あらすじ
マネ、ドガ、ルノワール。誰もが知る「印象派」だが、モネの《印象―日の出》が「印象のままに描いた落書き」と酷評されたのがはじまりだ。風景の一部を切り取る構図、筆跡を残す絵筆の使い方、モチーフの極端な抽象化など、まったく新しい画法で美術界に旋風を巻き起こしたモネ。その波乱に満ちた人生を、アート小説の旗手が徹底解説。
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Posted by ブクログ
国立西洋美術館の印象派展に行くため、行きの電車で読んだ本。
モネは順当に売れていた印象ですし、特に苦労とかもなく画家をやれていたのではないかと思っていましたが、私生活は苦労されてたんだな〜。
この本では、印象派の成り立ちとそれに準えたクロード・モネの生涯を解説しています。
読んだ感想ですが、モネの懐の深さがすごい……。
自分のパトロンが破産したとして、多少の援助は礼儀としてするべき、それは一般的な考えだと思います。
でもモネは、自分も余裕がないにも関わらず、その後の一生まで養ってあげるという人の良さ。
なんて暖かい人なんだろう。
モネの柔らかいあの絵が大好きですが、人柄まで好きになりました。
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原田マハ自身の美術界へ足を踏み入れたきっかけ、題名通りモネの一生を世界情勢や実際足を運んで見た景色を交えて書かれていてとても分かりやすかった。
お金が無い中オシュデ家族を受け入れ、養い、妻が亡くなりそれでもオシュデ家族を養い続けた懐の広いモネを芸術家としてはもちろん人間としてももっと好きになれた作品。
1番印象に残ったのはモネが描いた「日傘をさす女」は3枚あり、一番最初に書いた絵は妻カミーユと子供をモデルとし、顔までしっかり描かれているが、2、3枚目に描いた絵では妻が亡くなり、第2の妻となったオシュデ アリスの娘シュザンヌをモデルとし、顔をぼかして書いてある。
妻が亡くなってから女性の絵をほとんど描かなくなったと書いてあり、やはり再婚してもカミーユを愛していたんだなあと思い素敵な人だと感じた。
あとは印象派は西洋美術の新しい道をひらいた派閥で、新しいもの、物珍しいものが好きだったらしく、鎖国が終わり日本の美術がヨーロッパなどに持ち込まれた時に浮世絵など日本の独特の文化を好んで、実際描いていた事が何よりも嬉しかった。
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モネについてだけでなく、印象派の成り立ちや18世紀頃の時代背景について幅広く知ることができて、面白かった。
自分が普段生きている街も毎秒変化しているんだと気付いた。
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なんとなく入った美術館でモネの睡蓮を見てから、
もう少しモネについて知りたいと思っていたところに、この本と出会いました。
文庫本にしては厚さは薄い方で手を出しやすいにもかかわらず、内容は濃く勉強になりました。しかも美術ド初心者の自分が読んでも分かりやすく、良い本に出会えたと思いました。
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先日初めて原田マハさんの作品「楽園のカンヴァス」を読破し、京都でモネ展が開催されていることからもう少しモネのことを知りたいと思い、二作目として本書を読んでみました。これまで画家の解説本などを最後まで読み切ることはなかったが、原田マハさんはモネの生涯を自分の体験などを巧みに交えながら描いていて、最後まで楽しく読むことができました。モネの作品などについてさらに深く知るには他の解説書などを読む必要があるかもしれませんが、自分にとってはこの本から得られた知識だけでも十分にモネ展を楽しむことができるのではないかと期待しています。(残念ながら体調不良でモネ展へ行くことは延期に...)
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モネ展を観に行き、興味がわき、読み始めました。薄くて、通勤の行き帰りの楽しみとなりました。モネの人柄や家族、周囲の人たち、自身の生活を大切にされていたことがわかり、さらに深くモネについての本を読みたくなりました。
そして、オランジュリー美術館、ジヴェルニーの邸宅と庭園に行きたいと強く思いました。
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絵の没入感や光や草花の描写の方法など、これまで言葉にならなかったモネの良さが腑に落ちた。
セーヌ川、ジヴェルニー、モネ家の庭・ダイニングテーブル、モネの暮らしや見ていたものがグッと近くに感じられた。いつか本物を見たい。
そして、友だちを訪ねる気持ちでアートに会いに出かける。ああ、幸せだなあと、しみじみ思える。
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どうして人はモネの絵に惹かれるのか…
筆者が辿るモネのあしあと。
私はアートにはもちろん詳しくない。
画法とかそんなの全然わからない。
それでも惹かれる理由
読みながらなるほどと納得。
旅の楽しみ方やチケットの買い方まで
具体的に載せてくれてるので
もしこれから先フランスに行けたら
絶対この本を持って私も
モネのあしあとを辿りたい。
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先日モネを観る機会があり、もっと深掘りしてみたいと手に取ってみた。印象派の源流から、モネが睡蓮に辿り着くまでの作品の事、モネの晩年までの足跡までギュッと凝縮されていて是非観に行く前に読んで欲しい。私達が無条件にモネに惹かれる理由がよくわかった。
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最近モネに興味を持ち、とにかく気軽にモネに触れ合ってみたいと思い手に取った一冊です。絵画題材に小説を書いている作家、原田マハ先生の存在を初めて知り、心躍らせながら読み始めました。
モネに関してだけで無く、絵画の楽しみ方まで教えてもらいました。絵画見方を変えられたと思います。
とにかくフランス旅行に行きたくなりました⭐︎
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昔東京でやっていたオルセー美術館展で初めてモネの「かささぎ」を見て、なんて綺麗な光なんだ、と雪の日の朝を思い出して涙が出そうになった。(雪国出身ではなく、むしろ雪降らない都市育ちなのに)
そこからしばらくの年月を経て、最近改めてモネを知ったことで、もともと好きなマハさんがモネについて書かれた本書を読んでみた。
なぜ私がかささぎや他のモネ作品で涙が出そうになるのか、マハさんの見解で理解ができた。
いつかフランスに行って、私もモネのあしあとを辿ってみたいな。
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パリ旅行の行きの飛行機で読んで大大大正解でした!
フランスに行く人で、少しモネに興味があるけれど触り程度しか知らない、もっと知りたい!っていう人、興味はないけど美術館に行く予定がある人、というかパリに行く人全員に、パリ行きの飛行機で読んでみてっておすすめしたい本です!
しっかりとパリ歴史的背景からモネの生涯を描く一方で、その軽妙な語り口がどんどんページをめくらせてくれる本です。
読んでいると、パリの街がどのようにできあがり、どのように美術と関係してくるのか、飛行機の中でこれから訪れるパリという街に心の奥底からわくわくしてきます。
何倍も何倍もパリステイが楽しくなりました!
これを読んでからオルセー美術館、モネの美術館を巡れてすごく幸運でした⭐️
Posted by ブクログ
この著者の本はよく読んでいるので、読んでみた。
画家のモネについて、生涯や題材などについて紹介し、見られる美術館も紹介している。
モネをひいきにしてくれていた富豪家族が、破産した後に転がり込んできて長年同居していた、というのは驚きだった。結局家族になったのだから、お互いに認め合えるところがあったのだろう。そういった背景を知って絵を見るとまた違った見方ができそう。ジヴェルニーにもいつか行ってみたい。
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西洋のアカデミーでは大切左右対称さが大切とされていた。神が作りしものには、美しさ(人間の体が対称ということから)が求められていたのだろうか、
ただ、日本人は、余白・曖昧さを好み、屏風絵や、襖絵からも感じられる
印象派はまさに、曖昧さを描き抽象的であるため、日本人に好まれるのだろう。
風景を切り取って、あえて左右非対称で撮ることに、なんの違和感もないのは
カメラで写真を撮ることで風景を切り取り保存することが普通となった現代ということも、関わっているのだろう。
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去年、何も知らずモネ展に行き、彼の色使いやタッチに引き込まれ、絵の中に入っていくかのような感覚に陥った訳を、この本による解説を読んで納得できた。
悲しみに打ちのめされても、ある自然の出来事との遭遇をきっかけが原動力となり、突き動かされていくモネ。全て同じ時はないと、変わりゆく景色に見出され、描き続けていくモネ。悲しみや苦しみがあっても、それらを表現することはなく、絵を描くよろこびを、変化していく美しさを描きたい伝えたいという気持ちが、絵を通して私たちの心を大きく動かし、風を吹かせるのだろう。
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マハさんが「ルソーのこういうところが可愛い」と言われてるのが、ちょっとわかるようになりました。今作のタイトルにあるモネだけでなく、他の巨匠に対しても親しみを持って、生み出された作品に対して接しているのを感じ、なんだか楽しい気持ちになりました。
モネの人生や、同じ時代を生きた作家についてより深く知ることができ、教養としても良い一冊でした。
紹介されてた美術館にも足を運んでみたいと思います。
「モネの朝食」も気になります‥。
この一冊で完結するのではなく、私の次のアクションに繋がる出会いを与えてくれる素敵な本でした。
Posted by ブクログ
あーーー、エッセイかーーー!
ってなりました。元々苦手なので。
でも、マハさんのことばっかりという訳でもなく、世界の美術館の事を多く書いてくれてたから楽しかった!こんな薄いしちっちゃいんか(1冊が)っていう印象もでかい笑
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モネ展に行く道中に読み終わった一冊。
この一冊を読んだ後にモネの作品を見られるなんてとても贅沢な時間を過ごすことができた。
モネが見てきた情景はどんなだっただろうと思い返しながら、そして訪れたパリの景色や空気も振り返りながらマハさんを通してあしあとを辿ることができた。
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モネ展を観に行った後、もっと知りたいなと思い本を探していたら、マハさんのこちらの作品を見つけて読んでみました。
モネが生きた時代について、印象派とは何か、モネの人生、という構成でとても読みやすかったです。
原田マハさんのアートへの、モネへの、愛をひしひしと感じて、私も美術の沼へ引っ張り込まれそうです笑
日本美術の影響を受けていること、
草や花に命が宿っているように描くこと、
日本人である自分は遺伝子的にモネの作品に心惹かれるのかもしれない。
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原田マハさんによるクロード・モネの解説本。
非常にモネへの愛情に溢れた内容だった。
ちょうど来月から京都の美術館でモネ展があるので、行ってみようと思う。
「ジヴェルニーの食卓」を含む連作小説を読むのが楽しみ。
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先日モネ展に行って、「セーヌ川の朝」の連作がハッとするように
美しかった。
空も水面も、木々の緑も光を受けて、柔らかな空気を纏っていた。
あんまり良かったから、マハさんの本で追モネ。
印象派の成り立ちから、モネの晩年まで。
あしあとを辿りながら、私たちがモネに魅了される理由を紐解いていく。
巻末のマハさんの「モネのあしあと案内」が素敵すぎて、
心がフランスに飛んでいった。
いつかオランジュリー美術館の睡蓮を見てみたい。
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モネの人生や絵画への向き合い方に迫りながら、
実際の絵画を詳しく見たり思い出の地を巡る構成。
色が花開くように
想像を膨らませて読み進めることができたので、とてもワクワクしながら楽しめた!
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マハさんから見たモネの姿が語られている、それだけでうれしい。私は「ジヴェルニーの食卓」が大好きなので、思い出しながら楽しく読んだ。
パリに戻りたくなるけれど、
まずは国内の美術館からゆっくり巡って行きたいなあ
"ゴッホのあしあと"の方が幾倍も好きなので、評価は4で。
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初めて読む原田マハさんの作品。アート小説ではなく、クロード・モネの解説本。
先日、モネ展(モネ 睡蓮のとき)を観てきたので、モネの絵が生まれた時代背景やモネの人生について知ることができてよかった。約150ページと短めなので、短時間で読めるのも良いですね。
オランジュリー美術館でモネの睡蓮を初めて見て、それからモネのファンになりました。以前、行ったのは30年以上前なので、彩光などが違ってるようですね。いつかもう一度、オランジュリー美術館の睡蓮の間を再訪してみたいです。
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印象派に日本の美術が与えた影響が書き記されている。浮世絵は確かに荒波の力強さや、富士山の雄大さ自体を描き、降りしきる雨や光自体を描いている。けれども「自然の美しさに西洋の風景画が気づくのは意外に遅く、純然たる風景画は十八世紀にならないと登場しません。」だそう。
「モネは花や木を、命が宿っているように描きます。それは日本人の感覚と似ています。私たちは巨木があれば尊さを感じ、日向に小さなスミレの花が咲いていれば話しかけたくなります。そこには自然の中に神や命が宿るという、日本古来の自然観が染みついています」
我々日本人は自然は御するものではなく、あらがわずに神に祈り、調和するという価値観を生まれながらにして持っている。
先人たちの先見の明のお陰で、日本には優れたモネの作品が多くある。その恩恵でモネの絵に慣れ親しむことが出来る土壌がある。
「モネの見た自然の美しさ」を感じ取る力が元々備わっていて、それを育む土壌がある。そんな事を教えてくれた本。この本を読んでモネを見に行ったらまた、新たな感情でモネの絵と向き合えると思う。
「ジヴェルニーの食卓」も読もう。
そして、いつかフランスに行って、朝のオランジュリー美術館を訪れよう(ここまでモネの特別な美術館だとは知らなかった)。自然光のさす中で決して閉じることのない睡蓮に囲まれて、「美しい自然を描けるモネの喜び」を感じたい。チュイルリー公園で芝生に座ってサンドウィッチを食べてマルモッタン・モネ美術館にもお散歩したい。シヴェルニーに出かけてそば粉のガレットとシードルも頂かなくては。
「世界が完全に閉じてしまったいま、この瞬間、それでもモネの睡蓮は花を咲かせている。そして、決して閉じることはない。その事実に私は胸打たれた。どうしたって起きてしまう人生の不幸、避けられない災厄、世界を覆い尽くす不穏。それらに抗って睡蓮は花開いている。クロード・モネは、自然の摂理にままならぬ人の営みを重ね合わせて、大丈夫、いずれ花は咲くのだから ― と、諭してくれているのではないか。そう気がついて私の心に希望の灯火がともったのだ。」あとがきにあるこの一節を読んで期せずして涙が出た。
今、日本に来ているモネの絵を見に行こう。
作品に宿るよろこびを感じに行こう。
そんな事を思わせてくれる作品でした。
Posted by ブクログ
私もモネの絵は好きです。 でもどのような人生をだったのかとか時代背景については知りませんでした。 この本の原田さんの言葉で最も印象に残ったのは「モネの絵を見て不幸せな気分になる人はいません。苦しみや悲しみを作品にしないという覚悟がモネにはあったのではないかと思う」です。
Posted by ブクログ
絵画について全く知らなかったけど、モネって画家については聞いたことがあったし何となく見たことはあった。
実際にどうゆう人なんだろう、どうゆう背景があって作品を作り上げたのかが何となくわかったようで面白かったです。