原田マハのレビュー一覧
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デトロイト美術館の危機からの存続を、まるで美術館を人間の一生に例えたような本だった。デトロイト美術館が辿ってきた時間と、その中にある絵画に、一瞬でも心を奪われた人々の美術館へ駆ける思いが本書からとても感じられた。また、物語の中に出てくる一文にこんな素敵な言い回しが目に止まった。「アートは私の友だち。だから、DIAは、私の「友達の家」なの。」このように、アートを友達という視点で捉えることやアートがある場所、すなわち美術館を友達の家と表現することで、少し堅いイメージがあるアートや美術館を親密に表現していることに心にグッと掴まれる体験をした。美術館へ訪れる人々はそれぞれ気が合う友達(アート作品)と出会い、それを守るために寄付をする。友達を守ることは当然でしょう?という言葉が本書から伝わってきて、いつかそんな素敵な出会いが満ち溢れているデトロイト美術館を訪れたいという夢ができた。
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Posted by ブクログ
国立西洋美術館の礎となる「松方コレクション」をめぐる物語。
どこまでが史実でどの辺までが創作なのかが分かりませんが、心熱くなりました。
解説によると、作品を買い集めるのに協力し、さらにフランスからの返還交渉を進めた田代雄一が矢代幸雄さんの偽名で、ほかは実名とのこと。
松方幸次郎の「美術館を作る、そのために美術品を買い集める」という想いは熱い。
そして、その想いのもと、協力した人たち。
ビジョンあるところに、人が集まり、それが行動となって、引き継がれ実現されていく。
それを最も感じたのが、日置釭三郎の物語。
戦時中、ナチに占領されたフランスで、命がけでコレクションを守り通した彼の生き様に熱いものがこみ上げてきます。
さらに、パリへの脱出はハラハラドキドキでした。
そんな想いを田代が引き継ぎ、返還交渉に。
戦火の中、コレクションを守り通した男。
敗戦後、コレクションを寄贈返還を実現した男たち。
こういうの涙腺が弱いのよね。
田代の振り返り言葉が熱いです
戦闘機じゃなくて、タブローを
戦争じゃなくて、平和を
そして
ほんものの絵を見たことがない日本の若者たちのために、ほんものの絵が見られる美術館を創る
これは、とってもお勧め!
国立西洋美術館に行かないと(笑) -
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板上ってどんな意味?って思って読み始めた。
宗像志功という人物の創作に向かう圧倒的なエネルギーとそれを献身的に支える妻チャの物語。
宗像志功は自分の作品を版画ではなく、板画と呼んでいた点が印象的だった。そこには木の板そのものの生命力を生かそうとする考え方があり、思想があるのだと感じた。
浮世絵には関心があり、これまで何度も観に行ったことがあるが、宗像志功の作品も見てみたいと思った。
(数点は観たことがあるが)
青森県立美術館
福光美術館(富山)
遠いけど行ってみたくなった。
倉敷国際ホテルも。
原田マハの「リーチ先生」を読んで民藝運動に関心を持ち、「板上に咲く」を読むと、その民藝の思想が宗像志功にも繋がっていると知った。 -
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【2026年読書記録No.2】
まさに原田マハさんと共にゴッホのあしあとを辿らせてくれた一冊。この副読本を読むことでより「たゆたえども沈まず」という小説の魅力を感じることができる。そして原田マハさんの優しい囁きと共にフィンセントがどのような生涯を生きたのかを感じることができるよう。
改めて原田マハさんという作家が描く、事実では解明されていない部分をいかに魅力的にフィクションとして描くかという真髄に少しばかりふれることができた気がする。ほんの数ヶ月で私にとってゴッホ兄弟と林忠正はとても惹かれる人物になった。いつかたゆたえども沈まないパリの街、そしてフィンセントにとっての日本があったアルルの街を巡りながら彼の生涯をこの足で辿ってみたいと思った。 -
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5つの星では到底足りないほど、いい作品に出会えた。
この話は20世紀初頭
女性初の単独飛行で世界一周へ挑む
エイミー・イーグルウィングが完走目前で
機体もろとも突然の失踪を遂げたこと。
また1939年に第二次世界大戦開幕の直前の時期、
民間機(現 毎日新聞社)として
純日本製の飛行機「ニッポン号」が日本人7人を乗せ
赤道を2回通過する正真正銘の世界一周飛行を
果たした2つの事実を織り交ぜたフィクションだ。
読んで率直な感想は
「めちゃくちゃ長かったけど、ものすごく良かった」。
私自身は
エイミーのモデルになった、アメリア・イアハートのこともニッポン号のことも全く知らずに生きてきしまったので、読みながら検索して事実をもとにしていると知りとても驚いた。
飛行機が安全に目的地へ飛ぶことへの過酷さ、
また軍用機として使用される悲惨さ、
女性の地位が低く、そのなかで世界一周に挑戦し、女性活躍のアイコン的存在になったパイロットがいた事など、今からたった100年前の出来事なのに
ずいぶん遠く感じてしまうのは、私が平和ボケしているからか。
エイミーとトビアスの掛け合いが
微笑ましく、離れていてもお互いを想い温かい言葉を交わす姿が好きだった。トビアスとエイミーの再会を願わずにはいられない。
ニッポン号7人の偉人のことも
今回を機会に、もっと知りたいと思う。
7人がどんな景色を見たのか。
世界はひとつ、空の上には国境はない と感じたか。
平和の親善として飛行したけれど、着陸した国によっては攻撃的な祝福をされたり、飛行機を通して当時の世界情勢や戦争勃発と紙一重な状況など
過酷な飛行もあったことが伺えた。
世界一周を遂げた後、乗組員の1人は
その後の戦争に召集され空の上で亡くなったと調べて知った。
世界一周を果たした7人とささえた人々へ
最大限のリスペクトを送りたい。
そしてやっぱり、
原田マハさんが大好きだ。
膨大な参考文献と事実をベースに
ラブな要素もはいることで戦争や政治的な冷たい内容だけでなく、温かく、自然とエイミーとニッポン号を応援したくなる物語だった。