原田マハのレビュー一覧
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あまり人にベラベラと話すことはない人生の悩みがここに詰まっているように感じた。
「よく話に聞くね」なんてものはあまりないけど、実は誰もが共感できるというような話が描かれている。
個人的には、見えない境界に悩み、とても青く目に映る隣の芝生へ飛び込んだものの、上手くいかずに自分の芝生を懐かしむ菜摘や、
自分の人生に物足りなさのようなものを感じて大都会に足を伸ばしたものの、実は意地になっていただけで本当は故郷が自分に合っていることに気づくアイコの気持ちが痛いほどよくわかった。
私は最後の最後にあったこの一節が好きだ。
「私はもう、ひとりじゃない。でも、だからこそ、いまこそ独立しよう。ときおり寄 -
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ネタバレ我ら諦めずに良きことを行い続ける。させれば、やがて刈り入れの時を迎えん
人の話に耳を傾ける。誰であれ、その人自身の物語があるはずだ。それを受け止め、胸に刻む。自分のことは多くは語らない、自作の小説以上に多弁なものは無いのだから
私にとって、書くことは、生きること。 書くことをやめないのは、生きることをやめないから。書くことをあきらめないのは、生きることを諦めたくないから
生きとし生けるもの、一つ一つに命があり、個性がある。この世に1人として同じ人間はいない。それと、同じく、この世にたった1点の作品。マティスと言う人そのものが絵になった
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Posted by ブクログ
プロローグ
気付くとそこは1918年、夜のパリだった
何処かしこからジタンの紫煙が漂ってきて、
否応なしに鼻腔をくすぐる
懐からそっとロスマンズを取り出しデュポンで
火をつけた
セーヌ川沿いでは、複数のカップルがエッフェル塔のイルミネーションを肴に愛を語り合っている
この眺めは、100年前もそして今もさして変わらないのだろう
川沿いの広場には回転木馬がきらびやかなネオンと
共にゆっくりと上下しながら回っている
どの木馬に跨るか!?
数ある木馬は揃いも揃って一様に光を放っている
その中に一頭だけ地味な雰囲気とその独創性さを
醸し出しているそれに私は飛びのった
どうも、回転木馬 -
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ゴッホに憧れ青森から上京した棟方志功が貧困生活を経て世界的画家になるまでを、妻のチヤ視点で描いた作品。
私には棟方の物語であるとともに、夫婦の愛の物語のようにも感じました。
大好きな作品がまたひとつ増えました!読み終えて、棟方志功と妻・チヤへの愛が膨れ上がっています。
棟方はもちろんすごいのですが、チヤさんも本当にすごい。
ゴッホにおける弟・テオのように、日本の植物学の父・牧野富太郎にとっての妻・スエのように。
何事かを成し遂げた人だけでなく、献身的に支え続ける人の存在の大きさにも感じ入る読書でした。
夫を支えると決めたチヤの覚悟と愛。
良き友であり理解者である松木。
いくつもの「もしも」