原田マハのレビュー一覧
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読み上げた(読み終えた)…!そんな達成感がある。民俗学や土着の文化や信仰に少し興味のある私としては明治時代の津軽という舞台はとてもよかった。何度も出てくる“三重苦”という言葉。見えず・聞こえず・話せず、身内からも“けものの子”と呼ばれていた少女が、どのように言葉を習得していくのか?その概念をどう体得していくのか?とても興味深く読み進めていった。
ヘレンケラーの伝記は小学生の頃に読んだ。児童向けの漫画シリーズだったと思うが、サリバン先生が自らの口を触らせて発声を教えるシーンが印象的だったのを覚えている。
一対一で本気で向き合うということ、生半可ではないその覚悟は伝わるのだなと。幼少期に数ヶ月生活 -
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本書を読むと陶芸をしてみたくなる。
明治時代に日本の美術に興味を持ちイギリスから訪れたバーナード・リーチ氏は実在の芸術家だ。英国人として(外国人として?)初めて本格的に日本の陶芸を学び、母国でも陶芸および日用品の美しさを広めるために尽力した。彼が日本で交流し刺激を受けていたのは、武者小路実篤とか高村光太郎などそうそうたる白樺派の文豪たちであり、芸術家たちであった。
何十年もリーチの助手として共に成長した亀之助が主人公である。著名な陶芸家となったリーチ氏が晩年に九州の窯元を訪れたときに亀之助の息子と出会うことから話が始まる。
原田マハさんはあのペースで出版しながら、一つ一つの著書に克明なリサーチ -
Posted by ブクログ
「アート小説家」となるべくしてなった原点を垣間見た気がする。
各地の美術館へ出かけて絵画を鑑賞する事を、
「友達に会いに行く」とおっしゃるマハさん。
この対談は友達の育ての親、保護者に会いに行っているよう。
そして、絵画にとどまらず、音楽や建築、文学や重要文化財、映画などなど・・・なんて幅広い!
内容も、子供の頃の話から、夢の話や、子供たちに希望が持てるような話がたくさんあった。
六花亭やフジコヘミング、安藤忠雄、谷川俊太郎など、特に興味深かった。
尊敬する稲盛和夫さんが寄付した話は、さすがだった。
マハの由来も知れたし、益々の活躍を期待したい!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ一年以上遠ざかっていた原田マハさん。
美術の話は敷居が高く、頑張らないと読めない時があるけど、音楽の話はスッと入ってくる。特にクラシック音楽の好きな私にはもってこいの小説だった。
父子の確執?母子の逸話?友情や恋物語?いえいえこの話の中核を成すのは16歳を迎える和音といきなり母として家に居座ることになった真弓の物語だ。少なくとも私にとってはこの二人の繋がりがど真ん中だ。
不器用で真っ直ぐな者たちがぶつかり合うさまは心地よい。真実(ほんとう)をぶつけ合っているから。
チェロにさわれなかった和音が、母のために真弓とチェロを奏でる。しかし真弓を襲った悲劇。でも、和音は鼓膜でなく胸に響かせようと、チェ