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雷神(ユピテル)と風神(アイオロス)が結んだ数奇な縁(えにし)とは――。織田信長の命を受け、天正遣欧少年使節と出立した宗達。苦難の航海を経て、一行はついにヨーロッパの地を踏んだ。そこで彼らを待ち受けていたのは、絢爛華麗な絵画の数々と高貴な人々、ローマ教皇との謁見、そして一人の天才絵師との出会いだった。謎多き琳派の祖・俵屋宗達とバロックの巨匠・カラヴァッジョ。芸術を愛する者たちの、時空を超えた魂の邂逅の物語、ここに完結。「芸術に対する造詣の深さ、絵に対する慈しみと、限りない愛情が言葉の端々に感じられる」京都国立博物館名誉館長 佐々木丞平さん推薦!
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Posted by ブクログ
感動、圧巻、美しい!
本作がフィクションであることはもちろん分かっているけど、でも、それでも読み進めるうちに俵屋宗達とカラヴァッジョが本当に同じ時代を生き、どこかで出会っていたんじゃないかなと思ってしまうほど、その世界に引き込まれた!史実と想像の境界を忘れさせる圧倒的な説得力に、小説という芸術の力を改めて感じた。
小説は芸術だ!
私はカラヴァッジョに惹かれたことをきっかけに西洋美術を好きになって、その背景にあるキリスト教や歴史を学び、美術館へ足を運ぶようになった。その積み重ねがあったからこそ本作で描かれる東洋と西洋、芸術家たちの想いが一本の線で繋がり、以前の自分では味わえなかった感動を受け取ることができた。自分にも拍手ッッッ!
読後に改めて、絵はただ描かれたものではないということ
と、そこには画家の人生がありその時代があり、受け継がれてきた過去があるんだなぁ、、、って深く心に染みた。そしてその絵はきっと見る人それぞれの未来へと繋がっていく。
知識や経験を重ねるたびに同じ一枚の絵が違って見えるようになった、けど、世界は変わってない。でも、自分が変わる!その変化によって芸術は何度でも新しい感動を与えてくれる、、、はぁ、、、美しい。
で!!気づいた、、、!
絵画だけではなくて、小説も等しく芸術なんだって!
絵が色や線で心を揺さぶるように、小説は言葉で人の心を震わせる。だからフィクションであると理解していても、宗達とカラヴァッジョが本当に出会って、同じ心を共有し同じ時代を生きていたと信じたくなるほど心を動かされる!これって芸術だよね!
原田マハさんが美術を深く愛しているからこそ、その愛情が物語にも宿って、私の元に届いたんだなぁ。
風神雷神は、美術や歴史を題材にした小説ではなくて、芸術とは何かを感じさせてくれる一冊だった。
そして私にとって芸術とは、過去を残すものではなく時代を超えて誰かの未来へ届き、その人自身を少しずつ変えていくものなのだと教えてくれた、ような気がした。
原田マハさんの芸術をもっとたくさん浴びたくなった!
Posted by ブクログ
(上巻・下巻共通のレビュー)
風神雷神図屏風で知られる俵屋宗達が少年時代に織田信長に認められて天正遣欧使節のメンバー4人と共に欧州へ渡り、後に著名な画家となるイタリアの少年カラバッジョと邂逅するという、想像力のふりきれた物語。
主な語り手となっているのは宗達と原マルティノだが、天正遣欧使節に関しては、信仰心を強調しあるいは宗教画を賛美するだけの場面が多く、さほど深掘りはされていない。この作者の他の作品と同様、あくまで美術史ファンタジーとして読むのが正解であろう。
よく知られているように、天正遣欧使節は、帰国目前で日本で禁教令が出て、帰国は果たすもののそれぞれ苦難な運命を辿ることになる。イタリアから持ち帰った例の絵とマルティノの日記がマカオで眠ることになった経緯まで、もし作者の想像があるのならそれを描いてもらってもよかった。
この舞台設定にしては若干明るい部分だけに光を当て過ぎているのと、実際に風神雷神図屏風を見ても欧州からの影響がほとんど見て取れないので、星を1つ減らして評価4とした。
Posted by ブクログ
船で3年ほどかけて、俵宗達と遣欧少年使節一行は無事にヨーロッパに到着。ローマ教皇との謁見も果たし、ミケランジェロ、レオナルド・ダヴィンチの作品鑑賞をして宗達も衝撃をうけていた。ヨーロッパに着いたら思ったより豪華な旅で羨ましい(*´Д`)
『ユピテル、アイオロス。風神、雷神。東と西、ふたりの神、ふたつの魂が出会い、光を放つその絵。…真の傑作に出会ったとき、ただ黙ってその絵をみつめることしかできない。傑作はいかなる言葉も奪い去る。傑作の前では言葉など必要ないのだ。』
『「描かなあかん。わいも見せなあかん、わいの絵を。あやつに」』
ユピテルとアイオロスは、風神雷神であり、日本だけの存在ではなかった。国籍も言語も生きる世界も異なる東洋と西洋で、芸術によるシンクロ。慣れ親しんだ扇子に描かれていた神様が西欧で昇華、新たな作品を生み出す流れはフィクションとはいえ素敵な内容だった。
2026.8
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