原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書を読むと陶芸をしてみたくなる。
明治時代に日本の美術に興味を持ちイギリスから訪れたバーナード・リーチ氏は実在の芸術家だ。英国人として(外国人として?)初めて本格的に日本の陶芸を学び、母国でも陶芸および日用品の美しさを広めるために尽力した。彼が日本で交流し刺激を受けていたのは、武者小路実篤とか高村光太郎などそうそうたる白樺派の文豪たちであり、芸術家たちであった。
何十年もリーチの助手として共に成長した亀之助が主人公である。著名な陶芸家となったリーチ氏が晩年に九州の窯元を訪れたときに亀之助の息子と出会うことから話が始まる。
原田マハさんはあのペースで出版しながら、一つ一つの著書に克明なリサーチをしているのがすごい。陶器のことやイギリスのことなど情報がとても多いので、前半はやや冗長であるのが否めないが、彼女お得意のじんわりとした感動を呼び起こすストーリー展開ある。出てくる人があまりにも全員いい人すぎるかなとは思った。リーチ氏を全く知らなかったので、当時の日英の交流など知ることができて、とてもよかった。
本書を読んでから、リーチ・ポタリーが今でもセントアイビスで展開していて、実際に器を購入したり陶芸を学んだりできることを知って興奮した。陶器には詳しくないが、色合いに温かみがあり素敵だと思った。 -
Posted by ブクログ
フィクションとノンフィクションをここまで巧みに混ぜ合わせ、「アート小説」という新しいジャンルの先駆者として書き続ける、「美術史小説家」の原田マハさんには感動する。
こんな風に現実と創作を融合させるのは良くないという教育者や学者、その他様々な人は沢山いると思う。
でもこのアート小説のおかげで、
美術というものの敷居を低く感じてくれる人がいて、美術館に実際に足を運んでくれる人が増えているのは間違いないと思う。
だったら全然ありなのでは?
読んでいて、「ここは美術史として学びに繋げられそうだな」って部分と、ここは「フィクションかな」と思い、知識としてではなくエンターテーメントとして楽しむ部分が、すぐに分かる気がする。
この本の場合も、
知識の浅い私は主人公の「沖亀之助」が、実在するのか、しないかも定かではなかったけれど、読み終わった後にググればすぐ分かる。
そしてざっとバーナードリーチや、柳宗悦、濱田庄司等の人物の歴史をネットで読めば、「あ、ここは小説に出てきて事実に基づいてるところだ」と振り返りながらおさらいできる。
解説にもあるように、最近よくある「自分を中心に500メートル以内の情況」を描き、作品のスケールが小さく、暗いものではなく、
もっと大きく、造詣も深く、グローバルで広い小説を読みたい時には原田マハさんで決まりだと思う。
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Posted by ブクログ
ええもうそりゃあ一気読みよ…。面白かった。
この、圧のある表紙とページ数に反してほんま、するする読めると思う。
上巻は「十五少年漂流記」みたいなアクション小説みもあったけど、下巻は、絵画がどれほどすばらしいかという著者の熱量を読んだ。^^
どちらも面白かった。
絵画や、カラヴァッジョに対してわたしに知識があれば
「…!!」
ってなった箇所は多々あったんやろうけど、いかんせん…(笑)。
あと、上巻をすでに返却してしまったのを
「アホかーっ!!」
ってのたうち回った。
上巻でまいた伏線の回収をもっとじっくり味わえたのに…!
まあそれはそれとしても、面白かった。
あの時代にイタリアまで行くなんて、ほんっますごいな。
こんなけ便利な世の中になっても、わたしはたぶんイタリアへ行かない…。行けない…。
あと、むしょうにサイゼのみをやりたくなった(単純か) -
Posted by ブクログ
京都国立博物館研究員である望月彩のもとにマカオ博物館学芸員レイモンド・ウォンが現れる現代から、キリシタンの若き少年達天正遣欧使節4人がローマに向かう織田信長の時代に話が遡る。なんと俵屋宗達がこの遣欧使節に同行しローマは行った、という設定。もちろんフィクションなのだか生没年さえも不明な俵屋宗達なのでそんなこともあるかも、と思ってしまう。
上巻は俵屋宗達がローマに行くことになった経緯、有馬のセミナリオ(小神学校)が開設された経緯、ここで学ぶキリシタン大名たちの子供らのことが書かれている。遣欧使節となる4人の少年達と宗達の出会いがとても自然でまるで史実のようで著者 原田マハの構成の巧みさに感嘆した。