原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
フィクションとノンフィクションをここまで巧みに混ぜ合わせ、「アート小説」という新しいジャンルの先駆者として書き続ける、「美術史小説家」の原田マハさんには感動する。
こんな風に現実と創作を融合させるのは良くないという教育者や学者、その他様々な人は沢山いると思う。
でもこのアート小説のおかげで、
美術というものの敷居を低く感じてくれる人がいて、美術館に実際に足を運んでくれる人が増えているのは間違いないと思う。
だったら全然ありなのでは?
読んでいて、「ここは美術史として学びに繋げられそうだな」って部分と、ここは「フィクションかな」と思い、知識としてではなくエンターテーメントとして楽しむ部分 -
Posted by ブクログ
ええもうそりゃあ一気読みよ…。面白かった。
この、圧のある表紙とページ数に反してほんま、するする読めると思う。
上巻は「十五少年漂流記」みたいなアクション小説みもあったけど、下巻は、絵画がどれほどすばらしいかという著者の熱量を読んだ。^^
どちらも面白かった。
絵画や、カラヴァッジョに対してわたしに知識があれば
「…!!」
ってなった箇所は多々あったんやろうけど、いかんせん…(笑)。
あと、上巻をすでに返却してしまったのを
「アホかーっ!!」
ってのたうち回った。
上巻でまいた伏線の回収をもっとじっくり味わえたのに…!
まあそれはそれとしても、面白かった。
あの時代にイタリアまで行 -
Posted by ブクログ
初めて出会う「アートの達人」そんな人たちの言葉、そして生き様に触れた。福武總一郎氏の「世の中で一番崇高なことは良いコミュニティを作ることだ」「物書きはお金が入るけど、こっちはお金を使う。大きな違いじゃないですか(笑)。そもそも大量生産でしかお金儲けなんてできません。でもアーティストたちは1点1点に自分の問題意識、社会に対するいろんな思いを込めて作品を作る。そう考えるとだんだん作品が「見えて」きます。」という言葉や、谷川俊太郎氏の「これだけはやった、今後これはしたい」というマハの質問に対して「結婚離婚を三回したこと。『ことばあそびうた』を出したこと。やってみたいことは『死ぬ』こと」などが印象的だ
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Posted by ブクログ
京都国立博物館研究員である望月彩のもとにマカオ博物館学芸員レイモンド・ウォンが現れる現代から、キリシタンの若き少年達天正遣欧使節4人がローマに向かう織田信長の時代に話が遡る。なんと俵屋宗達がこの遣欧使節に同行しローマは行った、という設定。もちろんフィクションなのだか生没年さえも不明な俵屋宗達なのでそんなこともあるかも、と思ってしまう。
上巻は俵屋宗達がローマに行くことになった経緯、有馬のセミナリオ(小神学校)が開設された経緯、ここで学ぶキリシタン大名たちの子供らのことが書かれている。遣欧使節となる4人の少年達と宗達の出会いがとても自然でまるで史実のようで著者 原田マハの構成の巧みさに感嘆した。 -
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原田マハさんの作品に出てくる人物はみんな魅力的だ。
俵屋宗達が絵にかける想いに目頭が熱くなった。これだけ何かに情熱を持って心血を注いで時間を忘れてまで取り組める何かを持っているって本当に素晴らしいことなだと思う。羨ましいと思った。
宗達が狩野家で洛中洛外図屏風を描く時、初めての師匠とも言える狩野永徳と菅次郎に尊敬の意を持つ描写がとてもぐっときた。(織田信長はやはりここでもかっこよい…。)
マルティノと宗達がお互いを認めて、尊敬し合って、頼りあってローマを目指す姿も本当に素敵だった。
ハラハラしながら自分も一緒に長崎からローマまでを旅しているような気持ちになる。
果たして下巻ではどう話しが進 -
Posted by ブクログ
史実でありフィクションでもある、
マハさんのこちらの小説。
民藝という物を余りよく知らない人でも、
素直に内容が頭に入ってくる、尚且つ民藝のもつ魅力に気付かせてくれる。とても温かな一冊です。
イギリス人のバーナード・リーチが日本の美に触れ、民陶に触れ、自分の郷里でやりたいことを成し得るまで。
まずはマハさんの膨大な知識量に脱帽いたしました。リーチ先生はじめ、登場する柳宗悦や濱田庄司などの見事なまでに性格や思考の癖を捉えた言葉遣い。1人1人の人物の心の豊かさが、マハさんを通して温かく伝わってくる。
また、解説でも述べられていたがバーナード・リーチの伝記ということもあり、本書を読むだけで、 -
Posted by ブクログ
まだ下巻が読めてないけど、既に面白すぎる!
歴史苦手だけど、そんな事どうでも良いくらい楽しく読めます。安土城や南蛮寺、作品、人物等スマホ片手に読み進めました。マハさんのアート小説は久々ですが、史実なのかフィクションなのかその絶妙なバランスがやっぱりいいです。もはや史実であってほしいです。絵を描くシーンはこちらも息が苦しくなるほど没頭して読んでしまいました。物語のメインやはり風神雷神だと思いますが、洛中洛外図が見たい!狩野永徳が描いた洛中洛外図屏風は米沢市の上杉博物館にあるそうなので、いつか絶対に行きます。マハさんの小説はいつも色々な場所へ導いてくれます。