しい発見。
Posted by ブクログ
長編の感動には至らないが、それぞれの世界観を、近くの人から語る視点が面白い。
モネの表題作が一番よかった。開放空間で、モネを堪能したい。睡蓮の絵を生み出すのに、こんなに紆余曲折があったのだろうか?そういう背景を頭に描いて鑑賞すると、見え方ぎ変わるかもしれない。
マティスの話を読むと、実際の部屋を見たくなる。
Posted by ブクログ
うつくしい墓:マティスに仕えた家政婦による追想、マティスとピカソの合流が描かれる
エトワール:ドガの最大の理解者メアリーカセットによる追想
タンギー爺さん:タンギー爺さんの娘からセザンヌへの手紙という形でタンギー爺さんのセザンヌへの心酔ぶりが描かれている
ジヴェルニーの食卓:モネの後妻アリスの娘ブランシュとモネの生活がブランシュが作る食事を交えながら描かれる
個人的にはタンギー爺さんの章が一番好き。タンギー爺さんの天真爛漫さ、こんな純粋な人がいるのかしらと思うし、この時代にタンギー爺さんの庇護がなければ名作たちは残らなかったのではないか、とすら思う。
Posted by ブクログ
絵画の一瞬を切り取った美しいイメージの話。
会話もなんだか本当にそこにいるかのように聞こえてくる、自分もその場に参加しているかのように感じた。
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遠い歴史上の人物だと思っていたアートの巨匠たちが、近くに感じられるストーリー。
フィクションであってもそうやって生きてきたのかも、考えていたのかも、と想像すると、もっとアートが楽しめそう。
タンギー爺さんは、ゴッホの有名な作品としか知らなかったので、こんな芸術家とアートを愛し、愛されていた人なのだと知れて面白かった。
ジヴェルニーの庭も、モネの晩年の苦悩とは反対に、美しい庭、アトリエがありありと見えるようだった。
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少女の頃に出会い、時を経てなお心をとらえて離さない鮮やかな光。その人にしか見えない豊かな世界、それを描き出す突き抜けた才能への憧憬。
痛みや悲しみ、人生の苦味といったものを描きつつ深入りすることなくきれいにまとめられているため、重たい気持ちにならず気持ちよく読み終えられる小説。
Posted by ブクログ
表題作「ジヴェルニーの食卓」が飛び抜けて好き モネが好きというのもあるけど、モネがこだわりぬいたという眩しい庭や『アトリエ』の景色、匂いが感じられる文章…… わたしもジヴェルニーの大きな庭で、大きなテーブルで一緒に食卓を囲んでいる気分になる
タンギー爺さんのお店は心強いしすごく楽しそう、画家ってわりと孤独になりがちな職業だと勝手に思ってるからこういう同業者と気兼ねなく話せる場所があることはきっと支えになっていたはず
「エトワール」が地味に衝撃作 バレリーナたちがパトロンとなる男性に見つけてもらえるように踊っていること、仕方ないけどなんか嫌 それにしても絵の具の始まりがチューブじゃなくてシリンジだったの初めて知った~ シリンジの方が作るの大変そうだけどチューブ容器をいくつも作って売る方がお金かかるからかな
Posted by ブクログ
原田マハさんの小説をいくつか読んだ人なら点と点が繋がって楽しめるかもしれないけど、初見さんには断片的に見えてしまうと思う。もったいないので数冊他の作品を読んでまたチャレンジしてもらいたい(何様笑)
Posted by ブクログ
年末は原田マハさんの作品を手あたり次第読んでみようと思い借りきた1冊。短編集なんだ印象派の巨匠たちを4人の女性目線が語りだす。
短編小説ってやっと背景や人物に慣れ親しみが湧いた頃に物語が終わってしまうのでとっつきにくさがあるんですが、彼等の作品をググっり読み進めると興味がでてきました。
マティス (マグノリア)
ときめいた瞬間を切り取って描く、極限まで単純化されたフォルムに力強い美が宿る。
いかなる人の人生にも光あふれる瞬間がある。ヴァンスのロザリア礼拝堂に行ってみたく思いました。訪れるならマグノリアの咲く頃がいいかな。
マグノリアは、モクレン科モクレン属の植物の総称で、 モクレンやコブシ、タイサンボク、オオヤマレンゲなど全て含まれるとのこと。
ドガ (踊り子)
唯一発表した彫刻作品『14歳の小さな踊り子』前衛的すぎてドン引きされる。少女に全裸でモデルさせいろんなポーズさせるとか当時のフランスはよかったんかな?蝋人形作ってるとこ想像すると猟奇的にも思えるけど、長時間同じポーズさせるの偲びないとかで美少女フィギア作ってたんだとうことなんですか?
バレリーナの舞台裏って生活かかってたんだって、凡庸なものには届かない世界に輝く星の光も100光年先のアキバならロリヲタ紳士も高評価された気がする。
セザンヌ (リンゴ)
手紙形式での画材店の店主の娘からの催促状って形で展開する話なんですが文章下手だと言っておきながらの長文。何通も出してる筆まめな娘。セザンヌからの返信がどんな内容だったのか気になって仕方なかった。
人の手紙を盗み読みするのはゾクゾク感あるのですが、話題にゴッホとかでてきたときは気になりました。ゴッホの代表作の浮世絵バックのタンギー爺さん、随分前にゴッホ展で観たことがありそんな人柄だったんだと暖かい気持ちに包まれました。
モネ (睡蓮)
ライフワークの睡蓮は250枚以上描かれているそうで私もボストン美術館が所蔵する睡蓮の大作観に行ったことありますが幅4mはあった大きな作品でした。最大の作品はパリ「オランジュリー美術館」所蔵の睡蓮が他を圧倒する大きさで展示室は自然光を取り入れ楕円形に作られ8点の大作からなる連作の睡蓮が見やすく展示されているとか・・
そんな作品の制作過程を垣間みれました。モネの使用人たち晴れた日は朝からバタバタ忙しそうでとにかくランチがおしゃれオマール海老食べてみたい。
絵画と料理の描写が秀逸、お洒落ですね。