原田マハのレビュー一覧

  • 新装版 翼をください【毎日文庫】

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    ネタバレ

    原田マハ13作目。

    ストーリーが壮大で登場人物もあまりにも有名だったが違和感なくスッと入ってくる表現力、、。エイミーのただ真っ直ぐな思いが伝わるからこそ、自分がさせられていたことを知った時の悲しみや自分すらにも抱いたであろう嫌悪感を感じて苦しかった。残りの燃料がほぼなくなったあの数秒でエイミーが伝えたのは、私情ではなく世界に対するメッセージだったことが、エイミーの人間性を表していてグッときた。エイミーのことを労うニッポンの乗組員と、その思いを受け止めて消えたエイミーの絆、どちらの複雑な思いもとても伝わって感動した。

    原田マハの史実に基づいたフィクションやっぱり素晴らしい!

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    2025年10月01日
  • リボルバー

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    ゴッホが拳銃を受けて命を落としたのは、史実として知られている。
    しかし、誰が拳銃を撃ってゴッホの命を奪ったのかは解明されてなく謎のままになっている。
    原田マハさんの解釈でその謎を解き明かした本作は、サスペンスもありつつ、ゴッホの人柄やゴッホが住んでいた南フランスのアルルの様子が感じ取れ、歴史小説としても読めるようだ。
    現代に登場したゴッホの命を奪ったとされるリボルバーが、鍵となり現代とゴッホが生きた時代を繋ぎ、読み終わった時「ゴッホはどんな気持ちで絵を描き続けたのかな」と考察するほど作品の世界に入り込めた。

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    2025年09月30日
  • サロメ

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    サロメの演劇を描いたオスカー・ワイルド、その挿絵を描いたオーブリー・ビアズリー。
    ビアズリーの天才が故の苦悩や、ワイルドや世間の評価についての葛藤が読んでいてもどかしくもあり、応援したくもなる。

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    2025年09月30日
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)

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    マルティノと宗達の出会いから友情が芽生え、お互いを心の支えとしていくところがよかった。実際に「洛中洛外図屏風」「風神雷神」を観に行きたい。
    同じ時代に生きた日本の偉人同士が絵画を通じてつながていくところが面白い。こんなことが本当に起こっていたのかも、と夢が広がっていく。

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    2025年09月29日
  • 生きるぼくら

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    生きるぼくら。というタイトルにこんなに深くてあたたかい意味が込められてるなんて…。読み始めと読んだ後で、タイトルを眺めた時の心の高揚感が全然違う。
    自分の「人生」を放り出してた人生が、人との触れ合いと米作りを経て、生き生きと生きるようになっていく姿を見て心がふわっと温まるお話だった。

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    2025年09月29日
  • 板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh

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    風のマジムに続いて読んだ原田マハのアート小説.
    いやこれは…参ったね.勝負にならない完敗.読まされちゃったって感じ.

    主人公は棟方志功じゃなくて妻のチヤ.これがほんと効いてる.天才本人を主役にしちゃうと,頭の中を“それっぽく”再現したつもりの嘘くささが出る.でも隣にいた人の目を通すと,あの猪突猛進で純粋な志功の姿が自然に立ち上がるんだよね.各章の冒頭がチヤの様子から始まるから,舞台のト書きみたいに映像で再生される.映画にしたら絶対映えるやつだと思った.

    時は度重なる戦争の時代.そのただ中を生きているのに,声高に戦争を語らない.でも静かに,確実に「戦争を拒む」空気が漂っている.語らなさすぎて

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    2025年09月29日
  • 奇跡の人 The Miracle Worker

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    相変わらず、どの本を読んでも感動してしまう。素晴らしい小説だと思う 小説の良さである自分で体験できないことを疑似体験できること、疑似体験する価値のある物語 それを素晴らしい小説を使って伝えている著者の能力に感服する こういう小説を読むと他の人にもぜひ同じ感動を味わってほしいと思ってやまない

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    2025年09月28日
  • 楽園のカンヴァス

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    め〜ちゃくちゃ面白かった
    自分が美術史に明るくないからこそ、この作品のどこがフィクションでどこか史実通りなのか分からなくて読み進めるのが本当に楽しかった
    昨年末にMoMAに行く前にこの本に出会ってたかった…そしたらこの絵たちの目の前に立つ私の感情も違っただろうに…と戻れぬ後悔
    それでもこの本に描かれたような美術史だけでなく、作品やその作品にまつわる人々の話とか、そもそもそこに所蔵されることになった背景とか、もっともっと色々知りたいって思うようになった楽しい嬉しい
    仕事に生かせるかもだからって読み始めてみたけどこんなに面白いなんて、もっと早くに出会いたかった
    にしても、こんなに読書不足な私でも読

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    2025年09月28日
  • 暗幕のゲルニカ(新潮文庫)

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    ゲルニカを見に行きたくなった。人類はいつまで戦争続けるのか。原田マハの作品面白い、こういう本を読んでからマドリッド行きたかった。マドリット旅行で行って確かゲルニカ見たんだけど、なんも感動しなかった気がするわ。歴史的背景を知るって大事よね。

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    2025年09月30日
  • 20 CONTACTS 消えない星々との短い接触

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    秋になると原田マハさんが無性に読みたくなる。

    こちらはマハさんの著書の中で数少ない未読の本。
    この物語は、マハさん自身がマハさんに与えた
    ミッションとして物故作家20名に会いに行き
    お土産を渡しインタビューを試みて、文章にまとめ
    本にする。までがミッション。という想定
    勿論、最早会えない方達ばかりであるけれど
    まるで史実のような不思議な感覚に陥る。

    マハさんのアート小説はいつもそうだ。
    それがちっとも不自然じゃないから
    錯覚?!したまま読み終えることになるけれど
    いつもふわふわと幸せな余韻に浸れる。

    マハさんのアート小説が好き過ぎて
    取り留めのない感想になりますが
    近々ゴッホ展に出向く前

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    2025年09月27日
  • ゴッホのあしあと

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    ゴッホの歴史について、解説と原田さんの考察が書かれている。
    ゴッホが語られる際、狂気の人とか、可哀想な人、みたいに表現されることが多い印象がある。
    でも、それはやはり人の歴史というか、それだけの言葉では到底言い切れない色々があった。
    本作でも言われているように、少なくとも狂気だけではないし、可哀想なだけでもない、と思った。

    27歳で画家を目指したというのは驚いた。画家って小さい頃から夢見ているものかと思っていたけど、意外と大人になってから目指し始めた人多いのかな。

    パリという芸術都市で挫折を味わい、そこから離れる選択をした時の心情を思うと切なくなる。
    耳を切った話も、出来事だけ聞くとヤバい

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    2025年09月27日
  • まぐだら屋のマリア

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    そのときはいっぱいいっぱいだけど、時間が解決する、てこともあることを再認識しました。
    ごはんの描写が素敵で美味しいごはんを作って食べたくなりました。

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    2025年09月24日
  • 生きるぼくら

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    久々に本を読んで涙が出た。読んでいて蓼科の風景が頭に浮かび、旅心が湧いてきた。御射鹿池、ぜひ訪れてみたい。そして引きこもりの主人公人生の心の変化が読み取れて、心地よく読書が進んだ。ラストのお母さんへ届けるおにぎりのシーンに、涙が止まらなかった。

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    2025年09月23日
  • 板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh

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    棟方志功とその妻チヤの人生を、チヤの視点で描いた話。

    とにかくチヤさんが自立した女性でかっこいい。誰かを支えることができる人にはこういう強さがあるなと思う。
    そして棟方志功はどこかひょうきんで可愛らしいひとだった。
    エピソードにはくすっと笑えるし、家族愛にはジーンとくる。そのバランスがちょうどいい話だった。

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    2025年09月23日
  • さいはての彼女

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    なんなんだ!この読後の爽快感は,乗ったことはありませんが,ハーレーに乗るとこんな風を味わえるのでしょうね。

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    2025年09月23日
  • 独立記念日

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    色々な年齢と立場の女性たちが、それぞれ痛みを乗り越えながら前向きに再出発する短編。あの時の人がここで出て来るんだ!!と後半になるに従ってさらにワクワクします。また読み返して温かい気持ちになりたくなる一冊でした。

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    2025年09月22日
  • 暗幕のゲルニカ(新潮文庫)

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    自分の無知さ加減に嫌気を感じながら読み進めた。ピカソは有名だし奇抜な絵も知っている。もちろんこの作品はフィクションなのは分かっているが、1つの絵にこんなにもバックグラウンドがあるのかと興奮しながら読んだ。ゴッホの時もそうだが、著者原田マハさんから学ぶアート作品背景は私にとって膨大である。歴史も学べる。『絵』だけ見るだけなんて勿体無い!歴史的背景、人物的背景、なぜ名画と言われるか、もっと学ばなくてはならないこと、勉強しなくてはならないことが、たくさんあるなと感じた作品だった。
    ピカソが生きた時代と米国同時多発テロ事件、2つの時代が対になって進むストーリー。ピカソの強さが印象に残った。

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    2025年09月22日
  • 永遠をさがしに

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    心が温まるだけではなく、驚きや悲しみを感じられて面白い一冊。
    父と母が離婚して、父と2人(実際には父がボストンに行くので1人)で過ごすことになるかと思いきや、突然再婚相手だと言われた女、真弓と主人公、和音が2人で暮らすことになってからもう面白い一冊であることを確信した。
    そのあと、様々な困難等がありながらも和音と真弓の関係性が出来上がって良い3人家族になっていくのかと予想しながら読んでいたらそんな単純なものではなく、飼っていたカナリアが逃げたのは何故なのか、離婚した母、時依が何も言わずに突然居なくなったのは何故なのか、真弓が再婚相手の父について行かず和音と2人で暮らすことを望んだのは何故なのか

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    2025年09月20日
  • 板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh

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    これまでゴッホやピカソ(ゲルニカ)など海外のアーティストの物語ばかりだったが、ついに日本人の物語が!主人公は棟方志功。青森出身の売れない画家が、さまざまな出会い、特に当時の美術界の改革者たちとの出会いを経て大きく飛躍する。この本は、棟方の妻のチヤの目線から語られているところが新鮮。夫のために毎日墨をすり、売れない時代は幼子を抱えながら野草をつんで食事としていた。なんとも言えない感動の物語。

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    2025年09月20日
  • スイート・ホーム

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    再読です。
    ほんわかと優しいお話です。ショートケーキを口に運んだときのように、しあわせな気持ちになれる作品だと思いました。

    人を思いやる気持ちと、夢をあきらめない気持ち。両方を持ち続けていたいって、そう思いました。
    そして、自分の夢を叶えられるのは、周りの人たちが助けてくれるからこそなんだと、この本が教えてくれたんです。

    いっこおばさんのお話が、特に好きです!
    それと、奥手ながら芯の強い陽皆ちゃんが、とても素敵です。
    いや、でも、出てくる人たち全員がいい人たちでした!私も、みんなのように、大切な人の支えになれたらいいなぁ。

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    2025年09月19日