原田マハのレビュー一覧
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ジャンル分けするとミステリになるのだろうか。導入部の不可思議さと、結末に舌を巻いた。まるで不可思議な絵画の世界に迷い込んだようなふわふわとした奇妙な感覚がある(そんな話では全くないのに)。
芸術や美しさを見ると心が洗われる人間がほとんどだが、それを見ると狂わされる人間もいる。例えば古の神話に姿を見ただけで狂うものがいるように、美しさはある特定の人間にとっては劇薬以上の何かの役割を果たすのではないか。
本作の登場人物たちも、美術や芸術の美しさによって狂わされていく。ある者は性愛に、あるものは金に。不思議なのは狂わされた人間たちが誰一人として欠片も自らを省みない事だ。運が悪かった、とでも言うように -
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こんな爽やかな小説があるのか!
原田マハさんというのは有名だったので一度読んでみようと思って最初に手にした本
空色のソーダみたいに爽快でキラキラで透明感があって
びっくりするほど さわやかとっても読みやすかったの と 心温まり そして ユーモア もあります
文章と構成がうまいなあと思いました
そして、たぶん書いてる人の心がキレイなことに読み手が癒される
この他にも原田さんの作品はいくつか読んだんですけど、出てくる人がみな良い人過ぎて不安になるわ とか、ちょっといい話すぎない?みたいなところがあるんですよね(多分にこちら側のモンダイ)。この本はちょっと短めなので そういう意味でも、そういう -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めから暖かい雰囲気で始まって、『ツバキ文具店』や『今宵も喫茶ドードーのキッチンで』みたいな柔らかさと安心感を感じた。登場するどの家族も暖かさがあるし、ハラハラするような事件は起きないから安心して読み進められる。
でも暖かさが胸に沁みて涙が出てくるから注意!
いっこおばちゃんが旅行中の怪我で歩けなくなって真っ暗なトンネルに入ってしまった時、晴日の結婚報告がきっかけでリハビリを頑張るようになる。家族が暗闇から救ってくれる存在になっているって理想的だなぁと思う。
初出に、阪急不動産株式会社ホームページって書いてあって調べたら、阪急不動産の「阪急宝塚山手台」とコラボした書き下ろし小説らしい。
そ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『本日はお日柄もよく』があまりにも素敵すぎて、ロスになったところで、家にこの『キネマの神様』があると気づいて、めちゃくちゃ嬉しかった!!
ずっと読みたい読みたいとは思ってて、読んでなかったんだけど…。
もーう、感激!!
名画って、ちょっとハードルが高いよなーって思うけど、この本が、私の扉をそっと開いてくれる気がしてる!!
『ニュー・シネマ・パラダイス』絶対見ようと思う!!
そして…読みながら思いを馳せたこと…父と、過ぎていく時間のこと。
読んでいるうちに、昔より少し丸くなった父のことを考えた。
まだまだ元気な父だけど、やっぱり年取ったんだなって思うこともあって。退職した後ってどんなふうに