原田マハのレビュー一覧

  • 翔ぶ少女

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    あとがきの「悲しみは治すものではなく、抱えていくものなのだ」という医師の言葉が、読み終えたあとなら、どんなときでも生きる希望を持って抱えていくものなのだと心に響いてくる。
    中学生の頃に阪神大震災を経験した私には読むのが辛い場面がたくさんあったけれど、この作品と出会えよかったと心から思った。

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    2024年09月21日
  • デトロイト美術館の奇跡(新潮文庫)

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    ネタバレ

    大好きな原田マハの作品
    実話を元にしたフィクション。

    自動車会社で40年溶接工として働くアフリカ系アメリカ人の男性フレッドが不況で解雇
    パートタイマーで働く妻が「私の夢はあなたとデトロイト美術館に行くこと」励ます
    彼女は工場で働いたり、皿洗いやレジ打ちの慎ましい生活の中で、時々1人で地元のデトロイト美術館を訪れるのを楽しんでいて、セザンヌの「マダム・セザンヌ」を「私の友達」と呼び、この場所を「私の友達の家」だと夫に紹介。美術は全くわからないけれどけれど、妻にそう言われて、彼もここが大好きになった。
    そんな矢先、彼女が病気で亡くなり、生きる気力がなくなった時も、デトロイト美術館を訪れて、「マダ

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    2024年09月20日
  • リーチ先生

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    原田マハさんのフィクションとノンフィクションを見事に組み合わされた物語の手法には、いつも驚かされ、引き込まれる。長編だけど、引き込まれて一気に読んでしまいました。

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    2024年09月15日
  • リーチ先生

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    ネタバレ

    最初、割と可愛らしい表紙だったので、コメディっぽい話なのかと思ったけれど、バーナード・リーチという陶芸家のお話だった。

    やっぱり原田マハさんの小説は良い!

    というのが読み終わった…あとの感想。
    芸術っていうのは冒険なんだな、と思った。
    登場人物が、純粋に芸術という憧れを追い求めていくからこそ、読んでいる私もハラハラドキドキしてしまうんだろう、きっと。

    日本に帰ってから、結局リーチに合わずじまいで、名も無い花として九州に骨を埋めた亀之助。
    日本に帰ったあとの亀之助の人生は小説には書かれていないけども、濱田と別れてから亀之助は何を思って各地を彷徨い、どういう気持の変化があったんだろうかと考え

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    2024年09月13日
  • 太陽の棘

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    心が震える作品。過去の大切な時間を想うときの心がチクっとするような切なさ、まさにそれがこの小説に詰まっている。

    プロローグでは医師エドが沖縄で仲間と過ごした日々に思いを馳せるが、本編を読むとエドの過去を追体験をするので、必然的にまたプロローグを読み返して改めて感慨に耽りたくなる。

    この小説の良いところは、特に大事件が起きる訳でもなく、ページ数も少ないのだけど、エドが芸術家たちと触れ合う日々を追いながら読者にも特別な時間の流れが感じられること。
    最後は胸がいっぱいになり、涙がとめどなく流れた。
    こんな思いを体験できるなんて、だから読書はやめられない。

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    2024年09月10日
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)

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    マハさんの美術歴史ものおもしろくないはずもなく。ロマン溢れる。ワクワクする!!どんどん読める!絵を描くシーンはどれもホントに胸が熱くなる
    なんで自分はどこにも行けないなんて思っているんだろう…って考えさせれる


    宗達もマルティノも永徳もいいが
    織田信長の存在感、凄い
    この人の好奇心、野望がなかったら日本の文化は大きく変わっていたのでは?と思わせる
    文化芸術面での織田信長の功績もドでかいだなあ

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    2024年09月07日
  • 風神雷神 Juppiter,Aeolus(下)

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    数ある名画を残した巨匠たちとの出会い、やりとりが歴史的瞬間を目撃しているようで、終始ストーリーに没頭していた。

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    2024年09月07日
  • フーテンのマハ

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    久しぶりに読んだマハさんの本、気楽に面白く読み終えることができた。
    本の中に出てくる挿し絵はマハさんが書いたのだろうか?
    ぼよグルが楽しそうでいいなと思うけど、
    私にもそんな友がいて、北海道から中国、四国まで一緒に旅をしたが、九州まで行けるかどうか?
    マハさんへ希望として、アート小説は私には重すぎて、もっと気楽に心温まる小説を書いてほしい!

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    2024年09月03日
  • モネのあしあと

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    パリ旅行の行きの飛行機で読んで大大大正解でした!

    フランスに行く人で、少しモネに興味があるけれど触り程度しか知らない、もっと知りたい!っていう人、興味はないけど美術館に行く予定がある人、というかパリに行く人全員に、パリ行きの飛行機で読んでみてっておすすめしたい本です!

    しっかりとパリ歴史的背景からモネの生涯を描く一方で、その軽妙な語り口がどんどんページをめくらせてくれる本です。

    読んでいると、パリの街がどのようにできあがり、どのように美術と関係してくるのか、飛行機の中でこれから訪れるパリという街に心の奥底からわくわくしてきます。


    何倍も何倍もパリステイが楽しくなりました!

    これを読

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    2024年09月01日
  • 夏を喪くす

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    中、短編の4篇・・・どれもどれも・・・
    最後のほうは(2編)昔々洋画ばかり映画館で見ていたころの‥スクリーンを見ているようでした。この作家さんはきっと私がさらに好きになっていきます。

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    2024年09月01日
  • 〈あの絵〉のまえで

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    マハさんの物語りに触れていると、全く興味のなかった絵画の世界に引き込まれてしまう!絵を見る一人ひとりにも、物語りと人生がある。それは私も。世界を広げてくれて幸せ!クリムトのシールを100均で買い漁りました(^^)

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    2024年08月25日
  • 原田マハ、アートの達人に会いにいく

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    山田洋次、谷川俊太郎、安藤忠雄、美輪明宏などの著名人からあまり知らなかった偉大な人々との対談集。33人の方にマハさんがインタビューした内容がかいてあるが、どれも内容が濃い!みなさん、1930年代、1940年代の方々ばかりなので、それぞれの人生の生き様が語られていて何度も読み返したくなる貴重な本た。美輪明宏が三島由紀夫に口説かれたとか江戸川乱歩はお店の常連客だったもか歴史的な人との交流エピソードも面白かった。

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    2024年08月24日
  • 小説 星守る犬<新装版>

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    わたしはいつも愛犬の遺骨を持ち歩いている。
    小さなカプセルに入ったそれを、どこに出かける時も鞄に入れてて、寝るときは寝室に持っていく。ちょっとポストに投函に行くだけでも「おさんぽしよっか」と声かけて“連れて”行く。
    時々、こんなんじゃ愛犬たちにとって重いだろうか?気がかりで成仏できないだろうか?と迷うこともあったけど、これを読んで、きっとうちのコ達も「ずっと一緒に」いたいはずだと思えた。留守番は好きじゃなかったし、車に一緒に乗れば喜んでくれたコ達だから。
    恥ずかしながら、「星を守る犬」という言葉の意味を初めて知りました。

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    2024年08月21日
  • スイート・ホーム

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    ネタバレ

    大阪・梅田から電車やバスを乗り継いで、いくつかの角を曲がると、赤い屋根、クリーム色の壁、チョコレート色のドアのそばに大きな金木犀が目印の小さな小さな洋菓子店、その名も、「スイートホーム」。
    そこで過ごす家族の物語やその家族に関わっている人達の物語だった。

    パティシエの父、看板娘の母と姉妹の4人家族。
    毎年秋になると、スイートホームの前で家族写真を撮ることが恒例となっていた。

    月日が過ぎていき、姉が結婚し、義理の母が同居し、姉の家族に子供が生まれ、妹が結婚し、妹の家族にも子供ができた。
    そんなこんなで家族写真のメンバーが増えていく。

    それだけでも ほっこりするのに、そのスイートホームの人達

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    2024年08月17日
  • ジヴェルニーの食卓[電子特別版]

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    情景が浮かぶきれいな言葉。何と言ったらいいか迷うものをスンと言い当てて来る。美術には明るくない、勿論本書に出て来る人達は名前以外に知る事は多くないのだが、こうだったらええなと思うことがある。あと画像検索したらヴェール・ヴェールが思ったよりも緑。

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    2024年08月14日
  • 異邦人

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     「異邦人」とは誰のことを指すのでしょうか?
     読んでいる最中、私は屏風祭りで外から展示物を見る1人の観光客でした。物語は私たちには遠いような近いような、全てを目に焼き付ける傍観者の視点で進みます。
     一年をかけて菜穂と一樹を取り巻く環境・心情の変化を追っていきます。一年を追うことで、登場人物のことをよく知る人物であったかのような、親近感を覚えました。それぞれがどのように人生を歩むのかを、花が咲くのを楽しみに待つ老人のように、またやっと食べられる美味しいご飯をかきこむ子供のようの読み進めていました。ページを捲る手が止まらないです。
     京都の桜散るある日、蒸し暑い夏、紅葉の綺麗な秋、凍えるような

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    2024年08月13日
  • リボルバー

    QM

    購入済み

    おもしろい

    ミステリーを楽しむと同時に美術史の勉強にもなる1冊だった。今やこんなに有名なゴッホ、ゴーギャンにそんな過去があったなんて。ゴッホ、ゴーギャンの実際の作品を見てみたいと思った。

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    2024年08月07日
  • お帰り キネマの神様

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    実は、平山夢明さんの読もうとしてたんやけど、思わずこれに目がいって…(^◇^;)

    「人生でわかんないことがあったら、映画を観ろ。答えはぜんぶ映画の中にある」
    個人的には、本も加えて欲しいとこやけど、「キネマの神様」なんで…

    やっぱり、映画化されると小説も大幅に変わるんやな。作者の想いもくみながらも、やはり監督の想いも入るもんな。
    それで、良い映画ができれば良いんやろな。
    小説の作者も納得してなんやし、更に良し。

    更に更に映画化された「キネマの神様」を作者がノベライズ。こういうWin-Winの関係なら良い。クリエイティブとはいえ、小説と映画が別物で、作ってる人をそれぞれがリスペクトできる関

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    2024年08月06日
  • 〈あの絵〉のまえで

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    2024.6

    ひろしま美術館のドービニーの庭
    地中美術館のモネの睡蓮のための部屋

    どちらも私にとって大切な場所なので
    なぜもっと早く読まなかったんだろうと思った
    ずっと大切にしたい作品
    泣きながら読んだ

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    2024年07月29日
  • デトロイト美術館の奇跡(新潮文庫)

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    ネタバレ

    物語をきっかけとして自分の好きな場所や好きなものがあって、それに関わる人たちを想像して描かれてるのかな?と。
    裁判長の頑張りによる結果は正直どうでもよくて、貧乏な老人と、もっと前を生きた老人のふたりが愛したマダム・セザンヌを巡る想いが素敵だった。

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    2024年07月26日