原田マハのレビュー一覧
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◎あらすじ
ニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーターであるティム・ブラウンは、ルソー研究者の早川織絵とともにバーゼル美術館に招かれる。
そこで目にしたのは、アンリ・ルソーの「夢」と酷似する「夢をみた」。
7日間という期間で、作品に関連する物語を読みつつ、「夢をみた」の真贋について、講評する。
ティム、織絵のうち、優れた講評をしたものに、「夢をみた」の取り扱い権利(ハンドリングライト)が得られる…
◎感想
展開、「夢」をもとにしたフィクションの構成、登場人物たちの絵画への愛情や尊敬、何をとってもよかった。
「夢」に描かれているとされる女性(ヤドヴィガ)が登場する作中の物語も好き!
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リボルバーの次に読んだ本。
ゴッホに関わる本を読むごとに彼らの解像度は上がっていき、今回またそれは増していった。
フィンセントとテオの関係性はなんとなくでしか知らなかったが、どの時期にどんなやり取りをしたか、フィクションではあるが知ることができた。
パリ時代、アルル時代、サン=レミ時代、オーヴェール時代という大きく分けて4つの時代の定着も自分の中でできてきた。
今作に出てきた林と重吉。浮世絵がどうフィンセントと結びついたのか疑問だったが、本当にこの本のやり取りがあったとするならば、スマートかつ面白い出会いだったと思う。実際にフィンセント達との関わりについてどんなものがあったかは史実にはないそうだが、本当にこの本に沿った出来事があったと疑わないできだった。
原田マハさんの、続きが気になるワードが出てきてすぐに場面転換という流れは、またかー。と思うが先が気になるページをめくる手が止まらない。 -
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原田マハさんの作品は、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『生きるぼくら』『たゆたえども沈まず』に次いで5作目になります。久しぶりに大いに感動し、泣かされました。
私にとって、間違いなく最も相性の良い作家です。
この作品は、2013年に出版された、日本初の女性総理大臣・相馬凛子の夫を主人公とした物語です。原田マハさんが描く理想の女性総理像なのだと思いますが、主人公の日和は右往左往するものの、「助言をしないのが、最大限の助言だと……僕は信じています」と、何もできなくても妻のそばに居続けることで、総理である凛子を安心させる存在となっています。
特に凛子首相の演説は秀逸で、『本日は、お日柄もよく』の久遠久美がスピーチライターとして登場していたことには、二重のうれしさを感じました。
出版から12年後の2025年、現実の日本でも高市早苗氏が日本初の女性総理大臣となりました。小説の凛子首相は大胆な政治改革を進めていきますが、現実の政治は小説とは当然異なります。『総理の夫』を読んだことで、女性が総理大臣として国を率いることについて、改めて考える機会になりました。今後の日本の政治がどのように進んでいくのか、見守っていきたいと思います。 -
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ネタバレ林忠正はテオの次にゴッホのファンなのだと途中まで思っていたけど、ゴッホを通して過去の自分を見ていたのだと思う。
早くお前もここまで辿り着け、お前ならできる、なぜなら自分もここまで来てるんだ、早く来い。そんな想いを持ってゴッホを見守り、接していたんでしょう。
林忠正は、仕事で成功してお金を手に入れただけでなく、サロンに招待されるような人間になり、フランス パリに認められている。一方でテオのような自分の半身のような存在はいない。重吉はあくまで部下、後輩という立ち位置なので半身にはなり得ない。
ゴッホは、仲間内にはその絵の価値を認められている、みんながこれは新しい絵だと衝撃を受け褒め称えるものの、世間には認められず、パリに拒絶され、お金もない、惨めな暮らし。でも自分の全てを信じてくれるテオがいた。
林忠正がゴッホにもなり得たし、ゴッホが林忠正にもなり得た。2人を分けたものはなんなのだろうか。
全部読んでから改めて冒頭にもどると、ああ、あなたはテオとヨーの息子だったのか、と思い知らされます。どんな思いでオーベルジュを訪ねたのだろう。 -
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現在、ちょうど半分まで読んだところでこの感想をしたためている。
一文一文が光を放つくらいに輝いているようで、読み進めるにつれ心が穏やかになっていくのがわかる。
きっと後半はさらに美しい文章が紡がれているのだろう。
山中すてらという架空の女流作家の人生。決して恵まれた生い立ちではなくとも心の清らかな人たちに育てられ、慎ましくも敬虔で、貧しくも心の中はとても豊かな女性の生きる道のなんと美しいことか。
幸せに生きるってなんだろう、と考えながら読んでいる。
大好きは原田マハさんの中でも一番好きな作品になりそうな予感。
土曜日の午後から後半を読むのが楽しみ。
後半を読み終えた。
前半とはまた違う展開で、すてらが飛翔していくストーリー。
人生、如才なく抜け目なく他人の成果さえ自分のものにしてやっていく人もいるが、私はすてらのように生きたいと思う。
すてらはきっとテイカーではなくギバーなんだろうな。他人に与えることが当たり前過ぎて、それをやめることさえ考えない。だから周りが突き動かされる。
人生って素晴らしい、そう思えるのはきっとすてらのように真っ直ぐに誠実に、無償の愛を持って生きているからなんだろう。
容易い生き方ではないが、人がよりよく生きるとはこういうことなんだろうなと思わされる作品でした。