原田マハのレビュー一覧
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明治から大正を生きる一人の少女が
人生の荒波に揉まれながらも
人々に感動を届ける小説家へと
成長していく物語。
途中、主人公の“山中すてら”に大きな影響を与える
ゴッホやセザンヌ、モネの作品が登場したり、
大原孫三郎と児島虎次郎、武者小路実篤、夏目漱石らと
相見える場面が描かれたりする。
極めつけは「劇中劇」ならぬ「小説 中 小説」が挿入されるなど
アートと小説とが見事に融合する力作となっていた。
読んでいくうちに
主人公の“すてら”がマハさん自身のように見えてくる。
これまで幾多のアート小説を手掛けてきた
マハさんだからこそ描くことのできる世界だから。
「書いて、書いて、書きまくらなけれ -
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感想。
マハが好きな友人に勧められ読み始めた。どんな感動の作品かと思いきや、事実とフィクションの混合作品であり、実際にネットで作品を調べながら楽しめる面白い観点があった。
たゆたえとも沈まず。これはパリのセーヌ川を流れる船のように、嵐のように荒れた日があってもやがて穏やかになることを表現している。これはフィンセントが1番描きたかった作品であり、『星月夜』に表現されている。
この作品を通じ、以前読んだ「存在のすべてを」とともに美術への関心が高まった。作品を見て自分がどんな感性で何を感じるのか気になった。
来週202601月西洋美術館に印象派の作品を見に行く。
ストーリー全体として、フィンセントの -
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北海道の北にある礼文島という離島で生まれ育ち、高校の修学旅行で初めて東京に来たときに、芸能プロダクションの社長からスカウトされ、「プロのアーティスト」とか「女優」の肩書を夢見ていたのに、デビュー直後のごく短い間だけは「アイドル」と呼ばれていたものの、最初から「タレント」と呼ばれ、次に「元アイドルのタレント」、そして最近では「売れないタレント」と呼ばれているアラサータレントの芸名「丘えりか」(通称:おかえり)が主人公です。
この芸能プロダクションに所属するタレントは「おかえり」ただ一人だけで、彼女が、唯一のレギュラー番組でスポンサーの名前を間違えて連呼したことから、スポンサーの逆鱗に触れて、そ -
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ネタバレ多少なのですがネタバレしないと何も書けないので、ネタバレ機能をかけます。
1910年(明治43年)5月。
岡山県倉敷から始まります。
幼い頃、母に見捨てられた山中すてらがやがて女文士となるまでのサクセスストーリー。
すてらは12歳で母に見捨てられ西日本ずいいつの紡績会社、倉敷紡績の工女として働き始めます。
すてらは社長の大原孫三郎に目をかけられます。
すてらには三つの好きなことがあります。
「読書」
「物書き」
「翻訳」
すてらには幼い頃教会でアリス・ペティ・アダムスという24歳の女性と出会い英語を学びます。
そして会社の「文化祭」ですてらは<回転木馬>という初めて書いた小説を読ん -
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病に倒れた最愛の父を支えるため、倉敷紡績で働く主人公のすてらが、モダンアートに心を打たれ、自身の道を定め生きていく物語。
書影があまりに好みで購入しましたが、内容は原田マハさんらしい素敵な物語でした。
明治から大正にかけて、女文士として生きることを決意したすてら。色々な苦境がありながらも、自身の生きる道をしっかり歩んでいくすてらの姿に、同じ女性としてとても励まされました。
作中に出てくるすてらが書いた手紙の内容も秀逸で、情感のこもった言葉たちに感情が揺さぶられます。
そして何より最高過ぎるエピローグ。切ないけれどあたたかい気持ちになれる読後感が最高です。
物語を読むことの楽しさを改めて感じる作