原田マハのレビュー一覧
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原田マハ作品だーいすき!
ついでに、原田マハに出てくる人物のことも、好きになっちゃう。
今回は松方コレクションを作った松方幸次郎と、そのタブローにまつわる人々のお話。
日本に本物の西洋美術を見ることのできる美術館を創るために、まっすぐ、静かに炎のような闘志を燃やしているひとたちがとてもかっこいい。史実をベースにしているけれど細かいところに原田マハエッセンスが加わって、本当にそんな会話が当時なされたと思ってしまう。いま私たちは美術館に行けばすぐに本物にアクセスできるけれど、それはこの時代にコレクションを作り、守り、届けてくれた人々がいたからなんだ。みんな人情に溢れていて、とっても素敵。彼らのおか -
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正直、これまでピカソの作品にそこまで強い関心を持ったことはなかった。けれども原田マハさんの『暗幕のゲルニカ』を読んでから、いつか本物の《ゲルニカ》を自分の目で見てみたいと思うようになったし、ピカソの他の作品にも自然と興味が湧いてきた。
作品の核には「戦争」という重く避けられないテーマがある。それでも物語を通して伝わってくるのは、戦争の悲惨さを超えて「平和を願う気持ち」だった。ピカソが芸術を通じて訴えかけるメッセージは、時代を超えて今を生きる私たちにも深く響き、共感できる部分が数多くあった。
また、今回もマハさんの文章は本当に美しく、心に残る表現が随所に散りばめられていた。読みながら思わず書 -
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あーおいしかった!
あ、違う、あーおもしろかった!!
楽しい文章にどれも美味しい書き方、思わず笑ってしまう小気味よい感覚
好きだわ!
私の前世はキャベツよキャベツ!
この方の描く美術関連の小説を数冊読んだことあり、こりゃすごい、と思っていたが
ご本人の3度の飯より美術が好きという情熱、さらにキュレーターとしての知識、
また現地に足を運んでいることがわかり、なるほど!!!だから、あの小説なのか
食を目当てに足を運んでいる節もあるが、現地の雰囲気を体で体感することに食の場というのは最適ではないか
すべての著書を読もうと思う
私も多少は美術が好きで鑑賞だけでなく、美術館の裏側も知りたく、10年ほ -
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ネタバレ戦後の沖縄で、アメリカ軍医と地元画家たちがアートを通じて友情を育む実話ベースの物語。文化も立場も違う者同士が、絵筆で心を通わせていく。著者が描き出す廃墟と化した沖縄の空の青と刺すような太陽の光が、痛みと希望を包括しているように感じる。
勝者と敗者、アメリカ人と日本人、そして沖縄人。それぞれの視点が交差する中で、アートが唯一の共通言語になる瞬間に何度も涙腺崩壊。優しさだけじゃない、戦争という歴史の棘もグサグサ刺さって心が痛い。
マハさんの美術系小説はやっぱりハズレなし。本の表紙になっている自画像も含めて、ニシムイコレクションはぜひ現地で見たい。沖縄行くか。
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560ページでボリュームたっぷりに描く史実を基にした長編航空スペクタクル。ストーリーの構成も見事で、冒頭の現在軸から一気にタイムスリップして読者を未知なる冒険へと誘ってくれる。国境を越えた人々との出会い、別れ、衝突をまるでその場にいるかのような臨場感たっぷりに丁寧に描写してくれる。匂いや振動が伝わってきて手に汗を握る展開も随所にあるので全然飽きない。やっぱりエイミーという素晴らしいキャラクターが物語の魅力を通底していて、後半は完全に虜になる。
毎日新聞の世界一周が元ネタらしいけど不勉強で全然知らず、ウィキを見ても情報が少なかったので戦後80年の今、もっと注目されていいのでは?
読み終わった -
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今日も関東は激暑でした。
本当に日本はどうなってしまったのか。
先日沖縄に旅行に行った友人が、沖縄は涼しかったよと言っていて、夏の沖縄は避暑地だったっけ?と不思議な感覚でその話を聞いていた。
庭のお花達の面倒を見るのも難しく、水を遣るのがせいぜい。しかも大汗かくので、大急ぎで終了する。庭の水撒きは、心のオアシスだったはずなのに。なんという違いだろう。
日本の古き良き夏は、どこへ。。
で、異邦人ですが。
久しぶりに星5としました。
面白い!よくできたお話でした。
特に、京都を舞台としているので、その京都らしさと画家の作品とがコラボしてなんとも言えぬ、世界観を醸し出していて、美しかった。
芸 -
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版画家・棟方志功の妻であるチヤ目線で描かれた物語。
棟方志功は10代の頃にゴッホの「ひまわり」を見て「わぁゴッホになる」と宣言し画家を目指したというエピソードは有名。
私は津軽圏である弘前市の出身なので、棟方志功の版画は小さい頃から身近にあった。何せ弘前市民会館の舞台の幕が、棟方志功の版画の柄なのだ。
だけど彼の生涯については知らなかったから、チヤと出逢って夫婦となったあともしばらくは売れない画家のままだった棟方が、運命的な出逢いによって上り詰めていくエピソードなどは初めて知った。
棟方志功のイメージといえば、極度の近視であったため限りなく板に目を近づけた状態で彫る姿。
妻の目から見た棟方は、 -
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2025/08/11
とても読み応えがありました。延べ600ページくらいあって初めてこのくらいの分量の小説を読んだのですが、どんどん話に引き込まれていく感覚があります。
実在したイギリス人陶芸家のリーチ先生(バーナード・リーチ)や日本の文化を担っていた実在の人物たちの史実における交流や変遷を、沖高市とその父である沖亀之助という架空の人物をおりまぜることで進んでいく陶芸という芸術ジャンルの国際交流や、陶芸という世界を目指す人たちの当時の奮闘を描いたお話しです。
高市のいる町にリーチ先生が視察にやってきて、そこで高市がリーチ先生と過去に深いつながりのあった亀之助の息子であることが分かる。その後、亀