原田マハのレビュー一覧
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様々な女性を主人公にした短編集。
辛いことや悲しいこと、大きな問題に直面する物語もありますが、どのお話も言葉の選び方がとても優しく、読み終える頃には心が温かくなる作品でした。
原田さんの作品は『本日は、お日柄もよく』で初めて読みましたが、誰かを傷つけるためではなく、そっと寄り添うために言葉を紡いでいるような文章が本当に好きです。
この一冊は、派手な展開で読ませる作品ではありません。
けれど、誰かを思いやる気持ちや、人生の苦しみ、家族や恋人への愛情を、優しい言葉で丁寧に描いてくれる作品でした。
原田さんの作品に触れている時間は、私にとって心を温めてくれる大切で愛おしい時間です。 -
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俵屋宗達が天正遣欧少年使節とともにローマを訪問する下巻。宗達の使命は信長からの献上品を届けるとともに欧州の王国を具にみて描き写してくること。この辺りがストーリーの肝と言えるだろう。
天正遣欧少年使節の長崎出発が1582年2月、本能寺の変で織田信長が討たれたのが1582年6月。ローマ教皇に献上品を届けるという信長の命を受けて、それを宗達は実現した。しかしさらに重要な命である海外の列強の姿や人々を信長に伝えることは叶わなかった。ローマに向かった宗達は帰国するまで信長の死を知らなかったが、もし宗達が戻ってきた時に信長の天下だったらどうなんだろう。といった妄想も楽しめるというところ。
天正遣欧少年使節の中にアグスチーノという印刷技術習得要員はいたらしいが、詳細は不明。そこに俵屋宗達を当てはめたという発想は見事としか言うようがない。ダヴィンチの最後の晩餐は、ミラノにある教会の食堂の壁画であることを知っている原田マハだからのストーリー。
ワクワクの上巻からの期待から後半の宗達の絵画への渇望がどうなっていくのかというあたり、ちょっと描き方が物足りなくもないが、この設定を立てたところでこの話の魅力は決まったようなものだ。ツッコミ所は多いけど、フィクションだからありありでもいい。歴史の中での若き絵描きの夢が広がっていく感じがとても良かった。 -
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ゴッホの人生と絵について、原田マハさんが解説している。
ゴッホの絵はずっと好きで惹かれていたが、理由が言葉にできず、よく分からなかった。晩年、精神病院に入院するなど狂気の人というイメージもあり、もやもやした気持ちもあった。
しかし、本書を読んで、ゴッホの魅力が明確になった気がする。最大の魅力はまず色彩。そして、絵から感じられる孤独感や寂しさ。そして、それは単なる孤独ではなく、それを味わい深い芸術に発展させていると、原田マハさんは言う。ゴッホは世間で認識されているような狂気の人ではなく、勉強熱心でインテリ。ゴーギャンとの交流から想像性に気づき、その後の作品では自らの空想を独創的な芸術に高めている。ゴッホは悲劇的な辛い最期がよく言われるが、原田さんは、孤独のなかでも芸術を高めた強い人だったと思うと言い、その言葉に救われたような気がした。 -
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絶対おばあちゃん倒れるだろうと思ったら案の定。そこら辺はカフーを待ちわびてと似てる。でも亡くならなかったのは良かった。
怖くも優しいおばあちゃん。
灯明をあげた仏壇に向かって、手を合わせ、一心に祈るおばあの後ろ姿があった。仏壇には、企画書が大切そうに供えられている。おばあの後ろ姿はぴくりとも動かない。頭を深く垂れたままで、いつまでもいつまでも、おばあは祈っていた。
どうか、あの子の企画が通りますように。声にならない祈りの声が、まじむの耳に響いてくるようだった。
真心こめて。
マジムって変な名前って思ったら、真心って意味。素敵。風のマジムってお酒が本当にあったら良いのに。
映画にもなっていて、真っ直ぐに夢を追うマジムはあの人だろうと思ったらやっぱり沙莉さん。元気で真っ直ぐな良い役多すぎね。
富美枝はフレネミー的なの?と思ったけれど、面倒くさがりなだけで、協力してくれるし社員になるし良い人でした。富美枝の一言↓
「嫌味や意地悪は、あの人の愛敬だと思えばいいわけだからね」
は良い言葉だなと思う。
そうやって育ててやった酒は、親である私よりもずっと長く生きていくでしょう。
真心をこめて造っているんです。人々にいつまでも飲み継がれていく酒になるように
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NHKでドラマになっており、素敵な内容だったので原作も読んだ。
や~~~~、ドラマも素敵だけど原作もすごくよかった。
なんというか私は遠くに連れていってくれる小説が好きで、読み始めたところから読み終えて、遠くまできたなあ…と思えるような作品が好みなのだが、これはまさにそれだった。
”ここに帰ってきたい”と思える場所がある幸福とか、その得難さ、血の繋がりが家族ではないことや、あたたかな連帯、そういったものがゆっくりと互いに影響していて、自分の生活や人生に後ろめたさとか悔いていることがある人はいて、場合によっては大きなことだったり取り返しがつかないものだったりすることもある。
有り体に言えば、傷の舐め合いなのだろうけど、だからなんだという話だ。逃げたくても逃げ場所がなくて途方にくれている人たちが、行き着いた場所でたまたま出会って、自分の罪責を抱えながら、それを抱え続ける苦しさをだましだまし和らげながら生きて、何が悪いというのだろう。それが人間が生きることではないのか、というメッセージが含まれているように思う -
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────── けれど私は、いま、大スクリーンになど一生名前が現れないような、多くの名もない映画愛好者たちが集まる、この「キネマの神様」こそが、最良のスクリーンだと思っている。名もなき小さな平和が、このスクリーンをいつまでも満たしてくれることを、ただ、願っている。
君に神のご加護を。 ローズ・バッド
今年は原田マハさんの作品をたくさん読んでみようと思い最初に選んだのがこの作品でした。
簡潔に言うと、最高の作品でした
私自身、小説を読んで泣くことはほとんどないのですが、思わず電車で読みながら人前で泣いてしまうところでした…。それくらい感情を揺さぶられる魅力的な1冊です。
登場人物1人1人の魅力もあり、それが合わさって大いなる人間のあたたかさにふれることができました。
何か心から好きと思えるものがあることがどんなに幸せなことか、そして大切なことか…
たくさんの人と人の繋がりが感動をもたらします。
そして、映画の神様が起こす奇跡の物語りです。
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最後に映画を観たのはいつだったか考えたが、考えても思い出せないぐらい観てなかった。
というより、本を読むので映画がもうイメージと違かったりすると観る気が失せて観るという気持ちもあまり無かった。
しかし、この本を読んで映画も観てみたいと思った。
ゴウさんのキャラが、あまりにも好きで自分も父親を反映させながら読んでしまった。
だらしないというか、いい加減な人なのに、なぜか人を惹きつけて止まない。
なんなら一人称の「小生」という文字が出てくる度に心踊った。
ほんとにキネマの神様がいるとしたら、色んな人の気持ちを奮い立たせて、すごいことだと思った。
最後は涙が止まらなかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ続編かと思い楽しみにしていましたが、続編ではなく、映画の脚本を更にアレンジした作品でした。
自分は小説のキネマの神様が素晴らしくて、映画を観ていないのですが、やはり映画やドラマになると、脚本によってだいぶ話も変わるんですね。
今問題になっている芦原妃名子さんの作品がドラマと原作で全然違うということは、実際よくあることだと思いますし、その最たるものはドラゴンボールの実写映画だと思います(全員同意見であれはクソ映画だった)。
しかし、著者のすごいところは脚本によって形を変えた作品を、更に本人が手を加えて、大枠は同じだけども全く違った作品を世に送り出したところです。
そして、生まれ変わった著書も素晴らしい作品でした。
映画も観てみようと思いました。