原田マハのレビュー一覧
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ゴッホの歴史について、解説と原田さんの考察が書かれている。
ゴッホが語られる際、狂気の人とか、可哀想な人、みたいに表現されることが多い印象がある。
でも、それはやはり人の歴史というか、それだけの言葉では到底言い切れない色々があった。
本作でも言われているように、少なくとも狂気だけではないし、可哀想なだけでもない、と思った。
27歳で画家を目指したというのは驚いた。画家って小さい頃から夢見ているものかと思っていたけど、意外と大人になってから目指し始めた人多いのかな。
パリという芸術都市で挫折を味わい、そこから離れる選択をした時の心情を思うと切なくなる。
耳を切った話も、出来事だけ聞くとヤバい -
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原田マハさんのアートをモチーフにした短編集。
女性たちの挫折と成長がテーマの物語なので、美術に興味がなくても楽しめます。
傷ついたり、落ち込んだりしている人に読んでほしい物語です。
8月6日生まれの広島の女性のお話『ハッピー・バースデー』は、母子の絆をひろしま美術館のゴッホの絵が繋いでくれます。 すごく心が掴まれる物語です。
他にも、肉親を亡くしたり、ハラスメントで心を削られた女性たちが、偶然出会ったアートによって生きる力を取り戻す姿が描かれています。
作者も略歴も知らなくていい。ただ〈 あの絵〉のまえで純粋に絵をみつめること。きっと、それが大事なんだと思います。 -
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『お帰り キネマの神様』は、原田マハさんの小説『キネマの神様』の続編ではありません。
山田洋次監督によって映画化された『キネマの神様』の内容を新たに小説化したものです。
例えるなら「原作→映画→新作」でしょうか。そもそも、このノベライズ企画は山田洋次監督が『キネマの神様』を映画化する際、原作をかなり改変してしまったからなんです。
山田洋次監督は『小さいおうち』の時もちょっと原作のイメージと違う映画だったから、原作ファンは嫌なんだよなあ…。
そしてまた、映画のノベライズを原作者にやらせるなんて、いくら巨匠とはいえさあ…。
と思ったら、面白いんですこれが!
映画全盛期のワクワク感と、家族 -
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恩田陸の作品を読んだ後だったこともあり、ドビュッシーやラヴェルといった19世紀末から20世紀初頭の音楽家に触れたことを思い起した。彼らがパリで印象主義を音で表現する際の源泉となったのが、ドガやモネが描いた滲み出る色彩であった。その描写を通じて、当時のフランスの空気をうかがい知ることができた。
モネらが印象派へと移行できた背景には、写真・蓄音機・印刷機といった技術革新がある。芸術が記録や複写の役割から解放され、より自由な表現が可能になった。また、その芸術が広く民衆に行き渡り、華やかな時代を築いていたことが伝わってくる。
さらに、本書では多くの女性が評価される立場を求めながらも、不条理な社会に -
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原田マハ作品だーいすき!
ついでに、原田マハに出てくる人物のことも、好きになっちゃう。
今回は松方コレクションを作った松方幸次郎と、そのタブローにまつわる人々のお話。
日本に本物の西洋美術を見ることのできる美術館を創るために、まっすぐ、静かに炎のような闘志を燃やしているひとたちがとてもかっこいい。史実をベースにしているけれど細かいところに原田マハエッセンスが加わって、本当にそんな会話が当時なされたと思ってしまう。いま私たちは美術館に行けばすぐに本物にアクセスできるけれど、それはこの時代にコレクションを作り、守り、届けてくれた人々がいたからなんだ。みんな人情に溢れていて、とっても素敵。彼らのおか -
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あーおいしかった!
あ、違う、あーおもしろかった!!
楽しい文章にどれも美味しい書き方、思わず笑ってしまう小気味よい感覚
好きだわ!
私の前世はキャベツよキャベツ!
この方の描く美術関連の小説を数冊読んだことあり、こりゃすごい、と思っていたが
ご本人の3度の飯より美術が好きという情熱、さらにキュレーターとしての知識、
また現地に足を運んでいることがわかり、なるほど!!!だから、あの小説なのか
食を目当てに足を運んでいる節もあるが、現地の雰囲気を体で体感することに食の場というのは最適ではないか
すべての著書を読もうと思う
私も多少は美術が好きで鑑賞だけでなく、美術館の裏側も知りたく、10年ほ -
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ネタバレ戦後の沖縄で、アメリカ軍医と地元画家たちがアートを通じて友情を育む実話ベースの物語。文化も立場も違う者同士が、絵筆で心を通わせていく。著者が描き出す廃墟と化した沖縄の空の青と刺すような太陽の光が、痛みと希望を包括しているように感じる。
勝者と敗者、アメリカ人と日本人、そして沖縄人。それぞれの視点が交差する中で、アートが唯一の共通言語になる瞬間に何度も涙腺崩壊。優しさだけじゃない、戦争という歴史の棘もグサグサ刺さって心が痛い。
マハさんの美術系小説はやっぱりハズレなし。本の表紙になっている自画像も含めて、ニシムイコレクションはぜひ現地で見たい。沖縄行くか。