あらすじ
範子―偶然目にした詩が、自分たちを捨てた父親の記憶を呼び起こす。陽菜子―意識不明の夫の口座に毎月お金を振りこみ続けていた人物と対面。咲子―不倫と新たな恋。病気を告知され自分の願いがわかる。麻理子―行方不明の親友と暮らしていたNYのアパートを、7年ぶりに訪れて。―その瞬間、4人の女性は何を決意したのか? 『楽園のカンヴァス』で2012年文芸界の話題をさらった新星が揺れ動く女性たちの心情を描いた傑作。
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Posted by ブクログ
アートが題材じゃない原田マハ作品は初めて。
胸が締め付けられて、ジーンと余韻を残す終わり方をそれぞれの話で毎度作る。どのエピソードも登場人物の決断や心境を苦々しく表現しており、胸に迫ってくる。時間を置いて再読したい一冊。
Posted by ブクログ
どの作品も秀逸です。胸の奥がキュッと切なくなり、女性の悲しみ、辛さが描かれている。でも、悲壮感は感じられず、前を向いていこうという強さも感じられる。
本当に秀逸です。
Posted by ブクログ
短編小説のようになっていて、
それぞれが女性の物語であった。
私が印象に残ったのは、夏をなくす。
夫の心舞い上がってるっていうメッセージを見た時の主人公の強さ。
自分も不倫してるからただ頭を抱えただけなのかもしれないけど。
乳がんになったことを夫に言えなくて、不倫相手とは関係がおわりそうで。
そこであの決断をしたあの島に残るとして、生き抜くことを決めた女性は強いとおもった。
青柳が事情を抱えているのも驚いた
幸せになって欲しいとおもう
青柳が海におしっこしてるシーンで
海とセックスしてるみたいって言ったセリフが
何故か頭にすごく残る
Posted by ブクログ
中、短編の4篇・・・どれもどれも・・・
最後のほうは(2編)昔々洋画ばかり映画館で見ていたころの‥スクリーンを見ているようでした。この作家さんはきっと私がさらに好きになっていきます。
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マルタ島旅行中に読んだ。ひとり海外旅にぴったりの本だった。バリバリ働いて、お金、パートナー等手にした女性がふと岐路に立って人生を振り返る。短編ほどではない中篇がいいなーと思った。
Posted by ブクログ
2023.8
9月に読み終えたのだけど、感想を書くのを忘れていた。泣いてしまうので途中まで読んでから暫くの間眠らせていたけど、夏が終わるまでに読み終えたかったので良かった。今の年齢に合う本だった。泣きながら読んだ。
Posted by ブクログ
40代になって年相応に浮上する人生の転機となる出来事、駆け抜けてきたこれまでを振り返って立ち止まる節目と向き合った時の女性たちがこれまで築き上げてきたキャリア、人間関係、一つひとつが繋がっていくことを認識する物語だった。
女性たちの人や自分との向き合い方や向き合った時の感情がそれぞれの物語から共感したり学んだりとても面白かった。
Posted by ブクログ
絶対過去に読んだことある、と読み始めて気付いたけど、また最後まで読んでしまった。なんとなく後ろめたい、人に言えない事情や過去を持つ女性たちの話で、私が状況に共感できるという人は別にいないのに、気分悪くならず最後までスラスラ読める。不思議。文学として優れてるんだろうなあと思う。
性欲あった方が人生楽しいのかもな〜と思ったり、そのせいで人生破滅することもあるんだろうな〜と思ったり。
Posted by ブクログ
不倫する側の気持ちは分からないのだが、まあ実際生きてるといろいろ見たり聞いたり関わったりするので、生々しさを覚えながら拝読。弘法に筆の誤りがあっても、原田マハさんには外れなし。全編好きだったが、特に始めと終わりの編がお気に入り。
Posted by ブクログ
原田マハ、続けて読んだ。たくさんの経験を経て、40代で作家になったらしい。読み応えがある。「ごめん」は悲しい物語だけど、おりょうさんが素敵な人でよかった。
Posted by ブクログ
★★★★☆四編収められています。天国の蠅、ごめん、夏を喪(な)くす、最後の晩餐。これまで読んできた作品とちょっと雰囲気の違う感じで大人の女性が主人公の内容でした。その中でもちょっと切なくなる「ごめん」が特に印象に残りました。
Posted by ブクログ
「夏を喪くす」はこの短篇集に収録されているうちの1篇のタイトル。
意図があるかどうかは分からないけど、収録されている4篇すべてに「喪う(失う)」要素があったように感じた。あらゆる意味での、「喪う」ストーリーたち。
その中でも表題作の「夏を喪くす」は一番分かりやすい。実年齢より若く美しいことをアイデンティティとして生きてきたアラフォーの主人公・咲子が、乳がんになり、乳房を全摘出しなければならなくなる。夫との関係はもうとっくに破綻していて、歳の離れたステディな不倫相手はいるものの…という物語。
女性にとっての象徴を喪うということ。とくに美しさをアイデンティティとしてきた咲子にとっては、女性であること自体を喪くすことと同義で、彼女は事態を理解したときにとある決断を心の中で下す。
自分自身の身体に物理的に存在していた何かを喪う。それはきっと精神にも大いに影響を及ぼす出来事。
そんな中でもバリバリ働く女性の咲子はいつも通りの日々を過ごすが、その途中で、仕事のパートナーである青柳にも、「喪う」につながるとある重大な出来事が起きていることを知る。
他、事故で意識不明のまま目を覚まさない夫が隠し持っていた秘密を探る「ごめん」(これも夫婦関係が破綻しているのがミソ)、娘が雑誌の詩の投稿で佳作に選ばれたことからひっそり詩作していたどうしようもない父のことを回想する「天国の蝿」、9.11以降行方不明のままの親友クロと自らの裏切りを追想するニューヨークが舞台のお話「最後の晩餐」。
全員、女性が主人公の物語群。
形あるもの、形のないもの、色んなものを人は喪う。自分の意思ではどうしようもない出来事もあれば、自分の選択によってそうなってしまう場合もある。
喪ったのか、手放したのか、その時は分かりかねることもあるけれど、自分から手放したことが後になって大きな傷になることもある。
原田マハさんのあまり感情が絡まない美術ミステリがとても好きで何冊か読んできたけれど、人のどうしようもなさを描いた作品もやはりいいな、と思った。
知識や経験という下地があるって強い。そして、人の感情がよく解るということも、同じく強い。
Posted by ブクログ
どれも結構重めでシビアな作品。夏を喪くすとは人生の夏を謳歌してきた主人公が人生の秋を迎える決意を表しているように思えるという解説を読んですごくしっくりきた。特製カバーが可愛くて買ったけど当たりだった
Posted by ブクログ
いや、まいった。短編集で、こんなに心を揺さぶられるなんて。初めてだ。自分でびっくりしてる。
「天国の蝿」、「ごめん」、「夏を喪くす」、「最後の晩餐」の四編が収録されています。
「天国の蝿」
北陸の地で、夫と娘の3人で暮らす岡崎範子。娘の投稿した詩が載ったという雑誌を見ていたら、「天国の蝿」という詩にふと目が止まる。
「ごめん」
夫の杉本純一が、仕事中の事故で植物状態に。陽菜子はあるとき、夫の預金通帳を見つける。そこには、毎月同じ金額の振り込み記録があった。
「夏を喪くす」
同志の青柳透と共同で小さな建築会社を立ち上げて3年、野中咲子は順調に仕事をしている。夫がいる一方で恋人もいるが、体に異変が。
「最後の晩餐」
上海に住みアートビジネスをしている麻理子は、7年ぶりにニューヨークのマンハッタンを訪れる。親友のクロが行方不明になってからもずっと、アパートの家賃が支払われ続けているという。
まず「天国の蝿」でこんなに泣くとは思わなかった。読み終えたとき、ボロッボロ泣いてた。苦しみの涙です。心が、もう痛すぎて。
そして「ごめん」で呆然。こ、こんなんアリか。こんなに優しい、いい話になるとは。戸惑いながらもじーんと感動している自分がいる。
「夏を喪くす」では、ちょっとトーンダウン。物語としてはおもしろかったけど、あんまり私の好みではないかな。
ラスト、「最後の晩餐」でまたじーんと来た。これは、切ない。2時間ドラマをじっくり見たような、充実した余韻が残りました。
それぞれが濃密で心動かされた短編集でした。
Posted by ブクログ
天国の蝿
岡崎明日香
範子の娘。神戸の国立大学に入学。
範子
小さな製菓会社の総務で働いている。旧姓阿川。
範子の夫
範子の母
範子の父
片桐忠雄
範子が学生時代にバイトしていたファミリーレストランのウェイター。
ごめん
杉本陽菜子
純一が事故にあったとき恋人とプーケット島のコテージにいた。広告代理店勤務。
純一
陽菜子の八歳年上の夫。勤務先のゼネコンの建設現場で事故に巻き込まれ、意識不明の重体。
純一の母
正哉
陽菜子の十歳年下の恋人。陽菜子とは同じ会社の他部署に所属。
日枝努
純一の高知赴任時代の同僚。
おりょう
屋台のおかみ。
夏を喪くす
野中咲子
透とは建築設計・開発プロデュースをする小さな会社「ユニテ都市研究所」の共同経営者。四十歳。
青柳透
咲子とは建築設計・開発プロデュースをする小さな会社「ユニテ都市研究所」の共同経営者。
竹沢
ユニテ都市研究所の所員。
高見
ユニテ都市研究所の所員。
渡良瀬一
咲子の体の異変に最初に気づいた。青柳と参加したコンペの審査員だった。
最後の晩餐
麻理子
マリコ・チグサ。ニューヨークに移り住んだ。
ジュゼッペ・セラーノ
ナポリ出身のイタリア人若手建築家。
クロ
サクラコ・クロキバヤシ。行方不明になって六年。
ミセス・キャンベル
アパートの大家。八十七歳。
ジェフリー・スミス
クロが勤めていたチェルシーのギャラリーのディレクター。
ミランダ
リンディー
ジェフリーの自慢の妻。
マシュー
ジェフリーの一人息子。
イアン・クロフォード
八年まえ、メトロポリタン美術館のアシスタントキュレーターだった。二年前にキュレーターに昇格。
ミズ・ジョセフィン・ウィリアムズ
不動産業者。
Posted by ブクログ
揺れる女性4人の短編集。
夏を喪くすが一番好き。
とても悲しい現実を前に、一縷の望みを見出していく女性達。
それぞれ何かを無くしながら、無くしたものへの愛を忘れず生きていく。
弱くて強い。
Posted by ブクログ
どの話も面白かった
ごめん が1番好きだったかな
最近、大人の恋愛を知るようになって
浮気や不倫なんて理解ができなかったけど
理解してしまっているような自分が怖い…
お互いそうで成り立っていたらいいけど、お互いそうじゃない場合は誰も幸せにならない…
そんなことしそうにない人でも何か隠し事はあるって、怖いなあ
その秘密を知った時にもまだその人のことを好きでいられるのだろうか?
Posted by ブクログ
短編集だけど短すぎず読みやすくて満足だった!
どれも不倫とか家族、いなくなった友人など、重めだなーって思った。
天国の蛇の詩が一番心に残った。
どれも共感できなかったけどみんな色々抱えて生きてるんだなって思った。
Posted by ブクログ
初めて原田マハさんの本を読んだ。
登場する人々にはリアルな人間らしさがあるが、私とは価値観が違うというか、真ん中の大切にしている部分が違う人々だと感じながら読んだ。
短編集なので、お風呂の中で毎日一話。ちょうど良い長さだった。
他の作品もタイミングが合えば読みたいと思う。
Posted by ブクログ
「でもなあ。橋、造りたかった。この先、見えなくなっても、心の中にいつも見えてくるような。生まれてくる子供に、いばってみせてやれるような」
さくさく読めた。”失くす”でも”無くす”でもなく、”喪くす”。
Posted by ブクログ
割と早く読み終えました。短編集だけど、先が気になる展開の良さがあり、読みやすかったし、よかった。
最後の終わり方が、もやっとしたまま終わるので、何だか物足りなさはあります。
Posted by ブクログ
身近にいればできれば関わりたくないな…と思ってしまう主人公が多かったが、特に「夏を喪くす」にはスッキリとした読後感があった。
夫、恋人、仕事。乳癌の宣告をきっかけに様々な葛藤を乗り越え、自分の人生を改めて歩み出そうとする主人公の強い意志が感じられたからかもしれない。
どうしようもないくらい暗い状況なのに、描かれる沖縄の描写はとても綺麗で、スラスラ読めてしまった。
Posted by ブクログ
普段からアート作品ばかり、つまりは美しいものを美しく書くことに長けた筆者が、不倫や愛憎を、美しくなく書くという試み。なくす、と読むのか。ひとしきり読んでみて、美しくないものを書いているが、何故が美しい読後感がある不思議。
Posted by ブクログ
ちょっと私とは地域も働き方もかけはなれた、洗練された?都会的な?女性たちのお話ではある。
ただ一つ一つの物語がその女性の思いや在り方に区切りをつけていく話であると言うことであればすごく分かりやすい。そして、この物語の男性たちは時に情けなく優しくそれでいて冷たい。男女にかかわらず人はそんなものかも(笑)
「嘘つき」から、「ごめん」、「いいの」の下りは特に決意がある。
高知に旅行したくなる(笑)いけないけど。
Posted by ブクログ
「喪う」__自分から離れ、所有権をなくす。
胸にできたしこりは、一見人生を謳歌しているように見えた咲子の孤独や不安のように思えた。不安定な愛は捨て、自分を愛する決断にすっきり!どの短編も最後に明るい予感を感じさせてくれました。
Posted by ブクログ
4編からなる中編集。
残念ながら、イマイチでした。
女性の生き様を語る物語ですが、あまり共感できませんでした。
■天国の蠅
ある詩から、子供の頃の悲惨な生活を思い出す物語。ありがちなダメ親父だったが、最後にはそれらしいことをする。
これ、いい話なのかな?
■ごめん
これまたすごい女性です。
不倫旅行中に夫が事故に遭って、意識が戻らない状態に。
その夫の通帳に毎月、見知らぬ先に振り込みが。
たったそれだけの手がかりでそこまで辿り着けますか?笑
そして、その金額がなぜ10,210円なの?
■夏を喪くす
これはちょっと重い話。
さらにW不倫!
夫とは冷えた関係にあった女に乳癌発覚。そして恋人とも疎遠な関係に。そんな中、夫にも女の影が。
順風満帆の仕事では仕事仲間が緑内障に..
そして彼女はふっきって覚悟を決める。
この女の人はどちらかと言うと嫌いなひとですが、このストーリーは好きです。
■最後の晩餐
これもよくわからなかった!
結局、ニューヨークのアパートの家賃を払っていたのは自分?
911と絡んでいるストーリー展開です。
解説読むと、大人の女性の物語とのこと。
四人の女性たちは決意が感じられる物語でした!