原田マハのレビュー一覧
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久しぶりのマハさんワールドを堪能した。
本当に惹き寄せられる。ハラハラする場面と心からホッとする場面のバランスが絶妙。今回も丸弧や紫紋の携帯の復活と同じようにブルッブルと心を震わされた。
完全に打ちのめされた紫紋が『尽果』で人生を逆転させていく。紫紋が女将さんとの約束を守り抜こうと葛藤する場面が何度も訪れる。「自分なら抑えられるわけない」と思いながら、一種の尊敬の眼差しで読み進める。紫紋とマリアの心の距離感が物語を深くしているように見える。将来、絶対一緒になっていてほしい。
食を彩るシーンは、人間の生きる素を見た。
尽果に行き着いた紫紋がまぐだら屋から漂う出汁の香りと和食から生気を取り戻していく訳だが、そのシーンだけでなく食べ物の描写が本当に心を温めてくれる。
最後はみんなが待ってる人がいる場所に戻って行った。終わり方までよかった。すべての伏線を回収した。それも穏やかな形で。こんなに完璧な終わり方あって良いのかと思うくらいだった。 -
Posted by ブクログ
『愛せよ。人生において、よきものはそれだけである』
本日は、お日柄もよく、心温かな人々に見守られ、ふたつの人生をひとつに重ねて、いまからふたりで歩んでいってください。たったひとつの、よきもののために。
──おめでとう。
2017年にWOWOWでドラマ化されていた本作。ずっと本棚で寝かせていましたが、積読消化少し進めようと思って、手に取ってみました。
『言葉の力』をテーマに、スピーチライター(スピーチ原稿の代筆者)という裏方の仕事を通じて、人と人との繋がりや社会を動かす言葉の可能性を描いたお仕事小説でした。
いやー、なんでこの小説こんなに寝かしていたんだろうってくらい、ほんと素晴らしいお話でした。
そしてこの小説を通して、自分自身もどう伝えればもっと響くかなとか、どう構成したら聞き手の注意を引けるかなとか、かなり勉強になる。
それに何より文体の美しさでお馴染みの原田マハ氏ですから。作品通して読み心地抜群のストーリーテリング。それも相まって、この物語のテーマ『言葉の力』を強く、本当に強く感じました。
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ロングセラーお仕事小説。
何度も泣けて読み返したくなる、
世代をこえて読み継がれる名作!
「言葉は世界を変える」
伝説のスピーチライターと彼女の言葉に魅せられた若者の物語。
会社員・二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。
ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。
空気を一変させる言葉に魅せられてしまった
こと葉はすぐに弟子入り。
久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!
目頭が熱くなるお仕事小説。 -
Posted by ブクログ
読み応えがあった素晴らしい作品
貧しく紡績工場で働く少女が作家になる 彼女を取り巻く人達が素晴らしい
クリスチャンで優しい父親
彼女に星(ステラ)という名をつける
岡山の宣教師のアリスは彼女を可愛がって英語と読み書きを教える
そして工場での仲間と理解ある上司の
もと彼女は小説を書く
いろいろあって東京へ
危ない目にあった時に助けてくれた
(はちまき)彼も一途でいなせな男性
そして書生として住み込みで
書くことを支えてくれた作家のイサ
そして大原孫三郎
絵と文学
人に素晴らしいインスピレーションを与えてくれる
大原家支えた石井十次も出てきた
現職の頃彼について学習した事もあった 懐かしい
ステラの生き方も素晴らしいけど
毎日をきちんと綺麗に生活する大切さを教えてくれる
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Posted by ブクログ
★4.5
私はひとり、座席の肘掛けに頰杖を突いて、人生の真昼でもなく黄昏でもない、けだるい午後三時あたりを、いまこうして旅をしている。
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やっぱり原田マハさんの文章が好きだ!
ひとつひとつの情景描写が好きだ
『さいはての彼女』『風を止めないで』 ★★★★☆
人間って自由であるべきだよなーって
純粋に旅に出たくなった
「それから……それから、どこまで走るんだろう。ずっと遠く、きっとさいはてまで、走っていく予定。」
『旅をあきらめた友と、その母への手紙』 ★★★★★
読み終えて、今、私は紅葉を見に行かないといけない、って直感の使命感を感じた
『冬空のクレーン』 ★★★★★
冬の、張り詰めた、でも澄んだ空気を、読みながら吸ってる感じ
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Posted by ブクログ
ー蠱惑的で邪悪で甘美な、どうしようもないエロス。
またマハさんに、やられました。
ぐいぐい引き込まれ、あっという間に読み手は19世紀末のロンドンへ。
晴れ間のないような空気の汚れた煙るロンドンにある母と姉弟のいる小さな1室が見えてきてきます。
画家のビアズリーと姉のメイベルの芸術に対する異様なまでの渇望の日々。
ワイルドとの出会いで変わっていく2人。
そして豹変して、止まらないメイベル。
「サロメ」なんて知らないし、この表紙の絵も知らない。
だけど恐ろしいまでに魅せつけてきます。
ぞわぞわする展開と、おぞましい程の力を持つ絵。
この絵に狂ってしまう人々。いつのまにかサロメが誰なのかに気付き恐ろしくなる読者。
ああ、でも気づいているのは読者だけ。
さすがマハさん。どこまでが本当のことで、どこからが違うのか分からないです。
そして何より恐ろしいのが、このサロメの絵。
異様な程の邪悪さと美しさと怖いもの見たさとで、全てが詰まっていて、信じられない世界観。
そして、この1冊に書かれていることは、この1枚の絵を見れば完結してしまうまでの物語性。
25歳で亡くなったビアズリーの末恐ろしさを感じます。