原田マハのレビュー一覧
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いつも著名な「絵画」や実在の「画家」を中心に物語を創作される原田さん。できるだけ史実に添いつつ、適度な想像を織り交ぜ、感動的なストーリーになっているのだが、今回の主人公は架空の人物。明治末期から大正にかけて岡山で女工として働きながら、小説を書くことに惹かれ、周囲の助けもあって女文士として成長していく。主人公の山中すてらは架空だが、倉敷紡績の社長であり、大原美術館を創設した実業家の大原孫三郎や、大原の支援を受けて海外から多数の西洋画を日本もたらした洋画家の児島虎次郎、主人公とその父を支える宣教師アリス・ペティ・アダムスなど、周囲を取り巻く人物や時代背景には多くの実在の史実・人物が織り込まれている。小説家としての自分自身を気持ちを山中すてらに代弁させているかのように読めて、なんだか清々しい。
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美術が大好きなので、それにフィクションを混ぜて面白いのか…?と思っていたけど、澄んでいて美しくて力強い瑞々しい文章が詰まっていて本当におもしろかった。手にとって良かった。
ゴッホとそれを世界に広めた一助を担ったとされる林忠正の物語。フィクションだけど、歴史を学んでいるような気分にさせてくれるリアリティがあって、解説まで読んで林忠正がゴッホと接触した事実は確認できていないこと、主人公の加納重吉は架空の人物であることに驚かされた。原田マハさんの凄さに感嘆すると共に、大好きな作家さんになった。解説で『歴史的検証をした上で、架空の人物や出来事を巧みに挿入し、物語としての「真実らしさ」を作り出している』とあって、なるほどと思った。それが原田マハの凄さなんだろうな。
実在する人と作品と時間軸に、架空の人物を織り交ぜながら人生を作り上げるって本当にすごい。不思議な本だった。歴史としてはわからない箇所も多いだろうけど、こうだったら良いのにと思わせられる美しくて切なくて力強い人生が詰まっていた。(とはいえ、テオの妻ヨーによってゴッホの作品が世界への一歩を踏み出したんだとしたらヨーが逞しすぎるけど。調べた感じヨーと息子フィンセントの功績は大きいみたいで義兄のためにそこまでやれるのすごいな)
たゆたえども沈まず。いいな。私もまたフランスに行きたい。 -
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スピーチライターという馴染みのない職業を題材とした小説。
主人公こと葉自身が全くスピーチライターを知らないところから、言葉というものの魅力、引力、影響力に魅せられて、スピーチライターという世界に飛び込む。
その中で要なのがスピーチライターの師匠久美と幼馴染家族、初恋の篤志ともと議員の故篤郎。政治の中でも政権交代を目指した選挙を題材としていて、言葉が伝えるものの重要さ、見え方などがよく沁みる作品だった。
終始心に訴えかけるものがあり、涙が溢れるところも沢山あった。それも、親を亡くすという痛みが私にもわかるからなんだなというのを感じた。
恋の部分も少なからずあり、主人公自身のコミカルさも相まって、読みやすい作品。
結末がわかっていてもまた読み返したいと思える作品。 -
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ネタバレスピーチライターの仕事はやりがいがありそうで面白そうだなぁと自分の仕事と比べながら思ったりした。スピーチというと、昔から校長の話は長いなとか聞く耳もたなくなったりしてたけど、時には人を惹きつける力があって、数分でその人を尊敬するようになったり、人生が(考え方が)変わったり、すごく貴重な時間という事をこの本を読んで感じた。
主人公のこと葉がスピーチライターになる前から、活躍した後の話までストーリーも良かったし、政治は正直興味なくてあまりスピーチも聞いたことなかったけど、ちゃんと聞いてみると面白いんだろうなと思った。
実写化もあるみたいだから観てみよう
最後の久美さんのサプライズスピーチは涙出た。
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ネタバレ原田マハ。。!?作者買いをしたのだが、全然今まで読んだことある作品と違う、ずっとなにか欲のようなものがドロついているのを感じていた。若干気味が悪かったが、文章の力が凄すぎて止まらずに読み終えてしまった。そして、察しの悪い私は、ようやく271ページ目でそのドロつきの正体に気がついた。。。
うまく、ワイルドの「サロメ」のテーマを物語に落とし込んであると思う(まだ読んでいないから正確にはわからない。今日注文したので近々読む)。
最初は姉は人に承認される欲求が強く、その欲求の矛先が弟に向いているのかと思っていたが、どうやらそうではなかったらしい。そして、最終的にサロメ、恋に狂って愛する人を死に至らしめる狂人となっていく姉の姿に引き込まれた。
オーブリーはワイルドに踊らされていたのだろうか?ワイルドもオーブリーに並々ならぬ引力を感じていたには違いないだろうけど。。
それにしても、運命を感じている人に、「一緒に地獄へ行こう」と誓われるなんて、甘美すぎる。
もう一度読みたいと思わされる作品だった。 -
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ネタバレ朝に一編ずつ読みきるのにちょうどいい短さの短編で、手に取るのが楽しみだった。全編フェルメールに関するお話かと思ってたから2篇目でアレ?となった。真珠繋がりの洒落た構成。下北の喫茶店にいた人の名前に思わずエッ➖❗️と声が出た。エッセイを面白く読んだ記憶が蘇って、懐かしく…指輪のエピソードを確認したくなった。どの作品も解像度高い映像が浮かんでマハさんの言語化力に度々うならされた。とくにラストの真珠工場のお話の海の表現とかまるで眩しい光を見ているようなバーチャル体験を味わった。人物設定がマハさんならではだな、という感じでオシャレ。
真珠の工場の描写がとても興味深かった。
この本に影響されて久しぶりにパールのイヤリングを出して観劇につけていった。
真珠の耳飾りの少女が来日するタイミングでの出版。この表紙はインパクト大。